以前に和歌山ラーメンを食べるためだけに11時間ドライブを敢行したＳ井くんの話を書きました。一度決めたら脇目もふらずに突進する彼は、見た目の青白いお坊ちゃん風とは違い、中身は長渕剛を愛する熱い男なのですが、今回またも猪突猛進ぶりを示すエピソードを教えてくれました。

　我々が和歌山合宿のために東名阪自動車道を走った先週末、Ｓ井くんは同じく東名阪を長島スパーランドに向かっていました。ご存知のように長島は名古屋近郊の一大アミューズメントスポットですが、先頃ここにアウトレットショップがオープン。Ｓ井くんは突如思い立って、このアウトレットショップを目指したのです。

　Ｓ井くんの家から長島スパーランドまで普通にクルマで走って約50分。Ｓ井くんが家を出たのは少し遅めの午前11時半。なんでもない週末でも混雑する道なのですが、アウトレットショップのために、日曜日は長島インター出口手前にある木曽川橋の手前からすでに渋滞は始まっていたそうです。わずか1000m程度のこの橋を渡るだけで1時間半を要したとか。

　さらに長島インターから長島スパーランドまでは一本道で逃げ場はありません。朝食も食べずに出てきたＳ井くん夫妻は、愛車の中で飲まず食わずトイレにもいけずに我慢を重ね、ようやく午後4時半に目的のアウトレットショップにたどり着いたそうです。50分で到着できる場所に、実に5時間の長旅。それでも逃げないところにＳ井くんの「男」を感じます。

　アウトレットショップでようやくトイレに入り、カツカレーを食べたＳ井くんは、結局何も買わずにまた名古屋に戻ってきたそうです。帰りは鬱憤を晴らすかのように飛ばして帰ったので45分で帰宅できたとか。縮めた5分に何の意味もないとは思いますが、それ以上に5時間渋滞の中を移動した挙げ句に、カツカレーだけで帰ってくるという潔さに感動しました。11時間でラーメン、5時間でカツカレー。まさに無意味の極致です。

　こんなＳ井くんの次の目的地は、ゴールデンウィークに尾道までラーメンを食べに行くことだそうです。すでに宿もおさえたとか。ゴールデンウィークの帰省客に混じって名神高速＆山陽自動車道の下り線を走るわけですから、また「男らしい」無意味な猪突猛進エピソードを作ってくれることでしょう。

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