幹事クリタのコーカイ日誌2004

[ 前日翌日最新今月 ]


 
8月26日 ● 指揮官不在の脆さ。

 アテネ五輪における日本のメダルラッシュも後半に入って息切れのようです。元々期待されていた競技が柔道、競泳、体操、女子レスリングと前半に固まっていたせいもありますが、球技が軒並み不振なのも「息切れ」イメージを増幅させていると思います。

 中でもガックリしたのはもちろん野球です。前回シドニー五輪の時にはプロアマ混成軍でメダルを逃し、勝つためにはオールプロでいくしかないと今回「ドリームチーム」を結成しました。各球団2人枠という制限はありましたが、それでも決して他国にひけをとるようなメンバーではありません。投打ともに十分実力者が揃っています。

 実際、日本は天敵キューバには予選で快勝しました。なのにオーストラリアに完敗。そしてそのオーストラリアはわざと予選最終戦に大敗して準決勝の相手に日本を選んできました。キューバには勝てないけれど日本になら勝てるというわけです。日本のドリームチームもなめられたものです。

 当然、ここまでバカにされれば反発心から日本は必ず勝つと信じていました。ところがまさかの1点差負け。打線が零封されて好投松坂を見殺しにしてしまいました。阪神ウィリアムズと元中日ディンゴのバッテリーに日本の強打者たちが翻弄されてしまったのです。

 「金メダル」を至上課題に結成されたオールプロのチームが決勝にも進出できなかった、その敗因はどこにあるのでしょう?僕は選手ではなく、それを指揮したスタッフ、さらに言えば「長嶋ジャパン」に拘ったその上の連中にあると考えています。

 長嶋茂雄は確かにカリスマです。彼をトップに置くことで選手も金も集めやすいことは間違いありません。しかし、実際に野球をする時に監督不在という非常事態をそのままにしておいたのは、やはり失策であると思います。長嶋はチーム作りをするGMとしては有能だったかも知れませんが、現場で指揮をとる監督としてはさして評価が高いわけではありません。その上、今回その現場にも行けなかったのですから論外です。

 中畑ヘッドコーチはいわゆる「ミニ長嶋」であり監督経験もありません。チームは宮本主将を軸によくまとまっていたという話ですが、やはり指揮官のいないチームが、自分たちを研究して丸裸にしているオーストラリアと戦うのはあまりにも不利だったと思います。大差で勝っている試合なら馬なりでいけますが、接戦になった時こそベンチワークの勝負になるからです。

 幸い3位決定戦ではカナダを下して銅メダルは確保しましたが、チームの総合力では恐らく金メダルだっただけに、不完全燃焼な銅メダルであることは変わりありません。どうして長嶋が倒れたこの時に星野監督を実現できなかったのか、僕は今でも残念です。


とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。