幹事クリタのコーカイ日誌2004

[ 前日翌日最新今月 ]


 
5月20日 ● 傷つかない男。

 Mっちゃんは奥さんにしばしば「冷たい人間、優しさのない人間」だと責められるそうです。「人という字を見てわかるように、人はお互いに支え合って生きているのよ」と奥さんに説教されるそうですが、そんな「金八」なことを改めて妻から言われるMっちゃんは何者でしょうか。

 しかもMっちゃんの場合、奥さんだけではなく付き合った女性のほぼ全てから同じように「冷たい」「自分のことしか考えていない」と言われるそうです。そりゃそうです。恋を知らないMっちゃんにしてみれば、基本的に女性はセックスの対象でしかないのですから、心の底から相手を思い労るような優しさがあるわけがないのです。

 しかし、実はMっちゃんはそれだけで「冷たい」と言われているわけではなかったことが昨日判明しました。Mっちゃんは頭痛も肩こりもしない人です。ストレスがたまらない人です。そしてそれは全て彼が「傷つかない人」だったからなのです。

 Mっちゃんは物事にこだわりません。イヤなことがあっても一晩寝れば忘れてしまうそうです。なにか困ったことがあっても「きっと何とかなるだろう」と楽天的に考えて思い悩むことがないそうです。イヤなこと嫌いなことからはひたすら逃避し、正面から解決しようと挑戦することがありません。だから悩んだこともないし傷ついたこともない、もしくはあってもすっかり忘れてしまうそうです。

 そして自分が悩んだり傷ついたりした経験がないので、他人が思い悩んでいてもMっちゃんはその心のうちを想像も理解もできないそうです。何か助言をしようにも、また励まそうにも、どうしたら良いのかさっぱりわからないのです。

 以前テレビで「鰹節を食べると元気が出る」というのを聞いた時には、対人関係で悩み落ち込んでいる女性に対して「鰹節を食べると良いよ」とアドバイスをして思いっきり怒られたそうです。そりゃそうでしょうね。猫じゃあるまいし、普通は鰹節じゃ何も解決しません。

 しかしMっちゃんは違います。何か難しい問題にぶち当たったり、傷つけられるようなことを言われても、すぐその後に別のこと(美味しいラーメンとか面白そうなサッカーの試合とかエッチな女の人とか)に気を取られると悩んでいたことをすっかり忘れてしまいます。考えていることは「お腹が空いた」「眠い」「エッチがしたい」だけですから、ほぼ本能のままに生きていると言っても良いでしょう。猫と同程度の精神構造なのです。そんな人は鰹節ひとつあれば元気が出るものです。

 日々悩み事多く、対人関係で気持ちをすり減らし、傷だらけの心を抱えて生きている多くの現代人から見たら、少し、Mっちゃんが羨ましくもあります。


とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。