SING ALONG WITH BASIE (ROULETTE)

JOE WILLIAMS , LAMBERT , HENDRICKS & ROSS (1958/5/26,27,9/3)

SING ALONG WITH BASIE


【パーソネル】

JOE WILLIAMS (vo) DAVE LAMBERT (vo) ANNIE ROSS (vo)
with THE BASIE BAND lyrics written by JON HENDRICKS
【収録曲】

(01-03) JUMPIN' AT THE WOODSIDE / GOING TO CHICAGO BLUES / TICKLE TOE
(04-06) LET ME SEE / EVERY TUB / SHORTY GEORGE
(07-08) RUSTY DUSTY BLUES / THE KING
(09-10) SWINGIN' THE BLUES / LI'L DARLIN
【解説】 ( 2012年07月29日更新 / 連載 1,041回 )

 草津に行ってきました。 草津と言っても群馬県の山奥の温泉地ではなく、滋賀県の琵琶湖の南の端っこのほうの草津なんですが、ここはアレです。 一応、温泉らしきものがあったりするんですが、そっちのほうはあまり大したことはなく、むしろ京阪神のベッドタウンとして無駄に栄えていたりします。 人口は14万にも満たないくらいなんですが、駅前にはタワーマンションが林立してして桑名よりも遙かに都会だったりして、何だか悔しいです。 県庁所在地の大津よりも繁栄しているような気がするし、大津の大きくないバージョンである三重県の津なんて、問題外。 しょぼいですからね、津。 ま、腐っても県庁所在地なので、大津の中くらいバージョンの中津には勝っているような気がするし、焼津、魚津、直江津、宇多津、多度津、温泉津あたりとはいい勝負だと思うし、でも唐津や沼津や木更津あたりには完敗だろうし、全日本 “津” 選手権では6位から8位といったところですかね、津。 津一族の代表みたいな名前なのにぜんぜん大したことなくて、津の面汚しっすよね、津。 …と、草津に負けた腹いせで津を虐めてやったら、何だか凄く気分がスッキリしましたが、で、草津のどこに行ったのかというと、 「草津市立水生植物公園みずの森」 。 名神の栗東インターで降りて20分くらいのところにあるんですが、途中、栗東駅の近くを通ったら、ここにも無駄に高いビルが建っていたので、ちょっとビビりました。 栗東なんて、春の選抜高校野球で言えば21世紀枠みたいなものなのに、そんなところにも負けてしまって、末代までの恥曝し。 栗東の鬱憤は 「粟おこし」 でもヤケ食いして晴らすしかありません。  「粟おこし」 なのにぜんぜん栗が入ってなくて、詐欺やんけ! …と思ってよく見たら、栗 (くり) やなくて、粟 (あわ) やんけ! そんな事実が発覚して、何だか余計にムカつく食い物だったりするんですけどね、粟おこし。


< 草津市立水生植物公園みずの森 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 とまあそんなことで、到着しました、水生植物公園。 草津の駅前から離れた琵琶湖のほとりの烏丸半島という、半島とも言えないようなプチでっぱり部分にあるんですが、さすがの草津もこの辺りまでくると普通にイナカっぽくて、ちょっぴり安心。 ちなみに 「烏丸」 は “とりまる” ではなくて、よく見ると、鳥のどこかが一本抜けてる奴だったりします。  “からす” もしくは “う” っすな。 じゃ、 「烏丸」 は “からすまる” もしくは “うまる” なのかと思ったら、それも正しくはなくて、 “からすま” と読むのが正解。 京都にも同じような地形があるんですが、何か関係があるんですかね? もしくはボラの卵巣を塩漬けして天日で乾燥させた奴だったりするとか? それは “からすみ” なので “からすま” とはあまり関係ないような気もするんですが、 「烏魚子」 と書いて、からすみ。 高いんですよね、あれ。 ボラだけに、ボラれ感が半端なかったりするんですが、で、植物園のほうはアレでした。 適度にお花が咲いていて、写真を撮るにはなかなかいい感じ。 温室の部と屋外の部とに分かれていて、温室のほうには熱帯っぽい蓮とかが咲いていて綺麗だったんですが、中は熱帯的にクソ暑かったりするので、ちょっとアレでした。

< 草津市立水生植物公園みずの森 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 一方、屋外のほうは庭園っぽく整備されていて、散策するには手頃な仕上がりだったんですが、外は外で温帯モンスーン的にクソ暑かったりするので、やっぱりアレでした。 植物園から外に出ると琵琶湖の南のはずれの部分が広がっていて、そこには野良の蓮が勝手に繁茂していて、7月下旬には花を咲かせたりするようですが、僕が行った時は時期的に少し早過ぎたのか、草津っぽい草が浮かんでいるだけで、ちょっとアレでした。 で、その他、馬鹿でかい風車みたいなのが回ったり、回らなかったり、止まったりしていたんですが、えーと、 くさつ夢風車 。 これっすな。 めっちゃ大がかりなわりに、あまり真面目に発電出来ているようには思えなかったんですが、ま、ウドの大木的な意味では頑張っていると思うし、大木凡人よりはマシだし、とまあそんなことで、植物園のほうは以上です。 こじんまりとしたカズン・マリー ( by ジョン・コルトレーン) といった感じのところだったので、単独で生きていくのはちょっと厳しそうな気もするんですが、でも大丈夫。 すぐお隣に 「県立琵琶湖博物館」 というのがあるので、2つ併せれば余裕で半日は持つんですが、で、こちらの博物館のほうもですね、なかなかよかったっすす。 3連休ということもあってか、幼女がたくさん来ていたのがよかったっす。 もしかしたら幼男もそれなりにいたのかも知れませんが、興味がないのであまり気にもしなかったし、たくさん来ていたところで別に嬉しくもないし、とまあそんなことで、展示内容を簡単に紹介しておきましょう。

< 琵琶湖博物館 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 中に入ったらとりあえず2階に上がるのが正解っぽいんですが、で、まず最初は “A展示室” 。 テーマは 「琵琶湖のおいたち」 でありますかぁ。 ビワコオオイタチという、大きなイタチ科の哺乳動物が展示されているのかと思ったらそうではなく、河原の石とか、琵琶湖周辺の石と土とか、滋賀の岩石と鉱物とか、お堅いものばかりが展示されていて、幼女受けしないこと、この上なし。 ということで、さっさとスルーして “B展示室” へ。 こちらのテーマは 「人と琵琶湖の歴史」 でありますな。 琵琶湖とはあまり関係無さそうな昭和グッズが展示されたりしておりましたが、このモノゲンユニ、火事で燃える前のサバ家にもありましたなぁ。 燃えた後の再建後のサバ家にもあったような気がするんですが、バスボンもきっちり昭和の遺物して取り上げて貰って、松本ちえこもさぞやお喜びでありましょう。 で、この博物館は建物自体がなかなかモダンだったりして、大きな窓から琵琶湖が見えるスポットもあったりして、ビワ感は抜群。 とまあそんなこんなで、 “C展示室” 。 あ、モノゲンとバスボンはC展のほうだったような気もしてきましたが、 「農村のくらしと自然」 とか、そういったものが主題となっておりました。 さすがに火事で燃える前のサバ家も、こんな昭和初期の農家のような佇まいでは無かったんですが、便所は似たようなものでしたな。 風呂と便所が別棟になっていて、便所は無論、ぼっとん。 紙は 「大元」 という店で買ってきた 「助六」 というブランド。 で、風呂は近所で叔父さんのヒロシくんが営んでいた 「大森屋」 という八百屋で貰って来たリンゴの木箱を斧で割って火で燃やして沸かしたりしてたんですが、いやあ、懐かしいですなぁ、あの頃。 試しに 「助六」 でググってみたら、 こんなの がヒットしたんですが、水洗トイレにも使用出来る!シートタイプ トイレットペーパー 「ソフト助六(700枚)」 って、こんなの、僕の知ってる助六じゃないっ! 僕の知ってる助六はソフトなどという単語がまったく似合わないハードボイルドな奴で、水洗トイレなんかに流したらまず確実に詰まるという、世間にも便器にも流されない熱血硬派なキャラだったんですよね。 便所紙としては最低、最悪の品質だったんですが、ま、「大元」 に売られている同業他社の製品と比べると最安だったので、仕方のないところではあるんですけど。 この通販サイトでいうと “1枚あたりたったの0.3円! (セミハード&ドライタイプ) アイオー 品いちばん2000枚!高級ちり紙” というのに劣るとも勝らない製品だったと思うんですが、とてもセミと呼べるレベルのハードさでは無かったですからね。 個人的には 「ソフトママさん」 というのに、優しく拭いて貰いたいな♪ …と思ったりもするんですが、購入者のレビューを見たら、引っ越しの時のサボテンの箱詰め用に利用されたりしていて、ママさんもいろいろと大変ですなぁ。。。

< 琵琶湖博物館 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 とまあそんなことで、続いては1階部分。 こちらのほうは淡水系のプチ水族館みたいになっていて、幼女でも普通に楽しめるので安心なんですが、とまあそんなことで、博物館は以上です。 駐車場付近には多目的広場もあったりして、いろんな目的で使用することが出来るんですが、具体的には、えーと、歩いたり、走ったり、寝ころんだり。 いやあ、実に多目的でありますな。 近くには 「道の駅・草津」 というのがあって、 「フナ寿司パイ」 というのを売っていたので試しに買って食ってみたんですが、フナ感も寿司感も極めて希薄な、普通に美味しいパイだったので、ほっとしたような、何だかちょっと物足りないような。 草津だけに 「腐ってツーン」 という刺激が欲しかったところではあるんですが、とまあそんなこんなで、しがない滋賀レポートは、以上っす。

 ということで今日はジョー・ウィリアムス、ランバート、ヘンドリックス&ロスっす。 無駄に長ったらしいグループ名…というか、個人名の羅列なんですが、正確にはこれにウィズ・ザ・ベイシー・バンドという語句も付随することになります。 この人達がどういう人達であるのか、高田敬三という人の書いた日本語ライナーから引用させて頂くと、ランバート、ヘンドリックス&ロスは、1950年代後半から60年代前半にかけて、一世を風靡したジャズ・ヴォーカル・グループだ。 デイヴ・ランバート、ジョン・ヘンドリックス、アニー・ロスの3人からなるこのグループは、ジャズの器楽奏者が残したアドリブ・ソロの録音に歌詞をつけてグループで歌ってしまうという斬新なコーラスだった。 そういう人達であったりします。 コーラスというと森永が出してるカルピスのパチモンの印象が強くて、あまりオリジナリティが感じられなかったりするんですが、この人達は別モン。 ジャズ・ボーカルというとスキャットを除けばアドリブの要素が希薄で、コアなジャズ・フェチにとっては今ひとつスカっとしないものがあったりするんですが、ヴォーカリーズという手もあったんですな。 まさしく、企画の勝利! …といった感じなんですが、で、今回取り上げる 『シング・アロング・ウィズ・ベイシー』 はアレです。 L,H&Rの他にもうひとり、ジョー・ウィリアムスも入ってるじょー。 おまけに伴奏は本物のベイシー楽団だじょー。 そういうアレだったりするんですが、ジョーくんはアレですよね。1918年ジョージア州生まれのジョー・ウィリアムスは、男性黒人ヴォーカリストとしてトップ・クラスの一人。雄々しく野太く、伸びのある声質が魅力。ブルースを最も得意とした。ジャズ・ヴォーカル養成学校といってもいいカウント・ベイシー楽団に54年から61年までの長きにわたって在籍。そういう人だったりします。 おそらく、ベイシー好きの人にとっては、たまらんものがあるんでしょうな。僕はどちらかというとベイシーよりも砥石のほうが好きなので、別にそれほどでもなかったりするんですけど。

 とまあそんなことで、では1曲目から聞いてみたいと思うんですが、今日の僕には時間がありません。 いつも同じようなことを書いて、不出来な現行の免罪符にしているんですが、今日はガチ。 今まで、まったくヤル気を見せてこなかった土建屋が、何故だか急に勤労意欲に目覚めてしまって、土曜日に生コン打ちの仕事の監督業務が入っちゃったんですよね。 でもまあ、多分午前中には終わると思うので、何とかなるかぁ。 …と踏んで、平日のうちに原稿を書き進めておく事をせずに当日を迎えたんですが、午前中が準備作業で、生コン打ちは昼から。 そんな段取りになってしまいました。 でもまあ、3時頃には終わる筈と思って事態を楽観視していたら、きっちり5時過ぎまで掛かっちゃったんですが、最終仕上げを行なう左官屋さんは見捨てて、その時点で監督業務は終了。 だって、今日は桑名の花火大会だから、最後まで付き合ってられないしー。 で、家に帰って、2キロの道を歩いて揖斐川の堤防まで移動して、ビールを飲みながら柿安の弁当を食って、花火を鑑賞して、で、2キロの道を歩いて家に帰ったんですが、何だかめっちゃ疲れて、原稿を書く元気など、みじんも沸いて来ませんな、こりゃ。 で、今日は朝から頑張って、何とか前半部分を片付けるところまでこぎ着けた次第でありますが、今の時点で午後1時半。 この後、病院へ叔父さんの見舞いに行かなければならないし、夜は夜でダラッとしたり、グタっとしたりして過ごさなければならないし、僕に残された時間は少ししかありません。 全部で10曲。 1曲あたり3行以内のペースで勝負したいと思うんですが、とまあそんなことで、まずは 「ジャンピン・アット・ザ・ウッドサイド」 。 元ネタは1938年のデッカ録音でっか。 合奏パートが参加者各位の合唱によって再現されるんですが、何ともジャンピングな、ノリのいい仕上がりでありますな。 ベイシー御大によるシンプルなピアノもいいアクセントになってるし、でもって、ソロ先発はアニー・ロスっすか。 バック・クレイトンのトランペットのフレーズを歌化したもののようですが、スインギーでいいっすな。 で、続いてジョン・ヘンドリックスがレスター・ヤングのソロをヴォーカリーズするんですが、これがもう、圧巻。 悪漢のおかんも悪寒で寝込むレベルなんですが、で、終盤の集団即興っぽいパートも半端ない盛り上がりだったりして、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 何かもう、いきなり 「お腹いっぱい」 といった感じで、今日はこれで終わりにしちゃっても悔いはないような気がするんですが、予定に反して5行くらい書いちゃったし、いやあ、よかったっす。

 ということで、次。  「ゴーイング・トゥ・シカゴ・ブルース」 。 タイトルからして、強引にシカゴっぽいブルースといった雰囲気が漂っているんですが、実際のところ、このなく上なくディープなブルースっすな、こりゃ。 ジョンくんがアーシーにテーマを歌い上げ、その後、L,H&Rとジョーくんとベイシー楽団との絡みで場の空気を盛り上げて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 3行だと事実の羅列だけで終わってしまって、何も考えなくてもいいので気分的には楽なんですが、何だかちょっと物足りない気もしますな。 言いたいことはしっかりと言って、手を抜くところでは極限まで労力を惜しむ。 そんなふうにめりはりを付けたほうがいいかも知れませんが、とまあそんなことで、次。  「ティックル・トゥ」 。 アップ・テンポのスインギーな仕上がりで、いいと思います。 で、続いては 「レット・ミー・シー」 。 ビッグ・バンドのコーラスとの絡みでご陽気にスイングしていて、何よりだと思います。 何だか、めりはりを付けようと思っていたのに、 「めり」 一辺倒で終わってしまうような気がしてきたんですが、メリハリって、 「メリカリ」 が転じた言葉だったんですな。 今、ググってみて初めて知ったんですが、低い音が 「メリ」 で、高い音が 「カリ」 なんだそうで。 カリメロとか、凄く高い声でしゃべっていたような気がするんですが、カリメリではなくてカリメロなので、 「カリ」 一辺倒でも大丈夫なんでしょう。 カリメロと今井メロとではどちらがテンション高いかというと、ま、似たようなものだったりするんですが、とまあそんなことで、5曲目。  「エブリ・タブ」 。 名前だけはどこかで聞いたことがあるような気がするので、うまくいけば今回は5行くらい行けるかも知れませんが、冒頭からジョン・ヘンドリックスが裏声モードになっていて、何だか変なテンションが漂っておりますな。 その後、ピアノのソロが24小節ほど出てきて気分を落ち着かせて、で、以下、アニー、合唱、ジョー、合唱、アニー、合唱、ジョンとフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 めりはりの効いた、なかなかの仕上がりだったと思います。

 で、次。  「ショーティ・ジョージ」 。 とっても短い情事。 そんな感じで物足りないのかと思ったら、そうでもなくて、3分07秒くらいは持続しているので、まずまず頑張ったほうではないかと思うんですが、僕の持続力のほうは2行足らずしか持たなくて、ということで、7曲目。  「ラスティ・ダスティ・ブルース」 。 とってもラスティでダスティなブルースっす。 バックで聞かれるアンサンブルが、いかにもベイシー楽団なところがちょっと笑えるんですが、で、次。  「ザ・キング」 。 とってもザ・王様っす。 ということで、次。  「スインギン・ザ・ブルース」 。 とってもスインギンなザ・ブルースっす。 ということで、ラスト。  「リル・ダーリン」 。 ここまでずっと、勢いだけのノリノリ系が続いていたので、しみじみとしたスローなバラードが何だか新鮮っすな。 ベイシーくんはイントロでピアノを弾いてて、途中からオルガンにスイッチしているっぽいんですが、それがなかなかいい感じ。 もしかして、下手に器楽のアドリブを歌物にしちゃうより、素直にベイシー楽団の演奏を聞いたほうがいいんじゃないか? そんな思いに捉われもしたんですが、それを言ってしまうと元も子もないし、とまあそんなこんなで、今日は以上っす。

【総合評価】 「1曲3行」 もガチで無理でしたな。 最初と最後は悪くない出来で、よかったと思うんですが、途中、似たような展開ばかりだったりして、正直、ちょっと飽きました。 企画そのものは悪くないと思うので、普通のビッグバンド物にゲストとして3曲分ほど参加。 それくらいの節度を持てば大丈夫かもー?


INDEX
BACK NEXT