QUINTESSENSE (IMPULSE)

QUINCY JONES (1961/11/29,12/18,22)

QUINTESSENSE


【パーソネル】

QUINCY JONES (arr,cond)
FREDDIE HUBBARD (tp) THAD JONES (tp) JOE NEWMAN (tp)
CURTIS FULLER (tb) MELBA LISTON (tb) BILLY BYERS (tb)
PHIL WOODS (as) JEROME RICHARDSON (as,ts) OLIVER NELSON (ts)
PATRICIA BOWN (p) BOBBY SCOTT (p) MILT HINTON (b)
JAMES JONES (ds) BILL ENGLISH (ds) & Others
【収録曲】

(01-03) QUINTESSENCE / ROBOT PORTRAIT / LITTLE KAREN
(04-06) STRAIGHT , NO CHASER / FOR LENA AND LENNIE / HARD SOCK DANCE
(07-08) INVITATION / THE TWITCH
【解説】 ( 2012年07月22日更新 / 連載 1,040回 )

 三連休でしたなぁ。 今年の 「海の日」 は例年より1週間ほど早くて、まだ梅雨が明けてなさそうな気配が濃厚に感じられたので、泊りがけで遊びに行くのは自粛しました。 その代わり、8月の最終週に熱海の花火でも見に行こうかと思っていたんですが、仕事の都合でその時期は忙しくなりそうな気配が濃厚に感じられたので、やめました。 結局、8月12日開催の 「八ヶ岳ジャズフェスティバル」 というのに行くことにしたんですが (一部既報) 、おおっ、いつも間にやら 会場コラボ販売 ライトフード&ドリンク というページが追加になっておりますな。 昼飯はどうしよう? 露店とか、出るのか? …というのが心配だったんですが、これで一安心。 ただ、メニューのほうはちょっと微妙ですなぁ。 宇都宮焼き餃子、宇都宮揚げ餃子、餃子弁当、餃子ドック、餃子パンって、餃子ばっかりやんっ! ま、餃子以外に 「ジャズまん」 なんてのもあるみたいなんですが、調べてみたら、どうやらこれも宇都宮の新作B級グルメっぽいし、霜降高原牛串焼き&豚串焼きの霜降高原というのも栃木だし、レモン牛乳も栃木。 そういえば宇都宮は、世間にあまり広く知れ渡らない程度に “ジャズの街” を自称しているようなんですが、そいつの絡みでジャズフェスへのコラボ出店を画策したのでありましょうか? “カクテルとジャズの街” としてお洒落なイメージで売り出したいのに、いつまでたっても “餃子の街” としか思われないのが悩みらしいですからね。 そういえば 「カクテルアイス」 なんてのも売りに出されるみたいですが、冒頭の宇都宮焼き餃子と宇都宮揚げ餃子の印象が強過ぎて、 宇都宮 = 餃子っ!  その印象がますます堅固なものになるだけのような気もするんですが、餃子好きの僕としては、なかなか嬉しい企画だったりします。

 で、ジャズフェスの前日には蓼科の女神湖でプチ花火大会があるようなので、近くに泊まってそいつを見ようかと思っていたんですが (一部既報) 、気が変わって、やめることにしました。 で、 ここ で紹介した 『cafe&bar Chandra』 というところに泊まってみることにしました。 一緒にお泊りしてくれる昭和のギャルは現れなかったんですが、でもまあ、一人で女神湖の花火を見るよりかはハードルが低いように思われたので、思い切って、踏ん切ってみることにしました。 夕食付きのプランが無かったので、どこか近くの店で食べることになろうかと思うんですが、調べてみたら 霧亭 というところが、ちょっとよさげな感じ。 “霧亭ごぜん” (¥1.800) というのが人気みたいなんですが、鶏のきじ焼きごはん・豚の角煮。ここまでは完璧っすな。 煮物。 これはまあ、さほど好きではないんですが、別に食えないワケではないので許容範囲。 で、問題はイワナの塩焼き。 魚介類の類があまり好きではない僕としては、まったくソソられるものがありません。 ま、嫌々ながらも食ってみたら、意外と美味かったりするのではないかという気がしないでもないんですが、特に旅先だと非日常的な異空間が作用するのか、 「突発性・好き嫌いの無いよい子症候群」 になったりしますからね。 “岩魚ごぜん” や “限定岩魚ごぜん” というのはちょっとアレなんですが、鶏のきじ焼きごはんと豚の角煮のどさくさに紛れちゃえば、イワナの塩焼きの1匹くらいは何とかなるかも? …という気がしないでもありません。 が、別にそこまでしてイワナを食べる義務はないような気もするし、大人しく “特製オムライス” あたりにしておいたほうが無難かもしれませんな。 で、それだけでは物足りないようなら、 「チャンドラ」 に戻ってから、名物らしい “水餃子” でも食うことにして。 翌日の宇都宮コラボと合わせて、 “水→焼き→揚げ” の餃子三昧。 ちょっといいかもー?

 で、今年の花火は結局のところ、地元の桑名だけで終わっちゃいそうなんですが、何か 『ハナビスト冴木一馬氏が選ぶ 2012年に絶対行きたい!全国花火大会 BEST10 』 というので、第1位に選ばれちゃってますぜー。 ま、確かに “NTN特大仕掛け” 限定で言えば、桑名の癖に生意気だぞ! …と、因縁を付けられちゃいそうなくらい、近年は頑張ってるほうだと思うんですが、全国1位は無いやろ!? そう思わずにはいられません。 全国大会で柏崎や長岡を相手にしたら、 27-1 で5回コールド負け。 それくらいの実力差はあると思います。 1点だけでも取れて、よかったね♪ そう、孫子の代まで自慢出来るレベル。 地方大会でも、豊田のおいでん花火や、ふくろい遠州の花火に勝てるとは思えないし、3尺玉が3発も上がる蒲郡にも完封されちゃうような気が。 三重県大会でも熊野の花火のほうが各上であると認めざるを得ないんですが、そもそもこの順位を付けた冴木一馬という人の “ハナビスト” という肩書が胡散臭くて仕方がありません。  “鼻毛スト” とか “鼻血スト” よりはちょっとマシといったくらいで、冴木なのに、冴えないオッサン。 恐らくそんなキャラではないかと思うんですが、関係者から裏金を貰ったとしか思えないランキングでありますな、こりゃ。 もしかしたら、NTNからベアリング1年分が冴木クンの元に上納されていたりするのかも知れません。 ベアリングなんて1個あれば1年くらいは余裕で使えるので、それくらいなら安いものだと思うんですが、そういえば2週間ほど前にNTTの桑名工場で火事があったみたいですな。 従業員が3名ほど軽い怪我をした模様です。 自分のところで火事を出しておいて、花火なんてとんでもないっ! そんな自粛論が出てくるのではないかと心配したんですが、消火活動と、もみ消し工作がうまくいったようで、今のところ中止という話は出てなくて、何より。 全国1位は限りなく怪しいとしても、四日市の花火には勝っていると思うので、北勢地区ナンバー1の地位は安泰だと思うし、三つ年下の彼と行きました。夜空に輝く花火を見てたら感動して、 彼のこと大好きになりました。 そんなクチコミも寄せられているし、桑名人の立場からすると、けっこうオススメ♪ 「さば君と一緒に見に行きたいのぉ♪」 というギャルがおられましたら、気軽に声を掛けて下さいね。 三つ年上でも、ぜんぜん大丈夫っす。

 とまあ、それはそうと3連休。 1ヶ月ほど前に貰った全体工程表を見る限り、土曜日にも働く気満々であるように思われた土建屋 ( ← ここ 参照 ) でありますが、いざ蓋を開けてみたら、平日ですら、まったくヤル気の感じられない人々であることが判明して、工事が進捗しないこと、この上なし。 おかげで3連休もフルにお休みすることが出来ました。 8月にその皺寄せが来るのは確実なんですが、とりあえず今日という日を楽に過ごせればいい。 この先のことなど考えたくもないし、どうなっても知らんっ! そういう、刹那主義的な思考の僕としては、何とも嬉しい限りっす。 『塩通』 のほうの原稿も何とか日曜日には片付いたし、家にいても暇なだけなので、どこかに出掛けてやるぅ! …というので、海の日には琵琶湖のほうに遊びに行くことにしました。 で、今日はその話を書こうと思っていたんですが、前振りだけで適度に行数が埋まったので、そのネタは次回に回すことにして、とまあそんなことで、去年撮った桑名の花火大会の写真でも掲載して、今日は終わりという事にさせて頂きたいと思います。


< 桑名水郷花火大会 (2011) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 撮るだけ撮って、今まで人目に晒されることは無かったんですが、オクラ入りになった理由は一目瞭然。 目の前のガキ、うぜぇぇぇぇぇぇぇ!!! 朝、わりと早い時間に場所取りに行ったんですが、写真撮影に適した最前列は既に全滅しちゃってました。 仕方ないので、少し後ろの席で妥協したんですが、いざ撮影を始めてみたら観客の後ろ頭が入りまくって、うぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! 特に左斜め前方の位置にいたガキは、意味もなくずっと立ちっぱなしで頑張ってくれてました。 どんな場面においても足腰を鍛えようという心構えは立派だし、その類い希なる持久力は賞賛に値すると思うんですが、座れよ!!! 隣には保護者と思われる爺さんがお見えになられたんですが、さっさと座らせろよ!!! 下手に注意して、 「うるせぇ、ジジィ!!!」 とか言われたりしても、嫌だしぃ。 …と、躊躇する気持ちも分からんではないんですが、いいからさっさと注意しろよ、ジジィ!!! 幼女なら多少のオイタは大目に見てあげてもいいんですが、男の孫なんか連れてくるなよ、ジジィ!!! 写真をチェックしたらほぼ全数にこのガキの後頭部が写り込んでいて、1年前の不快感が蘇ってきちゃいましたが、何だかめっちゃムカツクので、おめーなんか、 こうして やるぅ! いやあ、我ながら何とも大人っぽいやり口で、何だかめっちゃスッキリしましたが、で、花火大会が終わると、その翌週は 石取祭り でありますな。 自称 「日本一やかましいまつり」 。 他と比較してみたことがないので、本当に日本一なのかどうかは定かでありませんが、やかましいのは確かです。  「天下の奇祭」 とも言われているようですが、“かなまら祭り” や “どんつく祭り” といった、リンクを貼ることすら憚られるような類いのモノではないので、ギャルの人にも安心かと。 ま、決してオススメはしませんけどね。 やってる人たちはめっちゃ楽しそうなんですが、見ているほうとしては、ただやかましいだけだしー。 でもまあ、 大四日市祭り よりは全然マシだと思うんですよね。 昭和39年開始って、歴史、浅っ!! 僕より4歳年上なだけって、こんなの、三つ年上のギャルと一緒でもあまり行く気にはなれませんなー。 スケジュール を見ると土曜日の14:30開始のようで、まったくヤル気というのもが感じられませんな。 夜中の0時から叩き出しを始める石取を見習えっ! ま、稲葉翁の銅像に花を捧げるというのは、なかなか殊勝な心掛けだと思うんですが、四日市では超有名なんっすよね、 稲葉三右衛門 。 ご近所さんで名字が同じなので、恐らく僕の先祖とは、遠い親戚より近くの他人。 そういう関係だったりするんじゃないかと思うんですが、で、その後はパレードとか、市民総踊りとか、太鼓の演奏とか、あまり歴史のない典型的な市民祭りといった感じですな。 桑名のショボいほうのイベントである “金魚祭り” にも負けていて、かろうじて “桑名の殿様・御台所祭り” や “十念寺の七福神祭り” よりはマシといった程度。 何故か 大入道のカラクリ がメインだったりするようですが、これはもともと、大で無いほうの 四日市祭り のキャラだったんですな。 こちらのほうは歴史もけっこう古いみたいだし、 “金魚祭り” ごときは 「13対1」 で7回コールド負けしちゃいそうで、内心ちょっぴり焦っているんですが、残念ながら戦後は衰退しちゃったようで、とりあえずは一安心。 こと、花火と祭りに関しては、四日市ごときは桑名様の敵ではないし、四日市の “なが餅” は、桑名の “安永餅” のパチモンやん! そういう結論でいいんではなかろうかと。

 とまあ、あまりギャルと一緒に行きたいとは思わない “大四日市祭り” なんですが、同じ四日市のお祭りでも、ちょっとソソられるのがあったりします。 それは何かというと、 “万古祭り”。 おおっ♪ 東に “かなまら” あれば、西に “万古” あり。 そう称されている素敵なお祭りなんですが、いや、どちらかというと、大阪のギャルよりも、東京のギャルと一緒に行ってみたいイベントなんですけどね。 “ま○こ祭り” って、いやあん♪ 知っているのに、わざと読み方を間違えてくれたりするギャラだったりすると、より一層気分が盛り上がるような気がするんですが、で、いつ開催されるのかと思ったら、今年は5月12日と13日って、終わってるやんっ!! ちなみに “かなまら” は4月初旬、 “どんつく” は6月初旬に開催されるようなので、 “まら” → “万古” → “どんつく” の順で回れば、3ヶ月で3P制覇も可能かと。 ただ、四日市のお祭りだけは土鍋とか蚊やり豚が売られているだけで、もの凄く残念な結果に終わりそうなんですが、調べてみたら犬山の大縣神社の “豊年祭り” とか、ちゃんとした “そっち系” のアレもあるみたいですな。 そういうのに比べれば石取祭りなんて、ただやかましいだけで、やましくもなければ、やらしくもなくて、よろしいなぁ。 …というの事が判明したところで、おしまい♪

 ということで、今日はクインシー・ジョーンズなんですが、ジャズにぜんぜん詳しくない人たちの間でも、知名度は抜群っすよね。 というか、ジャズの人だとは思われてない節があったりするんですが、かく言う僕もポップス系のキャラだとばかり思っていました。 イリノイ州シカゴ出身。少年時代にトランペットを学ぶ。 (中略) 1951年、バークリー音楽大学を卒業後、トランペット・プレーヤーとしてライオネル・ハンプトン楽団に参加。そこでアレンジャーとしての才能を見出され、カウント・ベイシー、デューク・エリントン、サラ・ヴォーンらジャズ界のスターのアレンジを手がけるようになった。 そういう経歴の持ち主だったんですな。 その後、「愛のコリーダ」とかマイケル・ジャクソンの 『スリラー』 とかで超有名になるんですが、作曲家、久石譲の名前の由来がクインシー・ジョーンズだという話は有名っすよね。 ま、僕は今知ったばかりなんですけど。 で、今日はそんなクインシー君の 『ザ・クインテッセンス』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、日本語にすると 『ザ・真髄』 。 クインシーという名前をもじって付けられたものなんでしょうが、個人的には真っ先に “デリカテッセン” が頭に浮かんで来たりします。 後半の “テッセン” の部分しか合ってないんですが、前半の “クイン” の部分が何となく食い物っぽかったりするのが要員なのかも知れません。 で、続いてジュリアナ扇を振り回して踊っている女王みたいな映像が浮かんだりするんですが、これは恐らく “クイーン” と “扇子” からくる印象なんでしょうな。 いずれにしろ 「真髄」 などという難しい漢字はなかなか思い出せなかったりするんですが、とまあそんなことで、1曲目。 アルバム・タイトル曲の 「クインテッセンス」 っす。 センスの悪い扇子を振り回すディスコ系のチューンなのかと思ったらそうではなく、趣味のいい知的な仕上がりだったりしたんですが、アルト・サックスの第一人者として今も第一線で意欲的に活躍をつづけるフィル・ウッズのソロを全面的にフィーチャーしたクインシーのオリジナル・バラッド。 そう日本語ライナーで瀬川昌久クン (←誰?) が書いている、そういうアレだったりします。 バックで聞こえるオーケストラはウッズ君の機嫌を損なわぬよう、終始控え目なんですが、時折、ワーッと出てきて場の空気を盛り上げるという仕事も忘れずに遂行されていて、なかなかいい感じっす。 基本、ビッグバンドがさほど好きではなく、ついついベルトのことをバンドと言ってしまうヤングな僕でありますが、これならぜんぜん大丈夫。 コールテンのズボンを履いて、チョッキの上にジャンパーを羽織る、流行に敏感な神官。 そんなムードが漂っていて、秀逸っす。 先週、 ギルもの を聞いて、あまり素直に楽しめない自分に気付いたりしたんですが、ギルくんにべるとクインシーの編曲手法はよくも悪くもオーソドックスで、保守派の僕には向いているような気がします。 クインシーのビッグバンド・ジャズの王道なら、ギル・エバンスは尿道。 そんな感じがして、マニアには強く支持されるんでしょうが、ノーマルな趣向の僕には、ちょっと・・・。

 ということで、次。  「ロボット・オートレイト」 。 レコーディングに参加しているトロンボーン奏者ビリー・バイヤースの作ったオリジナル。 この頃流行した 「ブルース・マーチ」 や 「モーニン」 と同系統のハード・バップ系のファンキー節である。 …と、日本語ライナーに書かれているので、ファンキーと鰹節が好きな僕としては期待せずにはいられませんが、聞いてみたら、アレでした。 「ブルース・マーチ」 というよりむしろ 「尊師マーチ」 を彷彿させるような、知的でクールな仕上がりになっていて、悪くないっす。 テーマを奏するサックスのグリッサンド・プレイは、バイヤースの得意とする手法で、同時期のカウント・ベイシー楽団にも同様のアレンジを多数提供している。 …と解説にあるんですが、アレンジを担当したのはクインシーじゃないんすかね? 瀬川クン、勘違いしてる? そもそもグリッサンド・プレイというのがどういうものなのか、僕にはよく分からなかったりするんですが、股の間にイガイガの栗を挟んじゃうとか? 栗とグリッとは違うので、多分、僕の想像は間違っていると思うんですが、で、調べてみたらアレでした。 グリッサンドまたはグリッサンド奏法は、一音一音を区切ることなく、隙間なく滑らせるように流れるように音高を上げ下げする演奏技法をいう。 そういうプレイであるようです。 解説を読んでもあまりピンとは来ないので先に進むことにしますが、テーマの合奏に続いて、テナーっぽい楽器のソロが登場します。 誰なのかはよく分からんのですが、パーソネルから推測すると、エリック・ディクソンか、フランク・ウエスか、オリバー・ネルソンか、3人のうちの誰か。 そういうことになろうかと。 オリバーくんでは無いと思うんですが、残り2人のうちどちらを選ぶかは、ま、各自の判断に委ねるとして。 で、続いてトランペットのソロが登場するんですが、個人情報保護法の絡みもあることなので、これが誰なのかを詮索するのはヤメておきましょう。 参加者の中にフレディ・ハバードの名前があって、それで正解ではないかという気がしないでもないんですが、自信のほどは正解率25%くらいで、でもって、終盤には卓越したアンサンブルパートも聞かれたりして、で、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、3曲目。  「リトル・カレン」 。 テナー奏者兼作編曲家で、ジャズ・テットの支柱的存在として名高いベニー・ゴルソンの作品。ミディアム・テンポで、アフター・ビートにのったルースで軽快な曲である。 そのように書かれているので、これまた期待度大なんですが、実際のところ、ルースで軽快な仕上がりとなっておりました。 途中、いかにもゴルソンっぽいフレーズが聞かれたりもするんですが、最初の一口、二口は美味しく感じられるものの、食べ進むにつれて、だんだんクドくなって飽きてきちゃうゴルソン・ハーモニーとは違って、クインシーの料理法は全般的に薄味で、素材のうま味をうまく活かした、うま味紳士。 そんな感じがします。 そういうタイトルのホモ作品があるらしいんですよね、うま味紳士。 「うまみ」 ではなくて 「うまあじ」 と読むみたいなんですけど。 ヤクルトの館山昌平とか、日本ハムの吉井理人コーチみたいなオッサンが出てくるようで、個人的にはとても真摯な態度で鑑賞する気にはなれません。 で、演奏のほうはと言うと、テーマに続いてテナーらしき楽器のソロが登場するんですが、パーソネル的には先ほどの曲と同様。 雰囲気も似ているので恐らく同一人物ではないかと思われるんですが、さほどアクは強くなくて、控え目なオーケストラとの絡みも良好で、でもって、終盤には卓越したアンサンブルパートも聞かれたりして、で、テーマに戻って、おしまい。

 で、続いてはセロニアス・モンクの 「ストレート・ノー・チェイサー」 っすか。 個人的にあまり好きな曲ではないので、軽く流しておこうと思うんですが、その反復的旋律とリズミックに歯切れの良いアクセントが好まれ、なんとかゆるジャズメンが採り上げ、ビッグ・バンドも好んで演奏する。 そういうアレだったりします。 「なんとかゆる」 の部分は印刷が乱れていて判読不能なんですが、常識的に考えれば 「あらゆる」 かと。 ゆるゆるジャズメンは、あまり採り上げないような気がするしー。 で、演奏のほうはというと、ミュート・トランペットが目立つ部 → サックスが頑張る部 → みんなで盛り上げる部の順で3回ほどテーマが繰り返されて、で、その後、トロンボーンのソロがフィーチャーされて、終盤には卓越したアンサンブルパートも聞かれたりして、以下略。 ま、確かにリズミックに歯切れがよくて、出来としては悪くなかったと思います。 ということで、次。  「フォー・レナ・アンド・レニー」 。 黒人の美貌女性歌手レナと、その旦那で白人編曲家兼コンダクターのレニー・ヘイトン。 その2人に捧げて、クインシーが作曲した美しいバラード。 そういうアレであるようです。 何となくカウント・ベイシー楽団を彷彿させる仕上がりだったりして、うーん、まあまあ。適度にフィーチャーされている誰かのピアノがちょっといい感じだったりして、悪くはないので、ま、いいのではなかろうかと。

 ということで、次。  「ハード・ソック・ダンス」 。 クインシーのオリジナルで、アップ・テンポのスウィンガーで、アンサンブルが盛り上げ、ドラム・ソロに導かれて、フレディ・ハバードとサド・ジョーンズの2人のトランペッターのソロをフィーチャーする。 瀬川クンの日本語はちょっと不自由だったりするんですが、ま、言いたいことは何となく分かるし、僕が特に付け加えたいようなこともなくて、書いてある通りです。 さほどインパクトは強くありませんが、中庸ちっくで、悪くはないと思います。 で、続く 「インヴィテーション」 はアレです。 「淫靡って、いいしょ?」 「ん〜♪」 という、個人的にはわりと気に入っているジャズ俳句でお馴染みのナンバーなんですが、作曲したのはブロニスロウ・ケイバーという人。 「グリーン・ドルフィン・ストリート」 を書いた人なんですな。瀬川クンの解説を見て、初めて知りました。 で、演奏のほうはというと、低音アンサンブルとハープとの絡み具合とか、途中から急に脳天気っぽくなるところとか、全編に漂うそこはかとないラテンフレーバーとか、随所に工夫が感じられるんですが、その成果のほどは、まあ、ぼちぼちかと。 そういった感じでしょうか? あまりヘンにいじくり回さないほうがいいような気がするんですよね、こういう曲は。 ま、トロンボーンとアルトのソロは普通にいい感じだし、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 で、ラストっす。  「ザ・トゥイッチ」 はビリー・バイヤースのオリジナル。 誰? …と思ったら、2曲目の 「ロボット・なんたら」 というのを提供してくれたボントロ奏者っすな。 あっちのほうはなかなかの出来だったので、こっちのほうにも期待が持たれたんですが、結果から言うと、うーん、まあまあ? フルートのリードする柔らかいアンサンブルからジョー・ニューマンのミュート・トランペットのソロに入る。若々しく明るいプレイが印象的だ。全体にバディ・カトレットのベース・プレイを全面に出して、軽快なリズム感を躍動させ、カウント・ベイシー楽団をも想起させるソーキ蕎麦な演奏である。 そう、瀬川クンが解説しているんですが (一部、勝手に改変)、思ったほど旨くはなかったりするんですよね、沖縄のソーキ蕎麦。 全般的に味が薄いというか、うま味に欠けるというか。 テーブルに島唐辛子の汁みたいなのが置いてあるので、自分で味を調整しなければならんのですかね? ぶっちゃけ、沖縄料理というのは全般的に内地の人間の口には合わないような気がするんですが、で、このベイシー楽団風味の演奏も、僕の口にはちょっと・・・。 もうちょっとモダンな感じのモダン焼きみたいなほうがいいような気がするんですが、ま、味の好みというのは人それぞれだと思うし、とまあそんなことで、今日は以上っす。

【総合評価】

 終盤、ちょっぴり失速しちゃいましたが、全般的には思ってたよりもぜんぜん大丈夫でした。 ジャズ作編曲のオーケストレイションの技巧と、ジャズ本来のアドリブ・ソロ・プレイとの最も自然な形での融合であり、オーケストラでありながら、モダン・ジャズのコンボをきいているかの如きナチュラルでリラックスしたジャズ・スピリットを常に発散するところに、クインシーの天賦の才が余すところなく具現されている。 瀬川クンがそんなことを書いておりますが、モダン・ジャズのコンボをきいているかの如き。 ここのところがポイントでありまして、オーケストラよりも鈴カステラ…は、前に使ったので新しいネタを考えなければなりませんが、オーケストラよりもスケトウダラのほうが好きな僕でも、十分に楽しめました。 何か、あまりに無理があり過ぎるような気もするんですが、とりあえずのところ、それなりにはオススメ♪


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