THE TIME IS RIGHT (BLUE NOTE)

LOU DONALDSON (1959/10/31,11/28)

THE TIME IS RIGHT


【パーソネル】

BLUE MITCHELL (tp) LOU DONALDSON (as)  HORACE PARLAN (p)
LAYMON JACKSON (b) DAVE BAILEY (ds) RAY BARRETTO (conga)

【収録曲】

(01-03) LOU'S BLUES / BE MY LOVE / IDAHO
(04-05) THE NEARNESS OF YOU / MACK THE KNIFE
(06-07) CROSSTOWN SHUFFLE / TANGERINE

【解説】 (2009年12月20日更新)

 今日は仮設トイレの未来について考えてみたいと思います。 前回  、ソーラー利用の隙間商品として “ソーラー仮設トイレ” というのを思い付いたところ、ごく一部のレーザー技師から割と高い評価が得られたので、もう1回引っ張ってみようという、そういう魂胆であります。 で、今回、新商品を開発するにあたって、仮設トイレの現状を見つめ直すことにしたんですが、具体的に何をしたのかというと、とりあえず僕が毎日のように利用している某増圧ポンプ場更新工事の現場に設置された仮設トイレの写真を撮ってみました。 これ (↓) です。

前方から見た仮設トイレ全景♪ 後方から見た仮設トイレ上半身♪

 「指定避難場所」 の看板があるのは、たまたま工事現場が小学校の敷地内にあるからなんですが、近くに保育所もあるので、幼女ウォッチング好きの人には、なかなか恵まれた労働環境であると言えるかも知れません。 朝夕は送り迎えにくる父兄の姿も多く見られるので、父兄ウォッチングにも適しているんですが、個人的には送り迎えは父や兄ではなく、母や姉にお願いしたいところではあるんですけど。 ま、実際のところ幼女の付き添いは若妻、もしくは、さほど若くはなさそうな妻がほとんどなので、さほど問題はないんですが、それはそうと仮設トイレ。 このトイレはですね、僕が設置したものではありません。 今回の工事はサソアイ物産(仮名)が担当する機械・電気工事と、フヅイ建設(仮名)が担当する土木・建築工事とが別発注になっておりまして、現場事務所や仮設トイレは土建屋さんのほうが用意してくれました。 が、「お金のほうは折半という事にしましょうや。」 と言われてしまいました。 何だか悔しいので、とりあえず元だけは取ろうと、精出して使用に励んでいるんですが、最近めっきり寒くなりましたからなぁ。 さほど無理をしなくても、ごく自然に頻尿気味だったりするので、その点ではよかったと思います。 で、今回、改めてじっくり仮設トイレを観察してみて、3つの点に気付きました。

  (1) 仮設トイレの屋根は半透明のドーム状になっている。
  (2) 仮設トイレは既に電灯を付けようという気にはなっている。
  (3) 仮設トイレはあまりにもやっつけ仕事である。

 順を追って説明すると、まずは (1) 。 仮設トイレは昼間でも暗くて臭いというイメージがあったんですが、実際は違ってました。 昼間でも臭いという点は確かにその通りだったんですが、昼間だと意外と明るいことに気付きました。 どうしてなのかと思ったら、天井の部分が半透明のドーム状になっているんですな。 昼間だとまったく電灯が必用無いくらい、採光に関しては最高の配慮がなされておりました。 僕は漠然とソーラー仮設トイレの姿として、屋根の部分にソーラーパネルを載っけた姿を頭に描いていたんですが、そういう余計なことをすると、中が薄暗くなっちゃうことが判明しました。 ま、ソーラーパネルを屋根以外に取り付ければ大丈夫なんですが、で、ソーラーパネルを付けてどうするのかと言うと、中に電灯を付けたいという、そういう話でしたよね。 昼間は意外と明るいことが判明した仮設トイレなんですが、夜は暗いです。 今の時期、夕方の5時には真っ暗になっちゃうので、残業せずに定時で切り上げたとしても、暗い便所は避けられません。 暗い便所って、怖いんですよねー。どれくらい怖いのかというと、ちょっぴり漏らしちゃうくらい怖いです。 ま、ちょっとくらい漏らしちゃったところで、すぐ下に便器があるわけなので、さほど大事には至らないんですが、暗いと便器の位置もよく見えなかったりしますからね。 あらぬところに漏らしちゃう恐れも、多分に有ります。仮設トイレに、もっと光を!

 …と思ったら、既に電灯を付けようという気にはなっているんですな。 今まで気付かなかったんですが、よく見たら既に電球用のソケットだけは装備されておりました。 去年通っていた養老町の現場の仮設トイレには電灯設備があったんですが、あれは元請が電気屋さんだったので、特別に自前で電灯を用意したのだとばかり思っておりました。 さすがや!…と、高く評価していたんですが、標準装備だったんですな、ありゃ。 ただ、いくらソケットがあっても電球が無ければ意味がなくて、ま、ソケットに電球をねじ込むくらいの事は土建屋さんでも大丈夫だと思うんですけどね。 ただ、いくらソケットに電球をねじ込んでみたところで、そこまで電気が来ていなければ意味がなくて、今回は設置したのが土建屋さんだったので、そこまで頭が回らなかったんでしょう。 仮設電源の工事はウチでやることにしたんですが、その際、仮設トイレに電気を引っ張って欲しいという依頼は無かったんですよね。 結果、料金は折半なのに、夜になるとちょっぴり漏らしちゃうような仮設トイレを使わされる破目になって、いい迷惑です。 もっとも仮設トイレにソケットが付いていることに昨日の朝9時まで気が付かなかった僕のほうにも若干の非が無いとは言えないんですけど。 ま、5%くらいの過失は認めなければならないかも知れません。

 が、電気に疎い土建屋でも、自前で電源を供給することが出来るソーラー仮設トイレなら大丈夫♪ 面倒な配線工事をしなくても、夜は白熱電球の明かりで、便器の汚れ具合まで、くっきり鮮やか♪ これで臭くなければ更に言うことはないんですが、現状でも何とかしようという努力の跡はうかがえるんですけどね。 扉の部分と裏側に設けられた2箇所の隙間。 これは内部で脳卒中の発作を起こした労務者を早期に発見する為の覗き穴ではなく、内部に篭った臭気を何とか外に排出したい。 そういう意図の下に作られたものだと思います。 が、これは無駄な努力です。 ちょっと隙間を空けてみたところで、めっちゃ内部に篭っちゃってますからね、臭気。 やはり自然に排出されるのを待つのではなく、周期的に臭気を追い出す工夫が必要です。 これはもう、換気扇を付けるしかありません。 そういう話でしたよね。 電灯と換気扇の電力をソーラーで賄う。今回の商品はそれが全てです。 僕は漠然とソーラー仮設トイレの姿として、壁のところでパソコンの冷却用ファンみたいな奴がパタパタと回転している、そういう姿を頭に描いていたんですが、それだけでは不十分です。 仮設トイレに3分ほど篭っているうちに気付いたんですが、臭気の源はですね、便槽にあるんですよね。 最近は仮設トイレの世界もかなり進化していて、便器と便槽とをつなぐ “穴” の部分に蓋が付くようになっております。 蓋は片側が兆番になっていて、排出物の重みで自動的に開くようになっているんですが、どうしてそんなところに蓋を付けるのかというと、臭いものには蓋。 そういうことなんでしょうな。 が、蓋と言っても排出物の重みで自動的に開くようなものなので、密閉性はさほど高くはありません。 結果、便槽の香りが上部にまで漂ってくることになるんですが、その上部だけ換気してみたところで、さほどの効果は期待出来ません。臭い匂いは元から絶たなきゃ、駄目。 そこで、便槽用換気扇 の登場です。 そうそう、これだよね♪ 仮設トイレの便槽の部分に75Aの塩化ビニールパイプをおっ立てて、先端にはこの形の換気扇。 これで臭い仮設トイレも、普通の汲取り便所並みの快適さ♪

 …とまあ、ここまでがソーラー仮設トイレの基本形です。 問題はここから更に、どうやって付加価値を高めていくかなんですが、試しに 掲示板 でアイデアを募ってみたところ、12月19日14時22分現在、予想通り、まったく無視されております。 仕方が無いので自力で何とかしなければならないんですが、仮設トイレの実情をじっくりと観察した結果、その意欲が急速に薄れてしましました。 やっつけ仕事なんですよね、あまりにも。 どうせ仮に設置するだけだしぃ。…というので、あまり力が入ってなさげなのは想定済みだったんですが、思った以上に適当なヤツでありました。 壁の部分とかもヘナヘナで、いかにも安普請。 苦労して余計なものを付けるだけ、経費の無駄という気もして来ました。 電灯と換気扇。それだけ付けれやれば十分ですな、こんなヤツは。 強いて言えば、プラスして “入ってます表示灯” くらいですかね? 仮設トイレは立て付けが悪いのでドアの鍵を掛けにくかったりします。 僕も最初のうちは頑張って施錠していたんですが、最近は面倒になって、施錠をせずに、中で中島みゆきの 「世情」 を歌っていたりします。 時の流れを止めて、変わらない夢を、見たがる者たちと、戦うため♪ …と歌っている最中に、いきなりドアを開けられたりして、いや別に見たがる者たちが意図的に開けてるわけではないと思うんですけどね。 誰も入ってないと思って、不用意にドアを開けちゃうんでしょうが、見られるものとしては甚だ迷惑です。 逆に、誰も入っていないと思ってドアを開けたら、中で労務者が用を足してたりすることもあります。見たくもないものを見せつけられて、見られるほうとしては甚だ迷惑です。食慾も落ちるし、勤労意欲も3%ほど削がれます。 もともと僕には勤労意欲が5%くらいしかないので、そこから更に3%の上積みとなると致命的なレベルなんですが、列車や飛行機のトイレみたいに “入ってます表示灯” を付けてくれたら、今日も一日、真面目に働こうという意欲が沸いてくるんですけどねぇ。

 列車や飛行機のトイレは恐らく、鍵をかけると表示が付くようになっていると思うんですが、仮設トイレの場合は端から鍵をかけないわけなので、その方式では無意味です。 接近センサーとか、そういうのを活用する必要があるでしょうな。 中の電灯は誰も利用していたい時は点灯させる必要がなく、換気扇も、ま、誰かが中に入った時だけ、努力の跡を見せる為に回せばいいものとして。 何せソーラーで発電して、バッテリーに溜め込むタイプの仮設トイレですからね。バッテリーあがりを防ぐ為に、ケチれるところでは、なるだけ節約しなければなりません。 便所に人が入った時だけ “入ってます表示灯” と内部の白熱灯が点灯して、換気扇が回る。そういうシステムが賢明なところでしょう。 明るい時に灯りを付けるのは無駄なので、 “暗くなると電灯が付くスイッチ” を電灯回路に直列にかましておけば完璧。 “入ってます表示灯” は75Aの塩化ビニールパイプの先の換気扇の上にパトライトを付けるというのがいいかも知れません。 花火大会や航空祭などのイベントでは、どこに仮設トイレがあるのか分かりにくかったりするんですが、回転灯がクルクル回っていれば、遠くからもその場所が一目瞭然。 目の不自由な人でも換気扇から排出される臭気でその位置を知ることが出来て、バリアフリーの点でも完璧。 イベント会場にずらっと並んだ仮設トイレは、どこが開いているのかよく分からなくて右往左往することになるんですが、これからはクルクルしてないところを目指せばいいわけなので、効率もアップ。 ただ問題は、ソーラーパネルとバッテリーと換気扇とパトライトと接近センサーを付けるとなると、仮設トイレの分際で、無駄に費用が高くなり過ぎるところにあるんですが、どうせ仮に設置するだけだしぃ。…というので、設置する側としても仮設トイレにあまり予算は使えないと思うんですよね。 蓮舫に 「トイレが臭くては駄目なんですか!?」 と詰問されると、返す言葉も無いしぃ。 ま、便所用の換気扇だけなら 3,150円の増加で済むので許容範囲なんでしょうが、問題はソーラー発電設備ですよね。 僕は “あんしんポール” とかの開発には携わっていないので、どれくらいの費用が掛かるものなのか検討が付かないんですが、遣唐使の月給分くらいは掛かるんですかね? となると、あまりにもコストが嵩みすぎるので、この際、ソーラー仮設トイレから、ソーラー設備を削除しちゃいますかね?

 仮設トイレには電灯と換気扇とパトライトだけを付けておいて、外に電源用のケーブルだけをだしておけば、後は客のほうで勝手に何とかしてくれるでしょう。電気屋さんであれば、どこかから適当に仮設でも電気を引っ張ってくるだろうし、土建屋さんなら自前の発電機を回すだろうし。 便所の横で発電機を回しておけば、かなりうるさいですからね。目が不自由で、鼻も不自由な人でも、その音で仮設トイレの場所を知ることが出来て、バリアフリー化も更に一歩進みます。 騒音+二酸化炭素の垂れ流しで、エコに悪いではないか!…という人には、 「でも糞尿だけはタンクに溜めるから、垂れ流しではないしぃ。」 と反論する事が出来るし、「そういう問題ではない!」 と言われてしまった場合には、「そういうお客様の為に、太陽光発電ユニットもございます。」 と、オプションで商品を売り付けることだって出来ます。 ソーラーパネルとバッテリーだけ別に組んでおいて、別途で提供するわけでありますな。 1つの電源ユニットで5個とか、10個とか、30個とか、複数の仮設トイレの電灯を付けて、パトライトと便槽用換気扇を回せるようにしておけば、全体としてのコストを低くすることも出来ます。 客のほうも “エコ” を持ち出した以上、多少高くてもソーラーシステムを使わないと引っ込みがつかなくなるので、付け込む隙は多分にあります。 僕の頭の中に、かなり具体的な絵が浮かんで来ましたな。こんな感じ (↓) ですかね?

ソーラー仮設トイレ概念図♪

 せっかくバッテリーを積んでいるんだしぃ。…ということで、とりあえずカーステレオとスピーカーも積んでみました。工事現場ではワイヤレスマイクを使って朝礼をしたり、ラジオ体操のCDを流したり、イベント会場ではコミュニティFMを流したり。 で、自由に使えるフリーBOXというのも付けてみました。 使い方はフリーなので、フリチンになった時に脱いだパンツを入れたりするのに利用して下さい。 せっかくバッテリーを積んでいるので、ボックス内にはDC12Vの電源ソケットも付けておきました。携帯を充電したりするほか、各種のカーグッズが利用出来るようになります。車載用のDVDプレイヤー (←大型ディスプレイ付)をセットして、ブルーインパルスの映像でも流しておけば、航空祭の時のトイレ待ち 30分だって、楽しく過ごすことが出来ます。海水浴場ならタイヤに空気を入れるコンプレッサーを設置して、浮き輪を膨らませることも出来ますな。 最近はUSBを使った機器も多いので、USB出力で電源を取れるようにするのもいいですな。 隙間商品の極みとも言える サンコーのレアモノ が使用可能に♪ 弁当だって温まる し、USBあったかネコたん手袋 だって、使えるにゃ♪ 最近、現場がクソ寒いですからなぁ。 激安の軍手をはめていても、激安でペラペラなのでめっちゃ手が冷たいし、休憩時間くらいはヌクヌクしたいところですよね。 問題は便所の横で手にネコたんをはめてニタニタしているところを労務者に見られると、現場カントクとしての威厳が著しく損なわれる事なんですが、この画期的な新商品の大ヒットで、カントクなんかしなくても食っていけるほど大金持ちになれるに違いないので、ま、いっかぁ♪ で、あとはこの商品の名前をどうするかなんですが、 “便慶” というのはもう、どうでもよくなりましたからね。 で、新しいのを考えてみました。 ワンダフルで、従来品には無いアドバンテージがあって、ダイナミックで、あはん♪…な便所。 “Wonderful Advantage Dynamic Ahan 便所”、略して “WADA-便(わだ-べん)♪”  これでもう僕の将来は、ガハハ!…でありますな。 ということで、おしまい。

 ということで、今日はルー・ドナルドソンなんですが、いいですよね、ルー大柴。 ただのクドいおっさんだと思っていたんですが、 ナイトスクープのこれ を見て、好感度がアップしました。…という人は少なくないに違いありません。 ま、普段の芸風はやはり、ただのクドいオッサンだったりするんですけどー。 ちなみにルーと言う芸名は、本名の “亨(とおる)” から取ったものだそうですが、初めて書いたサインに対しては、「ノレー大紫(のれーおおむらさき)さんですか?」と聞かれたという逸話もある。…と、Wikipedia に書かれておりました。 で、一方、ジャズ界のルーさんでありますが、パーカー直系の正統派ビ・バッパーとしてデビューして、オッサン化するにつれて、ソウル化しちゃったオッサンとして、世間では知られております。 “ソウル=悪” と捉える保守派層のウケはさほどよくありませんが、概ね、日本での知名度と人気は、高めに推移していると言っていいでしょう。 『ブルース・ウォーク』 までは許せるが、 『アリゲーター・ブーガルー』 は、いかん。 そういう立ち位置の人が多いかも知れません。 かく言う僕は、決してソウル系が好きなほうではないんですが、 『アリ・ブー』 も、ま、何とか許容範囲内です。 が、 『ホット・ドッグ』 だけは許せません。演奏以前の問題として、 このジャケット が生理的に受け付けません。 美味しいんですけどね、ホットドッグ。 で、これ、数あるルードナルドソンのアルバムの中でも必聴盤であることは間違いない。…などと書かれているので、先ほど、思わずカゴに入れちゃいそうになったんですが、よく見たらLPなんですな。危ないところでした。うちにはレコード・プレイヤーが無いですからね。ジャケット観賞用なら、聴けなくても買うのはアリなんですが、この姉ちゃんを30センチ角で飾りたいとは思わないしー。 結局、 『ホット・ドッグ』 は未入手に終わってしまったので、今回は別のアルバムを紹介することになるんですが、 『ザ・タイム・イズ・ライト』 あたり、どうでっしゃろ? ブルー・ミッチェル入りで、ピアノがホレス・パーランというのは、ちょっとソソられるものがありますよね。 レイ・バレットのコンガが入っているのは、やや余計な気もするんですが、ま、恐らく 『ブルース・ウォーク』 路線であるものと思われ、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。

 まずはルーさんのオリジナルで、 「ルーズ・ブルース」 。 いいタイトルですよね。 “ルーズ” と “ブルース” で韻を踏んでいるところが、いいです。 で、曲のほうはアレです。 ルーのブルースです。 と同時にルーズなブルースでもあるんですが、個人的にはルーズなズロースのほうが好きだったりするんですけど。 …という、お約束のネタは置いといて、演奏のほうはアレです。ドラムスとコンガによる軽快なイントロに続いて、アルトとトランペットがシンプルなテーマをユニぞる。 そういうアレだったりします。 単純なリフ物のようでいて、前半と後半、2つのパターンがあったりして、久しぶりにパターラが食べたくなってしまいましたが、テーマ部から自然な感じでルーのソロに入っていくところが、いいです。 伸びやかな吹きっぷりが耳に心地よく、それでいて結構テクニシャンだし、なかなか侮れない実力の持ち主でありますな。 続くブルー・ミッチェルのブルーなフィーリングもとってもミッチェルだし、ホレス・パーランのソロにも惚れっす。 独特のアクがあって、阿久悠の作風にも通じるものがあるんですが、で、続いてレイモン・ジャクソンのなかなか釈尊なベース・ソロが短くフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 全体的に軽めのカルメ焼き。…といった仕上がりだったんですが、根性焼きみたいに根性を入れたりしないところが、この人の持ち味ですからね。 ま、出だしとしては概ね、良好だったと言えるのではないでしょうか。

 で、次。  「ビー・マイ・ラブ」 。 これはアレです。歌物です。 鳩山内閣の事業仕分けに反発した落語家。それは歌丸です。 で、演奏のほうはアレです。 ピアノだけをバックに、ルーが静かにアルトを歌い上げる導入部がなかなか感涙モノでありまして、そこから一転、コンガのリズムに乗った御陽気なテーマに変わるところもいいです。この人は歌物が巧いですよね。歌丸は古典が得意なんですが、それに通じるものがあると言えるかも知れません。 世の中、こじつければ何とでも言えちゃいますからね。 で、ソロ先発にパーランのピアノを持ってくるという見識もよく、パーランがパー子的なノリで、場の空気を大いに盛り上げてくれたところで、満を持してルーさん登場。 屈託の無い橘高(←セリーグの審判)。…といったプレイを展開していて、良好です。 よく問題を起こしていますけどね、審判のキッタカくん。 Wikipedia にも 「橘高審判絡みのトラブル」 という項目があったりするんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 そういえばこれ、ブルー・ミッチェルがお休みだったような気がするんですが、その分、ルーの見せ場がたっぷりあって、ま、よかったのではないでしょうか。

 で、次。  「アイダホ」 。 個人的にこのイモっぽい曲はあまり好きではないんですが、ルーとブルーの奏でる牧歌的な雰囲気は、これはこれで渤海だと思います。8〜10世紀、中国東北地方の東部に起こった国ですよね、渤海。 ソロ先発はルーっす。 淀みのないフレージングは完璧の域に達しています。 で、ソロ2番手はブルーっす。 いかにもこの人らしい吹きっぷりで、いいと思います。 続いてパーランがランランとピアノを弾いて、コンガとベースとの絡みがあって、最後にもう一度ルーが出てきて頑張って、でもって、テーマに戻って、おしまい。 さほど好きではない曲だったんですが、演奏のほうはよかったっす。 4曲目、 「ザ・ニアネス・オブ・ユー」 。 ブルー・ミッチェルがミュートでテーマを吹くバラード演奏でありまして、マンネリ化しないよう、色々と工夫が凝らされておりますな。 サビの部分はルーがアルトで高らかに歌い上げ、微妙に2管の絡みがあって、最後は再びトランペットで締める。テーマ部は完璧です。 続いて、軽く主旋律をフェイクする形でアルトのソロが始まって、パーランのしみじみとしたピアノを挟んで、で、最後にブルー・ミッチェルが出てきて、テーマに戻らずに、おしまい。 ほんの小さなちょっとした小品なんですが、商品価値は高い。そういう仕上がりなのでありました。

 5曲目、 「マック・ザ・ナイフ」 。 個人的にはあまり好きなタイプの作品ではないんですが、コンガとベースだけをバックにルーがテーマを吹くという導入部が、これまた新しいパターンでありまして、途中でそこにドラムスが加わって、アルト・ソロの途中からはパーランのピアノも入って来て、気分が最高潮に盛り上がるモリアオガエル。 そういった世界が展開されております。 で、ここまで沈黙していたブルー・ミッチェルにもちゃんと活躍の場が与えられることになるんですが、鳩山首相もちゃんと、岡田克也に活躍の場を与えて欲しいと思います。トンカツ屋とか、そういうところで働かせれば、きっといい仕事をしてくれると思うんですけどね、克也くん。 『克也のトンカツ屋』。 この商標権、イオンの商品券 500円分で譲ってあげてもいいんですが、どうっすか? とまあそんなことで、最後にパーランのソロがフィーチャーされて、2管の絡みによるテーマに戻って、おしまい。 で、次。  「クロスタウン・シャッフル」 。 ルーさんのオリジナルです。 いかにも黒酢の町らしいシャッフル感に溢れたナンバーでありまして、そこはかとなくファンキーな香りも漂っていて、良好です。 ところで黒酢とクロスタニンって、何か関係があるんですかね?…と、ふとそんな疑問が頭に沸いてきたんですが、クロスタニン・ドナリエラの日健総本社って、岐阜の羽島に本社があったんですな。ちっとも知りませんでした。これでまたひとつ、物識りになりました。 物識りと言えば本社ビルには 世界で唯一のマイクロアルジェ水族館「藻知館」(ものしりかん) なんてのもあるようですが、それはそうと、ソロ先発はブルー・ミッチェルですな。 トランペット先行というのも、本アルバムでは初めての試みですかね? 飽きさせない工夫 (くふう) は、工夫 (こうふ) にも見習って欲しいところですが、以下、アルト、ピアノ、ベースとソロが続いて、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストです。 久しぶりにラスクが食べたくなってきましたが、アルバムの最後を締めるのは、歌物ナンバーの 「タンジェリン」 。 痰をゼラチンで固めた新しいタイプのデザート、“痰ゼリー”。 このアイデアはイオンの商品券 1000円分は出して貰わないと、ちょっと譲れないんですが、あ、誰も譲って欲しくないですか。そうですか。 で、 「タンジェリン」 はというと、レイ・バレットのコンガの連打で始まる、軽快なナンバーでありまして、テーマ部と最初のソロのところまではアルトのワンホーン。 で、2人目のソロのところで初めてミッチェルが出てくるというパターンでありまして、で、続いてピアノのソロがあって、最後はアルトとコンガの4バースで軽やかに盛り上げておいて、でもって、テーマに戻って、おしまい。エンディングの処理も完璧ですなー。 とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 いやあ、よかったですな、 『ザ・時間は正確だ』 。 ある程度はやってくれると思っていたんですが、期待以上の出来でありました。 歌物とオジリナルとの配分。 能天気なのとバラードとのバランス。 1曲ごとにテーマのアレンジとソロのオーダーを変えるという創意工夫。 で、ルー、ミッチェル、パーラン、主要な3人のソロは、どれもが抜群。 メンバー全員、よほど体調や気分が優れていたんでしょうな。コンガも思ったほど邪魔ではなかったしー。 ルーさんが腕時計を見て、 「うん、時間は合ってる。グー!」 というポーズを取っているジャケットも軽妙洒脱。 一見するとウルトラマンのシュワッチ!…みたいなんですが、よく見るとそういうことだったんですな。 思わず、ルーさん、お肩を叩きましょう♪…と歌いたくなるような、そんな1枚なのでありました。


INDEX
BACK NEXT