幹事クリタのコーカイ日誌2003

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11月3日 ● 高級車の世界。

 世の中には「高級品」がいろいろあります。服にしろ時計にしろバッグにしろクルマにしろ、とにかく実用とか機能とかを超えてしまっている過剰なまでの商品があり、それは当然庶民を拒絶するようなプライスタグをつけて売られています。

 「なぜそんなに高いんだ!」と怒ってみたところでもちろん無意味なわけで、その過剰な高級さと価格こそが、それを所有する金持ちのステイタスになるわけですから、むしろ目の玉が飛び出るくらい高くなくては困るのです。

 イギリスの高級車ブランドであるジャガーのサルーンには下からX、S、XJの3タイプがあります。しかし、XとSはフォード傘下になってから作られた台数を稼ぐための「廉価版」ジャガーであり、本来のジャガーと呼べるのは最高級シリーズであるXJだけだ、という人もいます。

 そのXJがこのたびついにモデルチェンジしました。と言っても、見た目には大して変化はなく、従来からのジャガーらしいスタイルを保っているのですが、その内容は大変身。中でもアルミボディにして軽量化したのが最大の特徴で、メルセデスベンツのSシリーズを上回るほどのサイズながら、重量は400kgほども軽くなっています。

 価格もそれなりに高くなっていて、安いものでも800万円台から上は1000万円を余裕で超えます。もちろん僕なんかにはとても手のでないクルマなんですが、暇な日曜日、せっかく「体験フェア」なるものをジャガージャパンがやっているということなので、ちょっと体験させてもらおうと図々しく行ってきました。

 車内に乗り込んだ時点で、そこは思わず「ほぉ」とため息をつくような空間でした。高級そうなレザーシートに座り、ステアリングを握れば気分はすでに大金持ちです。滑るように走るその穏やかさと静かさ、とても飛ばす気分にはなれず、「悠然」とか「余裕」という言葉が似合います。ジャガーに乗ると上品に運転するようになると言われますが、それはまさにこういうことだったのかと思いました。

 ほんの数kmを試乗しただけですが、そこはまさに別世界。いやぁ、良い「体験」をさせていただきありがとうございました、という気分でした。人間、こういうものに囲まれて暮らしていると、そりゃ自ずと態度も変わってくるよなぁ、と思います。

 問題はXJを降りて自分のクルマに戻った時です。なんだか急に夢から醒めて現実に引き戻されたような気分。あれに比べたら本当にこのクルマは実用車だなぁ、とガックリしてしまいます。2年前に思い切って買って10年は乗るぞと思ったんですけどね。美味しいものを食べてしまうと、後は何を食べても不満に感じます。舌が肥えるのも考えものです。


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