この日心配したように、セ・リーグ首位を突っ走っていた中日が泥沼に陥っています。セ・パの交流戦に突入してからこの１０試合で２勝８敗、勝率はなんと楽天以下（楽天は交流戦２勝７敗、通算で今季.214）の２割。最大で１１あった貯金も５まで減らしてしまい、２位とのゲーム差も4.5が1.0に。惨憺たる結果です。

　両リーグ通じてこれだけ交流戦で負け越しているチームは中日だけ。いくら首位を走っているからパ・リーグ各チームがマークしてきたとは言え、それなら注目度の高い巨人や阪神だって大差はないはず。やり慣れていないチーム相手に適応する力がないのか、スコアラーの能力が低いのか、指揮官が無能なのか、いずれにしても情けない話です。

　ただ、この１０試合というのは、あのタイロン・ウッズが出場停止になっていた１０試合でもあります。不調とは言え、チームで唯一と言ってもいいホームランバッターが欠場してしまえば、打線に迫力がなくなるのも当然。ウッズの穴を埋めようと、立浪や福留やアレックスが力めば逆に相手バッテリーの思う壺。いくら強力投手陣を抱えていても、ピストルだけの貧打線ではいかんともしがたいものがあります。実際、この１０試合でホームランわずかに４本。もちろん両リーグ通じて最下位です。

　さて、そのウッズがいよいよ復帰してきます。交流戦はまだまだ６月中旬まで続きますが、ここから中日が巻き返すことができれば、不調はウッズが欠けていたせいですし、ウッズが復帰しても相変わらず交流戦では勝てないようなら、それはスコアラーを含めたスタッフの責任でしょう。いずれにしても、このままズルズルといってしまうようだと、確実と思われたリーグ連覇に黄信号（まだ首位ですから赤信号とは言えません）が灯ることになりそうです。