DAKAR (PRESTIGE)

JOHN COLTRANE (1957/4/20)

DAKAR


【パーソネル】

JOHN COLTRANE (ts) CECIL PAYNE (bs) PEPPER ADAMS (bs)
MAL WALDRON (p) DOUG WATKINS (b) ART TAYLOR (ds)
【収録曲】

(01-03) DAKAR / MARY'S BLUES / ROUTE 4
(04-06) VELVET SCENE / WITCHES PIT / CAT WALK
【解説】 (2010年12月12日更新)

 ということで、北九州ネタの最終回です。 ここ にも書いたように、1日目は小倉、2日目は別府に泊まることにしたんですが、ここ にも書いたように、名古屋−小倉の往復乗車券と小倉での宿泊費の合計が 200円で済んだので、その分、別府ではめっちゃ贅沢してやるぅ! …ということで、超高級な宿に宿泊することにしました。 こうなったら ホテルうみね に泊まってやるぅ! 別府温泉で別府湾を一望できる高級なホテルステイを。全室にある半露天の温泉と、こだわりの食材を使用した美味しいお料理で、上質な大人の時間をお過ごしいただけます 。 …との事なんですが、いいですなぁ、大人の時間。 あんなことやら、こんなこと。 ああん、そんなことまでぇ♪ そういえば 「オトナノ時間」 という個人サイトがあったりしましたが、お元気なんすかね、やまりえ2号さん。 昔は塩サバのオフ会にもたくさんの人が集まったものなんですが、このところはさっぱりでありまして、今回も九州オフの開催を呼びかけてみたんですが、参加者はひとりもいませんでしたなぁ。 おかげで、あんなことも、こんなことも、まったく期待の出来ない状況ではありましたが、こうなったらもう、1人で源泉掛流し半露天風呂付【海側】スイートルーム(90平米)に泊まってやるぅ! 豊後牛の鉄板焼きだって食ってやるぅ! 1泊2日で4万円近く無駄遣いしてやるぅ!!

 …と、勢いで思わず予約してしまって、1週間くらいして、後悔しました。 で、キャンセルしました。 1時間くらいして、キャンセルしちゃった事を後悔して、プランを変更した上で、再予約することにしました。 いちばん安い源泉掛流半露天風呂付【海側】2階客室(50平米)で、いっかぁ。…という気もしたんですが、クチコミによると、2階のお部屋はあまり評判がよろしくないようなんですよね。 (1)部屋から駐車場が丸見えである。 (2)隣の公園から部屋が丸見えである。 主にこの2点が不評の要因のようですが、部屋が丸見え≒源泉掛流半露天風呂が丸見えということですからね。 航空自衛隊芦屋基地の救難隊員に盗撮されちゃうかも知れなくて、それって、ちょっと嫌です。 そこでまあ、源泉掛流半露天風呂付【海側】スタンダードルーム(70平米)にして、豊後牛は諦める。 そういう選択を取ることにしたんですが、確かに牛というのは美味いんですが、別に別府でなくても食えますからね。 ホテルでの夕食は無しにして、外で鳥天を食う。 それこそが正しい “別府の夜” ではないか? 僕はそう考えたワケです。 別にケチったとか金がもったいなかったとか、そういう事ではなくて。 せっかくなので朝飯くらいはホテルで食うことにして、じゃらんポイントを 2,400P使って、1泊朝食付き 25,950円。 ま、名古屋−小倉の往復乗車券と2日間の宿泊費の合計が 26,150円だったと考えれば、安いものですよね。 安い鋳物のマンホールの蓋でも直径600mmだと 19,215円くらいはするしー。 マン蓋 1.36枚分と 2泊3日の北九州万古旅。 どちらか好きなほうを選べと言われれば、僕なら迷わず “万古” のほうを選びます。 ちなみにこの “万古旅” というのは、高校の修学旅行で北九州に行った時の 紀行文 のタイトルなんですが、バスの運転手さんとガイドさんに四日市の名産として進呈したんですよね、万古焼きの壷。 今回、そのようなモノは持っていかなかったので、別に万古旅でもなんでもないんですが、とにかくまあ、築城基地航空祭も無事に終わり、特急ソニックにもわりとすんなり乗車出来て、午後5時過ぎに別府駅に到着。 宿までは歩いて 15分ほどの距離です。 微妙に遠いように思われるかも知れませんが、途中、超ローカルデパートの トキハ を覗いたりしながらぶらぶらと歩けば、まったく苦にはなりません。いいですよね、トキハ。 何だか自分が解き放たれるような気がするんですが、

  (  ) トキハ デ
  (  ) ジブンヲ
  | |

 ヽ('A`)ノ トキハナツ!
  (  )
  ノω|

 こんなことをすると、一晩を留置場で過ごすことになり、せっかくの高級ホテルを当日キャンセルする羽目になるので、注意が必要です。 僕は自制心の強いオトナなので、自分を解き放つのは宿に到着してから。 そう心に決めていたので、大丈夫だったんですけどー。


< 別府の夜 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 とまあそんなことで、 “ホテルうみね”。 事前の情報によると、チェックインの際にジュースが出るとの事だったんですが、ウェルカムドリンクは、なしでした。 いや、ドリンクが無かったのではなく、梨のジュースが出たんですが、いやあ、梨でよかったっす。 季節の野菜や果物で作るフレッシュジュースという事なんですが、野菜ジュースが今ひとつ好きではない僕は、“秋茄子ジュース” とかだったら、どうしよう? …とか、ちょっと心配してたんですよね。 茄子汁を飲まされたら嫌なので、再度キャンセルしちゃおうかと思い詰めたりもしたんですが、取り越し苦労でしたなぁ。 ま、梨ジュースというのも、正直ちょっと微妙だったりするんですが、チェリオの梨洋(なしひろし)よりは遥かに高級っぽかったし、フロントのお姉さんも愛想がよくて親切だったので、何の問題もありません。 で、部屋まではもう一人のお姉さんが案内してくれました。 2階だと嫌なので、ひとつ上のランクの部屋にしたんですが、もしかしてランクがひとつ上なだけだから、3階? …とか思っていたら、最上階の5階だったので、ラッキー♪ で、案内のお姉さんに 「今日はお仕事ですかぁ?」 と聞かれたんですが、もしかして “デケるバリバリのビジネスマン” とかに見えたんすかね? と言うか、出張で普通、こんな無駄に高級なホテルに泊まるかぁ? あるいは超金持ちな青年実業家だと思われたのかも知れませんが、正直に 「いや、今日は築城の航空祭で…。」 と答えておいたので、恐らく “無駄に小金を溜め込んでいる単なるヲタ” だと、正確に認識して頂けたものと思われます。 で、部屋の中に足を踏み入れると、おおっ! めっちゃ、オサレ♪ (70平米)ということなので、単純に計算すると 7m×10m相当のスペースということになりますか。 リビングルームとベッドルームに分かれていて、その様子は、ま、見てのとおりです。 ベッドルームのほうの写真は手ブレしまくっておりますが、2つの空間の境目部分には デカいテレビとDVDプレイヤー が備え付けられておりました。 1階にちょっとしたライブラリーラウンジがあって、そこでDVDとか、CDとか、本とかを借りて、お部屋で楽しめるようになっております。 エロいのはなかったので、そういうのをお楽しみしたいなら、自前で用意しなければならんのですけど。 本と言えば部屋に大分県系の単行本 (ガイド+エッセイみたいなの) が置いてあったんですが、それがいい感じの暇つぶしになりました。 金沢のアパホテルには こんなの しか置いてなかったんですが、アレに比べれば随分と真っ当なサービスであると言えましょう。

 で、冷蔵庫の中には有料のビールやチューハイ、ソフトドリンクのほかに、 こんなもの も。 無料の水なんですが、ただの水ではなくて、スタッフが毎朝、由布岳で汲んでくるんだとか。 由布岳と言われると、何だか有難味が増しますなぁ。 エノキ茸とは、格が違いますからねー。 その他、無料のお飲み物としてはティーパックのお茶とか、コーヒーとか。 オリジナルらしい紅茶まで用意されておりました。 紅茶というと、何だかオシャレっぽいですよね。 昆布茶とは格が違いますよねー。 それに合わせたのか、お茶菓子のほうも “別府饅頭” とかではなく、手作りの “きな粉クッキー” が用意されておりました。 ギャルには喜ばれそうですなー。 航空祭ヲタには田母神本のほうがウケるかも知れませんけどー。 で、その他にはえーと、アレは何と呼べばいいのか、歯を磨いたり、顔を洗ったりするところ。 そういうスペースもありました。 こんな感じ です。 ただの洗面所じゃん。 そう思われた人もいるかも知れませんが、そんな所帯じみた名前では呼びたくありません。 ドレッシールーム? そう呼びたいところです。 あ、“ドレッサールーム” が正解でしたか。 “ドレッシールーム” でググったら、 「もしかして: ドレッサールーム」 と言われて、それで初めて自分の間違いに気付いたんですが、後はえーと、便所もありました。 洗面所はわざわざ言い直したのに、ウンコをするところは “便所” かい! …と思われるかも知れませんが、また無理にオシャレな言葉を使おうとして間違えて、恥をかいても嫌だしー。 それにここのトイレはウンコをするための洋式大便器だけでなく、ちゃんと男性用小便器まで用意されているんですよねー。 そんなところがまさしく “便所” という感じだったんですが、大便器と小便器の間には子供が1人寝れるくらいのスペースがあったりして、いやあ、さすがにちょっと値段が高いだけのことはありますなぁ。

 とまあそんなことで、続いては夕食タイムです。 ホテルのレストランで豊後牛の鉄板焼き…というプランは断念したので、外に食べに行かなければなりません。 超金持ちな青年実業家も、食い物に関してはちょっとショボかったりするんですが、さば君としてはやはり 「さば」 を名乗っている以上、ここはひとつ “関サバ” を食わねばならないのではないか? そんな義務感に駆られて、いろいろ調べてみたところ、 とよ常 というお店が無難そう? 特上天丼 (赤だし付) 680円+豊後さば (秋〜冬) [1人前] 1,890円=2,570円。 これくらいなら何とかなりそうです。 ただ、 “豊後さば≠関さば” という気がしないでもなくて、その点がちょっとアレなんですが、おまけにこういう店って、個人的にはちょっと1人では入りにくかったりするんですよね。 天丼がメインの店のようなので、さほどハードルは高くなさそうなんですが、スポーツが超苦手な僕は学生だった頃、めっちゃ低いハードルですら蹴倒しまくっていたしー。 とまあそんなことで、関サバは断念。 さば君のせいではありません。 別府オフに参加してくれなかったみんなが悪いんです。 誰か一緒にメシを食いにいってくれる人がいたら、頑張ってサバを食べたのにー。

 とまあそんなことで、結局 “とり天” にしました。 なるべくハードルが低そうな店ということで、 百膳の夢別邸 というところにしました。 トキハの7階だから、1人客でも入りやすい? …と踏んだんですよね。 “豊後牛極上カルビのあみ焼きと大分県産赤どりの炙り焼き膳” というのにもかなり心を動かされたんですが、初志を貫徹して “大分県産赤どりのとり天御膳” を注文。 ちょっぴり贅沢して、デザートセット付 1,480円というのにしました。 客はほとんどいなくて、入りやすさは抜群。 肝心の “とり天” も、普通にいい感じの鶏の天麩羅で、特に問題は無し。 つけダレはわりとダシがよく効いた感じで、美味ちい♪ とり天Bメンの調査メモ によると、タレは少し甘め。上品なコンビネーションで、とり天と付けダレの絡みはいけてる。胸肉の旨味をうまく引き出してる。セレブ奥様的とり天。 …との事なんですが、さば様的にもかなり好きなタイプのとり天でありました。 とり天を食べたのは今回が初めてなので、比較のしようがないんですが、少なくとも唐揚げっぽい感じのとり天ではなかったところがよかったと思います。 唐揚げっぽいヤツなら、普通に唐揚げを食えばいいわけですもんね。 デザートセットも美味しかったし、ま、店のチョイスとしては悪くなかったと思います。豊後サバなんて、別にそんなに食べたくはなかったので、ちっとも悔しくなんかありませんが、将来、もし別府を再度訪れる機会があれば、今度こそギャルと一緒に関サバを食ってみたいですなぁ。。。

 とまあそんなことで、外出は終了。 別府には立ち寄り湯の出来る旅館やホテルが多いので、1件くらい余所の温泉にも入ろうかと思っていたんですが、何となく面倒になったのでヤメました。別に悔しくなんかありませんが、将来、もし別府を再度訪れる機会があれば、今度こそギャルと一緒に貸切風呂とか…。 とりあえず今回は自分ちのホテルの温泉だけで妥協することにしたんですが、 “ホテルうみね” は全室に源泉掛流し半露天風呂が付いているので、パブリックな大浴場というのはなくて、屋上部分に小さめの露天風呂があるだけです。 が、タダで使える設備はなるだけ利用しないと元が取れないので、とりあえず入ってみました。 さほど大きなものではないんですが、海の眺めが悪くないし、他に誰もいなくて、貸切風呂状態。うーん、ちょっぴり得した気分♪ で、その後、部屋の源泉掛流半露天風呂にも入ったんですが、諸般の都合により、その話は後で書くとして。 で、このホテルでは、どうやら夜食が出るらしい。 そういう情報が事前に得られておりました。 めだま娘のブログ によると、大きな出し巻き玉子に茄子の煮浸し、じゃこ。それにおにぎり2個とお味噌汁のようです。私の大好きなものばかり…ではないので、そんなに嬉しくは無いんですが、普通に晩飯を食った後で、こんなにも食えるのか? というか、めだま娘ちゃんが泊まったのって、僕とまったく同じ部屋みたいな気がしますな。 このホテルは各部屋でインテリアを変えているそうなんですが、どれもこれも、あまりにも見覚えがあり過ぎぃ。 ということは、もしかして、めだま娘ちゃんと時間差貸切源泉掛流し半露天風呂状態だったとか? そうと知っていれば、滞在していた当時、もっと(*'A`*)ハァハァ 出来たんですが、惜しいことをしましたなぁ。 とまあそれはそうと、夕食無しのプランだと、やっぱり夜食も無しなんすかね? チェックインの際も夜食の話など、一度も出なかったしー。

 と思っていたら、ちゃんと出ました。 夜の10時頃にいきなり電話が掛かってきたので、ちょっと焦ったんですが、お兄さんが部屋まで夜食を運んで来てくれました。 やっぱり、おにぎり?…と思ったら、おおっ、“やせうま” っ♪ 初日、明礬温泉の岡本屋売店で食べようと思っていたのに見当たらなくて、かなり悔しい思いをしていたんですが、ホテルうみね、めっちゃグッジョブ! “とり天” の夕食に “やせうま” の夜食。 これで完璧に 「別府の夜」 を堪能したと、自信を持って人にも言えるんですが、ちなみに “やせうま” というのはアレですな。 茹でたウドンにきな粉と砂糖をかけた食い物。 それ以上でも、それ以下でもありませんな。 正直、普通のきな粉餅とか、わらび餅とかのほうが美味しいような気もするんですが、うまい、まずいの問題ではありません。 別府でしか食えないものを食べることが出来た。 その事実が大切なんですよねー。 将来、もし別府を再度訪れる機会があれば、ま、今度は別に食わなくてもいっかぁ。 そんな気がしないでもないんですが、そうして別府の夜は更けていったのでありました。


< 別府の朝 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、次の日の朝です。 昨夜は到着した時点で既に暗かったので、あまりよく分からなかったんですが、明るくなったら窓の外には砂浜が広がっておりました。 “スパビーチ” でありますな。 人工モノなので、ややパチモン臭くはあるんですが、悪くは無い景色。 そう言ってもいいと思います。 海から上る朝日が見れるのではないかと期待していたんですが、今の季節、僕の部屋からは方角的にちょっと難しいみたいです。 スイートルームなら恐らく南側の海が見えるんだと思うんですが、ま、ちょっぴりお金をケチってしまったのだから、仕方がありません。 で、めっちゃ楽しみにしていた源泉掛流し半露天風呂なんですが、正直、開放感はちょっと今ひとつです。 角部屋のスイートなら南面と東面が海に面していて、半露天風呂状態と言えるんでしょうが、1ランク下の部屋ですからね。 ま、1/4露天風呂って感じぃ? で、ちょうど目線の辺りがアミアミ状になってます。 こっち側からはある程度、外が透けて見えるんだけど、あっち側からは中が覗けない。 そういう仕掛けになっているようですが、なまじ、こっち側からはある程度外が見えるので、ちょっと心配になってきます。 海岸で犬を散歩させてるオッサン、めっちゃこっちのほうを見てるしー。 5階でもかなり気になるくらいなので、2階で入浴中のギャルだと、めっちゃ気になるでしょうなぁ。 ま、立地上、どうしようもない話なんですけど。 で、立地の問題と言えば、パチンコ屋や交通量の多い国道が目の前だったりするのも、ちょっと問題あり。 夜はパチ屋のネオンが目障り&暴走族の撒き散らす騒音が耳障り。 朝は通勤ラッシュの車の列で、けっこう喧しいです。 あまりリゾート気分に浸れないのは、交通の便利が良すぎる別府の北浜エリアの難点かと。 海が目の前っ♪…というロケーションに惹かれてこのエリアを選んだんですが、昔ながらの温泉街の風情を楽しみたいなら鉄輪温泉、もっと鄙びた湯治場を求めるなら明礬温泉。 あるいは、別府を離れて湯布院に泊まるとか、ま、色んな選択が出来るのが、このエリアのいいところでもあるんですけど。

 とまあ、源泉掛流し半露天風呂の半露天状況に関しては、ちょっと残念な点もあったんですが、源泉の掛流し具合のほうは非の打ち所がありませんでした。 ちょっとずつ源泉が流れ込んでは、オーバーフローして掛け流されていくんですが、おかげでいつもいい感じで適温に保たれていて、好きな時間に好きなだけ温泉に浸かることが出来て、超快適♪ お湯はちょっぴり茶色っぽくて、よく温まります。 ま、別府保養ランドの泥湯を経験してしまった後では、何だか普通に思えてしまうんですが、ホテルの部屋の風呂が泥湯だったりすると、ちょっと嫌ですからね。 バスタオルとか、部屋の中とか、ベッドのシーツとかも泥泥になって、非常に始末が悪いに違いないので、あっさり系の泉質にしておいて、正解でしょう。 とまあそんなことで、朝食タイムです。 僕は旅先では朝早くから動き回りたい派でありまして、朝飯など別に食わなくてもいいと思っているんですが、今回は値段が値段ですからね。 到着したのも夕方の6時頃だったし、あまり朝早く出発してしまっては、元が取れません。 そこで今回は朝食付きのプランにしたんですが、7時ではちょっと早過ぎるので、ま、7時半くらいにする? …とか思っていたら、このホテルは早くても8時からしか朝食を食わせて貰えないんですな。 ちなみに一番安い2階の部屋だとレストランまで食いに行かされるんですが、スタンダードルーム (70平米) 以上のプランだと、朝食は部屋出しになります。 準備が出来たら電話をするという話だったので、 7時53分頃からそわそわして、今か今かと待ち構えていたんですが、 8時10分を過ぎても何の音沙汰もありません。 イライラがやがて、もしかして忘れられているんじゃないか? …という不安に変わり、15分を過ぎても電話がなくて、これはいよいよ、間違いなく忘れされているに違いない。 …という絶望に変わった頃、ようやく「朝食準備オーケー」 の連絡が入りました。 ほっとしたのと同時に、 「待たせやがって!」 という怒りが込み上げたりもしたんですが、こういう高級なホテルに泊まったトキハ…いや、泊まった時は、時間を気にせずに過ごすようにしたほうが吉でありますな。 日常の時間を忘れて、ゆったりと過ごして欲しい。 そういうコンセプトで、敢えて部屋にも時計を置いてないみたいだしー。 僕、ちょっと焦り過ぎていたよ。 卓上コンロでグツグツと煮えた豆腐 (←めっちゃ美味しい) を口に運びながら、ちょっぴり反省したのでありました。

 部屋を出る前にもう一度、源泉掛流し半露天風呂に浸かって、十分に元を取っておいてから、チェックアウト。 ホテルのスタッフが5人くらい玄関まで出てきて、お見送りをしてくれました。 こんな僕、1人だけの為に。。。 隣の旅館ではマイクロバスで出発する団体様の御一行を仲居さんたちが総出で 「行ってらっしゃ〜い!」 と、お見送りしておりました。 僕がその前を通ると、仲居のオバチャンがぽつり、 「どこに行くのか知らんけどー」。  バスが出発すれば、それで隣のお見送りはおしまいなんですが、ホテルうみねのスタッフは客の姿が見えなくなるまで見届けてくれるんだとか。 まだ見られているのかと思うと、どうしても緊張しちゃうんですが、そしていよいよ国道への曲がり角へと到達。 ここを曲がればさすがにホテルからは見えない筈。 振り返りざま、ちょっと照れながら軽く左手を挙げて、そしてトキハのほうに向かって歩いて行く、そんなサバ君なのでありました。

 ということで、今日はジョン・コルトレーンなんですが、今日も前半だけで 20KBを超えちゃいましたな。 というか、そういう話は 宿ネタ のほうでやれよ! … という気がするんですが、ま、そこはオトナの事情という奴でありまして。 宿を出た後、地獄を2箇所ほど回って、鉄輪で日帰り温泉に入ったりもしたんですが、さすがにそれは別のコーナーに回すとして、次回は何らかのネタを考えようと思います。 とまあそれはそうと、今日はコルトレーンなんですが、久々にメジャーなミュージシャンの登場でありますな。 このところ、無理やり地味なキャラを引っ張りだして、回数稼ぎをしてましたからね。 さすがにそのネタも尽きて、いよいよ年貢の納め時が来たようですが、ま、ちょうど年末調整の時期だったりするし、年貢を納めるにはいいタイミングかも知れません。 収めるよりも還付される事のほうが多いんですけどね、年末調整。 とまあそんなことで、今日は 『ダカール』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、プレスティッジ盤でありますな。 プレスティッジのコルトレーン、通称“プレーン”は、三木プルーンなんかと比べると、わりとプレーンだったりするんですが、オーソドックスなワンホーン・カルテット物が多いですよね。 そんな中、この 『ダカール』 はバリトンサックス2本を加えた異色の編成となっておりまして、普通でないところが、ネタ的にはちょっといいかな?…と思ってしまった次第なんですけど。バリサク2本の内訳もセシル・ペインペッパー・アダムスと、なかなかいい人選だったりします。 リズム・セクションがマル・ウォルドロンダグ・ワトキンスアート・テイラーだったりするのも、いかにもプレsティッジ、略して “いかッジ” って感じですな。 とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみましょう。

 まずはアルバム・タイトル曲の 「ダカール」 。 アルバムのプロデュースも担当しているテディ・チャールスのオリジナルです。 パリ→ダカールでお馴染みのダカールは、西アフリカではもっともヨーロッパ的な街であり、最大の貿易港である。…と、久保田高司クンの書いた日本語ライナーにあるんですが、となるとこれは、ヨーロッパ的なアフリカ系の作風である。そのように推測しても、あながち大きな間違いではないのではなかろうかと。 で、聴いてみたら確かに、何となくそんな雰囲気がありますな。 テナーとバリトン2本の絡み具合がバリバリにトン汁。…といった感じで悪くないです。 で、テーマに続いて、バリサク1人目のソロになるんですが、これはアレです。セシル・ペインのほうですな。 あまりバリバリの低音ではなく、中音域を多用するバリトンっぷりが、いかにもセシ・ペン的なんですが、個人的にこの人の吹きっぷりは嫌いではないです。 で、続くトレーンのソロは、いかにもプレスティッジ時代のコルトレーン風でありまして、ま、予想通りの出来で、何より。 で、続くバリサク2人目のソロは、これはアレです。ペッパー・アダムスです。 バリサク2本って、んなもん、聞き分け出来るのか? …と、ちょっぴり心配していたんですが、取り越し苦労でしたなぁ。意外と何とかなるものです。 というか、この2人のスタイルがけっこう対照的だったりするので大丈夫なんですが、続くマルのソロも一聴してマルだと分かるところが、〇 (まる) です。 そういえば “おまる” (←幼児用携帯便器) って、さほど丸ではなくて、どちらかと言うと楕円形なんですが、どうして“おまる”なんですかね? 気になるので調べてみました。 「お」 は接頭語の 「御」 、 「まる」 は大小便をする意味の動詞 「まる (放る) 」 である。 おお、そうやったんかぁ! ひとつ賢くなったところで、テーマに戻って、おしまい。 アルバムの出だしとしては、なかなか良好でありました。

 で、次。  「マリーズ・ブルース」 。 ペッパー・アダムスのオリジナルです。 基本、3管の絡みでテーマが演奏されるんですが、作曲者に敬意を表して、出だしの部分とか、わりとペパ・アダのバリサクが目立つ格好のアレンジが施されております。 基本、シンプルなブルースなので、前曲ほどはキャッチーではなく、ちょっぴり地味な印象は否めない、いなげや。 そんな感じがあったりもします。 ソロ先発はペパ・アダで、続いてはコルトレーン。 途中で倍テンポになったりなったりして、なかなかいいノリだったりするんですが、でもって、3番手はセシ・ペンでありますか。 間にテナーを挟むことによって、2人のバリサクの差異を明確化する狙いがあるものと思われますが、いろいろ気を遣っているんですな、テディ・チャールズも。 伊達に手でいい茶が留守なわけではないですな。 …って、早くも2曲目にして、書いてることが意味不明になってきましたが、短く3管がハモるパートを挟んで、マルのピアノが登場。 で、最後はアダムス→トレーン→ペインの3者による4バースで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 地味なブルースかと思ったら、意外と悪くない出来でありました。

 ということで、3曲目。  「ルート4」 。 テディ・チャのオリジナルです。 ルート4くらい、普通に 「2」 って計算しろよ!…と言いたくなりますが、ここでいうルートというのは平方根ではなくて、国道4号線とかの意味の “ルート” なんでしょうな。ちなみに日本の国道4号線はどこを走っているのかと思ったら、東京都中央区から青森県青森市まで。 陸上距離は 739.0kmもあって、日本でいちばん長い国道なんだそうです。 ちなみに日本でいちばん短い国道はというと、神戸市中央区にある国道174号。 その距離、わずか 187.1m。 そんなの、国道はヤメにして、中央区道とかにしろよ! …と言いたくなっちゃいますが、で、演奏のほうはというと、ペインがリード (あとの 1/3はコルトレーンがリード) する主題はなかなか興味深いものであり、いかにもチャールスらしい作品。 けれど、ウォルドロン、ペイン、コルトレーン、アダムスと続くアドリブの連鎖では、全員フリー・ブローイングの競演を繰り広げて聴く者を楽しませてくれる。 …と、日本語ライナーに書いてある通りで、特に追記すべき点は何もありません。 いやあ、完成されておりますなぁ、久保田くんのレビュー。 個人的にはテーマの直後に出てくるマルのソロが、マル丸出しで素晴らしいと思うんですが、セシルのソロもペイン丸出しだし、ジョンの吹きっぷりもコルトレーンそのものだし、ペッパーは警部だし、アドリブの充実度が半端ではありません。 いやあみんな、燃えてますなぁ。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。  「ヴェルベット・シーン」 。 曲名が暗示するように、これはウォルドロン作の厳粛なバラードである。 …と、久保田くんが書いているんですが、“VELVET SCENE” って、どういう意味でしたっけ? 個人的には、いやらしいシーンを想像してたりもしたんですが、「ベルベットの場面」。 この訳語では、いやらしいのか厳粛なのか、判断がつきませんな。 仕方が無いので電子辞書のカタカナ語辞典でベルベットを調べてみたら、「ビロードのような」といった意味が出てきたんですが、なるほど、ということはつまり、ウンコを漏らしちゃうとか。 …って、それはビロードではなくて、尾篭ですか。 そうやって、せっかくの音楽のイメージを台無しにしちゃうのが僕のいいところなんですが、いいですよね、コルトレーンのバラード。 プレスティッジ時代のコルトレーンって、何だか落ち着きがなくて、嫌い。 そんな貴女もバラードにおける彼のビロードっぷりは認めざるを得ないでしょう。 ワンホーンで切々と歌い上げるのもいいんですが、今回のようにバリサクが絡んでくるというのも新しいパターンで、悪くないです。 コルトレーンを中心にした主題のあとのペインとコルトレーンの皮膚に突きささるような感覚のバラード・プレイが聴きものになっている。 …と、ここでも久保田くんが適切な解説をしてくれているんですが、アート・テイラーのセンシティブなブラッシュワークも絶妙だし、作曲者であるマルのソロがフィーチャーされないのはちょっと残念なんですが、こじんまりと纏まっていて、故人の茉莉ちゃんもきっと草葉の陰で喜んでいることでしょう。

 ということで、さ、残すところあと2曲ですな。もう少しの辛抱です。頑張りましょう。 で、5曲目はペッパー・アダムスのオリジナル 「ウイッチェス・ピット」 。 “WITCHES” というのは何か、魔女と関係があるんですかね? 確か “WITCH” というのが魔女なんですよね。 ちなみに僕は魔女というのはあまり好きではなかったりするんですが、何となく気が合わなさそうというか。 ウィッチとの性格の不一致を感じずにはいられませんが、魔女系の曲というのはミステリアスな雰囲気があって、悪くなかったりするんですけどね。 で、このアダムスの 「魔女の穴 (?) 」 はというと、さほど魔女っぽくはなくて、かと言ってマゾっぽいというワケでもなくて、普通に御陽気なハード・バップ風の作品だったりしております。 で、ソロ先発はコルトレーン。 そういえば、リーダーが最初に出てくるというのは今回が初めてだったりするんですが、以下、アダムス→マル→セシ・ペンの順で、各自の充実したソロが繰り広げられることになります。 で、最後は ts→ds→bs→ds→bs→ds の4バースで大いに盛り上がって、何でもいいけど (ds) と (bs) って、パッと見、何だか紛らわしいですなぁ。 ミュージシャン名で書くと、トレーン、アダムス、セシ・ペンの順で、各自がアート・テイラーとの4小節交換を行なうことになるんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 で、ラストです。  「キャット・ウォーク」 。 マルくんにも似たような名前の曲があるんですが、こちらはチャースルくんのオリジナル。 ま、いずれにしろ、ぬこ好きにとっては大いに気になるタイトルなんですが、で、実際に聴いてみたら、まあまあ普通に猫歩きっぽい? あ、サビのフレーズとか、わりといい感じだったりしますな。 サビ猫をイメージしたんでしょうか? で、テーマの後、バリサクのソロが出てきます。 これは、んーと、セシ…と書きかけて、ちらっと日本語ライナーを見たら、アダムスと書いてあったんですが、以下、コルトレーン→ペイン→ウォルドロンと、各自の充実したソロを堪能することが出来ます。 セシルくんが、ぴゃ〜♪ …と、派手にミストーンを鳴らしてくれたりもしますが、個人的にはマルくんの、ここには怨念がおんねん。…といった黒い情念的なソロが、ちょっとツボ。 反復フレーズが次第にジワジワと来るんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 ということで、今日は以上です。

【総合評価】 3管だから、多少は書くことが増えるのではないか。 そんな不純な動機で選んだ1枚でありましたが、意外と内容のほうも充実しておりました。 1人当たりのソロ・スペースが分散化される分だけ、コルトレーン君の吹きっぷりも、わりと抑制的だしー。 テディ・チャールスのオリジナルの出来もよく、残りの曲の出来も悪くなく、バリトンはバリバリで、マルくんもマル。 さほどコルトレーンが好きではないハード・バップ好きの人にもオススメ出来る内容でありまして、それにつけても、おやつはダカール。 そんな1枚なのでありました。


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