JAZZ IMPRESSIONS OF LAWRENCE OF ARABIA (DAUNTLESS)

WALT DICKERSON (1963/3/21,25)

JAZZ IMPRESSIONS OF LAWRENCE OF ARABIA


【パーソネル】

WALT DICKERSON (vib) AUSTIN CROWE (p) 
HENRY GRIMES (b) ANDREW CYRILLE (ds)
【収録曲】

(01-02) THEME FROM LAWRENCE OF ARABIA / THAT IS THE DESERT
(03-05) MOTIF FROM OVERTURE Part-1 / MOTIF FROM OVERTURE Part-2 / ARRIVAL AT AUDA'S CAMP
(06-08) NEFUD MIRAGE Part-1 / NEFUD MIRAGE Part-2 / THE VOICE OF THE GUNS
【解説】 ( 2011年11月06日更新 / 連載 1,005回 )

 前回 までのあらすじ) 多々戸浜と愛逢岬と石廊崎だった。

 ということで、伊豆ネタの最終回です。 3回シリーズで完結させるつもりが、微妙に残ってしまいました。 残っていると言っても1回分を賄えるほどではないので、簡潔に書いてしまうと、すぐに完結しちゃいます。 間欠泉みたいにネタを小出しにしながら、出来る限り引っ張る戦術を取るしかありませんが、さ、頑張りましょう。 ということで、まずはフォトコンテストです。 多々戸浜で撮った写真を ここ (↓) に応募してみました。

  伊豆半島ジオ!フォトコンテスト

 前に応募した

  西伊豆町・輝き発見フォトコンテスト  及び 伊豆松崎・心に残る写真コンクール

 と、まったくおなじ体裁でありますな。 役所側にも企業側にも “大人の事情”というのがあると思うので、あまり深く詮索するのはヤメにしますが、まったく同じ業者に業務を委託してくれたおかげで、不都合も生じております。 会社のパソコンなら撮影者本人とはバレないだろうと思って、西伊豆のほうの自分の写真に投票したんですが、続いて松崎のほうにも投稿しようと思ったら、同一人物による不正工作と見なされて、弾かれてしまいました。 同じ憂き目を見た人もいると思うんですが、今、試しに伊豆ジオのほうに投票してみたら大丈夫でした。 間隔を開けてやれば不正は見逃されるっぽい? 先週、連続投稿しようしたら駄目で、また後でチャレンジしてみよう。そう思いつつ、すっかり忘れてしまって今日に至る。 もし、そういう人がおられましたら、レッツ再挑戦! 個人的に西伊豆の夕日はたぶん駄目だと思うので、松崎か伊豆ジオか、どちらかを押して頂けると嬉しいんですが、それはそうと、何なんですかね、 「ジオを感じる風景」 。 これがもし 「オジを感じる風景」 なら、その辺のオジさんでも写しておけばいいんでしょうが、ジオ。 広島カープにそんな名前のピッチャーがいたような気がするんですが、伊豆とはあまり関係ないしー。 調べてみたらどうやら、地球の活動の遺産を見所とする自然公園=ジオパーク。 そういう事なんだそうですが、南伊豆だと この辺り がジオなんですなぁ。 そんなことはまったく気にも留めずに、ただ漫然と歩いていたんですけど。

 で、今回の伊豆旅の2日目はですね、 このような行程 になっておりました。 “魚河岸” というのは下田駅の近くにある魚料理屋さんなんですが、せっかくだから金目鯛でも食おうかなと、そのように思っていたんですよね。 が、初日に堂ヶ島で食べちゃったんですよね、金目鯛。 旅館には “金目鯛味噌漬け” 宅配サービスの案内があったので、それも注文しちゃったしー。 おかげですっかり金目熱が冷めてしまったんですが、それに反比例して、肉チャーハン熱が急激に高まってまいりました。 初日のディナーとして食べるつもりだったんですが、下田で手筒花火大会があることが判明して、時間の都合で諦めちゃったんですよね。 下田には肉チャーハンの食べられる店が2件ほどあるようですが、お昼の営業時間はどちらも14時まで。 行程上、2日目のランチに食べるというのも難しそうで、もういいっ! 肉チャーハンなんて別に食べたくないっ! 悔しくもないし、金目鯛、命っ! そういう個人的な経緯があったわけなんですが、ただ、完全に “肉チャー” への道が断たれたというワケではありません。 今回のバス乗換プランは このように なっていたんですが、途中 「休暇村」 で降りて弓ヶ浜を散策するのを諦めさえすれば、余裕。 弓ヶ浜を諦めなくても、 「石廊崎港口」 を 11:20に出るバスに乗ることが出来れば、ま、何とかなります。 問題は、このプランだと石廊崎での滞在時間が1時間くらいしか取れないことなんですが、果たしてこの時間で無事に帰還出来るものでしょうかね? 当初は 「石廊崎灯台」 のバス亭で降りて、楽なルートで灯台まで行くつもりだったのが、バスの運転手に余計なことを聞いちゃったばかりに 「石廊崎港口」 から歩くハードなコースになっちゃったしー。

 とまあ、当初は悲観ムード満載だったんですが、大丈夫でした。 11時過ぎには石廊崎港口に戻ることが出来ました。 11:20発のバスに乗ることが出来て、これで弓ヶ浜と肉チャー、どっちも大丈夫♪ いやあ、頑張って、あまり休憩もとらずに石廊崎を歩いた甲斐がありましたなぁ。 で、念のため、バス停に掲げられた時刻表をチェックしてみたんですが、ん? 無いっ! 11:20発のバスが無いっ! 11:51発しか無いっ! 愛逢岬から下田行きのバスに乗った際にはこの位置で降りたので、場所を間違ってはいないと思うし、うーん。。。 茫然としてベンチに座り込んでいると、リュックを背負った胡散臭そうなオッサンがやってきました。 関わり合いになりたくないタイプのオッサンだったんですが、手に時刻表のようなものを持っていたので、すがるような思いで 「20分のバスって、ありますよね?」 と、聞いてみることにしました。 その結果、 「うーん、どうですかねぇ?」 という、あまり要領を得ない回答が得られるに留まったんですが、役に立たないオッサンめ! こんなことなら、わざわざ声をかけるんじゃ無かったっすなぁ。余計に不安が高まっただけでありました。 そうこうすると、下田方面から1台のバスがやってきて、少し離れた食堂の敷地内のようなところに停車しました。しばらく様子を窺っていたんですが、愛逢岬方面に走り去るでもなく、ずっと停車したままです。 「アレが折り返しになるんじゃないですかね?」 オッサンがそんなことを呟いたんですが、あるいはそういう事なのかも知れません。 更に3分ほど様子を窺ってみたんですが、どうにも気になるので、そこまで歩いていってみることにしました。 すると、おおっ! こんなところにもバス停が。 しかも、時刻表を見ると、11:20 という数字が! 途中乗車と始発とでは、バス停が違うんですなー。ややこしい事をしやがって、東海バス! オッサンは見捨てて、自分だけこのバスに乗っちゃおうか? ふと、そんなことを思ったりもしたんですが、さすがにちょっと気が咎めたので、 「こっちにもバス停がありますよー!」 と、教えてあげることにしました。 いやあ、我ながら人間が出来てますなぁ、僕って。 乗り込む際、ややこしいシステムを構築した東海バスに対する非難の意味を込めて、運転手に 「あっちのバス停から出るんじゃないんですねー。」 と言ってみたところ、 「あっちでもいいですよー。前を通りますんで。」 という事だったんですが、ま、何はともあれ1本早いバスに乗ることが出来て、何よりでありました。

< 弓ヶ浜〜下田 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで 「休暇村」 に到着〜。 石廊崎から一緒に乗ったオッサンもここで降りました。 べっ、別に一緒に遊びたいと思って声をかけたんじゃないから、勘違いしないでねっ! そう思わずにはいられませんが、幸い向こうにもそんな気はさらさら無かったようで、降りてからも僕についてくるような事はありませんでした。 とまあそんなことで、弓ヶ浜。 真っ白な砂浜が長さ1.2キロ、幅40mに渡って弓なりに伸びていて、おおっ、すげぇ! 湾状になっているので何も穏やかで、100m先まで歩いていけるほど遠浅なんだそうです。水質も基準最高ランク “AA” で、海水浴にはぴったり♪ もっとも、海藻が繁茂しまくっていてウザいという話も聞いたことがあるんですが、ま、それならそれで、パンツの中に海藻を入れたりして遊べばいいしー。 今回は海水浴シーズンを過ぎていたし、一人で海藻プレイをやっても空しいだけに違いないので、海には入らずに周囲を散策するに留めたんですが、肉チャーハンとの絡みで、僕に与えられた時間は約30分。 当初予定していた タライ岬 まで足を延ばして、ダライ・ラマの功績に思いを馳せる。 そういうプランはちょっと難しそうですなぁ。 ま、石廊崎で歩き疲れたので、時間があってもパスしていたと思うんですけど。 とりあえず “逢ヶ浜” というところまでいって引き返すことにしたんですが、弓ヶ浜から10分くらい歩いただけで雰囲気は一転、砂利浜の陰気くさいところでありました。 奇岩の類もたくさんあって、写真を撮るにはいい感じなんですけどね。 (写真・ちょうど真ん中) のプチ三四郎島みたいなところは恐らく、干潮時にはトンボロ現象で歩いて渡れるようになるのではなかろうかと。 (写真・下から2枚目) には えび岩 も写っておりますな。 時間に追われて、あまりゆっくり散策出来なかったのが残念なんですが、で、休暇村のバス亭に戻る途中、1匹の猫に遭遇。 モフってやるぅ! そんな黒い情熱を抱いて手を伸ばしてみたんですが、後ずさりされて、きつい目で睨まれて、野望を果たせず。 逃げはしなかったので、時間をあけて再チャレンジしてみたんですが、やはりどうしてもサワらせてはくれません。 脈なし。 そのように判断して立ち去ろうとしたら、 こんなポーズ を取ってくれました。 なーんや、すっかりその気じゃん。焦らすなって! そう思って手を伸ばそうとすると、慌てて起き上がって、ファイティングポーズ。 手を引っ込めると、再びコロンと仰向けポーズ。うーん。 もうこれ以上、キミと遊んでいる暇はないっ! …ということで、バスに乗って下田に戻ることにして、今回の伊豆旅もいよいよ、残すところは肉チャーハンだけになってしまいました。

 初日のディナーに考えていたのは 一丁 なんですが、諸般の事情により 新小林 に変更。 新こばやし? もしくは中華風に “ナントカしょうりん” とかだったりするのかも知れませんが、こっちの店だと場所的に ペリーロード と兼務することが出来て、便利です。 弓ヶ浜方面からバスで向かう場合、下田駅まで行かずに2つほど手前の “下田南” という停留所で降りると便利です。 で、この写真で見るとなかなかいい感じだったりする “幕末のロマン漂う小道”。 実際に見てみると、写真で見るほうがよかったかな? そんな気がしないでもないんですが、ま、桑名の九華公園とかも写真だと結構イケちゃってるように見えたりしますからね。お互いさまです。 付近に点在する寺やら資料館やらも加味すれば、なかなかいい感じの観光スポットであると言えそうです。 夜に着いた時は店も閉まっていて、うらぶれた雰囲気が漂いまくっていたんですが、昼間は人通りも多くて賑やかでありますなー。 幕末系スポットにはそれなりに興味があったんですが、とりあえず今回は新小林に直行。 うん、ごく普通の町の中華屋さんでありますな、こりゃ。 ランチには少し遅い時間だったので、奥のほうの座敷は団体客で混み合っておりましたが、テーブル席は余裕で空いていて、ということで、着席。 迷わず肉チャーハンを注文。餃子も追加。うーん、楽しみ♪

 ということで、注文の品、到着〜。 これこれ です。 食べてすぐ、僕は今までずっと、キミのことを誤解していたよ。 そう、肉チャーハンに詫びを入れました。 肉チャーハン = 普通のチャーハンに中華丼の具をのせたもの。 そのように理解していたんですよね。 中華飯のご飯を、普通のご飯ではなくてチャーハンにしたもの。 そのように言い換えていいかも知れませんが、要するに “あんかけチャーハン” みたいなものだと思っていたんですよね。 が、違ってました。 あんかけっ気…というか、あん気はまったくなくて、豚肉たっぷりの野菜炒めをチャーハンの上にのせたもの。 そういった食い物でありました。 あんかけチャーハンがさほど好きではない僕としては、頭の中で描いていたのと違っていて、むしろラッキーでありましたな。 野菜炒めの部は醤油系っぽい味付けで、美味ちい♪ 餃子もアツアツで、美味ちい♪ とまあそんなことで、いやあ、満足っす。 ということで、下田駅まで歩いて、今回の伊豆旅はミッション・コンプリート。 後は夕方に開催される “jazz giant”連載1000回達成記念オフ会に向けて、横浜に移動すればいいだけなんですが、当初の予定よりも1時間くらい早く片付いてしまいましたな。 なら、早めに横浜入りすればよさそうなものなんですが、僕にはそう出来ない理由があります。 伊東駅を16時58分に出発する 「踊り子」 の指定席を押さえてあるんですよね。 しかもグリーン車を奮発♪ と言っても、伊東〜横浜間なら 1,000円高いだけなんですが、 えきねっと なら自分の好きな席を選ぶことが出来て、とっても便利。 スーパービュー踊り子号の座席は こんな感じ になっているんですが、2号車2階の “1A” という席を確保することが出来ました。 上り後方だとこっちが海側になる筈だし、1列シートでのんびり、ゆったり。うーん、楽しみ♪ ただこの “えきねっと” 、切符の受け取りがJR東日本管轄の駅に限られるのがちょっとネックだったりします。 東京近郊に住んでいる人なら何の問題も無いんでしょうが、桑名にはJR東海の駅と、近鉄の駅と、養老鉄道線の駅と、三岐鉄道北勢線の駅しかありません。 名古屋方面からだと、熱海駅とか伊東駅とかまで行かないと駄目です。 今回、僕は清水駅からフェリーに乗って伊豆半島に入ったので、踊り子号の切符は列車に乗る直前に伊東駅で手に入れるしかないんですが、下田は伊豆急の駅ですからね。 とまあそんなことで、始発の下田ではなく伊東から乗ることにしたんですが、それならそれで別の楽しみ方もあります。 伊豆急には リゾート21 があるぢゃん♪ “海側を向いたシート” とか、壮絶にソソられるものがありますよね。 しかもこの超リゾートな列車はごく普通に普通列車として走っているみたいで、お値段のほうもリーズナブル。 これはもう乗るしかありませんなー。

 時刻表を見ると、15時08分に下田を出る “リゾート21” に乗れば伊東駅に 16時16分に到着するので、ちょうどいい感じです。 さば君の旅行プラン、完璧やんっ♪ そのように自画自賛していたんですが、よくよく見ると伊豆急のオフィシャルサイトには こんな記載 が。 15時08分発の “リゾート21” 、一般車両(8000系)で運転やんっ! ガックシ。。。 ま、そうそう何もかもがうまくいく筈はないので、それくらいは諦めるしかないんですが、とか思っていたら、思いのほかスムーズに工程をこなすことが出来て、改めて下田駅で時刻表をチェックしてみると、おおっ、14時39分発の “リゾート21” に余裕で乗れるやんっ♪ この2日間は天候にもまずまず恵まれたし、神サマはやはり人間が出来ている僕のことを見てくれていたんですなぁ。 神の御加護を受けて、物事がどんどんいいほうに進んでいくような気がします。神サマ、俺、今すぐキリスト教徒になるよっ! 後は無事に “海側を向いたシート” がゲット出来ることを祈るしかないんですが、ちなみに下田駅にはですね、1〜5番くらいまでの改札があります。 乗車の10〜15分前くらいになると列車別に所定の改札が開いて、そこで初めてホームに入ることが出来るという、そういうシステムが取られているんですが、で、改札のほうを見てみると、既に何人かが行列を作っております。 ちょっぴり出遅れたような気もするんですが、まだ今なら大丈夫。 慌ててその列の最後尾に並んだんですが、やがてそれが“リゾート21”より1本前の特急列車に乗る人たちの行列であることが判明しました。 「踊り子号」 乗車開始のアナウンスが流れて、ぞろぞろとホームへと歩いて行きます。 リゾート待ちはどうやら僕が先頭だったようで、これで “海側を向いたシート” の確保は間違いなし。よしっ! これから出発する踊り子はスーパービューではない普通の踊り子なので、ぜんぜん大したことなくて、それなら後からくる “リゾート21” のほうが料金が安くて、しかもリゾート気分満載なんですが、そうとも知らずにみんな、嬉しそうに歩いていきますなぁ。 無知とは何とも罪深いものでありますなぁ。アーメン。

 そしていよいよ、14時39分発 “普通列車” の改札開始ー。 神サマ、やったぜ! 一番のりで好きな座席を選びたい放題だぜっ♪ 超ワクテカでホームに向かって歩いていって、そしてそこで僕が目にしたものは・・・、めっちゃ普通の一般車両(8000系)でありました。 神サマ、俺、今すぐキリスト教徒を脱退するぜっ!! とまあそんなことで、伊豆のお話は、おしまい。

 ということで、今日はウォルト・ディッカーソンです。  ヴァイブ奏者の中ではわりと前衛的で小難しいプレイをする人でありまして、 “ヴァイブのコルトレーン” などと呼ばれることもある人でありますな。 僕的には、ま、何とかギリギリ許容の範囲内には収まっているんですが、アルバムによっては一線を越えちゃってるものもあったりして、具体的に言うと 『トゥ・マイ・クィーン』 なんかがそうなんですけど。 ダイキチくんの意見 には全面的に賛同でありますな。 手持ちのネタが切れちゃったので、泣く泣く取り上げてはみたものの、かなりの苦痛だったと記憶しております。 で、今回の原稿を書くにあたって、新規にもう1枚購入することにしたんですが、とまあそんなことで 『バイブズ・イン・モーション』 。 「バイブ陰毛ショー、ん〜♪」 ではありません。 通販で買ったので、手に取るまで素性がよく分からなかったんですが、2枚のアルバムを1枚のCDに収録した “2in1” なんですな。全部で10曲入っているんですが、その内訳はけっこう極端で、1枚目の 『ユニティ』 は全2曲。どちらも 16分超の大作でありまして、 “ヴァイブのコルトレーン” の面目躍如。これは正直、ツライっす。 そこで今回、前半は最初から無かったことにして、後半だけで勝負しようと思う次第でありますが、とまあそんなことで、 『ジャズ・インプレションズ・オブ・ローレンス・オブ・アラビア』 。 日本語にすると 『 “アラビアのロレンス” のジャズ的印象』 ということになりますか。 ジャケ絵もオリジナルのほうを採用させて貰うことにしますが、いかにもアラビアのロレンスっぽい雰囲気のアラビアンなおっさんの肖像画風デザインとなっております。 映画 『アラビアのロレンス』 の楽曲ばかりを取り上げたものと思われ、素人にも聞きやすいサウンドに仕上がっているのではないかと期待されるんですが、ま、ディッカーソンのことですからね。実際に聴いてみるまでは油断がなりませんが、とまあそんなことで、1曲目。

  「テーマ・フロム・ローレンス・オブ・アラビア」 。 「アラビアのロレンスのテーマ」 でありますな。 モーリス・ジャールという人が作ったみたいです。 いきなり 「おあぁぁぁ〜〜〜♪」 というアラビアンなオッサンの声が出てきてちょっっと焦るんですが、でも大丈夫。 その後はヴァイブ+ピアノ・トリオというシンプルな編成で、ごく真っ当なジャズが展開されることになります。 思った通り、なかなかフレンドリーな作風だったりするので、まずは一安心なんですが、テーマに続いて、ディッカーソンのソロと、オウスティン・クロウとかいう人のピアノ・ソロが登場します。 この人がどういうキャラの持ち主なのか、僕は寡聞にしてよく知らんのですが、ググってみたら こんなサイト がヒットしました。 他のディッカーソン物にも参加している人だったんですな。 大須珍・苦労(オースチン・クロウ)って、誰?スタイル的にはハービーに近い感じなんですが、個人的にはバービーよりもリカちゃんのほうが好きですね。 …って、読み返してみたところで、この人に関する有益な情報はまったく得られなかったんですが、今回、改めて聴いてみたところ、ハービーというより、ジャック・ウィルソンにちょっと似てるかも? 『世界まるごとHOWマッチ』 に出ていた外人ですよね。 …って、それはチャック・ウィルソン。 日本にエアロビクスを紹介した人物としても知られておりますが、とか言ってるうちに、テーマに戻っておしまい。 2分42秒という、ほんのちょっとした小さな小品でありましたが、ま、16分以上も延々と意味不明な演奏を聴かされるよりは、ぜんぜんマシかと。

 ということで、次。  「ザット・イズ・ザ・デザート」 。 「あれは食後に出される菓子や果物です」 ではなくて、ここで言うデザートというのは砂漠のことだと思うんですが、砂漠でサバ食う。あまり食いたくはありませんな。塩サバとかだと、無駄に喉が渇きそうだし。 で、演奏のほうはアレです。 冒頭からエキゾチックな味と香りのベースのおじさんが大活躍。 で、その後、ヴァイヴの人が出てきて、テーマらしきものを奏でて、そのままソロ・パートらしきものに突入します。 ちょっぴり前衛系に走りそうになっていて、聴いているほうとしてはちょっと心配になっちゃうんですが、ま、なんとか我慢出来る範囲内なのではなかろうかと。 続くオウスティンのピアノはまずまずで、でもって、何だかさほど盛り上がらないまま、中途半端な感じで、おしまい。 2曲目にして、何だか早くも微妙な感じになって来ちゃいましたが、でも大丈夫。 続く 「モチーフ・フロム・オーバートゥアー」 は、なかなかいい感じです。 何と言うか、日本人好みの綺麗なメロディの作品です。 アラビアのロレンスというか、あらびきのフランクというか、そういった雰囲気もどことなく感じられたりするんですが、いや、アラビアと言えば、あらびきだよねっ♪ …って、こんなネタしか思い付かなくて、自分でも申し訳ないとは思っているんですけど。 ディッカーソンのソロは相変わらず、ややもするとイケない方向に走りそうになったりして、聴いていてちょっぴりハラハラしてしまう原監督。 そんな感じだったりするんですが、甥っ子の菅野って 「かんの」 じゃなくて 「すがの」 なんですな。つい最近まで知りませんでした。 「かんの すがの」 でググると、管野スガとか、原宿の母・菅野鈴子とかが出てくるんですが、幸徳事件で処刑されちゃいましたか、管野スガ。 で、続いてオウスティン君のいい感じのピアノ・ソロがあって、ヘンリー・グライムスの魂のピチカート・ソロがあって、でもって、いい感じのテーマに戻って、おしまい。 概ね、いい感じの出来だったのではないかと、そのように評価していいのではないかと思います。

 ということで、次。  「モチーフ・フロム・オーバートゥアー」 。 先ほどのが “パート1” で、今度のが “パート2” です。 同じ曲を2回続けて聴かされるのではないかと器具してたんですが、まったく違う作品でありました。 今度のはバラード調でありますな。  ピアノによる出だしの部分は “哀愁砂漠” といった雰囲気が漂いまくっていて秀逸なんですが、その後、ヴァイブが入ってくると、わりと普通な感じになっちゃいます。 もしかして僕って、ディッカーソンのことがそんなに好きではなかったりするんじゃ? そんな不安が湧き上がって来たりもするんですが、一筋縄ではいかない長縄クン。 そういった癖があったりしますからね、この人。 で、その後、オウスティンの魂のピチカートがフィーチャーされて気分がすっかり沈みこんだところで、テーマに戻って、おしまい。 哀愁と陰鬱とは、紙一重であるな。そんなことを感じさせる仕上がりでありましたが、ま、1曲くらいはこういうのがあっても許せる気がしないでもありません。 で、次。  「アライバル・アット・オウダズ・キャンプ」 。 キャンプで荒井クンが威張って、殴打する。 そんな情景が目に浮かんでくるんですが、気が荒いですからな、荒井くん。 で、曲のほうはというと、何だかとっても楽しげな御陽気ナンバーだったりして、殴打キャンプ、ちょっと参加してみたいかも? アドリブ・パートに入ると結構ハードになったりするので、あ、やっぱりあまり参加したくないかも? そんな気分になっちゃったりもするんですが、最後に短くピアノのソロが出てきて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。  「ネフュード・ミラージ」 。 “パート1” と “パート2” に分かれているんですが、 “その1” のほうは何だか童謡っぽい、ラブリィ&キューティな曲調でありますな。 それがアドリブに入って次第に陵辱されていく様は、何だかイケないものを見てしまったような背徳感を呼び起こすんですが、かなりイッちゃってますな、こりゃ。 続くピアノのソロがまともなので、何とか耐えることが出来るんですが、でもって、続いて “その2” 。 これはアレですな。 同じ名前の曲だけあって、 “その1” とまったく同じメロディなんですな。 テンポをぐっと抑えたバラード調の仕上がりで、ベースの人とか、ピアノの人とかが前面に押し出されているので、イメージ的にはとってもソフトでありまして、ま、よかったんじゃないでしょうか。

 とまあそんなことで、ラストです。  「ザ・ヴォイス・オヴ・ザ・ガンス」 。 これだけモーリス・ジャールではなくて、K.アフロードという名前が作曲者としてクレジットされているんですが、 『アラビアのロレンス』 とは関係無いナンバーなんだか、どうなんだか、詳しいことはよく分かりません。 アップ・テンポの小難しい演奏でありまして、アンドリュー・シリルのドラム・ソロもフィーチャーされたりして、なかなか賑やかだったりするんですが、何だかとっても疲れちゃったので、今日は以上です。

【総合評価】

 素材が映画音楽だろうと何だろうと、良くも悪くもウォルト・ディッカーソンだった。 そんな感じの1枚でありました。 最初から無かったことにされている 『ユニティ』 のほうは、良くなくも悪くもディッカーソンがバリバリ全開だったりするので、それを思えば 『アラ・ロレ』 のほうはまだ、随分とマシ。 そういう意味では、大変に意味深い “2in1” であると言えるかも知れません。 ソフトなバイブ・プレイでは満足出来なくなってしまった。そんな人には、いいかもー?


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