PRESENTING CANNONBALL (SAVOY)

CANNONBALL ADDERLEY (1955/7/26)

PRESENTING CANNONBALL


【パーソネル】

NAT ADDERLEY (cor) CANNONBALL ADDERLEY (as)
HANK JONES (p) PAUL CHAMBERS (b) KENNY CLARKE (ds)

【収録曲】

(01-03) SPONTANEOUS COMBUSTION / STILL TALKIN' TO YA / A LITTLE TASTE
(04-06) CARIBBEAN CUTIE / FLAMINGO
【解説】 (2009年12月13日更新)

 今日はソーラー利用の隙間商品について考えてみたいと思います。 どうして、そんなものについて考えてみるのかというと、“SS会議” で、そういうものについて考えてこいと言われたからなんですけどね。“SS会議” というのはアレです。サソアイ戦略会議(仮名)。 確か、そのような意図の会議ではなかったかと思うんですが、サソアイ(仮名)というのはウチの会社の略称です。 で、後半の “S” は戦略 (Sen-rya-ku) の “S” なのかと思ったら、戦略を意味する “Strategy” から来ているんだそうで、個人的には、ローマ字でエエやん!…という気もするんですけどね。 会議の参加者が会議の名前を考えることになって、個人的には、どうでもエエやん!…という気がしたので、提出期限を過ぎてもシカトしてたんですが、3日ほどして総務のほうから催促の電話が掛かって来ました。仕方が無いので適当に 「サソアイ営業戦略会議(仮名)」 と書いてFAXを送ったんですが、第2回の会議の場において、社長の一存で “SS会議” というのに決まっちゃいました。 原案はもうひとつ、何とかという意味の “S” の付く単語が入った “SSS会議” (えすえすえす会議?すりーえす会議?) というものだったんですが、 「簡単な名前のほうがいい。」 という社長の一存で “SS (えすえす) 会議” となりました。 オッサンというのは概ね、英語を使えばカッコいい♪…と、信じてやまない人種だったりしますからね。やむを得ない選択だったと言えるでしょう。 ま、こんな恥ずかしい名前の会議、僕は認めませんけどね。 人に言う時には 「何か企画会議のようなもの」 といった曖昧な表現を心掛けるようにしております。 「明日は “SS会議” に行ってきます。」 などと発言した日にゃ、「何それ?」 と聞き返されるのがオチで、 「ま、何か企画会議みたいなものなんやけど。」 と、いちいち補足説明をしなければならなくて、面倒ですからね。 ま、そのうち “E電” みたいに完全な死語になるに違いないので、それまでの辛抱なんですけどー。

 そもそも、この企画会議のようなものは、いったい何を企画する会議なのかというと、ソーラー活用の新商品を開発するプロジェクトチーム。 最初に聞いた話では、そういうことになっておりました。 で、岐阜支店を代表して、僕がメンバーに選ばれることになったんですが、いいですよね、プロジェクト。 オッサンだとどうしても “プロゼクト” という発音になって、Google の “もしかして機能” で 「プロジェクト?」 と、問い掛けられることになってしまうんですが、僕は大丈夫です。 横文字にも堪能で、技術力にも長けた僕をもってすれば、何か画期的な新商品が誕生するに違いなく、これはもう、数年後にNHKの 『プロジェクトX』 で取りあがられること、間違いなし。 もう、あの番組は終わっちまったんですが、そのうち中島みゆきが何とかしてくれるに違いなくて、とまあそんなことで、挑戦者である僕は、意気揚々と第1回の会議に出席したのでありました。 で、即座に気持ちが萎えました。 (議題1) 「既存の設備のメンテナンスの掘り起こし」 だとか、 (議題2) 「納入実績のリスト化」 だとか、そういう面倒な話ばかりなんですよね。 一応、「ソーラー発電を活用した新規商品の開発」 が (議題4) に、 「ソーラー発電以外の太陽エネルギー利用の検討」 が (議題5) に上がってはいるんですが、いつも (議題3) まで進んだところで時間切れになってしまって、第5回目が終了した12月現在、ソーラーの話は一度たりとも議題に上りません。 毎月1回、名古屋の本社で 10:00〜12:00まで開催というスケジュールもよくありません。 1ヶ月なんて、油断しているとほんの一月くらいで、すぐに開催日が巡って来てしまって、 「納入実績のリスト化は、いつまでに完成させるんだ?」 と、ヤマムラ常務に問い詰められ、 「ま、次回の会議までには…」 と、適当に切っておいた空手形は即座に不渡りとなってしまって、ブルーな気分で名古屋に向かう破目になってしまいます。 10時開始というのは、朝、ゆっくり出来るという点ではいいんですが、12時終了だと桑名の家に直帰するわけにもいかず、いちいち岐阜の事務所まで行かなければならなくて、面倒です。 夕方の会議なら名古屋でCDを漁って、そのまま家に帰れたりするのでラッキーなんですけどねー。 そこで第1回の会議の際、 「今後、会議の開催は午後3時からにしてはどうか?」 という前向きな提案をしてみたんですが、何故か誰も賛同してくれる人がいなくて、あえなく否決されてしまいました。ああん。。。

 ま、12時終了というのも、ヤマムラ常務が昼飯を奢ってくれるという点では、唯一の希望が無いわけでもないんですが、第4回以降はそれも無くなってしまって、このところは自腹を切って 「どんどん庵」 のうどんですからな。 ま、セルフ方式 (笠松編) が、幼女好きにはたまらないコンテンツだったりするのが唯一の救いだったりするんですが、結局、妹のほうは何も食べさせて貰えず仕舞いでありますかぁ。 ま、自分でうどんをチャッチャ出来ないようでは、やむを得ないところではあるんですが、自分の事は自分でしないと何も得られるものがないという、非常に厳しい世界ですからな、セルフうどん。 ロリ系に興味がない人のために、セルフ方式 (扶桑編) も用意されておりますが、個人的にはこの扶桑編、レジのおねえちゃんのほうが可愛いな♪…という気がします。 丸の内店のレジは、さほど可愛くも無いオバチャンなんですけどね。 ヤマムラ常務が10時開催で、昼飯も奢らないというスタイルを押し通すのであれば、せめて開催場所を丸の内にある本社ではなく、扶桑町のどっかに変更して頂きたいところでありますな。 で、会議の前半はもっぱら、ヤマムラ常務が出しゃばる…、いや、ヤマムラ常務の御高説を賜ることになるんですが、後半になると俄然、オグラ常務が張り切りだします。 オグラ常務は僕がこの会社に入った時には津の支店長を務めておられた “人格者” でありまして、いや、専門学校で就職活動をした時、担当の先生がそのようにホザいていたんですよね。 「津の所長はオグラさんと言って、すごい人格者だから。」 とか何とか。 結果、この会社に就職した僕は、詐欺にあったような気分だったりもしたんですが、このオグラ常務は当社きっての “切れ者” として知られております。 地域貢献型防災機器防犯設備の新商品を次々と開催し、東京国際展示場(ビッグサイト)において「2008防災展」に出展し、多くの方々から賞賛を受けたそうです。 そういえば僕は 「自社のホームページをリニューアルする委員会」 というのにも所属していて、こっちのほうは3回ほど会議を開催した時点で自然消滅しちゃったんですが、ほぉ、こんなページもあったんですな。ちっとも知りませんでした。うちの会社はこの7月、心機一転を図って、それまでの岐阜営業所を岐阜支店、津営業所を三重支店と、とりあえず名前だけを変えることになって、色んな手続きが必要になって、迷惑以外の何物でもなかったんですが、オフィシャルサイトにはそれがまったく反映されておりませんな。ホームページをリニューアルする委員会の委員は、何やっとんねん!?

 とまあそれはそうと、この 「あんしんポール」 とかの拡販を、どうすんねん?…というのが、企画会議のようなものでの (議題3) に上がっているんですが、どうすると言われたところで岐阜支店では既に、なかった事とされている商品ですからなぁ。。。 そこで最近、オグラ常務は 「あんしん開錠物置」 のほうに力を入れているようなんですが、これは一体どういう物置なのかと言うと、地震の揺れを感知すると、自動で鍵が開いちゃうという。 ある日、防災倉庫を開けようとしたら、鍵を持っている自治会長が見当たらなくて、開かなかった。 そういう話を小耳に挟んで、商品化を思い付いたんだそうです。ヒット商品というのは、そういう日常の何気ない会話から生まれたりするものなんですなー。 いや、自社製品ながら、ヒットしているという噂はあまり聞いたことがないので、 「アイデア商品」 や 「小椋グッズ」 と言い換えたほうがいいかも知れませんが、ちなみに開発者本人の自信とは裏腹に、「ヨドの物置なんか鍵がなくても、簡単に壊せるやろ?」 などと思っている人も少なくないようです。 というか、地震と同時に防災倉庫の鍵が勝手に開いちゃったら即座に中の乾パンやら飲料水やらを略奪されてパニックに陥るだけだと思うんですが、あ、趣旨としては食料庫ではなく、つるはしや平バールなどの防災救命救急機器を保管するというコンセプトの物置なんですな。 それならちょっと、いいかも? で、最近ではあらたに、省電力トランシーバーを使ったソーラー利用の簡易放送設備のようなものを開発しているようです。 大阪の井川くんも、「ちょっとエエかも?」 と、前向きな評価をしておりましたので、もしかしたら今度こそプチヒット?…という可能性が無いとも言えないんですが、 「無線放送ポール」 という名前でしたかね? 小椋グッズはネーミングのセンスにちょっと難があるところがネックなんですが、これからもどんどん、新たな “ポール物” が生み出されて、そして、日の目を見ることもないまま、消えていくのでありましょう。

 で、未だに議題にすら上らない 「ソーラー利用の隙間商品」 の件なんですが、さすがにあと2ヶ月ほどすれば、少しはそういう話が出るかも知れません。 第7回目には僕に議長役が回ってくるので、「そろそろ “あんしんシリーズ” には見切りを付けて、ほかの新製品の開発に目を向けるべきではないか?」 という、前向きな議長提案をするというのもひとつの手だと思います。 密かに社内での “第2のオグラ” の地位を狙っている僕としては、何とかして 「あんしん開錠物置」 を超える画期的な新商品を開発して、オグラ常務に引導を渡したいところなんですが、いかんせん、アイデアが浮かびません。 新商品なら何でもいいのかというと、そういうわけではなく、ソーラー利用で、しかも隙間商品。それがヒライ社長から与えられた開発条件であります。どうやら ソーラーキャップ を見て、こういうのが商売になると踏んだみたいなんですが、いきなりこれを出されたら、これを超えるインパクトのある商品など、そうそう思い付くものではありません。 社長、初っ端からハードルを上げ過ぎぃ。。。 こうなったら太陽光発電関連はきっぱりと諦めて、ヒライくんがぽつりと漏らしたもうひとつの課題、「太陽は光だけなのか?それ以外の利用法はないのか?」 のほうに焦点を絞ったほうが得策かも知れません。 ソーラー関連は既に「あんしんポール」 にも実戦装備されていて、この分野ではオグラ常務のほうが一歩先に進んでいますからね。 そのうち 「ソーラー式ポール型便器洗浄装置・サンポール」 などという、新たな “ポール物” で挑んでくるかも知れません。 …などと適当なことを書いてしまったんですが、ん!?もしかして、ちょっとイケるかも?

 便器洗浄装置をポール型にする必然性はどこにも無いんですが、男性用小便器とポールというのは相性がよさそうな気もするし、あと問題は太陽エネルギーと便器を、どう組み合わせるかですよね。 幸い、太陽と便器というのは相性がいいです。 今、僕が通っている工事現場には仮設トイレがあるんですが、これは 太陽建機レンタル で借りたヤツですからね。 それでふと思い付いたんですが、ソーラー仮設トイレ “ソライレくん (仮名) ” というのはどうですかね? 仮設トイレというのは、どうせ仮に設置してみただけだしぃ。…という、投げやり感が漂っている便器でありまして、必要最小限の機能しかありません。 ポンとその辺に置いてあるだけで、夜になっても電灯すら付かない事も珍しくありません。わざわざ100Vの電気を引っ張るのも面倒ですからね。ソーラー発電によってバッテリーに充電して、夜に電灯を付けられるようにすれば、土建屋のみんなも安心して遅くまで残業が出来ますなー。 で、仮設トイレは臭いので、換気扇も付けたいところです。 どうせならオゾン脱臭くらいは付けたいところなんですが、下手に凝ると開発費が嵩んで、商品そのものが高価になって、結果、まったく売れなくなる恐れがあります。オゾンで大損。そういう事態だけは避けたいです。 ソーラーで電灯を付けて、換気扇を回す。そういうシンプルなやつが無難かも知れません。

 が、そういう、僕でも考えつくような商品は、誰でも思い付くに違いないので、既に商品化されているような気もします。 平井くんが言うところの 「隙間をつく」 という視点が欠けているような気がします。 …と、ここでまた新たなアイデアを思い付きました。 仮設トイレに隙間を付けるというのは、どうっスかね? 隙間を付けるとどうなるのかというと、中を覗けるくらいしか利点がない気もするんですが、時々、仮設トイレに篭ったまま、なかなか出てこない土建屋のオッサンがいたりしますからね。中で倒れてるんじゃないか?…と心配になるんですが、隙間から中を覗ければ、安心♪ 結果、やっぱり中で倒れていたとしても、中から鍵をかけられていると救出が困難になっちゃうんですが、そういう事態に備えて “あんしん解錠機能” も付けておいたほうがいいですなー。 中で倒れているサバイバーを発見したら、震度6弱のレベルで揺すって鍵を開けて、素早くレスキュー。 完璧ぢゃん♪ ただ、倒れたオッサンが脳卒中だった場合、体を揺すったりするのは厳禁ですからね。 震度6弱の揺れが止めを刺す恐れもあるので、その点だけは注意なんですけどー。 暗い、臭い、労務者が行き倒れる。 従来の仮設トイレの泣き所を解消した、慶びに溢れた便所、名付けて “便慶” ♪ (← “ソライレくん” から改名。) これで “第2のオグラ” は貰った!…と、僕は確証しております。

 ということで、今日はキャノンボール・アダレイなんですが、いやあ、金曜日は忘年会でしたなぁ。 今年の忘年会は、よかったです。 何がよかったかというと、コンパニオンの質がよかったです。 「去年並みなら、経費の無駄」 という意見もあったんですが、今年は大丈夫でした。おそらく来年度もパニオン費が計上されることになると思うんですが、ま、 “便慶” の大ヒットで、来年の今頃はうちの会社もウハウハに違いないので、予算のほうはまったく心配がないんですけどー。 ただ “便慶” という名称が既に使われている恐れはあるんですが、ざっとググってみた限り、 「教えて!宅ふぁいる便 慶ちゃんのスェットについて。」 とか、 「◎運行ダイヤと所要時間 慶良間 202便慶良間発」 とか、そういうのしかヒットしなかったので、大丈夫かも知れません。 とまあそんなことでキャノンボールなんですが、金曜日が忘年会で、土曜日は仕事。 おかげで今回はあまり時間がありません。なるだけなら、ジャケ絵を書くのが簡単そうな1枚を選んでおきたいところなんですが、あ、いいのがありました。  『プレゼンティング・キャノンボール』 。 基本、キャノンボール (←砲丸) が地面に積まれているだけなので、とっても楽です。 おまけに全部で5曲しか入っていないので、解説でも手を抜けます。 ただ、肝心の演奏のほうが今ひとつだったりすれば、さすがの僕も少し良心の呵責を覚えるところなんですが、ざっと聞いてみた限りでは大丈夫そうだし、ということで、ではいってみましょうかぁ。

 まずはキャノンボールのオリジナルで、 「スポンティニアス・コンバスション」 。 難しい英単語が2つ並んでおりますが、意味は分かります。 「自然発火」 。 おそらく、そういう事だったのではなかろうかと。 念のため、翻訳サイトにかけてみたんですが、 「自然発火」 。 ばっちりでした。 そういえば10年くらい前の忘年会は “てっちり” だったな。…と、ふと思い出したりもしたんですが、個人的には “てっちり” よりも、海老チリのほうが好きです。 金曜日の忘年会の3次会で行った中華料理屋では、海老マヨが美味しかったんですが、美味しいですよね、海老。 殻と頭と目玉とヒゲ以外は、非常に優れた食材であると思います。 で、このアルバム、 『プレゼンティング〜』 という名前からも分かるように、キャノンボールの初リーダー作なんですが、この 「自然発火」 は後にライブでもよく演奏される、重要なレパートリーとなります。 有名な 『イン・サンフランシスコ』 でも演ってますよね。 そちらに比べると、スタジオ録音の本作はやや大人しめではあるんですが、ややテンポを落としたグルーヴィな雰囲気のテーマ部からは、ハード・バップの萌芽のようなものが感じられます。 いやあ、芽が萌えておりますなぁ。 で、ソロ先発はキャノンボール。 いかにも自然発火な吹きっぷりはジャズのアドリブの真髄と言ってもよく、いやあ、髄の真 (まこと) でありますなぁ。 で、続いてはナット・アダレイのコルネットですか。 いいですよね、ナットのコルネット。 ナットとネットで、韻を踏んでいるところがいいです。ナットとトランペットでも、同じく “〜ット” で韻を踏んでいるので悪くはないんですが、ナットとトランペット。 “トとト” と、途中に “と” が3つ続くことろはよくありません。コルネットという楽器を選んで、正解だと思います。 で、この人、後年はファンキーな吹きっぷりに活路を見出すことになるんですが、55年のこと時点では、かなりバリバリ吹いてますね。 かなりガレスピーを意識した感じなんですが、ま、それも若さという奴なんでしょう。 続くピアノのハンク・ジョーンズは、当時、やはり若かったんだと思うんですが、落ち着いた風情が感じられます。若いのに年寄り臭いとも言えるんですが、ウンコ臭い仮設トイレよりはマシだとお申…って、 Google 日本語入力 を入れたら変な変換をするようになっちゃったんですが、ウンコ臭い仮設トイレよりはマシだと思うし、 「かせつ」 と入力するだけで 「仮設トイレ」 が候補に出てくるところは便利なんですけどねー。 で、続くチェンバースのソロはちょっと余計なような気もするんですが、最後、 as→ds→cor→ds→p→ds→b→ds の4バースで地味に盛り上がって、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、2曲目です。 同じくキャノンボールのオリジナルで、 「スティル・トーキン・トゥ・ヤー」 。 「トゥ・ヤー」 というのは洞爺湖のことだと思うんですが、 「洞爺湖でまだ、お話。」 ですか。 夜のふけたアフター・アワーズ・セッションで聴けるような濃いジャズ・ムードにあふれたバラッドであり、粘っこいキャノンボールのスタイルがよく出ている。…と、日本語ライナーで岩浪洋三クンが書いておりますが、半分強は当たっていると思います。 が、バラッドというのは、ちょっと違いますな。 バラードのことをバラッドというオッサンって、ちょっと嫌いなんですよね。…という個人的な思いもあるんですが、これはバラードではなく、スロー・ブルースだと思います。 個人的にこういう濃いのはあまり好きではないんですが、ここまでベタに徹してくれると、1周回って、むしろ爽快だったりもします。 続くナットのソロはブルーなムードがあって良好だし、どこかで聞いたことのある、何とかという曲のフレーズを引用したりして、楽しませてクレマモーレ。…って、またしても “Google” が変な候補を出してくれましたが、イタリアンジェラートのお店なんですな、クレマモーレ。 ついでハンクのピアノ、心にしみ渡るチェンバースのアルコによるベース・ソロ…と、日本語ライナーを読んだ時点で、この先の展開に暗雲が立ち込めてきたんですが、いや、ハンクはいいんですけどね。 問題はアルコによるベース・ソロなんですが、心にしみ渡りましたか、洋三クン。 ま、蓼食う虫も好き好きといいますからなぁ。 経費の無駄遣いと言われた去年のパニオンギャルも、個人的に一部はそんなに悪くないと思ったし、そんあ僕でもチャンバースのソロは駄目なんですが、とまあそんことで、テーマに戻って、おしまい。

 3曲目、 「ア・リトル・テイスト」 。 ちょっとした風味の小品。…といった感じの仕上がりでありまして、あっさりしている分、口当たりは悪くありません。 演奏時間も 5分05秒と、かなり控えめで、チェンバースが前面に出てこないところが、いいです。 アルトの後、ナットのソロがあるんですが、ここではミュートを用いて、お姉さん、ショートパンツで脚にペットボトル挟んじゃダメw …って、あ、これは原稿を書きながら並行してチェックしている2ちゃんねるの航空祭スレの書き込みなんですが、今日は那覇の航空祭ですかぁ。 小松の F-15の胴体着陸は単なるパイロットの足の出し忘れだったみたいだし、那覇では元気にイーグルも飛んでいるみたいですな。 …とか言ってるうちに、演奏のほうはテーマに戻って、おしまい。 で、次です。  「カリビアン・キューティ」 。 同じタイトルのすけべ動画がシリーズ化されているようなので、興味のある人はカリビアンコムでチェックするといいと思うんですが、キャノンボール作のこのカリビアンも、なかなかトレビアンな出来でありますな。 キャノンボールはフロリダ州タンパの生まれ。フロリダ半島の南フロリダ海峡をへだてて南方には大きなキューバ島があり、その南にはジャマイカ島が、また横にはハイチ島やプエルトリコ島があり、その南に広がるのがカリブ海である。…と、洋三クンの解説はとっても南米の地理の勉強になるんですが、南米にはチリという国もありますよね。 で、海老チリは美味しいです。 が、チリチリパーマは個人的にはあまり好きではありません。 歌は好きなんですけどね、内藤やす子。 とまあそれはそうと、「カリビアン・キューティ」。 いいですな、こりゃ。 ラテン曲は日本人にもウケがいいです。 御陽気ソングながら、どことなく哀感のあるところが、いいです。 哀感は、あ〜、いかん。 そう感じる日本人は、そう多くはありません。 ソロ先発にハンクのピアノを持ってきたところも目先が変わっていいし、以下、ナット→コルネットと、いつもとは兄弟の登場準備を変えて。でもって、テーマに戻って、おしまい。

 で、ラストです。本アルバムで唯一の歌モノ、 「フラミンゴ」 。 これはですね、バラードです。 ハンクの弾くピアノのイントロが綺麗です。 とかく、クドくなりがちなキャラのキャノンボールなんですが、ここでの抑え気味なプレイは悪く無いです。 ソウルフルな説得力を持った好演と言えるだろう。…と、洋三クンも褒めておりますが、確かにソウルなブラザーですよね、アダレイ兄弟。 ここでは弟のナットくんはお休みなんですが、ナットも納得の出来であると言ってもよくて、とまあそんなことで、ハンクのソロを挟んで、テーマに戻って、おしまい。 ということで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 見た目が砲丸なジャケットの印象とは裏腹に、なかなか出来のよいアルバムでありました。 サヴォイ盤はもう少し見た目にも力を入れていたら、日本でもヒットすると思うんですけどね。今さらジャケットのデザインを変更するワケにもいかないんですけど。 いずれにしろ、初リーダー作なのに貫禄たっぷりで、やはりキャノンボールは大物でありますなぁ。…ということを実感させられる1枚なのでありました。


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