幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 1月26日 ● 杉山愛全豪BEST8進出。

 伊達公子が引退した時から「ポスト伊達」と言われ期待されながら、そのプレッシャーのせいか、なかなか好成績を残せなかった杉山愛。しかし、昨年の全米オープンでブパシとの混合ダブルスに優勝して以来、吹っ切れたようなプレイぶりが目立つようになりました。全米で優勝した時の「コーカイ日誌」で「優勝したことよりも自信をつけて飛躍のきっかけになれば」という意味のことを書きましたが、今回の全豪オープンではその通りの活躍で、彼女自身グランドスラム初のBEST8に進出しました。

 残念ながら準々決勝のカプリアティ戦は負けてしまい伊達以来の日本女子によるグランドスラムBEST4はなりませんでしたが、杉山の実力ならこれくらいの成績はコンスタントに残せても不思議はありません。これまで伸び悩んだ原因は「勝ちビビリ」にあると言われていました。ずっと試合を優勢に進めていながら、「もう少しで勝てる」と思った途端に硬くなってしまい、逆転負けを喫することが多かったからです。

 自分でもテニスをしていてわかることですが「勝てそうだ」というのは「勝てる」とは違います。まだはっきりと勝ったわけではないのに、心のどこかが「このままいけば勝てるかも」と期待してしまうのが「勝てそうだ」です。その期待はどこかに他人任せ、運任せの部分が入り込んでいて、それゆえに大切にいこう、丁寧にいこうと思い過ぎるあまり、消極的な守りのプレーになってしまうのです。その上、これまでの集中力は切れているし、どこか心の隙間に慢心も含まれています。その状態で相手に追い上げられると、今度は「また負けてしまうのか」というマイナス思考が追い打ちをかけてきます。これでは確かにたびたび逆転されてしまうのも仕方ないのかも知れません。

 テニスのトッププレーヤーは、例え1位と100位と言えども技術的にはほとんど差はないそうです。しかも長年ツアーを組んで世界を回っているのですから、お互いの長所短所もよく知っています。もし1位と100位に大きな差があるとしたら、それはメンタルの強さと体調の維持管理技術の差だと思います。今回の杉山の活躍で証明されたように、トッププレーヤーも我々のようなボトムのプレーヤーも、心の強さを持っていれば実力互角どころか上位の相手だって食えることもあるのです。

 このBEST8でますます自信をつけた杉山の2000年に大いに期待したいと思います。残る全仏、ウィンブルドン、全米のうちどこかで、現在の女子テニス界4強(ヒンギス、ダベンポート、ヴィーナス&セレナのウィリアムズ姉妹)の一角を崩して世界と日本の注目を集めて欲しいですね。そうすれば、もう少しテレビでテニス中継もしてくれるでしょうし。WOWOWだけで済まされてしまうというのは、なんともテニスファンとしては情けないですから。 

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