STRATUSPHUNK (RIVERSIDE)

GEORGE RUSSELL (1960/8/18)

STRATUSPHUNK


【パーソネル】

AL KIGER (tp) DAVE BAKER (tb) DAVE YOUNG (ts)
GEORGE RUSSELL (p) CHUCK ISRAELS (b) JOE HUNT (ds)
【収録曲】

(01-03) STRATUSPHUNK / NEW DONNA / BENT EAGLE
(04-06) KENTUCKY OYSTERS / LAMBSKINS / THINGS NEW
【解説】 ( 2011年01月30日更新 / 連載 966回 )

 “SS会議” でした。 “SS会議” というのはアレです。 これ です。 これを書いたのは 2009年12月13日なんですが、あれから1年余。 未だに 「ソーラー利用の隙間商品」 に関しては、まったく議題に上りません。 どないなってんねん? 議題に上らないので、しかたなく踏み台に上ったり、エボダイの干物を食べたりして過ごしていたんですが、前回、ようやく新しい議題が出されました。 これからの議題をどうするか? そういう課題が課せられたんですが、なるほど、そういうことなら少しはヤル気を出してみますかね? わざわざイラストまで描いて構想を練った WADA-便(わだ-べん)♪” も、今のところ、まったく日の目を見ていないんですよねー。 新商品の開発が主要な議題だと言っておきながら、これまでのところ、小椋クンの考えた 地域貢献型防災機器防犯設備 を、いかにして売るか? そういうテーマしか論議されて来ませんでした。 売れねーよ! そういう思いが誰の心の中にもあるので、一向にテンションが上がらないんですが、日系3世のテンション高井くん(34歳)。 そういうのをメンバーに加えないと、今後の展開には期待が持てないんじゃないですかね? 日系人なら、きっと何とかしてくれる。日経平均株価だって上げてくれる。肉桂玉だって買ってくれる。 そういう思いが僕にはあるんですが、その思いを平井くん (←社長) に伝えるべく、僕は勇躍、今回の “SS会議” は欠席することにしました。 面倒なだけで、何の得にもなりませんからね、アレ。 5人のメンバーが持ち回りで議長と書記を務めるんですが、持ち回りといっても、参加賞として餅を貰えるわけでもないしー。 特に書記が回ってきたりすると大変なんですが、みんなが好き勝手な事をホザいてくれますからね。 とても書くのが追い付かないし、後から自分で書いた字を読み返しても、八割方は判読不明だったりするしー。 仕方が無いのでICレコーダーで録音して、後から議事録を起こすことにしたんですが、なまじ、それでいい感じの議事録を作っちゃったのが災いして、議長役の時にも僕が書記を兼務するような形になっちゃいました。 1人か2人は欠席することが多いので、何だかしょっちゅう議事録を作らされている気がします。 テンションが高いだけの日系人でも何でもいいので、とりあえずメンバーを増やせって! ロシア人でも何でもいいので、書記役はゴルバチョフ書記長にやらせろって!

 その結果、ロシア語の議事録が出てきて、結局、僕がそれを日本語に訳す羽目になったりするかも知れませんが、だったら最初から日本語で議事録を作ったほうがまだマシなような気がします。ロシア語、さっぱり分からんしー。 何とかして書記も議長もやらないで済む方法はないのか? いろいろ考えた結果、会議に欠席するのが、いちばん手っ取り早い。 そういう結論に達した次第であります。 幸いSS会議の日には、現場代理人を務めている現場で、どうしても出席しなければならない (事もないが、出来ることなら出ておいたほうがいいような気がする) 全体工程会議もあるしー。 こっちのほうの会議も決して喜ばしいものではなく、他に用事があるなら、それにかこつけてサボりたいところではあるんですが、議事録を作らなくてもいい分だけ、まだマシなんですよね。 ということで、まことに遺憾ながら1月度のSS会議にはどうしても出席することが出来ない旨を、タナカ部長に伝えた次第でありますが、すると、 「代理人は?」 と聞き返されました。 あまりに欠席するヤツが多いので、SS会議に出席出来ない場合には代理人を立てること。 そういう通達が出されているんですよね。 代理人といった面倒な役割は、長縄所長代理に押し付けるのが一番なんですが、生憎、長縄クンは名古屋に飛ばされたり、また岐阜に出戻ってきたり、岐阜営業所が岐阜支店に名前を変更したりといった経緯の中で、既に所長代理では無くなってしまっております。 現在、部長ということになっています。 ま、別に部長に代理人を押し付けても一向に構わないんですが、SS会議でどのようなことが議論されているのか、岐阜支店で知っているのは僕だけですからね。代理人を立てるにも、これまでの経緯やら、今回発言すべき内容などを事細かく説明しなければなりません。 長縄クンと30秒以上の話をするの、やだ。。。 ということで、 「代理人の出席も無理っぽいです。」 と、僕の専権で決めさせて貰ったんですが、すると、「じゃ、意見を文書で提出して。」 と言われてしまいました。 代理人も出席出来ない場合は、文書にて意見を提出すること。 そういう通達も出されてますからね。止むを得ません。議事録を書くよりはマシだと思って、諦めるしかないんですが、この際なので、言いたいことは、はっきりと申し述べておいたほうがいいですよねー。 そこで、 「次回から会議で論議したい議題」 として、小椋クンの発明品 (笑) は、もう飽きた。 初心に返って 「ソーラー利用の隙間商品」 の開発に心血を注ぐべきではないか? そういう前向きな提案を、もうちょっと婉曲な表現で書いて、FAXで送っておきました。 あの 「さば文書」 は恐らく、SS会議を活性化させる起爆剤になったに違いありませんが、あれから1週間。 今のところ、何の音沙汰もありません。

 とまあ、これでとりあえず目先の面倒は回避することが出来ました。問題は2月です。 「ソーラー利用の隙間商品の開発に心血を注ぐべき…と言うからにゃ、キミは当然、具体的なアイデアがあるんだよな?」 そう、平井クンに言われます。言われるに決まってます。 何だかもう、その口調とかが鮮明に浮かんでくるんですが、でも大丈夫。 僕の答えはもう決まってます。 「今月も仕事が忙しくて、会議に出れそうもなくて…。」 会議の3日ほど前にタナカ部長に言おう。 そう心は決まってます。 問題は3月ですなぁ。 「仏の顔も三度まで」 という諺があるんですが、さすがに3度連続で欠席となると、ちょっぴり心が痛みます。 でもまあ、年度末は誰もが本来業務に忙しく、SS会議どころじゃねえ! そういう雰囲気が濃厚に漂っているので、2月と3月は会議自体が中止になるかも? そういう楽観的な観測に賭けるしか無いんですが、問題は4月ですなぁ。 4月になるとうーんと暇になって、面倒だけど、とりあえず暇潰しにはなる会議が、ちょっぴり嬉しく思えたりするんですよね。 とは言ってもソーラー利用の隙間商品なんて、まったくと言っていいほど何も浮かんできません。うーん、困った。。。 うーんこ、まった。。。 ウンコ、待った。。。  (゚Д゚)ハッ! それで今、いいアイデアを思い付きました。 ウンコ、待った。 ウンコを待たされるのは辛いものがあるんですが、もし 「待たなくてもいい便所」 というのがあれば、かなりのヒット商品になるんじゃないですかね? では逆に 「待たなければならない便所」 というのはどういう状況なのかと言うと、人がたくさん並んでいる便所。そういうことになります。どうして人がたくさん並んでいるのかと言うと、その理由は3つ考えられます。 ひとつ。並ぼうとする人が多い。 ふたつ。中に入ってるヤツがなかなか出てこない。 みっつ。特になし。 3つ考えられると言っておきながら、2つしか思い付かなかったんですが、並ぼうとする人が多くて並んでいる場合、特に対処法はありません。 問題は中に入ってるヤツがなかなか出てこない場合なんですが、たまにいますよね、そんなヤツ。 中で何やっとるねん!?…みたいな。 中で何やっとるって、ウンコしてるに決まっているんですけど。 なら、さっさとウンコして出て来い!…と思わずにはいられませんが、なかなか中から出てこないヤツって、おそらくウンコが出ないから出てこないんでしょうな。 したいような気もするしぃ、したくないような気もするしぃ。 でも今のうちに行っておかないと、後で困るかも知れないしぃ。 そういう中途半端な思いで、とりあえず便所に入ってみたものの、やっぱりあまりしたくなかった。 そういう状況なのかも知れません。 でも、せっかく便所に入ったわけだし、もうちょっと頑張れば出るかもしれないしぃ。 そういう思いで中で頑張っているんでしょうな。 外で待ってるほうとしては、そんなところで頑張らなくっていいって! 努力はもうちょっと違うところで使えって! そう思わずにはいられませんが、こういうタイプの人はなるだけ、十分に困った状況に陥ってから便所に並ぶようにして欲しいものですなぁ。 ま、それだと手遅れになっちゃう恐れもあるんですが、たとえ外で漏らしちゃったとしても、所詮は他人事だしー。

 いや、確かに並んでいる時点では便意があったのだ。 そういう人もいるでしょう。 が、便所の中に入った瞬間、便意を喪失してしまった。そういう人は少なくないかも知れません。何故かというと、緊張しちゃうんですよねー。人に見られていると思うと、出すものもなかなか出せなかったりします。便所に入ってしまえば人から見られる心配はないんですが、人の気配は感じられますからね。 特にドアの向こうにたくさんの人が並んで待っている場合だと、緊張感もピークに達します。 はやくウンコを出さないと、多くの人に迷惑が掛かってしまう。その思いが焦りを生んで、体が固くなります。体が固くなれば当然、ウンコも固くなっちゃいます。 柔らかいウンコならすぐに出ちゃうのに、固いウンコはなかなか出ない。 焦れば焦るほど体が固くなって、ウンコも固くなって、ますます出なくなる。 まさに負のデフレ・スパイラル。 うーん、困った。 ウンコ、待った。。。 出なければ出ないで、きっぱりと諦めればいいものの、でも、せっかく便所に入ったわけだし、もうちょっと頑張れば出るかもしれないしぃ。 だから、頑張らなくていいんだって! かくして、人がたくさん並んでいる便所では、突発性の便秘に悩まされるヤツが増えて、ますます回転が悪くなるという悪循環に陥ってしまうわけです。 悪循環を断ち切るにはどうすればいいか? 悪代官に頼むしかない! そういう結論に至った次第でありますが、「便所税」というのを摂取するわけでありますな。 30秒 10円とか。 で、延長料金は10秒あたり 100円。 高っ! さすがは悪代官だけあって、やる事があくどいんですが、これなら 30秒頑張ってみた結果、その努力が報われなかったとしても、すぐに諦めて便所から出てくることでしょう。 万事解決♪

 「それってソーラーも隙間も、何も関係ないんじゃないの?」 そう平井クンに言われるかも知れません。 うーん、なかなか鋭いですなぁ。 言われてみれば確かに、関係者は悪代官だけですもんね。民間企業が手を出せるジャンルではないかも知れません。 そこで僕は考えました。仮設便所にソーラー式の電灯を付けるというのはどうか? 何のことはない、1年前に考えた “Wonderful Advantage Dynamic Ahan 便所”、略して “WADA-便(わだ-べん)♪” に話が戻っただけなんですが、先日、和田勉がお亡くなりになったばかりなので、タイミング的にもばっちり。 1年以上も日の光が当たらなかったソーラー便所に、ようやく日の光が当たることになるんですが、日の光が当たらないと発電も出来ませんからね、ソーラー。 で、後はこれをいかにして “隙間商品” にするかなんですが、それに関してはシンプルな発想で勝負しましょう。 えーと、便所にドアに隙間を開けるというのはどうですかね? 便所の中に入ったヤツがなかなか出てこない場合、何やっとるねん!?…と、中を覗きたくなっちゃうんですが、そういう時、簡単に中を覗けるように、目線の位置に覗き窓を付けておくわけです。 でも、せっかく便所に入ったわけだし、もうちょっと頑張れば出るかもしれないしぃ。 そう思っていると、いきなり外から覗かれちゃうわけです。 ビクッ!(゚Д゚) これはもう、完全にウンコも引っ込んじゃいます。 ちょっと頑張ったくらいで、どうにかなるレベルではないな。 そう悟って、諦めて便所から出てくるに違いありません。 手間掛けさせやがって! 次の順番の人=覗き魔は、意気揚々と便所に入っていくわけですが、(゚Д゚)ハッ! ということは俺も、ウンコしてる姿を後ろのヤツに覗かれるのか!? こんな便所、嫌ですよね。めっちゃ嫌です。 かくしてこの便所には誰も並ばなくなって、 「待たなくてもいい便所」 、堂々完成♪

 …とまあ、一生懸命に考えて思い付いたのがコレだったので、2月の “SS会議” はやっぱり、欠席することにします。 とりあえず3日ほど前になったらこの原稿を適当にアレンジしてFAXしますので、ひとつよろしくお願いします。

 ということで、 「楽器に拘らずに最近買ったCDを紹介するシリーズ」 です。 いつ買ったのかと言うと、SS会議の時なんですけど。 10時までに名古屋の本社に行けばいいので、朝はゆっくり出来て楽なんですが、昼の12時で終わっちゃうんですよね。 午後から岐阜の会社に行って仕事をしなければならないのが、何とも面倒。 昼飯を食って、名駅にあるタワーレコードに寄ってCDを漁って、なるだけ時間を潰してから岐阜に行くことにしているんですが、最近、これは!…と思えるようなCDがほとんど見当たらないのが、何とも寂しい限り。 結果、あまりソソられるものはないんだけど、せっかく来たんだから、取り合えず何か買っておくか的なニュアンスの物ばかりを確保する羽目になるんですが、今日もそんな1枚を取り上げてみたいと思います。 ジョージ・ラッセル 『ストラタスファンク』 。 リバーサイド盤が大好きな僕なんですが、ジョージ・ラッセルだけはどうも、あまり買う気がしません。 小難しいんですよね、このオッサン。 実験的なサウンドを模索しているようですが、その実験、八割方は失敗やろ?…と思わずにはいられません。 が、これ、ジャケ絵を書くのが簡単そうなので、思わず買ってしまいました。 よって演奏のほうは端から期待していなかったりするんですが、とりあえず、ま、聴いてみましょう。

 まずはタイトル曲の 「ストラタスファンク」 。 「層雲ファンク」。 どうやらそういう物を目指しているようですが、いいですよね、層雲。 どんな雲なのかよく分からないので調べてみたら、層状の雲。そういう雲のようです。 それとファンクとを結び付けようとするところが、何とも無理な実験のような気がするんですが、ベースの無伴奏ソロによるイントロに続いて、ミュート・トランペットがテーマらしきものを吹くという導入部は、ん? 意外とまとも? 次第に参加する楽器が増えて賑やかになってくる辺り、確かにちょっぴり層雲っぽいファンキーさを感じ取ることが出来るんですが、金正雲っぽいヤンキーではなくて何よりだと思います。 どうも好きになれんのですよね、金正雲。 金正男のほうがよっぽど好感が持てるんですが、で、ソロ先発はトランペットのアル・カイガーでありますか。 美術館に行けばある、絵画ー。 僕がこの人の名前で思い付くのはそれくらいなんですが、伴奏が再びベースのピチカートだけになったりして、こういうところは実験精神の現れであると言えましょう。 その後は普通にピアノとドラムスが入って来て、わりとノーマルな展開になったりするんですが、それと同時にテンポが速くなったり、ホーンが絡んでプチ集団即興演奏風になったりして、まだまだ油断はなりません。 で、その後、再びテンポが遅くなって、デイブ・ベイカーのトロンボーン・ソロが登場します。 そこのデブ、米菓を食い過ぎ。 僕がこの人の名前で思い付くのはそれくらいなんですが、美味しいですからね、あられ、おかき、煎餅の類。 歌舞伎揚 (120g・12枚入り)1枚 64kcal とか、特に揚げてある系はカロリーが高いので、デブの食い過ぎには注意が必要なんですが、ソロの途中からデイブ・ヤングのテナーとの絡みになったりして、なかなかいい感じに盛り上がっております。 で、その後、デブなヤングのテナー・ソロになるんですが、中盤ではテンポが速くなり、終盤には残る2管が絡んだりして、いや、若いというのはヤングですなぁ。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 確かに実験的なサウンドではあったんですが、思ったほどワケワカメではなくて、わりと何とかなりました。

 で、次。  「ニュー・ドンナ」 。 どんな曲なのかと思ったら、 「ドナ・リー」 のパクリなんすね、こりゃ。 僕の持ってる日本盤CDのカタカナ表記は 「ニュー・ドンナ」 なんですが、 “NEW DONNA” = “新しいDONNA LEE” 。 そういう事なんでしょうな。 よって 「ニュー・ドナ」 と読むのが正解かと。 ま、別にどっちだっていいんですけど。 で、演奏のほうはアレです。 3管のユニゾンで割りと素直にテーマを吹いた後、一転してテンションの低いトロンボーンのソロになるんですが、ま、途中からは難解なりにも盛り上がったりはしてるんですけど。 ラッセル君のピアノのコンピングが斬新過ぎて、あまり感心しないんですが、以下、トランペット → テナー → ドラムスとソロが続くことになるんですが、タイコ担当はジョー・ハントでありますか。3方位が水に接している陸地は、半島だじょー。 僕がこの人の名前で思い付くのはそれくらいなんですが、いや、今回はかなり無理がありましたな。 ま、ソロそのものは普通にタイコなので別にいいんですが、その後、 tb→tp→ts→tb→tp→ts の4バースで大いに盛り上がって、テーマに戻って、おしまい。 ルーチンとしてはオーソドックスなんですが、フリチンとしてはオートロック。 そんな感じの仕上がりでありました。 ま、自動で鍵が掛かるのなら、中でフリチンになっても別に構わないとは思います。 急にドアを開けられて人に見られちゃう心配も無いしー。

 で、3曲目。  「ベント・イーグル」 。 これはアレです。 カーラ・ブレイのオリジナルなんだそうです。 弁当いくら? 僕が 「ベント・イーグル」 というタイトルから思い付くのはそれくらいなんですが、その弁当が 「イクラ弁当」 だったりすると、それなりの値段がするような気はします。 1,155円 (税込) とかー。個人的にイクラはあまり好きではないので、 「オクラ弁当」 のほうがよかったりするんですが、それだったら 389円 (税込) くらいで買えるような気がするしー。 いずれにしろ、 「イーグル → いくら」 の読み換えは、ちょっと無理があるような気もするんですが、曲のほうはというと、あまり無理のない自然な仕上がりであるような気がします。 名曲かと言われると、さほどでもないんですが、テーマ部ではピアノ・トリオをバックに、トランペットのアル・カイガー君が一人で頑張っておりますな。 ま、アルカイダ君が頑張るよりは世間に与える害は少ないように思えるんですが、途中から一転、3管のゴージャスな合奏風になったりして、なかなかいい感じです。 ソロ先発はテナーのデイブ・ヤングですな。 …と思ったら、すぐにトランペットのソロに転じて、と思ったら今度はトロンボーンが出てきて、とにかく目まぐるしく主役が変わるというアレンジが施されているんですが、実験好きのヤツに実権を握らせるとこうなっちゃうんですよね、どうしても。 いや、これは八割方が失敗なラッセルにしてみれば珍しい、残りの二割にカウントされる稀有な成功例だと言っていいと思うんですけど。 カーラ・ブレイの作品を取り上げたのは、空振りではなかった。 そう評価していいのではないかと思います。

 で、次。  「ケンタッキー・オイスターズ」 はボントロ奏者デイブ・ベイカーのオリジナル。  「ケンタッキー牡蠣」 ? 鳥インフルエンザの影響でチキンが値上がりしているので、ケンタッキーがフライド牡蠣を始めたんすかね? 個人的に牡蠣ってあまり好きではないんですが、フライならぜんぜん大丈夫。 煮ても焼いても食えない奴なんですが、揚げれば食えます。 ちなみに去年の夏、舞鶴で岩牡蠣の天麩羅が乗った丼を食べたんですが、揚げるなら普通にフライにしたほうが美味しいような気が。 牡蠣の唐揚げとかはどうなんすかね? もしくは牡蠣の掻き揚げとか。画期的な牡蠣料理になる気はあまりしないんですが、で、演奏のほうはアレです。すごく真っ当です。イメージ的にはほんのちょっとだけチャールス・ミンガスの 「ベター・ギット・イット・イン・ユア・ソウル」 を彷彿させるものがあって、賑やかなテーマの合奏に続いて登場するテナーのソロも、その後のトロンボーンも、時おりストップ・タイムを交えたりして、なかなかいい感じにドライブしております。続くアル・カイガーも頑張ってます。 が、その後のジョージ・ラッセルはいけません。 いきなり抽象的なサウンドになって、思いきり気勢をそがれます。普通にやるのが嫌いなタイプなんでしょうな。 ま、僕も普通にジャズのレビューを書くのが嫌いなタイプだったりするので、あまり人のことは言えないんですが、こういう独りよがりな奴って、ちょっと迷惑ですよね。ピアノとベースとの絡み、やめて欲しいっす。 ま、わりと早めにテーマに戻るので、なんとか我慢できる範囲内ではあるんですが、とまあそんなことで、おしまい。

 ということで、次です。 「ランブスキンズ」 。 ラッセルのオリジナルなんですが、曲そのものがちょっと変なので、演奏内容に関しても最初から諦めが付きます。 アドリブ・パートではアル・カイガーが頑張ってますな。 どういう人なのか、この期に及んでちょっと気になったのでググってみたんですが、「もしかして: アン・カイガー」 と聞き返されてしまいました。 で、アン・カイガーというのはどういう人なのかと思ったら、んーと、殺人犯? 16歳のギャルなんですが、寝ぼけて6歳の弟と母親と父親を拳銃で撃っちゃったようです。弟とオトンは即死。 オカンは無事だったようですが、悪寒が走ったでしょうな、多分。 で、一方、アル・カイガーのほうは何の情報も得られなかったので、どういう人なのかは分からずじまいなんですが、さほど小難しくはなく、わりと普通にいい感じのプレイをする人だと評価していいと思います。 で、以下、トロンボーン、テナーの順で、まずまず充実したソロが続きます。 途中、他の楽器担当の奴らが絡んできたりもして、そこそこ盛り上がったりもします。 リーダーが余計なソロさえ弾かなければ、割りと無難に仕上がるようですね。 とまあそんなことで、おしまい。

 で、ラストです。  「シングス・ニュー」 。 何だか新しいことにチャレンジしてくれちゃってそうなタイトルですな。 警戒が必要なんですが、聴いてみたら意外と軽快なナンバーだったので、すぐに警戒を解きました。 割りと賑やかなテーマの後、トロンボーンのソロが出てきます。以下、トランペットとテナーのソロも出てきます。ピアノのソロは出てきません。いい傾向です。 で、終盤は管楽器奏者3名とピアノとタイコが入り乱れて、大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、以上です。

【総合評価】

 思ったよりは全然マシだった。 総合的に見て、そのように評価していいのではなかろうかと。 でもまあ、相当に酷いのを予想していたのに、思ったよりはマシだったというだけの話なので、普通に考えれば、それなりの忍耐力は要求されます。 ま、SS会議でもなければ、買わなかったでしょうな、多分。


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