幹事クリタのコーカイ日誌2007

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6月12日 ● 流れを掴むワンプレー。

 日曜日に今年はじめてナゴヤドームに行ってきました。千葉ロッテ戦。一昨年のチャンピオンチームで、今年も好調にパ・リーグの首位を走っています。今の中日は故障者続出で開幕時に比べるとかなりメンバーが落ちてきています。状態は決して良くないだけにロッテ相手のこの試合は厳しいと思いました。

 先発の中田はかなり不安定で、ボールが定まりません。それでも失点を最小に抑えて踏ん張っていました。攻撃陣は初回に主軸が連打で3点をもぎ取りましたが、後はずっと沈黙。追加点が入らないまま追い上げられて、ついに7回表3対2と1点差になった時にはドームの中日ファン全員がイヤなムードに包まれました。

 しかし、そのムードを打ち破ったひとつのプレーがありました。英智が放ったレフト前ヒット。ロッテの左翼手ベニーが緩慢な動作でセカンドにボールを返球しようとするその時でした。打者走者の英智が1塁を回ったところから一気に加速して2塁に向かったのです。僕は1塁を踏んだ時点で英智がスピードを落とさなかったことに気づいて注視していたのでよくわかりました。英智はベニーが山なりのボールを返球するのを確認して猛然と2塁を目指したのです。

 それからロッテ守備陣が慌ててもどうしようもありません。猛スピードで2塁を陥れようとする英智が滑り込んだ後、のんびりとベニーの送球が2塁手のグラブに戻ってきました。かつて1987年の日本シリーズ巨人vs西武戦で西武の辻がセンター前ヒットでファーストからホームまで戻ってきた走塁を思い出しました。あの時の巨人のセンターはクロマティ。緩慢な送球は日本に来た外国人外野手のお家芸でしょうか。

 この後、中日は次打者谷繁の見事なタイムリーツーベースで貴重な1点を追加。9回は岩瀬がピシャリとロッテ打線を封じて勝利を手にしました。英智のあの走塁がイヤな流れを断ち勝利を呼び込んだのです。

 テニスをしていても「流れ」があります。相手のペースで試合が進むと、何をやってもうまくいきませんが、逆に流れがこちらに来れば楽にゲームが取れます。それもしばしばワンプレーによって流れがあちらに行ったりこちらに来たりするものです。

 掴んだ流れを手離すのは驕りと油断。流れを引き戻すのは英智のような果敢で失敗を恐れない攻撃的なプレーです。野球を見ていて、自分のテニスにも生かせるなと心にメモした一瞬でした。


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