幹事クリタのコーカイ日誌2002

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10月4日 ● ハイジを何で知ったか。

 先日Mっちゃんが『アルプスの少女ハイジ』を知らないという話をしていた時に、同席していた会社の同僚の間でも、世代によって微妙に差があることを感じました。それはハイジを本で読んで知っているのか、アニメで初めて知ったのかの差のようです。

 僕たちの世代は、ハイジを子供向けの本で読んだのがファーストコンタクトという場合が多いと思います。中には絵本が初めて(昔の映画で見たという人もいましたが)という場合もあるでしょうが、アニメということは多分ありません。なにせアニメを放送していた時にはすでに僕は高校生でしたから、まともに見てもいません。

 ところが30代はテレビアニメでハイジ体験をした世代ですから、中にはあれは日本生まれのオリジナルアニメだと思っている者すらいるようです。『フランダースの犬』にしろ『母を訪ねて三千里』にしろ、オリジナルがあるということも知らない人が結構いるみたいで、かえってそちらがショックでした。

 思い出してみれば、僕たちが幼い頃は、必ず親は子供に児童向けの名作文学を買い与えたものでした。『宝島』、『ガリバー旅行記』、『十五少年漂流記』、『ロビンソン・クルーソー』、『小公子』、『不思議の国のアリス』、『赤毛のアン』、『ピーターパン』、『西遊記』、『三国志』などなど、僕はどれも夢中になって読んでいました。ところが今そんな本を読んでいる子供は極めて少数派で、ほとんどの場合はマンガかアニメでそれらの作品世界に触れているだけです。

 伝記にしたって同じで、僕はエジソンとかキュリー夫人とか野口英世とかの伝記を小学校の頃にたくさん読みました。うちの娘もいろいろ学校の図書館で借りてきて読んでいて、紫式部とかマザーテレサとか藤原道長とか知っているのですが、彼女が読んでいるのは実は伝記マンガなのです。

 もちろん単に浅い知識を得るだけなら、マンガでも事足りる場合はありますが、やはり児童向け文学とか伝記というものは、子供にも興味の持つことができる内容で「読書」する習慣を身に付けさせることに大きな意味がありますから、マンガで読んで知った気になっていてもらっては困るんですけどね。と言ってもマンガやアニメの方が絶対に面白いし楽だしわかりやすいのですから、子供の目を本に向けることは至難の業です。おいそれと読書させる手だてはありません。

 このままでは、みんな何も知らないままに大人になって、誰もがMっちゃんとあまり変わらないという恐ろしい時代になってしまいます。いや、もうすぐそこに来ているのかも知れません。

 

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