ORGAN GRINDER SWING (VERVE)

JIMMY SMITH (1965/6/14,15)

ORGAN GRINDER SWING


【パーソネル】

KENNY BURRELL (g) JIMMY SMITH (org) GRADY TATE (ds)
【収録曲】

(01-03) THE ORGAN GRINDER SWING / OH,NO,BABE / BLUES FOR J
(04-06) GREENSLEEVES / I'LL CLOSE MY EYES / SATIN DOLL
【解説】 ( 2012年02月12日更新 / 連載 1,019回 )

 もうすぐバレンタインですなぁ。 ということで今日は “バレンタインとバン・アレン帯” について考えてみたいと思います。 何か、以前にも同じようなことを考えてみたいと思ったことがあったような気がするんですが、もし考えたことがあったりすると、今日は他に考えることが無くなってしまうので、敢えて過去は振り返らずにこのまま話を進めるとして。 で、バン・アレン帯だけでは恐らく間が持たないと思うので、少年隊とか、少女隊とか、シブがき隊とか、自衛隊とか、機動隊とか、科学忍者隊とか、青年海外協力隊とか、金目鯛とか、貞操帯とか、ありとあらゆる隊や鯛や帯を総動員して、何とか乗り切りたいと思います。 場合によっては “ガソリン値下げ隊” とかまで出さなければならなくなるかもしれませんが、とりあえずまあ、頑張ります。 とまあそんなことで、まず手始めに “バン・アレン帯” なんですが、名前だけはよく耳にするものの、これが一体どういう帯なのか、ほとんど理解してなかったりします。 岩田帯の親戚? …と思って調べてみたら、ぜんぜん違ってました。 こんなん でした。 キッズ向けサイトの割には小難しくて、僕には理解困難だったりするんですが、こんなん、分かるかー! 僕にはちょっと荷が重そうなので、作戦を変えて、この 学研キッズネット の中から、もうちょっと分かりやすそうな話題を選んで、それで何とか頑張ってみようと思うんですが、えーと…、 なんでも調べ隊 。 これなら別にバン・アレン帯から逃げたわけではなく、それだけでは間が持たなかったので、他の “隊” にまで話を発展させた。 そういう体裁を取り繕うことが出来て、好都合でありますな。 ということで、とりあえずコレ、行ってみましょう。

 最新のなんでも調べ隊が 防災について調べちゃおう なので、東日本大震災に絡んで企画されたのかと思ったら、更新日は2009年。 今ひとつヤル気の感じられないコーナーであることが判明したんですが、もしこの時点で大地震と大津波、さらには原子力発電所の事故について言及されていたとするなら、それはそれで、けっこう凄ぇぇぇ! …ということになると思うんですが、何せ、あの 『ムー』 を発行している学研ですからね。 世界各地のありとあらゆる預言者や霊能者、イタコ、イタチ、タコ、イイダコなどから情報が集まっているに違いなくて、彼らの実力が試されるところなんですが、2009年(ねん)8月(がつ)11日(にち)、静岡県(しずおかけん)で震度(しんど)6弱(じゃく)という強(つよ)い地震(じしん)があった。 ほぉ、確かにありましたよねー。 確か、東名高速道路の法面が崩れて通行止めになったりしましたよね。 何でもいいけどこの 「法面」 って、 「ほうめん」 じゃなくって、 「のりめん」 って読むんですなー。  「法」 を 「のり」 と読むのはちょっと無理があるような気がするんですが、でも、よく考えたら酒井法子が “のりピー” なんだから、ぜんぜん大丈夫。 ま、のりピーそのものは不法な子だったりしたんですが、で、あの地震の発生日って、8月11日だったんですなー。 “11” の付く日は地震がヤバい説というのは 『ムー』 の読者だけでなく、一般人の間にもそれなりに広まっているんですが、ユリ・ゲラーの無駄なパワーの弊害がこんなところにも…。 あ、ユリ・ゲラーうんぬんは ここ を参照して貰うとして、で、この防災特集にはちゃんと津波に関する記載もありますな。無人(むじん)走行(そうこう)放水車(ほうすいしゃ)ドラゴン というのも写真付きで掲載されているんですが、これなんか原発事故の後の放水活動や、松本龍震災復興担当大臣が率いた “チーム・ドラゴン” を彷彿させるものがありますよね。 東日本大震災は2009年の時点で予測されていた! そう言ってしまっても、あながち間違いではないような気がしないでもない内容なので、ちょっとビビってしまったんですが、…と、これを書いていたのが 2月8日の夕方のことだったんですが、その日の夜、ちょっと大きめの地震が来ちゃいましたなー。佐渡で震度5強っすかー。 とりあえず佐渡の人も、マゾの人も、朱鷺も、ジェンキンス氏も無事だったようで何よりなんですが、実はこの地震を予知していた人がいるみたいなんっすよね。例の如く、2ちゃんネタで申し訳ないんですが、 これ 。 おお、凄ぇ!独自の理論、凄ぇ!ドクトル・チエコの身の上相談室と同じくらい凄ぇぇぇ!

 この人とは別に 『2/12 関東地方M7.8 最大震度6強』 などというスレも立っておりました。 こんなの 。 おおっ、コイツも当たってる! マグレとは言え、凄ぇぇぇ! 個人的には “2/12” よりも、悪魔の数字の “2/11” のほうに何か悪いことが起こりそうな気がしてならないんですが、ちなみに今、これを書いているのが11日の午後8時なんですが、既に悪いことが起こってしまってます。 今日は建国記念日だから祝日なんだけど、土曜日と重なっちまって、意味ねえじゃん! …という、そんな悪い日になってしまいました。 しかも今年は今日だけでなく、子供の日、秋分の日、文化の日も土曜日と重なっちゃうという、最悪のパターン。 日曜日の重なる場合は振替になるからいいんですが、日曜日の重なる場合はどうすればいいんっすか? フリチンになればいいんっすか? とまあそれはそうと、「 2/8 にまずは5弱↑発生」 が的中してしまった以上、明日はヤバいっすかね? 果たしてこの原稿を無事にアップすることが出来るのか、ちょっと心配になって来ましたが、とりあえず次の話題に移りましょう。 えーと、神秘の実 「カカオ」 とチョコレート 。 これを取り上げておけばとりあえず、バン・アレン帯とバレンタインの両方をクリアしたことになると思うんですが、もうすぐ、町中(まちじゅう)にチョコレートがあふれる「バレンタインデー」だね。この日(ひ)に「女の人(おんなのひと)が好(す)きな男の人(おとこのひと)にチョコレートをおくる」という習慣(しゅうかん)は、1958年(ねん)に日本(にほん)のメーカー(メリーチョコレート)が始(はじ)めたことなんだけど、知(し)っていたかな? 僕は知りませんでした。 いや、日本のメーカーうんぬんという話は聞いたことがあったんですが、それがメリーチョコレートだとは知りませんでした。 というか、 メリーチョコレート が日本のメーカーだとは知りませんでした。メリーだから、スナメリ? …とか思っていたんですよね、どこの国とか言う以前の問題で。

 で、バレンタインの話は ここ にあるんですが、最初の年は3日間で50円の板チョコレートが3枚と20円のメッセージカードが1枚、たった170円の売上。 ほぉ。 というか、 “Mary” ならメリーじゃなくて、マリーちゃうか? …という気がするんですが、そういえば津にはメリーさんという有名人がいたそうですなー。 が、その話を書いて津が有名になったりしても癪なので、敢えてスルーします。 で、メリーさんと言えば、うちの会社の先代社長のカーチャンが平井めり。そんな名前でありました。めりちゃんがお亡くなりになった時、めりさんの棺〜、棺〜、棺〜♪ そんなネタを書いたような覚えがあるんですが、あ、 これ ですな。最初はもっとブラックな展開だったんですが、さば兄の検閲に引っ掛かって、強制的にソフトな表現に替えさせられた記憶があります。 今から13年ほど前の 「フグの日」 あたりに書かれたもののようですが、とまあそれはそうと、カカオ。 ココアとは断じて同じ物ではないカカオ。 何故、わざわざそんなことを書いたのかと言うと、今を去ること34年ほど前。 さば兄がですね、高校受験だったんですよね。 で、家に帰って来て、「社会の試験、100点やったような気がする。」 そんなことを抜かしやがったんですよねー。 ただひとつ微妙なのがあって、ガーナからの輸入量がトップの農産品がどうのこうのという問題。 「カカオという言葉をど忘れして、ココアって書いてもうたんやけど、カカオとココアって、同じやよなー? なら100点やー♪」 そう言って一人で喜んでおりました。 が、僕のとっておきの “めりさんネタ” に駄目出しするようなヤツに、100点を取る資格などあろう筈がありません。僕は断言します。カカオとココアは違うっ!断じて違うっ!絶対に違うっ!ぜんぜん違うっ! もう 「月とスッポン」 くらい違うっ!! いや、さすがにそこまでは違わなくて 「亀とスッポン」 くらいの差異であるような気はするんですが、カカオというのはアレです。植物状態のヤツです。人間の場合、植物状態というと延命治療とか、脳死とか、安楽死とか、いろいろと難しい問題が出てくるんですが、カカオの場合は元々が植物なので、たとえ植物状態だとしてもぜんぜん大丈夫。 で、植物のカカオから採取したカカオの実も、カカオと呼ばれることになります。

 で、一方、ココアのほうはというと、これはアレです。カカオの実を炒って皮などを除き、すりつぶしたものからカカオバターを除いて粉にしたもの。またこれを溶かした飲料。そのように定義されております。 ああ、これは違いますな。断じて違います。 釣り上げたばかりのサバと、焼き鯖寿司くらい違います。 日本はガーナから加工品を輸入しているのではなく、原料のカカオの実を輸入しているワケなので、ココアと書いちゃったら駄目ですなー。間違いなく間違いです。100点は無理です。全部で何問あったのかは知りませんが、もし全部で3問だったとしたら、66.666点がいいところ。 あー、めっちゃ賢いサバ兄君のことだからアレですよね。 知っているのに〜、わざと間違える〜、65点の人が好き、好き、好き〜♪ そういう事っすよねー? 隅に置けませんなー。憎いね、この、松本ちえこキラー! ちなみに日本は、どんな国からどれだけココア…でなくて、カカオを輸入しているのかというと、 これ 。 おお、ガーナ、断トツ! ロッテがガーナチョコを作りたくなっちゃう気持ちもよく分かります。 トリニダッド・ドバゴチョコとか、言いにくいしー。 で、チョコレートとチョコレート菓子の違いについては ここ に書かれております。チョコレートと準チョコレートの区分は こっち 。 バレンタインにはチョコや準チョコの他に、不純チョコなんかも大量に出回ることになるんですが、で、その推定販売額は こちら 。 2005年のデータで、530億円っ! 170円の売上から始まって、よくここまで普及したものですなぁ。 チョコをたくさん売りたいという動機には不純なものが感じられるんですが、ここまで成長すれば、立派としか言いようがありません。 国内消費額が4,399億円なので、バレンタイン・シーズンが占める割合は12%っすか。 年間消費のほぼ99.8%くらいが節分シーズンに集中しているものと思われる “大豆の炒ったの” に比べればまだアレですが、かなり大きな数字です。

 で、このデータには曜日までちゃんと書かれているんですが、1993年頃まではバレンタインが日曜日に重なると、必ずと言っていいほど、売り上げが前年割れしちゃってます。OLさんが義理チョコを買わなくなっちゃうんでしょうなー。 で、1998年以降は土曜日と重なっちゃった時も同様に売り上げが減少しております。それだけ週休二日制が定着したということなんでしょうなー。実に興味深いデータです。 今年は土曜日と祝日が重なることの多い最悪の暦だったりするんですが、幸いにもバレンタインは火曜日ですな。 もし、月曜日の朝に会社のパソコンでこれを読んでおられるギャル系読者がおられましたら、昼休みにコンビニへGO! 宅急便で送って頂けたら、ちょうどいい具合に届くと思います。チロルかセコイヤチョコがいいです。そこんとこ、ヨロシク! で、ちなみに2月14日は 「ふんどしの日」 でもあるんですなー。 2 (ふん) ・14 (どし) っ! もし、これを読んでおられるオッサン系読者がおられましたら、使用済みのふんどしをサバくんに送ろう! …とか余計なことは考えなくてもいいので、そこんとこ、ヨロシク! で、ギャルの皆様におかれましては 8月2日の 「パンツの日」 のプレゼントも、ヨロシク!!

 ということで、ギター編もそろそろ飽きて来たので、今日からオルガン編です。 まず、手始めはジミー・スミス。 バレンタインに聴くには最悪の人選でありますな。 ちなみにバレンタインに聴きたいジャズと言えば、その筆頭は何と言ってもマイルスの 「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」 。 とってもロマンチックな気分になれること請け合いなんですが、歌詞そのものは不細工フェチのギャルの立場で歌ったものだったりするので、ちょっとアレだったりするんですけど。 で、本日はお日柄もよろしいので、というか、本日はジミー・スミスなので書くことがあまり無いに違いなく、行数稼ぎの意味を込めて、僕が把握している 「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」 のジャズ・バージョンをデータとして提供してみたいと思うんですが、 これ です。僕の持ってるアルバム限定、順不同。 諸般の事情により抜けがあるかも知れません。チェットは地味な “50人のイタリアンなヒモ付き” でなくて、有名な 『チェット・ベイカー・シングス』 でもやってたような? 中性的なボーカルが何ともアンニュイだったりして、倦怠期のホモ・カップルには超オススメ♪ で、ジミー・スミスの名前は見当たりませんな。ジミー・スミスなんて、全米で200万人くらいはいそうな平凡で単純な名前だったりするんですが、好きな食べ物は地味な酢味噌。 で、今日はそんな彼の 『オルガン・グラインダー・スイング』 というアルバムを紹介したいと思います。 ジミー・スミスと言えばブルーノートの (あまり見られたくはない) 顔の一人でありまして、僕もBN盤のCDをけっこうたくさん持っていたりするんですが、ジャケ絵を描くのが面倒そうなヤツばかりだったので、今回は敢えてヴァーブ盤にしてみました。 オルガン、ギター、ドラムスという遊びの要素の無いシンプルなトリオ編成なので、正直、間が持たないような気がしないでもないんですが、サイドマンがケニー・バレルグラディ・テイトなので、ま、何とか耐えられるかな?…と。 駄目だったら駄目で適当に流して、さっさと終わらせちゃえばいいし、とまあそんなことで、では聴いてみましょう。

 まずはアルバム・タイトル曲に 「ザ」 が付いた 「ザ・オルガン・グラインダー・スイング」 。 スミスくんのオリジナルかと思ったらそうではなく、ヘンダーソンとアーヴィング・ミルスが書いたスウィング時代の代表的なナンバーで、当時ビッグ・バンドのジミー・ランスフォードの演奏やグッドマンのシャープな演奏で有名になりました。 by 石原康行。 そう、日本語ライナーに書かれている作品なんですが、グッドマン以外、僕の知ってる名前がどこにも見当たりませんな。石原康行を含めて。 ググってみたら評論家ではなく、プロデューサーのようで、しかも結構な重鎮らしいんですが、2010年に残念ながらお亡くなりになったみたいです。 “hama JAZZ” の編集長でもあったみたいですが、“hama JAZZ”って、何? はまぐりジャズ? 桑名では 「ハマ」 と言えば、イコール 「ハマグリ」 で、ハマグリの形をしたサブレ= 「ハマサブレ」 。 そういう使い方をされるんですが、で、曲のほうはというと、とってもオルガンがグラインダーしているスイング。 そんな仕上がりだったりしております。 グラインダーというと、ぐるぐる回して鉄を削る工具が頭に浮かぶんですが、曲名を翻訳サイトに掛けてみたら 「器官臼歯振動」 というシンプルな訳語が出てきました。 う…臼歯振動? 言われてみれば確かに、ウスバカゲロウっぽい躍動感があったりするんですが、ちなみに水嶋ヒロくんの 『KAGEROU』 は TSUTAYAで投げ売りされてるみたいですな。 ほれ 。 とまあそれはそうと、演奏のほうはアレです。 ストップ・タイムが効果的だったり、オッサンのつぶやき声が入ってたり、テンポに緩急が付けられていたりして、なかなかよく練られた感じだったりしております。 いかにもヴァーブ盤らしいベタさはあるんですが、おもったより泥臭くはなくて、小粋なスイング感がもう、たまりません。 で、ソロ先発はバレルくん。 いかにもこの人らしい都会的な弾きっぷりで…、とか書いてるうちにすぐに終わってしまって、続いてオルガンが登場することになるんですが、快適なテンポにのってスミスは、メロディ・ラインを心ゆくまでスウィングしており、リズムのテイトのゴスペル風なドラミングが新鮮さを増してくれます。実に見事な演奏であり、スミスの唄心を聴かせてくれます。 そう、石原クンが書いている通りのプレイが展開されていて、うーん、なかなか。 2分14秒くらいの、ほんのちょっとした小品なんですが、アルバムの冒頭として、つかみはばっちりオーケー。 そう評価していいのではなかろうかと。

 で、次。 スミスのオリジナルで 「オー・ノー・ベイブ」 。 アメリカ人でオーノーと言えば、アポロ・アントン・オーノが思い浮かぶんですが、スケートのショートトラックの選手で、そんなのがいましたよね。 アポロと言えばアポロチョコも大好きなので、チロルやセコイヤ以外にアポロも受け付けたいと思いますが、あとは明治のベビーチョコとか。 床の上にこぼしちゃうとゴキブリの卵と見分けが付きにくくなっちゃうのが難点んですが、で、演奏のほうはアレです。 オッサンの歌らしきものも入っていたりして、真っ黒ディープな世界が展開されていたりします。 途中から微妙にテンポが速くなって、バレルのギターも入って来て、ごく微量ながら垢抜けた雰囲気が散見されたりするようになるんですが、石原クンもここではバレルのアドリブがクリエイティブであると褒めておりますな。 ま、確かに悪くない出来で特に不満は無いんですが、個人的には続くスミスのソロが意外によく思えたりして、でまた、グラディ・テイトのタイトなドラミングもなかなかよく締まっていて、良好っす。 で、終盤はテンポが一段と速くなって、3者の絡み具合もよりいっそう熱を帯びてきて、いい感じで盛り上がったところでスッと落ち着きを取り戻して、でもって、おしまい。 なかなかドラマティックな展開だったりして、悪くなかったです。 ということで、次。 これまたスミスのオリジナルで、 「ブルース・フォー・J」 。 ブルースがブルマほどにも好きではない僕としては、タイトルに “ブルース” と入っているとちょっと身構えてしまうんですが、これはアレでした。意外と大丈夫でした。石原クンも 「オー・ノー・ベイブ」 にくらべるとハッピー・シャウトな演奏で、明るくスウィングするのびのびとしたメロディーをそなえた曲です。 …と、丁寧な文体で語ってくれておりますが、テーマ演奏 (1回目) はオルガンが主導する主旋律にギターが絡む感じ。 それが (2回目) になると2つの楽器のユニゾンになって、で、ソロ先発はバレルでありますな。 これがまた、1バレルあたり147ドルくらいの高値水準を維持しておりまして、で、続くスミスもスミソニアン博物館並みの充実度を示していて、酢味噌、嫌ぁ〜ん♪ 時折うなり声も聞こえたりして、なかなかのエキサイティングぶりだったりするんですが、とまあそんなことで、テーマに戻っておしまい。

 ということで、次。 オリジナルが中心だった前半と違って、後半の3曲はお馴染みの演目ばかりが並んでいるので、少しは気が楽なんですが、後は適当に流しても大丈夫なだけの分量は既に確保しましたしね。 で、 「グリーンスリーブス」 なんですが、これはアレです。あまりにも有名な曲です。小学生の時に縦笛で吹いたりしましたよね。 根はアイルランド民謡なんだそうですが、あまりにもお馴染み過ぎて、ジャズの素材としては思いきり馬鹿にされるレベル。 が、コルトレーンも取り上げていたりするので、決して馬鹿にしたものではないんですが、ここでのスミス版も何だか意外なくらいに素晴らしい出来だったりしております。 例えが適切かどうかは分からんのですが、何だかグラント・グリーンがオルガンをバックに、ちょっぴりモーダルな雰囲気でいい感じに弾きまくってる風? バレルもスミスも何だかめっちゃ張り切りまくっていて、凄ぇぇぇ! スミスはワーク・ソング風に上手にこのアイルランド生まれの民謡をこなし、リラックスした演奏にしており、見事なものです。 …と、石原御大は何だか長閑なレビューを書いておりますが、実際のところは緊張感に溢れた緊縛プレイを彷彿させる激しさだったりして、凄ぇぇぇ! テイトのタイトなタイコをバックに、ギター、オルガンの順で、各自が持ち味を十二分に発揮しまくったソロを展開して、でもって、テーマに戻って、おしまい。 …と思わせておいて、そからがまた、結構、しつこかったりします。 スミスくんはトランス状態に陥ってしまって、自分でも収集がつかなくなっちゃてるレベル。 これはもう、フェードアウトでオチを付けるしか無いな。 …と思っていたら、何とかギリギリでまとめてはくれておりましたが、最終的にはやっぱりフェードアウトみたいな感じで、おしまい。 いやあ、圧巻でした。

 で、続いては、一転してしみじみとしたバラードが登場します。  「アイル・クローズ・マイ・アイズ」 。 動と静のコントラストが半端無いんですが、抑制されたオルガンの音色をバックに、バレルくんがギターでラブリィ&キュートな旋律を訥々と歌い上げております。 続いてスミスくんがテーマ・メロディを軽くフェイクする感じのソロを披露するんですが、顔に似合わず、めっちゃハート・ウォーミングなんっすよね、これがまた。 とまあそんなことで、次。 これまた顔に似合わない選曲なんですが、アルバムの最後を飾るのはエリントン・ナンバーの 「サテン・ドール」 。 いやあ、懐かしいっすなぁ、こりゃ。 僕がまだジャズのド素人だった頃に買ったヴァーブのスタンダード集みたいなコンピ盤に入ってたんですよね、これ。 当時はさしたる感慨もなく、 「ふーん。」 といった感じで軽く聞き流していたフーン国防相 (イギリス) 。 そんな感じだったりしたんですが、今になって改めて聴き直してみると、これは結構、アハーン首相 (アイルランド) 。 そういった出来である事に気付かされました。 テンポはミディアムで、ひたすら小粋にスイングする仕上がりんですが、テーマ部はAABA形式の “Aの部” がスミス主導、 “Bの部” がバレル主導。 で、ソロ先発はバレル、後発はスミス。 で、終盤はテイトを加えた3者の絡みで大いに盛り上がって、でもって、おしまい。 簡単にまとめてしまえばそういうことになるんですが、ここでのジミー・スミスの即興っぷりは、マジ凄ぇぇぇ! ぼーっと聞き流していると、ただ耳に心地いいだけで終わってしまいそうなんですが、じっくり耳を傾けてみると、もう、ただただ歌心に富みまくりぃ。 無駄なフレーズなどひとつもなくて、レビューのうち、ほぼ8割が無駄なフレーズで費やされている僕としては、凄ぇ! でも、真似出来ねぇ! 真似する気もねぇ! そう思わずにはいられませんが、最後はテーマに戻らずに、おしまい。 そんな変則的なエンディングも気にならないほど充実したソロでありましたが、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 ジミー・スミスのことをそんなに高くは評価してなく、で、ヴァーブというレーベルを完全に舐めて掛かっていた僕としては、意外といってもい好演ぶりでありました。 もう、富山のブリ公園も真っ青って感じぃ? いや、富山にそんな公園があるのかどうか、よく知らんんですけど。 ケニー・バレルとグラディ・テイトのサポートぶりも鉄壁で、で、2月12日15時現在、今のところ “関東地方M7.8 最大震度6強” の地震は無さそうですなぁ。この分なら無事にバレンタインを迎えることが出来そうなんですが、ということで、チロルか、セコイヤか、アポロか、ベビーチョコ、よろしく!


INDEX
BACK NEXT