今場所もまた大相撲は低迷気味です。久々に復活したと思った武蔵丸はあっさり途中休場。もはや引退へのカウントダウンという雰囲気が濃厚です。元気かと思われた大関陣も、中日を終わってみれば6勝2敗がやっと。その上、大本命の朝青龍までもがコロコロと黒星を重ねている有様です。

　しかも朝青龍は先場所の因縁の相手旭鷲山の髷をつかんで反則負けするは、挙げ句に旭鷲山のクルマを傷つけるはと、まさに「ヒール（悪玉）」街道まっしぐら。実力的には抜け出ている横綱がヒールのままでは、相撲人気も回復しようがありません。

　と言うことで、いま一番求められているのは、前にも書いたように彼に対抗するベビーフェイス（善玉）なのですが、昨日その有力候補が名乗りをあげました。「ロボット」の愛称で人気急上昇中の高見盛です。仕切りの時の妙にぎくしゃくした動きがまるでロボットを彷彿とさせることから注目を集めた高見盛ですが、実力も次第につけてきていて、最近ではすっかり幕内上位に定着しています。

　昨日の朝青龍との一番では見事な相撲で横綱に全く相撲を取らせず完勝。未来の大器ぶりを惜しみなく発揮しました。高見盛は決して二枚目ではありませんが、朴訥な雰囲気を漂わせる人柄で、思わず応援したくなるオーラを持っています。このまま成長してぜひ朝青龍を脅かす存在になってくれれば、少しは相撲人気も復活することと思います。