JAZZ AT THE CELLAR 1958 (LONEHILLJAZZ)

HAROLD LAND (1958/11)

JAZZ AT THE CELLAR 1958


【パーソネル】

HAROLD LAND (ts) ELMO HOPE (p) SCOTT LaFARO (b) LENNIE McBROWNE (ds)
【収録曲】

(01-03) CHEROKEE / JUST FRIENDS / THE SCENE IS CLEAN
(04-05) BIG FOOT / COME RAIN OR COME SHINE

【解説】 (2010年11月21日更新)

 地獄 を見ました。 どこでかと言うと、別府でなんですが、別府で地獄を見るのは高校の修学旅行以来なので、かれこれ25年ぶりくらいということになりますか。 しょうもなかった。 …というのが当時の率直な感想なんですが、ま、高校生なんていうのは、観光地を真面目に観光するなんて、ダセぇ。 そんなことよりキング観光、行こうぜ! そう、いきがりたいお年頃だったりしますからね。 ちなみにキング観光というのは桑名にあるパチ屋なんですが、ちなみに高校の修学旅行ネタは このあたり にあったりするので、適当に読んで貰うとして。 改行が少なくて、めっちゃ読みにくいので、僕は17行くらいで挫折しましたけど。 で、地獄に関しては (その2) のところに詳細に書かれていて、今回、僕が追記すべき点は何もないような気もするんですが、とりあえず別府駅に到着した時点から話を進めたいと思います。 朝の6時に桑名を出て、自宅−(近鉄)−名古屋−(のぞみ)−小倉−(ソニック)−別府というルートで、駅に着いたのは12時少し前でありました。 当初は

  11月13日(土) 小倉観光&焼きうどんランチ、門司港観光&焼きカレーディナー (小倉泊)
  11月14日(日) 午前中:築城基地航空祭、午後:別府観光 (別府泊)
  11月15日(月) 別府観光&帰宅

 というプランを立てていたんですが、築城の航空祭のプログラムを見たら、午後からも “F2&F15の航過&機動飛行” があるんですなー。 ブルーインパルスだけなら他の基地でも見れるので、捨てるという手もあったんですが、こうなったらもう最後まで粘るしかありません。 となると、別府観光は最終日の午前中だけになってしまうんですが、それだと地獄6箇所+温泉1箇所くらいが限度で、何だか物足りません。 焼きうどんと焼きカレーを捨てて、地獄2箇所と温泉2箇所を拾う。 そういうプランに変更した次第でありますが、ま、焼きうどんも焼きカレーも最近になって観光協会が盛り上げようと必死になっているだけの話で、地元民は冷めているみたいですからね。 冷めた焼きうどんや焼きカレーよりも、ぬくぬくの温泉と灼熱の地獄。 燃えるぜ、ファイアー! ということで、とりあえず別府駅にある総合観光案内所で MyべっぷFree乗車券 を買いました。 一口に別府温泉と言っても、全部で8箇所のエリアに分かれているようで (← 別府八湯 と言うらしい) 、その中の (狭い意味での) 別府温泉以外は、とても別府駅から歩いていける距離ではないようです。 地獄もしかり。 駅から歩いて地獄を見に行こうとすると、地獄を見る。それくらいの距離があるようです。 クルマが無い人はバスを利用することになるんですが、そんな時に便利なのがこのフリー切符。 1日 900円 (ミニタイプの場合) で、バス乗り放題。 フリー切符さえあれば、どこでもフリチンになれるねっ♪ …って、そういう行為は温泉の脱衣所以外では避けたいところなんですけど。 どれくらいバスに乗りまくれば元が取れるのか分かりませんが、いちいち小銭を払う手間が省けるだけでも、これは買いですよね。 で、これ、買ってみて初めて分かったんですが、地獄めぐりの共通券が1割引になるなど、いくつかの施設で使えるクーポンもついていました。 ま、地獄の割引券など オフィシャルサイト を始め、どこにでも転がっているので、キネマ (←昔、桑名にあった映画館) の割引券と同じくらいの有り難味しかないんですが、ま、アオバアリガタハネカクシよりは有難いのではなかろうかと。


< 岡本屋売店&別府保養ランド > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、まずは “APU行き” のバスに乗って、明礬温泉に行ってみることにしました。 “APU” というのは何かというと、立命館アジア太平洋大学のことなんですが、“Asia Pacific University” でありますか。 別府にはそういう大学があって、そのおかげで留学生も多いみたいなんですが、実際、僕の乗ったバスにもアジア太平洋っぽい感じのギャルが2名ほど乗っておりました。 何だかエキゾチックでいいですなぁ。 その他の乗客はエキゾチックでも何でもない、バリバリに別府っぽいオバチャンばかりでしたけど。 で、今回の目的地は 岡本屋売店別府保養ランド です。 前者は “地獄蒸しプリン” 、後者は変態が多いことで有名でありまして、どちらも別府観光には欠かせません。 2ちゃんねるに 【泥湯】別府保養ランドを語るスレ【変態】 という専用スレまで立ってたりして、立派なものですなー。 ということで、まずは岡本屋売店。 お昼時だから混んでいるかと思ったら、それほどでもなかったんですが、無難なところで “地獄蒸しプリン (カスタード)” を頼んでみることにしました。 けっ、なーにが “カスタード” や。 岡本屋のくせに生意気だぞ! …と、何故だかちょっぴり反抗的な気分になってしまったので、 「地獄蒸しプリンの普通のやつ」 と告げました。 ま、 「かすたぁど♪」 などと口にするのがちょっぴり恥ずかしかったというのが実情なんですが、普通に普通のカスタードのプリンが出てきたので、よかったっす。 「うちではこれが普通なんです。」 と言われて、上にカニ味噌がのったやつを出されたら、どうしよう?…と、ちょっぴりドキドキしてました。 プリン体が多いですからね、カニ味噌。 で、もう一品、 “やせうま” というのを食べたいと思っていたんですが、メニューに見当たらなかったので、しかたなく “温玉うどん” にしました。 別府まで来て、讃岐うどんかい!?…と思わずにはいられませんが、ま、普通に美味しかったから別にいいんですけどー。 で、プリンのほうは甘さ控えめで、オトナの味でありました。 わざわざ地獄で蒸してくれたのかと思うと、有り難味も倍増します。 そうと知らずに食えば、ま、普通のプリンだと思うんですけど。

 地獄と言えば、売店の道を挟んだ反対側に 明礬地獄 というのがありました。 嫌な地獄ですな。何が嫌って、漢字の書き取りテストで 「みょうばんじごく」 と出題されたりするのがいちばん嫌なんですが、僕の場合 “礬” なんてのは問題外で、 “獄” すら怪しいですからね。 “明ばん地ごく” で、 △ くらいは貰えるでしょうかね? で、この地獄は恐らく岡本グループの一員だと思うんですが、入場料を 200円取られるんですなー。 てっきりタダで見れるものだとばかり思っていました。 せめて、プリンとウドンを食った客にはタダで見せてくれてもいいと思うんですが、がめついですな、岡本くん。 がめ煮ばかり食べてるから、がめつくなっちゃったんでしょうな。 ま、 200円くらいなら出してもいいかなとは思ったんですが、他に観光している人も見当たらないし、何だか拒絶的なムードが感じられたので、中に入るのはやめておきました。 ということで、次。 別府保養ランド。 いや、 湯の里 とどっちにしようか迷ったんですけどね。 展望・喫茶レストランのメニュー を見ると、間違いなく “やせうま” もあるしー。 きな粉が大好きな僕としては、是非とも食べてみたかったんですよねー。 いいですよね、きな粉。 キノコと違って “毒きな粉” というのは聞いたことがないので、安心だしー。 前々回 、毒キノコねたを書いてから、どうもキノコを食べるのが怖くなってしまったんですが、それはそうと、やせうま。 バカボンのパパと同い年の起業3年目の経営者ブログ とかを見ると、岡本屋売店にも売ってるっぽいので、すっかり安心していたんですが、見当たりませんでした。 少なくともテーブルの上に置いてあったメニューには書かれていませんでした。店員のお姉さんに確認してまで、きな粉味のウドンなんか、食いたくねーや! …と、ちょっぴり捨て鉢な気分になって温玉うどんを注文した次第ですが、 “確実に食えるやせうま” と “確実にいるに違いない変態” とを、自分の心の中で冷静に比較検討した結果、後者のほうによりソソられるものがあった次第でありまして。

 ということで、 “別府保養ランド” です。 岡本屋売店からはバス停2つ分ほどの距離なんですが、さほど遠くは無さそうなので、歩いていくことにしました。 ずーっと下り坂なので、まったく苦にはなりません。 最寄のバス停は “紺屋地獄前” という名前で、かつては立派な地獄だったようですが、今ではすっかり心を入れ替えた模様です。 かといって天国というほどでもなくて、ま、普通のイナカだったりするんですけど。 で、保養ランドというのはアレですな。 赤痢に罹って隔離されるような、そんな物悲しさに満ち溢れた風情だったりしたんですが、入浴料は 1,050円と、ちょっぴりお高め。 ただ、かめたんバスのクーポンで 100円引きになるので、ちょっぴり得した気分♪ 爺さま婆さま集団の後に続いて受付に行くと、係のオバチャンから注意事項を聞かされることになるんですが、えーと、何でしたっけ? まず最初にコロイド湯というのがあるので、そこで顔を洗えとか、石鹸とシャンプーはまったく効果がないので使用禁止とか、泥湯に浸かった後は必ずシャワーで流せとか、男の人は露天風呂に移動する際には必ずタオルで前を隠せとか。 それを聞いた爺さんがニヤニヤしながら 「自信がある人は隠さんでもエエんやな。」 などと、実にしょうもない発言をして、係のオバチャンから 「自信がある人も隠して下さい。」 と、冷静に返されておりましたが、何故そうしなければならないのかと言うと、露天風呂は混浴だからなんですけど。 変態が出没するのもその為なんですが、長居するために2リットルのペットボトルの水まで用意しているそうで、えらい気合の入りようでありますなー。 もっとも本日の客層を見た限りでは、それは変態というより、マニアやろ!? …といった感じではあったんですけど。

 貴重品をロッカーに預けて (料金100円、戻らず。) レトロにも程がある室内を歩いていくと、やがて渡り廊下のようなところに出ます。 で、その先に脱衣所があります。 ここまで来てしまった以上はフリチンになるしかないんですが、いや、出来ることならそんな破廉恥な真似はしたくなかったんですけど。 が、フリチンになる為に買ったフリー切符やろ!? …と自分に言い聞かせて、思い切ってパンツを脱ぎました。

  (  ) ジブンヲ
  (  )
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 ヽ('A`)ノ トキハナツ!
  (  )
  ノω|

 こんなことをしても警察に連れていかれないのが温泉のいいところですなぁ。 自分が解き放たれること、この上なし。 まず最初は内湯のコロイド湯なんですが、これはまあ、わりとよくあるタイプの正統派酸性硫黄泉といった感じ。 普通にいいお湯です。 で、その後、内湯の泥湯に移動。 あまりにも泥泥で体が浮いちゃうので、それを阻止するための “つかまり棒” が設置されているんですが、何だか落ち着かないことこの上なくて、ほぼ素通りしちゃいました。 で、続いて露天の泥湯に移動。 こちらは一尾炉としていて、開放感が抜群。 ん? そういえばあっちのほうに浸かっている人達って、もしかしてオバチャン? …という程度に、ここから先のエリアが混浴だったりしております。 目隠しにはならないんですが、一応は棒のようなもので区画整理されているし、湯そのものが泥泥で透明度がゼロなので、中に浸かってしまえば問題なし。 ただ女風呂エリアから露天風呂に出る地点で待ち伏せしている変態がいるのがネックなんですが、最近は変態番の係のオバチャンを配置するなどして、状況の改善に努めているようです。 で、それはそうと、泥湯というのはアレですな。 本当に泥泥なんですなー。 入ってすぐの辺りはさほどでもないんですが、中ほどに進むにつれて、底にたまった泥が半端ではなくなってきます。 足首あたりまで埋まってしまって、気持ち悪ぃ〜。 が、それが次第に快感に変わって、ふと気がつくと手で泥をすくって体中に塗りたくって、恍惚とした表情と浮かべるといった事態になってしまって、楽しいっ♪ めっちゃ楽しいっ♪ 外には大きな露天風呂のほかに、やや小さめの露天風呂もあるんですが、こちらのほうは全域くまなく泥泥だったりして、嬉しいっ♪ 小さなお子様は間違いなくコケて泥に埋まって窒息する羽目になると思うので、入浴禁止の措置が取られているんですが、今までに経験したことがない、段違いに “濃い” 温泉でありまして、いやあ、よかったっす♪

 とまあそんなことで、いやあ、今日は地獄を見た話を書こうと思っていたんですが、このペースでは今日中に終わりそうにもありません。 地獄めぐりは別の機会に譲るとして、ここでは地獄の後で行った ひょうたん温泉 を紹介しておくことにしましょう。


< 鉄輪温泉&ひょうたん温泉 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 て…てつりん温泉!? と、部外者なら読んでしまうに違いありませんが、正しくは 「かんなわ温泉」。 いやあ、長縄部長には鉄輪温泉。 (← 「かなわない」 と言いたいらしい。) などと使っていただければ光栄です。 いや、そんなしょうもないこと、長縄部長でも言わないんですけどー。 別府駅からバスで約20分。 ちなみに別府には亀の井バスのほかに別府交通バスというのもあって、そっちに乗っても大丈夫なんですが、無論、かめたんフリー乗車券は使えないと思うんですけど。 かめたんの場合、明礬温泉方面から鉄輪のほうに向かうバスもあって、僕はそれを利用しました。 別府駅前−<バス>−地蔵湯前ー(岡本屋売店)−(別府保養ランド)−紺屋地獄前−<バス>−海地獄前−(地獄めぐり6箇所)−(ひょうたん温泉)−鉄輪−<バス>−別府駅前。 そういうルートです。 地獄を6箇所巡った後、バスに乗って (地獄めぐり・残りの2箇所) というのが正当派なんでしょうが、今回、時間の制約があって、残りの2箇所は最終日に回すことにしました。 別府市内だけでも入りたい温泉や見たい地獄、食べたい食べ物がたくさんあり過ぎて、けっこう大変。。。

 とまあそんなことで、ひょうたん温泉。 始まりは大正11年と、歴史はめっちゃ古いんですが、今の建物はめっちゃ小綺麗。 ミシュランが唯一、日本で三ツ星をつけた温泉施設なんだそうです。 もう、三ツ星ベルトも真っ青。 ベルト業界では超一流なんですが、一般人からは 「三菱のパチモン?」 とか思われてますからね、ミツボシ。 で、三ツ星の効果なのか、アジア太平洋ではない、アングロサクソン系の兄ちゃんも来ておりましたが、砂湯、瀧湯、露天風呂、蒸し湯、歩行湯、岩風呂、桧風呂と、バラエティに富んだ湯やら風呂やらがあって、楽しめます。 中でも男性19本、女性8本というスケールの瀧湯は圧巻。 落差も結構あるので、お手軽に修行気分を味わうことが出来ます。 アングロサクソン兄ちゃんも、頑張って滝に打たれておりました。 お湯のほうはというと、鉄輪温泉だけあって、ちょっぴり鉄っぽい? 世間一般の基準からすれば、かなり頑張っているほうだと思うんですが、保養ランドの泥湯の味を知ってしまった今のなっては、ちょっぴり普通に思えてしまうのは致しかたないところかと。

 で、夕食もここで済ますことにしました。 お食事・無料休憩所 も、なかなかいい感じなんですよね、ここ。 メニューを見ると、地獄蒸し定食、とり天定食、だんご汁定食など、別府の定番系定食が揃っております。 とり天は次の日の夜に食べることにして、ここは鉄輪温泉らしさが満喫出来る地獄蒸し系をチョイスすることにしました。 魚介の類はあまり好きではないので、 “鶏肉せいろ蒸し” の単品と、缶ビール1本。 ささやかではありますが、ちょっとだけ幸せな気分♪ で、地獄蒸しというのはアレですな。 何だかえらく、あっさりしてるんですなー。 恐らく、地獄でたっぷり油を絞られて、脂っ気が抜けちゃったんだと思うんですが、よく言えばヘルシー、はっきり言えばパサパサ。 そんな感じになっちゃってます。 ほろほろと崩れるような食感が独特で、鶏というよりも、白身魚を食っているような。 でもまあ、これはこれで悪くはないですな。 わざわざ地獄で蒸してくれたのかと思うと、有り難味も倍増します。 やや大きめの鶏肉が4切れと、若干の野菜が蒸されているんですが、鶏肉は白身魚っぽい部位が2切れ、わりと鶏肉っぽい味がする部位が1切れ、皮付きのパーツが1切れという内訳でありました。 皮の部分にはけっこう脂っ気もあって、缶ビール1本で簡単に酔っ払って、いやあ、満足。 外に出ると、すっかり暗くなっておりましたが、鉄輪温泉は風情があって、なかなかいいですなー。 ヤングセンターもあったりして、ヤングな若者たちも満足♪

 とまあそんなことで、鉄輪からバスに乗って別府駅に戻って、ソニックに乗って小倉に戻って、1日目は、おしまい♪

 ということで、今日はハロルド・ランドです。 別府のディープな温泉が保養ランドなら、ジャズ界のチープなテナー吹きはハロルド・ランド。 いや、別にチープではありませんか。 ブラウン=ローチ・クインテットの面子の中ではリッチー・パウエルに次いでリッチで、ジョージ・モロウと同じくらい山本譲二、モロ画像。 そういう立ち位置にいると言っていいかも知れませんが、日本における知名度は、そこそこ、人気の程は、まあまあ。 ま、そういった感じでありますな。 いや、個人的にはけっこう好きなんですけどね。 クリフォード・ブラウンとの相性という点では、ロリンズよりも上? …などと思ったりもしているんですが、嫌いではないキャラだけに、このコーナーでも何度か取り上げております。 おかげで、手持ちのネタが尽きました。 仕方が無いので Amazonで仕入れることにしたんですが、 『ジャズ・アット・ザ・セラー・1958』 でありますか。 今ひとつ素性のよく分からん1枚でありますな。 恐らく非正規なライブ系の海賊盤ではないかと思われるんですが、となると、音質的にはあまり多くのものを期待出来ないかも知れません。 なんや、ブートレグかぁ。…と、ぶーたれたくなる気持ちを抑えてパーソネルを見ると、おおっ! エルモ・ホープスコット・ラファロレニー・マクブラウニーのトリオって、何気に豪華♪ ま、ラファロ以外は、通好み系と言っていいと思うんですが、で、演目のほうはというと、お馴染みのスタンダードやバップ・チューンばかりが並んでいて、ハードルは低めであると言えそうです。 ただ、1曲あたりの演奏時間が 18:58 / 19:39 / 1:17 / 27:44 / 11:57 となっていて、ハードルが低い代わりに、無駄に距離は長いですなー。 持久力のない僕は、恐らく途中でリタイヤすることになるのではないかと思われますが、とりあえずまあ、スタートラインに立つだけ立ってみることにしましょうかぁ。

 ということで、1曲目。  「チェロキー」 。 いきなり、僕のあまり好きではないインディアン歌謡曲を持って来てくれましたな。 嫌がらせ? 子供の頃、学校の先生から 「人の嫌がることをすすんでやりましょう。」 と教えられたのを、間違って解釈したままオトナになったのかも知れません。 が、嫌がらせをさらっと受け流すというのが、シロナガスなクジラだと思うので、ここはひとつ、涼しい顔で聞き流すとして。 ・・・。 聞き流していたら何も書くことが無かったので、とりあえず少しだけ気合を入れて最初から聞き直してみたんですが、これはアレですな。 ライブなんですな。 ま、そんな事は最初から分かっていたんですが、最初にMCがあって、で、そこから演奏が始まります。 思ったとおり、あまり音質はよくありませんな。 特に、肝心のテナーの音があまり聞こえないんですが、それを察したマイク担当係の人がランドくんに接近したのか、途中からはマシになっているんですけど。 ワン・ホーンだけにテーマ部ではあまり工夫の施しようもなく、ランドくんがテナーで普通にインディアンなメロディを吹いております。 で、そのままソロに突入することになります。 アップ・テンポを物ともせず、大いに頑張っておりますなぁ。 これで音さえよければ言うことは無いんですが、音がよくないので書くことがなくて、でもって、続いてはエルモ・ホープのソロとなります。 この人、根がちょっぴり地味だったりするんですが、ここでのプレイも今ひとつ派手さに欠ける嫌いがあって、で、途中からは恐らく、ラファロのベースをフィーチャーしたパートになってたりするんだと思いますが、でもって、テナーとドラムスの絡みがあって、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。  「ジャスト・フレンズ」 。 これは嫌いでないので、ちょっぴり楽しみだったりするんですが、 “サックスで自由自在に吹けたら、きっと気持ちいいんだろうなという気がする曲、個人的ベスト3” の第5位くらいに入っているんですよね。 ベスト3なのに5位というところに、今日の僕のヤル気の無さが窺われるんですが、ランドくんはヤル気を出して、かなり頑張って吹いてくれております。 硫黄臭が半端ではありません。 あ、いや、それは別府保養ランドくんの話なんですが、ひょうたん温泉の瀧湯に打たれたくらいでは消えないほど、温泉のかほりが体に染み付いてしまいました。 恐るべき泥パワー! で、一方、ハロルド・ランドくんのほうはそれほど泥臭くはなく、どちらかというと都会派の正統的なハード・バップだったりするんですが、 「まさしく友人」 なテーマを気持ちよさげに吹いた後、そのままテナー・ソロに突入することになります。 けれん味のない堂々とした横綱相撲…とまではいきませんが、前頭二枚目相撲くらいの実力は感じさせてくれます。 もしかしたら、北太樹くらいになら勝てるかもー? 続くエルモ・ホープのソロは相変わらず地味なんですが、しみじみとした滋味を感じさせる自見郵政大臣。 そんな味わいが感じられて悪くありません。 もう、ずいぶんと前の大臣なんですけどね、自見庄三郎。 で、次に登場するラファロのソロが録音の関係で聞き辛いのが何とも残念なんですが、鹿苑寺にいって録音の修行をしてこい!…と、いいたくなりますよね。 鹿苑寺と書いて、ろくおんじ。 しかえんじ?…とか読んじゃうと、僕のとっておきのギャグが台無しになっちゃうんですが、で、その後、テナーとドラムスの4バースでそこそこ盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 3曲目、 「ザ・シーン・イズ・クリーン」 。 タッド・ダメロンの書いた、とっても 「ザ・場面は清潔です」 なバップ・チューンでありますな。 メンバー紹介を兼ねて、軽くバンドのテーマとして演奏してみました。…といった感じで、 1分17秒ほどで終わっちゃうんですが、いかにもライブらしい臨場感があって、いいじょー。 あ、いまのは “臨場” と “いいじょー” で、軽く韻を踏んでみるという出し物だったんですが、ということで、次。  「ビッグフット」 。 昔、 そんな名前のショートスキーの板 がありましたが、こんな、衝撃が加わっても足から外れそうにもないビンディング、大コケしたら左下腿骨骨折は免れないでしょうな。 デカ足からは早く足を洗ったほうがいいと思うんですが、それはそうとこれ、27分44秒もあるんですなー。 演奏時間を見ただけで、何だか胃もたれしちゃいます。 胃もたれした時には、芋食べたりするといいんですが、いや、胃がもたれない代わりに、胸がつまるんですけどね、イモ。 地獄で蒸したりすると美味しそうなんですけどね、イモ。 鉄輪温泉には 地獄蒸し工房 というのがあって、そのへんの日野鮮魚店とかマルショクとかで買った食材を自分で蒸して食べられるようですが、車椅子対応の足湯もあったりするので、スキーでコケて足の骨を折っても安心♪ で、演奏のほうはと言うと、バピッシュなテーマの後、ランドとホープとラファロのソロがあって、膜とブラとが雲丹になっちゃうようなマクブラウニーのクソ長いソロがあって、テーマに戻って、おしまい。 充実した 27分44秒でありましたなぁ、いや、多分。

 ということで、ラストです。  「カム・レイン・オア・カム・シャイン」 。 日本名 「降っても晴れても」。  これはアレです。 バラード調です。 ランド以下、参加者各位のしみじみとしたプレイを 11分57秒も堪能することが出来て、とってもお得。 特にホープのソロの出来がいいような気がするんですが、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】 ま、こんなものでしょう。 所詮はブートレグだしぃ。


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