相変わらずＭっちゃんは「雌豹」さんと交際を続けているようです。毎週末、雌豹さんは子どもを両親に預けて、Ｍっちゃんと近隣に日帰りドライブデート。ちょっとした観光をして帰りにラブホに寄って夕方に戻ってくるというワンパターンらしいのですが、たまに時間がないとラブホにも行かないそうで、Ｍっちゃんも枯れてきたものです。

　ところで先日Ｍっちゃんが得意気に語ってくれたのが雌豹さんへの「プレゼント攻勢」の話。何でも最近Ｍっちゃんは雌豹さんに会うたびに1000円程度のプチプレゼントを渡しているんだそうです。「これはポイント高いよぉ」と実に自慢気。口説いている最中ならともかく、今さらポイント上げてどうすんだよ、という気はしなくもないですが、釣った魚にも餌を与える姿勢は、従来のＭっちゃんからすれば人間的進歩なのでここは認めましょう。

　ただプレゼントの内容が問題です。これまでにあげたものが、卓上カレンダー、シャンパン、ラーメンセット、梅干、違法コピーしたＤＶＤ、ＣＤ・・・。実に微妙なセレクトです。本人は「若い奴らと違って、オレたち中年はいろいろ蓄積があるからこうしたプレゼントもできるんだよ」と威張っていますが、それがいい大人のプレゼントするものか？果たして雌豹さんは本当に貰って喜んでいるのでしょうか？

　もちろん価値観は人それぞれですから、内心「いらないな」と思っても、こうして熱心にプレゼントをしてくれるという行為自体を嬉しく思う人もいるでしょう。でも僕は毎回そうやって何か持っていくよりも、どこかに一緒に出かけた時に彼女が何気なく「欲しいな」と言ったものをひょいと買ってあげる方が好きです。それがブレスレットであれマグカップであれお風呂用品であれ、その方が彼女の本当に欲しいものをプレゼントできるし、そこで一緒に買ったという思い出もセットになるからより印象深いはずです。

　まあそれはともかく、Ｍっちゃんがそれだけ熱心にプレゼント攻勢をしているのですから、当然先日のホワイトデーにも気合いの入った豪華なものをあげたはずと思い聞いたところ「え？あげてないよ」だって。おいおい、そりゃいかんだろう。バレンタインデーにチョコは貰ったんでしょ？「うん、なんかゴディバだかなんだかそういうやつ」。そりゃちゃんとした本命チョコじゃん。高いよ。それなのにお返しなし？「だって普段そうやってあげているんだからいいじゃない？」。良くないよ。カレンダーや違法ＤＶＤを貰うよりも、ホワイトデーにちゃんとしたプレゼントを貰う方が嬉しいに決まっているし、そもそも「なし」って雌豹さんは相当内心がっくりきてるよ。ケチったんじゃないの？ポイント大幅ダウン！

　「えーと、実はすっかり忘れていたんだよ。だってホワイトデーなんて最近の風習じゃん」。いやいや、それはまずいでしょ。どうやら毎週のプレゼント攻勢ですっかり「彼女に尽くすオレ」という自己満足感に浸ってしまって、肝心なところがすっぽり抜け落ちてしまったようです。Ｍっちゃんらしいと言えばそれまでですが、このエラーに対するフォローは果たしてできるのか、って、きっと何もしないでそのままスルーして済ませてしまうんだろうなぁ。過去を振り返らないのがＭっちゃんだから。