幹事クリタのコーカイ日誌2002

[ 前日翌日最新今月 ]


 
10月1日 ● フランダースは死なない。

 日曜日に放送されたアニメの人気ランキング番組で、『フランダースの犬』が1位でした。我々の世代にはちょっと意外ですが(『鉄腕アトム』とか『ジャングル大帝レオ』とか『W3』とかの手塚アニメ世代ですから)、宮崎アニメが上位を独占(2位が『カリオストロの城』、3位が『アルプスの少女ハイジ』)したこと自体は驚くには値しません。

 ランチの時にその話をしていたら、Mっちゃんが実は『フランダースの犬』がどういう話を知らない、と言い出しました。Mっちゃんは幼少時分の記憶がほとんどないので、童謡を全く歌えないのですが、実は童話も知らなかったらしいのです。

 Mっちゃんの推察によると、『フランダースの犬』とは、「貧乏な少年“フランダース”と犬がいじめに遭って家出して死んじゃう話」だそうです。“フランダース”が死んで、そばで犬が鳴いている悲しい話だというのですから、聞いている我々は爆笑です。

 じゃあ3位に入った『アルプスの少女ハイジ』は知ってるの?と聞くと、「それは足の悪いクララが出てくるんだよね」と、そこだけ記憶があるようです。「多分、クララはお金持ちで、ハイジは貧乏で、隣同士の家に住んでいるんだけど、クララの家はみんな冷たくて、しかもクララは足が悪いからいじめられるんだよ」って、それではまるでクララが主人公みたいですし、そもそもアルプスはどこに出てくるのかわかりません。「ああ、じゃあさ、多分クララはアルプスに別荘を持っていて、ハイジはその山小屋の管理人の娘なんだよ」って、全然違います。

 面白くなって次々と聞いてみます。Mっちゃんによると、『ピーターパン』は、スーパーマンの少年版で、空を飛びながら三種の神器を探して海を渡って旅をしているそうですし、『ピノキオ』は、ある日、鏡で自分を見たら木でできていることに気づいて、いじめられるので人間になりたくて旅に出る『A.I.』のような話だそうです。嘘をつくと鼻が伸びる、ということすら知りませんでした。

 Mっちゃんは、これまでに見たシーンや設定が、ほんの少しだけ頭の片隅に残っていて、それを元にいろいろ話を作ってくれるので、聞いているこちらは本当に爆笑です。他にも『シンデレラ』や『ガリバー旅行記』や『ロビンソン・クルーソー』や『不思議の国のアリス』やと聞いてみたのですが、どれもこれも見事に知りません。“ガラスの靴”も知らなくて、よくコピーライターができるものです。

 ただMっちゃんらしいのは、「アリスって、イギリスの数学者が片手間に書いていたんだよね」って、そんな妙なことだけは知っているのです。ルイス・キャロルがオクスフォードの数学者(チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン)だと知っている人の数と、フランダースが主人公の少年の名前ではないと知っている人の数のどっちが多いか、考えるまでもありません。

 恐らくこれも大人になってからの記憶はあるけれど、子どもの頃の記憶が欠落しているからでしょう。Mっちゃんが落としてきてしまった記憶を探す作業は本当にいつも発見があって面白いです。


とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。


この日記をマイ日記才人に登録する