IN NEW YORK (PACIFIC JAZZ)

LES McCANN (1961/12/28)

IN NEW YORK


【パーソネル】

BLUE MITCHELL (tp) STANLEY TURRENTINE (ts) FRANK HAINES (ts)
LES McCANN (p) HERBIE LEWIS (b) RON JEFFERSON (ds)
【収録曲】

(01-03) CHIP MONCK / FAYTH , YOU'RE... / TWIST CHACHA
(04-06) A LITTLE 3/4 TIME FOR GOD & CO. / MAXIE'S CHANGES / SOMEONE STOLE MY CHITLINS
【解説】 ( 2013年02月24日更新 / 連載 1,067回 )

 配管。 奥が深いです。どれくらい深いのかというと、1.75mくらい。 ま、それより深かったり、浅かったりすることもあるんですが、僕が今、監督している現場の鋳鉄管の配管はそれくらいです。 ステンレス管の配管も同じくらいで、電気の配管はもっと浅かったりするんですが、あと、薬注配管というのもありますな。 やくちゅうはいかん。 平仮名で書くと 「ヤク中はイカン!」 と、薬物の濫用を戒めているようにも見えますが、僕がやってる薬 (ヤク) は清潔この上ないタイプのものなので、ぜんぜん大丈夫。 具体的に言うと次亜塩素酸ナトリウムというものなんですが、ノロウイルスをやっつけるにはコイツが一番というので、名前を聞いたことがある人もあるかも知れません。 字面だけ見ると何だか小難しそうなんですが、化学式で書くと “NaClO” と、単純明快。 食塩に毛が生えたようなものというか、塩が酸化したものというか、ようするに NaCl(塩化ナトリウム)+ O(原子状酸素) でありますな。 一般には塩素消毒と呼ばれ、有毒な塩素でバイ菌を殺しているんだと思っている人が多いかと思いますが、実際に効いているのは原子状酸素のほう。 酸素なんて吸わせたらめっちゃ元気になって、倍増して、バイキンが 「ばいばいきん」 になっちゃいそうな気もするんですが、殺菌効果があるんですよね、これがまた。 NaClO は非常に不安定なので、浄水場でコイツを水に入れてやると NaCl と O に分解して、後者がバイキンをやっつけて、前者は食塩として留まる。 そういうシステムになっている模様です。 NaCl がそれ以上分解される事はないので、浄水場で働いている人が塩素中毒になったり、ナトリウム漏れを起こして 「もんじゅ」 と化したりする心配は無いんですが、こんな毒物・劇物としか思えない奴らが引っ付いた結果、生物に有益な食塩になるというのが何とも不思議ですよね。 そこが化学の 「化け」 の由縁で、面白いところだったりします。 僕はこの分野は好きだったし、得意でもあったので、将来はこっち方面の道に進むものと確信していたんですが、どこでどう間違えたのか配管屋を監督する立場になってしまって、困っております。苦手やねん、配管。 ま、自分で直接手を下すワケではないのでまだ何とかなっているんですが、材料の名前とかぜんぜん分からなくて写真を撮るのも一苦労。 今は監督業務が苦行でしかなく、公卿にても転職しようかと思ったりしているんですが、もっと勉強して道を極めたりすれば心地よさを感じるようになったりするんですかね? 少しでもその境地に近づけるように頑張りたいと思いますが、ということで、今日のテーマは 『配管、カイカン物語』 。

 で、まず最初に電気配管について考えてみたいと思うんですが、何故かというと、今、電気工事の監督をしながらこれを書いているからなんですけど。  Coolpix S800c があれば首からぶら下げたデジカメで原稿を書くことが出来て、とっても便利♪  ATOK のフリック入力と予測変換のお陰で、何とかならない事もない程度には何とかなっているんですが、電気屋のオッサンからすれば、こいつ、ずーっとカメラをいじくりまわして、何やってんや? そう思っているに違いありません。 何って、ま、遊びのようなものなんですが、今週の土曜日はお休みだねっ♪ そう確信していたところ、昨日になって急に働きたいと言われて、泣く泣く現場にやってきた僕に、真面目に監督する気など、みじんもありません。 ま、今から書こうとしているのは、何かを聞かれた時に、まともな回答が出来るよう、その勉強を兼ねてという意味もあるので、その点では実に熱心で感心な監督であると言わねばなりませんが、この前も返答に困ったんですよね、 「電線ってエコケーブルやったっけ?」 とか聞かれて。 はぁ、エコぉ? 知らねーよ、んなもん。 裸電線のことじゃ無いっすよね? ハダカなのはエロであって、エコでは無いですからね。 ま、確かに全裸なら勝負パンツとかに余計な出費をしなくていいので、勝負は早いんですが、裸電線なんて、そこらへんでショートしまくるし、感電し放題だったりするので、関電ではあまりオススメされてなかったような気がします。 無論、中部電力でも同じ。 じゃ、エコケーブルというのは何なのかと言われても困るので、とりあえず役所から貰った仕様書のそれらしきページを開いて、そいつを見せてあげました。 どういう仕様の材料をどれくらい使用するのかが、一覧表みたいに書かれているんですよね。 オッサンはそいつを見て心の底から納得した様子だったので、僕の職責はそれで無事に果たせたんですが、ちなみにそこには “600V EM-CEE 1.25sq-2c” とか、そういった符合が書かれておりました。 僕もこのジャンルに関してまったくズブのド素人というワケではないので、後ろ半分くらいは分かるんですが、 “sq” というのは 「スケ」 っすな。これはスケベさとか、パンツの透け具合を表すのではなく、電線の太さを示すものなんですが、断面積が 1.25m2の線が、いってんにーごスケ。 そういうことになります。 電気だか電流だかは電線の断面積に比例だかして流れるので、直径ではなくて面積で呼ぶと、そういったシステムになっているのではなかろうかと。

 で、最後の “2c” というはケーブルの本数です。 1本でもニンジン、2足でもサンダル。世間一般では普通、そうなっているんですが、ケーブルの世界は違います。 1本でも電線、2本でも電線、3本でも電線、4本でも…以下略。 何本かの電線が束になって、それに皮が被っているのを多芯ケーブルと言ったりするんですが、 “2c” のケーブルには電線が2本束になって入っていると。そう考えておけばよろしいのではなかろうかと。 芯だから “c” なんすかね? 普通に考えれば “Shin” とかだから “s” が正解だと思うんですが、もしかしたらローマ字ではなくて何かの英語の略だったりするのかも? いずれにしろ、電線の太さと数を合わせて 「2スケ3芯」 とか言ったりするとプロっぽく聞こえるのでオススメなんですが、ちなみに “sq” は 「四角」 とか 「平方」 を意味する “square” の略だと思われます。 記号で “□” と書いたりもします。 …と、僕の知識で分かるのは、ここまで。 あ、最初の “600V” というのは恐らく、この電圧までは大丈夫という数字だと思うんですが、その先の “EM-CEE” となると僕の手には負えません。ケーブルの種類を示す記号で、恐らく頭の “EM-” の部分がエコなんじゃないか? そう踏んではいるんですが、ただ、エコは英語では “eco” だと思うので、ちょっと違うような気もするし、幸い、電気屋のオッサンはヤル気のない監督の態度に勤労意欲を削がれたのか、中抜けして3時くらいまで戻って来ないそうなので、今のうちにパソコンで調べておきましょう。 まず手始めに、基本的なところで、エコケーブルとは? 正解は ここ 。 ほぉ。 ま、要はエコなケーブル。 そういう理解でいいと思うんですが、 “EM” はエコマテリアルの略だったんですな。 マテリアルというのが何なのか、よく分からなかったりするんですが、リアルなマテ貝とかでないのは確か。 間違いなくマテ貝は間違いだと思いますが、何でもいいけどエコケーブルって、火事で燃えるのが前提? 燃えさえしなければ普通のケーブルでもさほど問題は無さそうなんですが、役所というのはエコという名前のものが好きですからね。何でもエコエコ。 毎朝、朝礼で 「エコエコアザラク、エコエコザメラク」 とか、みんなで唱和しているに違いなくて、唱和も好きですからね、昭和のオッサン。 いずれにせよ、今回の仕様がエコ使用なのは間違いないようなので、電気屋が戻って来たら 「エコマテリアル使用で、お願いしやす!」 そのように堂々と指示しておこうと思います。

 で、続いては “CEE” なんですが、これはアレです。これ 。 小難しいモノを使うな! そう思わずにはいられませんが、ケーブルの話は奥が深過ぎるので、以下、割愛。 今日はあくまでも配管が主役ですからね。 ま、僕としては1回分のネタになりさえすれば、配管でも、配線でも、排泄でも、猥褻でも何だってよかったりするんですが、そうこうしているうちに電気屋が帰って来ちゃいましたからね。 一生懸命働いてくれている横で猥褻なことを考えるというのも気が引けるので、排泄のほうにしておきましょう。 …って、それもどうかと思うので、大人しく電気配管に思いを馳せることにしようかと。 ケーブルというヤツは、それ単独ではグニャっとしていて、ダラっとしていて、締まりが無いので、配線ダクトなんかを使ってシャキッとさせてやらなければならんのですが、本数が少ない場合は管の中を通して何とかしちゃうこともあります。 その電線を通す管のことを電線管というんですが、そいつを切ったり、曲げたり、繋いだりして何とかするのが電気配管。 図面と仕様書だけ渡しておけば、後は電気屋が何とかしてくれるので、最初に材料の写真さえ撮ってしまえば、後は何かを聞かれた時に適当に 「そうっすねー。」 とか言っておけば大丈夫。 ただひたすら、昼メシと業務終了時間が待ち遠しかったりするんですが、最初に材料の写真さえ撮ってしまえば…という、この部分がちょっと問題。 前のところにもちょっと書いたんですが、材料の名前がよく分からなくて苦労します。さっきのケーブルのややこしい符合とかも1種類ずつ明記しなければならないし、電線管にも色々な種類があったりして、クソ面倒。 とりあえず金属っぽいのとプラスチックっぽいの、2つの種別があるのは確かなんですが、プラっぽい奴らの中にもいくつか種類があるみたいなんっすよね。 以前、 「仕様書は塩ビになってるけど、ポリに変更させて貰ったらアカン?」とか聞かれて、返答に困ったことがあるんですが、えっ? ポリと塩ビって、違うん??? 塩ビというのは多分 “塩化ビニール” か何かの略で、ポリというのはポリエチレンとか、ポリスチレンとか、ポリプロピレンとか、何かそういったものの略。 で、意味するところは、どっちもプラスチック。 僕はそのように認識しているんですが、違うん??? 僕としては 「プラでいいっすよ!」 としか答えようがなかったりするんですが、わざわざ聞いてくるところをみると何か違うのかも知れなくて、とりあえずは 「いいっすよ♪」 と、適当に快諾しておいて、後でこっそり調べてみました。

 塩ビ管。 こいつはアレです。プラスチックの硬い管。 そういったものではないかと思うんですが、正式名称は硬質塩化ビニル管。名前からしていかにも硬そうです。 ビニールというと、ビニール袋みたいにフニャフニャな印象があるんですが、ハードなビニール本とかもあったりするので、硬くても別に不思議ではありません。 ちなみにビニール袋の材料はポリエチレンとか、ポリプロピレンとか、ポリエステルとかだったりして、実は “ポリ袋” と呼ぶのが正解だったりするんですが、で、この塩ビ管、英語の記号で言うと “VP” とか “VU” となるようです。 前者はビニールパイプの略でありましょう。 後者のほうはよく分からんのですが、 “VU” は “VP” よりも肉が薄くて、圧力の高いところでは使えないので、どちらかというと、ウンコ。 それで “ビニールうんこ” と名付けられたのかも知れません。 で、塩ビ管にはもうひとつ、電気配管用の “VE” というのもあるんですが、 “ビニール・エレキ” とか、そういった感じなんでしょうか? で、コイツらの仲間として、頭に “HI” という記号が付く奴らもいるんですが、例えば “HIVP” だと、耐衝撃性硬質塩化ビニル管。 そういう奴だったりします。 普通の塩ビ管はちょっとコツンと衝撃を与えただけで、すぐにポキっと折れちゃったりするんですが、 “High Impact” なら大丈夫。 何せ 「耐衝撃性」 ですからねー。 ちょっとくらいの衝撃なら耐えてくれます。 ま、ユンボで引っかけちゃったりすると駄目なんですが、昨日も引っかけてくれちゃったんですよね、配管屋のオッサン。 金属の管2本とHIVPが1本、合計3本が横に並んでいて、そこにあるのは分かっていたので、かなり注意して掘ってくれていたんですが、 「アッーー!」 という声がして、何事かと思ったら、ユンボでコツンされちゃったHIVPが、ポッキリと。 中からタラーっと水が流れ出して、それを見た監督の僕も冷や汗が、タラー。 幸い、水はすぐに止まっちゃったので、恐らくは死んでいる配管であろう。 そう思われたんですが、一応は補修して繋いで貰って、こっそりと土で埋めておきました。 いやあ、大事に至らなくて、よかったっす。 衝撃に耐えるといっても、所詮は塩ビやな。 そう思わずにはいられませんが、ということで、続いてはポリ管。 正式にはポリエチレンパイプというみたいですが、英語の略称は “PE” っすか。 “P” はポリだとして、 “E” は何? よく分からなかったりするんですが、こいつの特徴は柔軟性にあります。 プラスチックの柔らかい管。 そういうことになりましょうか? 柔らかいといっても、ホースみたいにクニャクニャではないんですが、塩ビのように頑なでもなくて、ユンボで引っかけても曲がるだけで、折れはしなさそう? 地盤沈下とか地震なんかにも強いみたいで、そういえば、そんなことを言っておりましたな、 「仕様書は塩ビになってるけど、ポリに変更させて貰ったらアカン?」 とか聞いてきた人。 ポリ公というのは融通の利かない人種の代表格みたいなものなんですが、ポリ管は大丈夫。 耐腐食性、耐候性に優れ、軽くて丈夫で、しなやか。 ポリ管、最高や! 塩ビ管なんて最初からいらんかったんや!

 人間としてもポリ管に学ぶべき点は多く、これからは 「ポリのように生きる」 をポリシーに、頑張ろう! そう心に誓って、今日のお話はおしまい♪

 ということで、今日はジョン・ルイスっす。 …と思っていたんですが、やめます。 取り上げようと思っていたCD、会社に忘れて来ちまったい! ルイスなんて日本のジャズ・ファンからは特に要望もなさそうなので、別にいいっすよね? 個人的にも、さほど好きではなかったりするしー。 ま、来週には間違いなく出てくることになると思うので、事態の先送りにしかならんのですが、で、とりあえず今週は代替案として、レス・マッキャンでも行ってみますかね? ソウルフルで下品なスタイルはジョン・ルイスとは対極にあるといっていいと思うんですが、僕的なソソられ具合でいうと、こっちのほうがかなり上。 お上品過ぎるキャラである僕にとって、品がないオッサンというのは嫌悪以外に何も感じなかったりするんですが、ことジャズに関して言えば 「適度な下品さ」 は必要悪と言ってもよく、毒の無い演奏なんて、消毒された水道水みたいなものですからね。 ま、水道の水はちゃんと消毒しないと、住民が漏れなく下痢になって、ウンコを漏らしまくることになったりして大変なんですが、ジャズをただ聴いている分には毒物・劇物もさほど体には影響なくて、とまあそんなことで、 『イン・ニュー・ヨーク』 。 どうやらこれ、ニューヨークのジャズ・クラブ “ヴィレッジ・ゲイト” でのライブ物のようで、前回の ジャマル物 も同類なので、話の流れとしては適切な選択だと言えるかも知れません。 前々回の マンス物 からだと、 “ライブ・イン・ニューヨーク3部作” ということになりますか。 で、今回のマッキャン物はですね、サイドマンが超豪華。 ジャケットの上のほうにスタンリー・タレンタインブルー・ミッチェルの名前が書かれていて、面子を見ただけでブルーでソウルな音が聞こえてきそうな気がするんですが、更によく見るとフランク・ヘインズの名前も。 おお〜! 知る人ぞ知る隠れテナーの名手として、僕の中ではかなりポイントが高かったりするんですが、デイブ・ベイリーの 『バッシュ!』 に入ってた人っすよねー。 僕の中での期待度がより一層アップして、早く演奏を聞きたくてウズウズしているんですが、ということで、じゃ、聞いてみることにしましょう。

 1曲目はマッキャンくんのオリジナルで、 「チップ・モンク」 。 外国へ行くと、チップをやらないと文句を言われたりするのがちょっと面倒なんですが、ポテトチップとかでも大丈夫なんですかね? まるくってちっちゃくてさんかくなサクマの 「いちごみるく」 が外人のギャルに大人気だという話は聞いたことがあるんですが、嫌がらせで 「兵六餅」 を置くというのもアリ? ま、あのパッケージは外人にはウケがよさそうなんですが、とまあそれはそうと、で、演奏のほうはというと、ん? 思ったよりも、意外とあっさり? 曲そのものもソウルというよりハード・バップ系だったりするんですが、アレンジも3管編成のわりにはシンプルな仕上がり。 ま、途中からそれなりに盛り上がってはくるんですが、でもって、ソロ先発はスタ・タレでありますか。 この人、日本での知名度はともかくとして、人気の点ではちょっと微妙だったりするんですが、個人的にはぜんぜん大丈夫だったりして、で、ここでもまずまず、無難なプレイを披露してくれております。 途中、ちょっとした合奏パートを挟みながら、かなり眺めにフィーチャーされていて、でもって、続いてマッキャンが登場します。 こちらも思ってたほどディープに真っ黒ではなくて、適度に品がない程度にまとまっている感じで、うーん、まあまあ? とまあそんなこんなで、個人的に期待していたヘインズとミッチェルはあまり出番がなくて、テーマに戻って、おしまい。 期待が大きすぎただけに、ぶっちゃけ、ちょっと物足りなく思えてしまいましたが、ま、次に期待! …ということで。

 ということで、次。 同じくマッキャンのオリジナルで、 「フェイス・ユーアー…」 。 語尾がはっきりしない、ちょっと斬新なタイトルなんですが、これがまた、マッキャンの顔からは想像出来ないラブリー&キュートなバラードだったりして、ちょっと意外。 見た目、めっちゃ怖そうですからね、クマデンのおっさん。 いや、昨日まで現場で一生懸命に働いてくれた電気屋のオッサンなんですが、根はいい人っぽいので、大丈夫なのではなかろうかと。 薬注屋のオッサンが当初の図面を無視して、自分たちが配管しやすいようにタンクの位置を勝手に変えた結果、電気の配管がめっちゃやりにくくなって、ぶつくさと文句を言われちゃいましたけどね。 薬注屋の言い分も分かるし、電気屋に文句を言われるのも仕方がない気がするし、間に挟まれる監督は何ともツライ立場だったりするんですが、ま、そこはポリ管みたいに柔軟にいきましょうや。 で、演奏のほうはというと、タレンタインのテナーがフィーチャーされた仕上がりとなっております。 この人も見た目はめっちゃゴツいんですが、バラードをやらせると哀愁のムードテナーっぽくて、絶品。 人間の深みが感じられて、深い穴とかを掘らせてみても大丈夫そうな感じ。 ユンボとか、案外器用に乗りこなしてくれるかも知れません。 塩ビ管にコツンとブチ当てて、ぱっくり割ってくれそうでもあるんですけど。 とまあそんなことで、リーダーのピアノ・ソロはプチ程度にしか出て来なかったりするんですが、これはこれで、よかったな♪ …と。

 で、次。 またまたマッキャンのオリジナルで、というか、ここで演奏されているのはすべて自作になるようですが、とりあえず3曲目は 「ツイスト・チャチャ」 。 タイトルを見れば分かるように、ベタでダンサブルな仕上がりとなっておりまして、ゴスペル色の強い、いかにもマッキャンらしいアレであると言えそうです。 最初のほうでブルー・ミッチェルがフィーチャーされているのが個人的には嬉しくて、で、短いピアノのリフ・パートを挟んで、続いてタレンタインが前のほうに押し出されて来ます。 堂々として、且つ、朗々とした吹きっぷりでありまして、老々介護の心配はとりあえずのところはなさそうなんですが、ソロの中盤にはトランペットも絡んで来て、なかなかいい感じにグルーヴだったりしております。 で、続いてはマッキャンのピアノ・ソロ。 お得意のブロック・コードを多用して、何とも濃くてディープな世界を演出しておりまして、ようやく調子が出て来たって感じぃ? とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 よかったんじゃね? そう評価していいのではないかと思います。

 ということで、4曲目。  「ア・リトル・3/4・タイム・フォー・ゴッド・アンド・コー」 。 タイトルからして恐らく、ほんのちょっとした75%の神様のなんちゃら。 そういったアレではないかと思うんですが、ワルツっすな、こりゃ。 グルーヴ&ファンクなテーマの合奏パートの後、スタ・タレのソロが登場することになるんですが、徐々に高みへと上り詰めていく高見映。 そういった仕上がりだったりして、凄ぇぇぇ! ノッポさんっすよね、高見映。 後任の 「わくわくさん」 も、どうやらクビになっちゃうようですが、こっちのほうには何の思い入れもなかったりするので、別にいいんですけど。 「できるかな」 が終わっちゃったのはショックだったんですが、ノッポさんが こんなキャラ だったというのは、かなりの衝撃。 ゴン太くんも社会人になったら、こういうキツイことを言われて、世間の厳しさを身をもって知ることになるんでしょうな。 いつまでもウゴウゴ言ってんじゃねーよ! とか言ってる間も演奏のほうは大盛り上がりを見せているんですが、で、続いてブルー・ミッチェルと、お待ちかね! …のフランク・ヘインズも、ここに来てようやく前のほうに出て来てくれて、僕としては満足♪ いや、もしかしたらスタ・タレのソロ、再びだったりするかも? そんな気がしないでもないですが、というか、最初のほうがヘインズだったりしたのかも? いずれにしろ、総体的に見て素晴らしい出来だったりするんですが、締めを飾るマッキャンのピアノもいい感じにファンキーだったりするし、とまあそんなことで、いやあ、よかったっす♪

 で、次。  「マキシズ・チェンジズ」 。 ハードバピッシュな佳曲。 そういった感じのアレです。 いつも同じようなことばかり書いてやがるな。 自分でもそう思うんですが、だって、しょうがないじゃな〜い、 アタシも弱いから〜♪ 和田アキ子に 「アタシも弱いから」 と言われても、まったく説得力が無かったりするんですが、 「タワシもヤワいから」 ならよく分かるんですけど。 アキ子が使うとすぐに駄目になっちゃいそうですもんね、タワシ。 で、演奏のほうはというと、スタ・タレ、ミッチェル、ヘインズ、マッキャンの順に各自のソロがいい感じにフィーチャーされていて、とってもよかったな♪ …と。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、ラストっす。  「サムワン・ストール・マイ・チトリンス」 。 チトリンスというのが何となく、チリトリっす。 そんな気がするのと、リンスは 「ちと」 ではなくて、ちゃんとやったほうが 「ちゃんリンシャン」 じゃないか? そんな気もするところがネックではあるんですが、曲も演奏も特に問題はなかったりするので、ま、いいんじゃないかと。 ちょっと捉えどころのない作風だったりするんですが、スタ・タレ、ミッチェル、ヘインズ、マッキャンと、前曲と同じ順序で繰り広げられる各自のソロはどれも良好だし、とまあそんなことで、テーマに戻って、今日はおしまい。

【総合評価】

 最初の1曲がちょっと 「ん?」 だったんですが、その後、完璧に流れを取り戻しました。 思ってたよりも、ぜんぜん下品ではなかったし、それでいて必要不可欠な毒物・劇物成分は体長を崩さない程度にしっかり含まれているし、レス・マッキャン最高や! ジョン・ルイスなんて最初からいらんかったんや!


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