ついにカブレラが55号ホームランを放ち、王とローズの記録に並びました。快挙です。残り試合数から考えても、十分に新記録を狙えると思いますが、問題は週末のダイエー戦。過去にバース、ローズと2度もホームラン記録挑戦の時に勝負を避けた前科がある王監督が、果たしてきちんとカブレラと勝負するかどうか、それが一番の見どころです。

　かつてバースとの勝負を避けた時は、王は何の指示も出していなかったそうですが、巨人の投手コーチが「勝負するな」という指示を出していた、と言われています。本当にそうなのか、王に傷をつけまいとするための嘘なのかわかりませんが、結局非難されるのは監督である王なのですから、逆効果にしかなっていないと思います。

　さすがに「世界の王」と言えども、ここに至って勝負を避けては世間は許さないことでしょう。ダイエー投手陣が投げにくいかも知れませんから、王は監督としてはっきりと「カブレラと勝負しろ」という指示を出して欲しいと思います。その結果、カブレラが王の記録を抜いても、王の価値は何ら傷つくものではありません。勝負を避けて記録を守る方が、かえって折角の偉大な記録を汚す行為です。

　メジャーのホームラン記録はボンズの73本ですが、だからと言ってベーブルースの偉大さが損なわれているわけではありません。日本プロ野球がいつまでも古い記録を後生大事にしている意味は全くないと思います。

　しかし、ここでもしカブレラが王の記録を抜くのなら、その昔にバースに新記録を作らせてやりたかったですね。本当にあの時は日本人として恥ずかしいと思いました。まさしく、記録は破られるためにあるのです。汚い手段を使ってまで守る必要のある記録などありません。