幹事クリタのコーカイ日誌2006

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1月30日 ● 全豪オープンテニス終わる。

 全豪オープンテニスが終わりました。2年前には現地まで見に行った親しみのある大会だけに、もともと見る気は満々だったのですが、それに加えて今年は肉離れをした翌日から始まったということで、テニスできない鬱憤を観戦することで少し晴らしていたようなところがありました。WOWOWのアナログ放送全中継の9割くらいは見たんじゃないかと思います。

 今回もっとも印象的だったのは前にも書いたマルチナ・ヒンギスの復活でしたが、次に印象的だったのは女子の優勝者アメリー・モレスモーと、男子準優勝のマルコス・バグダティスの活躍です。もちろん優勝したロジャー・フェデラーのテニスも素晴らしいと思いましたが、どちらかと言うと、準々決勝以降の苦戦の印象から、フェデラー帝国にも綻びが見えた気がしてしまいました。

 そのフェデラーを脅かしたバグダティスですが、老けた外見とは違って実はまだ20才の若造です。そのテニスの特徴はライジングで叩く強烈なストロークショット。フォアもバックも攻撃的で、予測よく相手のショットを待ち受けてカウンター気味にベースラインの内側から攻めていく姿は「生きた伝説」アンドレ・アガシを彷彿とさせます。相手の時間を奪う展開の速いテニスですから、クレーでもハードでも有効でしょう。

 ロディックやナルバンディアンといったトップ10選手を破り、フェデラーに対してもあれだけ押し込んだのですから、今後どこまで成長していくかとても楽しみです。新しいスターの登場は、女子に比べて話題の乏しい男子テニスにとって朗報でしょう。

 女子のモレスモーの優勝は「ようやく」という言葉がぴったりです。1999年の全豪で準優勝しながら、長らくグランドスラムでは決勝にすら進むことができませんでした。大一番に弱いという評判をようやく覆して勝ち得たタイトルです。これで大きな壁を突き破ることができただけに、今年は一気に他のグランドスラムでも優勝するかも知れません。

 そのモレスモーですが、実は優勝するまでに何と3回も相手の棄権によって勝っています。特に準決勝のクライシュテルス戦、決勝のエナン戦がともに棄権で勝ったというのは彼女自身複雑な心境でしょう。せっかくのグランドスラム初タイトルにケチがついたような感じだと思います。

 ただ本人も言っていましたが、今のグランドスラムで優勝するにはフィジカルもメンタルも完璧に仕上げてくることが大切だということです。2週間の長丁場であり、しかも全体のレベルが底上げされているので、どこかに不安を抱えたままでは最後まで勝ち切ることができないのです。クライシュテルスは足、エナンは肩を当初から故障していました。それを騙しながらずっと戦ってきたけれど、結局最後はそれがアキレス腱となってしまったわけです。

 さて、次は初夏のパリで行われる全仏オープンです。クレーコートのスペシャリストたちの祭典ですが、年間グランドスラム制覇を狙うフェデラーが果たしてスペシャリストたちに勝てるかどうか、そして復活したヒンギスがまだ唯一獲得していない因縁の全仏のタイトルを取れるかどうか、楽しみの多い大会になりそうです。


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