LIVE AT COBI’S (STEEPLE CHASE)

BILL BARRON (1987/10/24,1988/3/4)

LIVE AT COBI'S


【パーソネル】

BILL BARRON (ts) FRED SIMMONS (p) SANTI DEBRIANO (b) BEN RILEY (ds)
【収録曲】

(01-03) THIS ONE'S FOR MONK / EASY DOES IT / CONFIRMATION
(04-05) ROW HOUSE / ANGEL EYES
(06-07) VOYAGE / UNTIL FURTHER NOTICE
【解説】 (2010年12月05日更新)

 ということで、 前回 に引き続き、今回です。 次回はまた新しいネタを考えるので、今回は築城基地航空祭の続きで我慢して貰おうと思うんですが、前回紹介した今年のプログラム内容と、さば君の歩いた奇跡を今一度貼っておきましょう。

飛行展示   地上展示   “築城基地航空祭 2010” の軌跡  ( ← Click Here!! )

 前回はアレです。 “F-2” の模擬空対地射爆撃のところまで話が進んでいたと思います。 いいですよね、地射。 焼肉を包んで食べると美味しいですよね。 焼肉を包んで食べないと、ただの葉っぱの味しかしないのが難点なんですが、ま、河童の味がするよりは、葉っぱのほうがまだマシなような気はするんですけど。 生臭そうですもんね、河童。 食べると河童の味がするカッパ巻きとか、あまりソソられるものがないんですが、とまあそんなことで、航空学生ドリル。 これはアレです。 航空学生が漢字の書き取りをしたり、工具を使って木に穴を開けたりする出し物ではなくて、口が臭いオナガザル科の顔が派手なサルです。 …って、それは航空学生ドリルではなくて、口腔が臭いマンドリルですか。 ドリルは、以下の意味を持つ。 (1)穴をあける、掘るための道具・装置 (2)霊長目に属する動物。ヒヒの仲間。 (3)主に学習に使われる問題集のこと。 (4)吹奏楽バンドが行う、曲を演奏しながら、様々な図形を作るように行進する演目のこと。 以上の定義のうち、ここで言うドリルというのは (4) のタイプのドリルだったりするんですが、それはそうとマンドリルって、 “マン (人間) +ドリル (ヒヒ)” だったんですな。 となると、マントヒヒというのは、実は “マン・トヒヒ” だったりするとか? …と思ったら、こっちのほうは普通に “マント (外套) +ヒヒ (ヒヒ) ” で正解のようですが、で、ドリルの演技場は既に人だかりが出来ていて寄り付けなかったので、便所タイムに活用させて貰うことにしました。 一便器あたり7〜8人程度の待ちでありまして、並んでいる途中で、我慢できずにスプラッシュ。 だからあれほど、大人用オムツの着用は航空祭の常識だって言ったのに! …といった失敗を犯さずに済んで、なによりでした。

 とまあそんなことで、スプラッシュ。 地上展示のプログラムを見ると、 9:10〜 9:20 というスケジュールで展示されることになっていたんですよね、スプラッシュ。 航空祭スレッドでも、何だこれ?…と物議を醸していたんですが、ま、恐らく、何らかの “水芸” の類であろうという結論に落ち着いたみたいなんですけど。 が、違っていました。 何かと思ったら、チアでした。 これ ですな。 個人的にチアというのは、精神を集中させてサカナの黒ずんだ赤みの部分を食べている姿がいちばんソソると思うんですが、気合で血合いを食うチア、いいっ♪ …みたいな。 ま、そんなよく分からん趣向を持っている人はさほど多くはないと思うので、今回の展示はサカナ食いパフォーマンスではなくて、普通に跳んだり跳ねたりするだけなんだと思いますけど。 アパッチとファントムの機動飛行の隙間の時間帯なので、気合を入れれば見れないこともなかったんですが、とりあえずパスしておきました。 “ギラヴァンツ北九州” なんて、応援したいとも思えないしー。 “ギャルぱんつ、キタ━━(゚∀゚)━━!!!! 急所” とかなら、ちょっと応援してみたいような気もするんですけど。 とまあそんなことで、飛行展示 (後半) です。


< 築城基地航空祭 2010 (再発進&スクランブル展示) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 まずは “再発進展示”。 これはアレです。 再び発進する様子を展示する。そういう出し物です。 どうして再び発進するのかというと、基地に帰って来てしまったからなんですが、どうして帰って来てしまったのかというと、戦闘で弾を撃ち尽くしちゃったり、燃料の残量がヤバかったり、残尿感が気になったり。 尿が残っている感じがするのは、心残りですからねー。 弾切れというのも嫌です。 ファミコンウォーズで “戦車A” を敵陣に進撃させて、いざ攻撃! …という時に 「タマギレ」 と表示されてしまった時の脱力感は半端ではありませんからね。 燃料のほうは最近、空中給油機などという便利なものが出来たので、いちいち基地に戻らなくてもよくなったんですが、ミサイルを撃ち尽くしちゃった場合は何ともなりません。 空中給ミサイル機とか、あまり聞いたことが無いですもんね。 そこでミサイルを打ち尽くした戦闘機は仕方なく基地に戻って、何とかして貰わなければならないわけですが、その何とかして貰う様子を展示するのが再発進展示です。 再発進と言っても発進はしなくて、武器を装着するところまでのデモなんですけどね。 基本、前のほうにいる人にしか見れないので、後ろのほうの人達の間では、概ね不評だったりするんですが、幸い、便所に遠征して戻って来ても、何とかその様子が窺える位置をキープすることが出来ました。

 で、続いては “スクランブル展示” です。 スクランブルというのはアレですよね。緊急発進指令。 ところでみんな、今の日本で1年間にどれくらい “スクランブル” があるか、知ってるかな? 僕は知りませんでした。 1年に3〜5回くらい? とか思ってました。 さば家で朝食にスクランブルエッグが出てくる割合が、だいたいそれくらいですからね。 タマゴと一緒にするな!…と言われるかも知れませんが、確かにタマゴとは違いました。 年間で 150〜230回くらい。 意外と多いんですなー。 2日に一度くらいは領空を侵犯されそうになってるワケなんですな。 冷戦時代には 944回という記録もあったようですが、1日平均 2.58食がスクランブルエッグ。 たまには “いり卵” にしてくれよ、カーチャン。 そう言いたくなるような頻度ですよね、こりゃ。 それに比べればかなり平和になったと言えますが、最近は尖閣諸島問題とかもありますしね。 自衛隊の人たちも日夜緊張していることと思われますが、スクランブル展示というのも、なかなか緊張感のある出し物でありました。 再発進展示の後、スクランブル待機の状態になって、その後、10分くらい待たされました。 焦らされると余計に燃える。 そういう心理を衝いたものなのか、あるいは何らかのオトナの事情があったのか。 いずれにしろ、いつ始まるのか分からない緊張感の中、ようやくスクランブル指令が出されたんですが、指令を出したのはやっぱり有川浩なんすかね? 一日基地司令をやってましたからね。 有川ヒロシって、何でオッサンが一日基地司令なのかと思ったら、 “ありかわ・ひろ” というギャルなんですな。 いや、ギャルと呼ぶにはかなり御幣のあるお年頃のライトノベル作家のようですが、何でこんなオバサンが? …と、ヲタの間では概ね不評だった模様です。 どうせならナイジェリアのオバサンジョ大統領を呼べばよかったかも知れませんなー。 とまあそんなことで、パイロットが乗り込んで、酸素マスクを装着して、いざ出撃! …の直前のところで、 (離陸しません) ということで、おしまい。

 で、その後、お昼休みの時間帯であるにも関わらず、 “救難展示(その2)” と “T-7 航過飛行” というプログラムが組まれておりました。 が、救難は朝やったのと同じ内容で、地味な “T-7” も上空を2回ほど航過しただけで、そのままどっかに飛んでいってしまって、こんなことなら、さっさとメシを食えばよかった。 そう思わせるに十分な出来でありました。 という事で、ランチタイムです。 前回も書きましたが、僕は事前に小倉駅で駅弁を買っておきました。 “あなごちらし寿し” というヤツです。 本当は 東筑軒のかしわめし を食べたかったんですが、見当たらなかったんですよね。 北九州駅弁当 のヤツならあったんですが、このタイプは航空祭スレの住民の間ではあまり評判がよくないんですよね。 そこでまあ、リュックに入る大きさの これ を買ってみたんですが、とまあそんなことで、食べてみました。 これ ですな。 お味のほうは…、うーん、まあまあ。 アナゴ好きの人ならいいのかも知れませんが、僕はどちらかというとアナゴくんよりも岡島さんのほうが好きですからね。 波平と同じ会社に勤めている、ちょっとカマっぽい睫毛のオッサンなんすけど。 とまあそんなことで、ランチタイムは以上です。


< 築城基地航空祭 2010 (F2&F15 航過&機動飛行) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 続いては “編隊飛行” です。 “F-2” と “F-15” が各4機ずつ。 築城ならではの編隊っぷりでありますな。 で、編隊飛行は編隊の組み替えにどうしても時間が掛かるので、間延び防止の機動要員として “F-15” が1機加わります。 お天気のほうは午前中のドン曇りから一転、次第に青空の見える状況になってきたんですが、この基地は順光で撮れるというのがいいですなぁ。 おお、順光、君の名を呼べば僕は切ないよ〜、優しさはいつも僕の前でカラカラ、空回り〜♪ …と、思わず歌いたくなってしまうんですが、いや、順光は別に切なくはないので、実際には歌わなかったんですけど。 百均のハサミもわりとよく切れたりするので、切なくはなかったりするしー。 とまあそんなことで、編隊はおしまい。


< 築城基地航空祭 2010 (ブルーインパルス−その1 ) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、最後は “ブルーインパルス” です。 先ほどの編隊のところで、今日の僕の集中力が既に途切れてしまった事はお分かり頂けたかと思うんですが、もう少しの辛抱です。 さ、頑張りましょう。 とにもかくにも、青空をバックに見るブルーというのは実に久しぶりでありまして、気分はすっかり 「青空少女隊」♪ めざすは第二のブルーインパルス! 航空自衛隊・801TTSは、世界初の女性アクロバット・チーム。しかし、その実態は…!? 何だか凄く地雷臭がするんですが、物は試しに7話パックを購入してみました。 物は試しなら、とりあえず1話だけにしておけばいいのにぃ。…と思われるかも知れませんが、すいません。早まりました。今では反省しております。 反省ついでに、こうなったら 「それゆけ!女性自衛官(航空自衛隊編)」 のフィギュアも、全8種類揃えてやるぅ! …と、自棄を起こしそうになっちゃいましたが、さすがにそれは思い止まりました。 (全8種類が集まると、フィギュアと同スケールのブルーインパルスJr.を組み立てることができます) って、凄くソソられるものがあるんですが、個人的には “常装第3種夏服+正帽” というのがいいですなぁ。 で、それはそうと、現実の “青空おっさん隊” なんですが、いやあ、よかったっす。 無線でしっかり 「クリアード・フォー・テイクオフ!」 という離陸許可も、「1区分!」という声も聞けたしー。 天候や視程によって1〜4までの区分があって、微妙に演目が違ったりするんですよね。 で、いちばん条件のいい時が “1区分” ということになるんですが、ま、詳しくは くわしん …のオフシャルサイトを見てもよく分からないと思うので、 ここ を見て貰うとして。 詳しくは、くわしん。 ただ、それが言いたいが為に、ぜんぜん関係の無いサイトを開かせてしまって、申し訳ない限りです。今では反省しておりますが、こうなったらついでに がましんへきしん のリンクも貼ってやるぅ! 人間、自棄を起こすと、どんな嫌がらせに走るか分かったものではありませんが、ちなみに関係のあるサイトの演目のところに書かれている“One, Release break, Now” といった英語の部分なんですが、無線を聞いていると、そういった声が聞けたりします。 「ワン・リリース・ブレイク・なう!」 今年の新語・流行語大賞ベスト10にも入りましたな。 「ゲゲゲの〜」 なんかより、よっぽど流行したと思うんですが、「なう」 ってもしかして、ブルンパスのパクリ?


< 築城基地航空祭 2010 (ブルーインパルス−その2 ) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、後半です。 F系の機動飛行を撮るにはあまりにも力不足だった TAMRON AF18-270mm なんですが、ソロ系、編隊系、お絵描き系と、色んなスタイルで展開されるブルーインパルスを追いかけるには、とっても便利。 (その1) のほうに載せた “バーティカルキューピット” も、広角端にすれば余裕でファインダーに納まります。 何でもいいけど、このハート、ちょっと歪んでいるんじゃないか?…と思った人がいるかも知れませんが、そんな事はありません。 心の歪んだ人には、ハートも歪んで見えてしまう。そういう事なんですよね。心の澄んだ僕には、もの凄く綺麗なハートに見えます。 一方、 (その2) のほうに載せておいた “スタークロス” は完璧な出来でありましたな。 もしこれが歪んで見えるようなら、相当に心が荒んでいると言わざるを得ませんが、ただ、広角端にしても、はみ出しちゃいましたけど。 “タッククロス” は撮るタイミングがばっちり決まると、2機がぶつかっているようにしか見えなかったりするんですが、今回はこれが限界でありました。 うーん、3年前に撮った これ よりも、腕が退化しているような…。 ま、青空おっさん隊の演技のほうは、無線の人が 「ベリー・ベリー・グッド・ミッション!お疲れさまでしたぁ。」 と言ってた通り、完璧な出来でありまして、いやあ、わざわざ北九州くんだりまで遠征しただけの価値はありましたなぁ。


 ということで、とっても楽しかった築城基地の航空祭は、おしまい。 で、ここからは地獄です。 半端ねぇっスからね、航空祭帰りの混雑。 ブルーが終わると同時に何万という人の群れが一斉に帰りだすので、その少し前、ローリング・コンバット・ピッチ (通称ロリコン) が終わると同時に帰る。 もしくは最後の帰投まで粘る。 そういうヲタも多いようですが、そういうヲタが多ければ、結局は混むから同じなんですけどね。 むしろ、ヲタまるけで不快かも知れません。 築城はまあ、岐阜や入間ほどは混まないので、僕は事態をわりと楽観していたんですが、それに僕は別府に宿を取っているしー。 急いで帰る必要もないし、混雑必至の小倉方面と違って、反対方向なので余裕であろうと。 中津・別府・大分方面に帰るヤシは、正門ではなくて、東門から出るのが吉。…という情報を航空祭スレで仕入れていたので、半信半疑でそれに従ってみたら、ほとんど誰も人が歩いていなくて寂しいくらいだったんですが、GPSのデータを分析した結果、

築城基地東門 15:35
築城駅臨時改札 15:45
築城駅ホーム 15:50
ソニック乗車 16:11

 極めて順調な帰路だった事が判明しました。 16:04発のソニックの指定席を押さえていて、築城駅の大分方面行きのホームに人が溢れているのを見た時はかなり焦りましたが、列車が少し遅れたこともあって、大丈夫でした。 後から聞いた話によると、小倉行きのほうはパニックだったみたいですけどね。 駅への入場制限が掛かったのか、正門で足止めを食らって、ようやく列車に乗れたのが 17時頃だったりとか。 東門から出て、よかった♪ …と思わずにはいられませんが、とまあそんなことで、来年は 5月5日 (と思う) に開催される 岩国基地フレンドシップデー に行ってみようかと。 岩国市内の宿も予約したし、楽しみー♪ ということで、飛行機ネタは来年のゴールデンウィーク明けに、続く。

 ということで、今日はビル・バロンなんですが、今日の僕はあまりヤル気がありません。 ま、それはいつもの事なんですが、昨日、会社関係の通夜に出席して、どっと疲れました。 岐阜市内の開場に行くのに、ま、2時間前に出発すれば余裕やろ。…と踏んでいたんですが、 “なばなの里渋滞” に巻き込まれそうになって、国道258号線に迂回。 “木曽三川公園イルミネーション渋滞” にも巻き込まれそうになったし、で、高速を一宮木曽川インターで降りたら、間違えて名古屋方面に出ちゃったし、女子高生を撥ねそうになって急停車したクルマに、オカマを掘りそうにもなったしー。 曲がるところを間違えて鶯谷トンネルまでいっちゃったし、で、めっちゃ大回りして、ようやく着いたと思ったら、違う式場だったしー。 岐阜市斎苑 というところが会場だったんですが、この辺り、似たような葬式場ばかり、山ほど集結しているんですなー。 あったー♪ …と思ってクルマを止めたところは “岐阜斎場” というところでした。 面倒なのでクルマはそこに止めたままにして、歩いて探すことにしたんですが、今度こそあったー♪ …と思ったら、今度は “梅林岐阜斎場” だったり。 女子高生を撥ねそうになったクルマにぶつかりそうになった時、急ブレーキを踏んで、助手席に置いてあった案内の紙がどこかに飛んでいってしまって、正しい式場の名前をよく覚えていなかったりもしたんですよね。 通夜の時間も迫って来たし、こうなったらもう “梅林岐阜斎場” で、いっかぁ。 …と、捨て鉢な気持ちになりかけたりもしたんですが、何とか無事に正しい会場を発見することが出来て、事なきを得ました。 が、どっと疲れました。 家に帰ってメシを食って、風呂に入って、寝て、次の日の朝、起きて、メシを食って、部屋の掃除をして、残っていた前半ネタを何とかでっち上げて、で、現在、12月5日(日)午前11時ちょうどでありますか。 もはや僕にまともなレビューを書く気力など、これっぽっちも残っていないんですが、でもまあ、ビル・バロンだから、適当でいいやぁ。

 ということで、 『ライブ・アット・コビス』 。 手持ちのネタが枯渇したので、HMVの通販で買いました。 で、僕の自慢のオーディオ装置 Maxcelia 3シーンポータブルCDプレイヤー で聴いてみたら、1曲目の途中でうまく読み込めなくなって、勝手にストップしちゃいました。 何度やってみても駄目です。 こうなったらもう、新しいCDプレイヤーを買ってやるぅ! …という事で、 こいつ を買いました。 家にCDの部分だけが壊れたミニコンポがあるので、それに繋げればいいやぁ。 …と思っていたんですが、これ、リモコンが付いてないんですな。よく見たら、アンプのほうに付いてくるリモコンを使えと書いてあります。 レビューを書くには一時停止したり、曲の頭に戻したりと、頻繁に操作しなければならないので、リモコン無しでは使い物にならないんですよね。 こうなったらもう、 アンプ のほうも買ってやるぅ! …ということで、こいつ1枚のおかげで、思わぬ無駄な出費を強いられた次第でありますが、で、肝心の演奏内容はどうだったのかと言うと、こんなもん、聴けなくてもぜんぜん悔いは無かったなぁ。。。 そんな仕上がりだったりしました。 ジャケットがイラストだからよく分からなかったんですが、録音年が 1987〜1988年って、僕にとってはかなり新しい吹き込みだったんですなぁ。 言われてみればジャケットのビル・バロンの絵は、かなり年をくった感じだったりもします。 サイドマンのよく分からん人達ばかりだし、ライブだから1曲の演奏時間が無駄に長かったりもするし、通販で適当に買うと、たまにこういう地雷を踏んじゃったりするんですよねぇ。 でもまあ、こんなアルバムなら解説で出を抜いても、まったく後悔はしないし、とまあそんなことで、軽く片付けておくことにしましょう。

 1曲目、ビル・バロンのオリジナルで、 「ディス・ワンズ・フォー・モンク」 。 「これは、モンクのためのひとつ」 というタイトルからして、セロニアス・モンクに捧げられたアレなんでしょうが、言われてみれば確かにモンクっぽい作風の作品だったりしております。 モンクっぽいテーマに続いて、ビル・バロンがソロを取るんですが、この人のプレイはどうにも捉えどころが無さ過ぎて、どうにも好きになれません。 ただ何となくフレーズを垂れ流しているだけのような。 どうして、そんなヤツのアルバムを買ったんだ?…と言われると、ネタに困ったからとしか言いようが無いんですが、今では反省しております。 こうなったらもう、ケニー・バロンのアルバムも買ってやるぅ! …と思ったりもするんですが、ケニーくんのお兄さんなんですよね、ビルくん。 16歳も年が離れているそうですが、そうなってくると当然、 「実は隠し子だった疑惑」 というのも湧き上がってくるんですが、で、延々とテナーのソロが続いた後、ピアノが登場します。 フレッド・シモンズという人ですな。 名前からして、好きなベッドはシモンズ、好きな歌手は子門真人。 そこまでは何となく想像が付くんですが、それ以上のことは分かりません。 で、演奏の出来はというと、まあまあです。 で、その後、サンティ・デブリーアノという、何となく体形が肥満っぽいベーシストのソロが地味にフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 こんなライブを聴かされて、客のほうもちょっと迷惑だった事でしょう。

 で、次。  「イージー・ダズ・イット」 。 ビルくんのオリジナルです。 ボビー・ティモンズにそんな名前のリーダー作があったような気がするんですが、 「落ち着いて」 とか 「慌てずに」 といった感じの軽い慣用句ですからね。特に関連性は無いものと思います。 ティモンズのそれは、個人的にかなり好きなタイプのアレだったんですが、ビル・バロンのこれは、ちょっとアレですな。 個人的には、でもまあ、1曲目よりはマシ?…という気がしないでもないナンバーですな。 曲そのものの出来はそんなに悪くなかったりします。 が、アドリブに入ると、そんなに良くはなかったりするのがちょっと難点なんですが、いや、じっくり耳を傾ければ、それなりに悪くはなかったりするんですが、あまりじっくり耳を傾ける気になれないのが、ちょっと問題なんですけど。 基本はハード・バップ系の生き物であるものと思われ、決して難しいことをやってるわけではないんですが、で、続くシモンズのソロはアレです。 じっくり耳を傾けてみると、結構よかったりします。 タッチが綺麗ですよね。伊達に子門真人に陶酔してるワケではないな。そんな気配を感じさせるんですが、伊達と言えば、クルム伊達公子って、どうして普通に“クルム公子”では駄目なんですかね? いつも疑問に思ってしまうんですが、でもって、地味にベースのソロがフィーチャーされて、テーマに戻って、おしまい。

 3曲目の 「コンファメーション」 は、お馴染みのパーカー・ナンバーです。 調子のいいナンバーなので、ビル・バロンのいい調子で吹いております。 こういうバップの定番曲だと、演奏スタイルも普通にオーソドックスだったりするんですな。 ライブらしい熱気も感じられて、悪くありません。 いつも 「人気ピアニスト、ケニー・バロンの実兄」 とかしか言って貰えなくて、兄貴としても歯痒い思いをしている事でしょうが、賢兄愚弟って、あまり世間では一般的ではなかったりしますからね。 弟のほうが出来る。 そういう実例は次男である僕が身を持って体験しているんですが、ま、別にビルがアホだとは思えないんですけどね。 何だか中途半端に賢くて、無駄に演奏が小難しくなっているというか。 そんな常日頃の傾向がこのナンバーでは少し薄れておりまして、熱く燃えるニーチャン、いいぞぉ、頑張れ! で、続くフレッド・シモンズのソロも、はっちゃけた感じが悪くなくて、で、最後はお馴染み、ベースの地味地味なソロかぁ。 …と、お客がげんなりする事態を想定したのか、今回はベン・レイリーのドラム・ソロを持ってきたりして、いやあ、ちょっとは考えましたなぁ。 派手にタイコでも叩かせておけば、酔っ払いなんてヤツらは、意味もなく勝手に盛り上がりますもんね。ライブの鉄則と言えるでしょう。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 4曲目の 「ロウ・ハウス」 はケニー・バロンのオリジナル。 遂に弟の威光にすがるという戦術に出たわけですな。 ちなみに僕はケニーのほうのバロンもさほど好きではなく、ま、確かに 「毛に貼ろう、ん〜快感、サロンパス」 という一句を捧げたりはしたんですが、演奏のほうはほとんど聴いたことがないという。 今回、ちょっと調べてみたら、けっこう評判がいいみたいなんですよね。 もしかして、こうなったらケニー・バロンのアルバムも買ってやるぅ!…と自棄を起こしたりしても、さほど問題なかったりするとか? ま、このよく分からんヘンな曲を聴く限り、少なくとも作曲家としては個人的にはさほど好きになれないタイプと言えそうなんですけど。 で、ここでのニーチャンの吹きっぷりはアレです。 かなりアウトな雰囲気です。 このアルバム、意外と悪くないかも?…という気になりかけていたのが、また元の悪評に引き戻されそうなんですが、ここまで無機質なフレーズを延々と繰り返す事が出来るのって、ある種の才能のひとつではあると思うんですけど。 果敢にモード・ジャズにチャレンジして、思いきり玉砕しちゃってる感じ? それに続くピアノのソロが微妙にスパニッシュで悪くなかったりするのが救いなんですが、ま、途中からやっぱり、ちょっぴり単調になったりもするんですけど。 で、最後はしっかりデブリアーノの超絶技巧ベース・ソロできっちり締めてくれて、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 続いては歌物ナンバーの 「エンジェル・アイズ」 。 そろそろ精神的にきつくなりかけていたので、このタイミングでのバラードは有り難いですな。演奏時間も 5分55秒で、ゴー、ゴーゴー! いや、そんなノリノリな出来ではないんですが、無駄に長くないところは素直に評価していいと思います。 ライブだからって、そんなに肩に力を入れなくたっていいんだよ、タケシ。 …と、カーチャンから言われたのかも知れませんな。 ま、タケシと言われても、ビルにしてみれば他人事としか思えなかったでしょうが、内省的でスピリチュアルな仕上がりは、悪くないと思います。 強いて悪いところを挙げるとすれば、バラードでもいい味を出してくれそうなシモンズ君にソロのスペースを与えずに、ビルくんがひとりで頑張っちゃった辺りは反省材料なんですが、ま、どっぷり自分の世界に浸っている感じでしたからね。 他人に気を遣う余裕が無かったのかも知れません。 ということで、次。  「ヴォヤージ」 。 ケニー・バロンのオリジナルです。 この弟の作曲センスに関しては、4曲目の時点でかなり疑問を持ってしまったので、あまり多くのものは期待していなかったんですが、今回は、うーん、まあまあ? わりとシンプルな作風で、無駄に前衛的で無いところはいいんですが、ちょっぴりモーダルな雰囲気もあったりしますな。 で、ここでのニーチャンの吹きっぷりはアレです。 出だしからしばらく、いつもの垂れ流し? … と思ってしまうような展開だったんですが、途中からぐーんと良くなりました。 ほんのちょっとだけショーターっぽいというか。 どれくらい、ほんのちょっとだけなのかと言うと、いちご牛乳の果汁程度ではあるんですが、香料を入れまくって、それで何となく誤魔化しているというか。 味覚なんて、85%くらいは匂いに引っ張られちゃいますからね。 で、テナーの後、ちょっぴりハービーの香りがしないでもないピアノのソロが出て、ベースのソロは出てこずに、テーマに戻ることになるんですが、あれ? これってこんなにいい曲だったっけ? …と、最後にケニーの作曲の才能を思い知らさせることになって、おしまい。

 ということで、ラストです。 今週もこれで終わったも同然ですな。 ジャケ絵のほうは適当に書いても何とかなりそうだしぃ。 裏ワザを使って保存した 「青空少女隊」 でも見ながら、ゆっくり書こうと思うんですが、とまあそんなことで、ビル君作、 「アンティル・ファーザー・ノーティス」 。 ファーザーはトーチャンではなく “Further” なんですが、フュアーザーと読むのが正解なんすかね? とにかくまあ、 「追って通知があるまで」 といった意味みたいなんすけど。 どこまでがテーマで、どこからがアドリブなのか、今ひとつ判然のしない作品なんですが、ビル・バロンの吹きっぷりは完璧にモード・ジャズでありますな。 マイルスの 「ソー・ホワット」 とか、コルトレーンの 「インプレションズ」 とか、紛れも無くあの系統の匂いがします。 で、それが完璧にツボにはまってます。 ビルくん、最後にきて、新主流派に開眼!? 最初からこの調子なら全体の印象も向上していたに違い無いんですが、とまあそんなことで、おしまい。

【総合評価】 無駄な出費を強いられた腹いせに、こうなったらもう、嫌になるくらい聴きまくってやるぅ! …と、かなり繰り返して聴いてみたところ、本当にちょっと嫌になっちゃったんですが、ま、これはアレです。 最後が悪くなかったら、いいっす。 何でもいいけどやっぱり、ちゃんとしたオーディオで聴くと、音が違いますなぁ。 “Maxcelia” への未練を断ち切ってくれたビル・バロンに、乾杯♪


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