POWER TO THE PEOPLE (MILESTONE)

JOE HENDERSON (1969/5/23,29)

POWER TO THE PEOPLE


【パーソネル】

JOE HENDERSON (ts) HERBIE HANCOCK (p,el-p) <except #7>
RON CARTER (b,el-b) JACK DE JOHNETTE (ds)
MIKE LAWRENCE (tp) <#2,5>
【収録曲】

(01-03) BLACK NARCISSUS / AFRO-CENTRIC / OPUS ONE-POINT-FIVE
(04-05) ISOTOPE / POWER TO THE PEOPLE
(06-07) LAZY AFTERNOON / FORESIGHT AND AFTERTHOUGHT (AN IMPROMPTU SITE)
【解説】 (2010年08月01日更新)

 ということで、 “若狭・丹後の旅(1日目)” です。 無駄に長くなるに違いないので、余計なことは書かずにいきなり本題に入りますが、若狭だからと言って 「若さのカタルシス」 を歌ったりもしません。中途半端にぶらさがってる、銀の枯葉が僕の恋だよ♪ …って、郷ひろみのヒット曲の中でも、かなりマイナーですからね。さほどヒットしなかったんじゃないかという気もするんですが、無論、丹後だからと言って 「黒猫のタンゴ」 を歌ったりもしません。 振り向くだけであなた、罪な男、命を燃やして踊ればタンゴ、タンゴ♪ …って、どうせなら中森明菜の 「TANGO NOIR」 を歌います。もしくは 「タンゴおでん三姉妹」 とか。 アンパンマンの挿入歌なんですが、僕は断然、長女の “ハンペン姉さん” が好きっ♪


<奥琵琶湖パークウェイ> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 今回、琵琶湖の北のほうを通って、鯖街道経由で若狭に抜けるルートを走ることにしたんですが、ちょっと寄り道して 奥琵琶湖パークウェイ に行ってみることにしました。 数年前に一度だけ走ったことがあるんですが、景色がいいんですよねー。 観光地として、けっこう賑わっていたという記憶があります。 が、何年ぶりかに訪れてみたら、けっこう寂れておりました。 いつの間にか奥琵琶湖ドライブインも無くなっちゃったんですな。 滋賀県伊香郡木之本町飯浦というところにあって、イカ飯を食うにはちょうどいい感じの浦だったのにぃ。 ま、僕はイカ飯があまり好きではないので、別にいいんですけど。 そもそも、伊香郡そのものが市町村合併で消滅しちゃったみたいなんですが、いか郡。 なかなかイカした地名だったんですけどねー。 で、道そのものはアレです。荒れてました。随所で法面が崩壊しまくって、バリケードによって一車線がバリバリに塞がれて、おかげで菅浦ゲートから月出ゲート方向への一方通行になっておりました。 逆走ジジィが出没しない限り正面衝突の心配がないので、むしろ有難い措置だと思います。 ところどころ、刈り取った草の束みたいなのが路上に放置されていて、奥琵琶湖パークウェイwww みたいな感じだったんですが、眺めのほうは写真で見ての通り、なかなかよかったっす。


<鯖街道・熊川宿> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、次。 熊川宿 。 鯖街道の宿場町として栄えたそうですが、鯖街道に関しては、ま、 ここ を見て貰うとして。 鯖好きの為の“鯖寿司” の広告とかが出てきて、鯖嫌いにとってはちょっとウザいんですが、そういえば昔、うちの掲示板 にはよく “若狭湾さばのへしこ” というのが出てましたよね。 …と思ってチェックしたら、すっかり鯖好きの為の“鯖寿司”に乗っ取られておりました。 へしこ、どうした!? とまあそんなことで、とりあえず道の駅の駐車場にクルマを止めて、周囲を散策してみました。 重要伝統的建造物群保存地区に指定されているだけの事はあって、それなりに伝統的な建造物群が保存されておりますな。 完全に観光地化されているのではなく、適度に生活感があったりするんですが、街道の片側に用水路が流れているところもいいです。 少なくとも井上揚水が流れているよりはいいです。 夕立そこまで来ている、雷ゴロゴロピカピカ、情け容赦ないみたいだ〜 (中略) わーふぅ、わーふぅ、わーふ、夕立だ、あっあっ♪ とか、流しの井上揚水に歌われたりしたら、喧しくて雰囲気が台無しですもんね。 とまあそんなことで、道の駅の売店にも立ち寄ってみました。店員さんは若いオネーサン (約2名) でした。 まだピチピチなギャルなのに、こんな山奥でサバなんか売らされて。。。 あまりにも不憫なので、鯖缶を買って帰りました。 本場の鯖街道で売られている鯖缶なので、当然、若狭の鯖が缶に詰められているのかと思ったら、原材料は 「ノルウェーの鯖」 でした。 ま、何だかちょっぴり村上春樹っぽいので、別にいいんですけど。

鯖缶♪


<小浜・明通寺(通常編)> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、続いては小浜です。 小浜の主な観光スポットは 冬の時点 で、あらかた回ってしまったので、今回は地味です。 寺です。 寺なんて、テラ爺臭いwww とか言われそうなんですが、ヤングな若者でもジーンと感動する寺院というのが、まったく無いわけではありません。 とりあえず国宝だったら少しは感動するんじゃないかと思うんですが、 「国宝は国の宝だ。」 と、宝田明も言ってたしー。 何、当たり前のことを言ってるんだ、アキラ!…という気がしないでもないんですが、小浜というところは寺院の数が多く、別名 「海のある奈良」と呼ばれているんだそうで。 誰がそんなことを言ってるのかというと有栖川有栖なんですが、小浜を舞台にした 『海のある奈良に死す』 なんて小説を書いているようです。 で、どれくらい寺があるのかというと、およそ 130テラ。 あ、それだと 130,000,000,000,000になっちゃいますか。さすがにそこまでは多くなくて、130寺くらいあるそうですが、桑名には約 70寺しか無いらしいので ( ← 参考サイト : ここ ) 、確かに多いですな。 で、そんな中、唯一国宝に指定されているのが 明通寺 なんだそうで、これはもう行ってみるしかありません。

三重塔(国宝)♪

 ということで、行ってみました。 ん?何じゃこりゃ?国宝の三重塔、もしかして工事中!? …という情報は事前に入手していたので、ぜんぜん大丈夫です。 オフィシャルサイトに 【三重塔内部公開のお知らせ】 というのがありましたからね。 むしろ、約30年に一度の檜皮屋根葺替工事にあたって、三重塔が御開帳されて秘仏級の寺宝が拝めるとは、千載一遇のチャンスぢゃん♪ これを逃せば、次の御開帳は 30年後。サバ君 72歳。ホトケを拝むというより、自身がホトケになっている可能性も考えられます。 これはもう行くしかありません。 で、更には 【桧皮葺見学会についてのお知らせ】 などというご案内も。 いつのことかと思ったら、おお、ぴったりビンゴ♪ たまたま行こうと思い立った年に 30年に一度の檜皮屋根葺替工事があって、たまたま行くことになった日に見学会が開催。 これはもう、神のお導きとしか思えませんな。 寺に神がいるのかどうかは知りませんが、「バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲 寺神戸亮」 なんてCDも出ているみたいだし、“寺神戸” というのがいるのなら、“寺神” というのがいても不思議ではありませんよね。 ということで、行ってみました。 10時20分頃に到着したんですが、11時の部まではまだ時間がありますな。  桧皮葺見学会受付係の愛想のいいオネーサンに、「どうぞお時間まで、本堂のほうをご覧になってくださーい」 と言われたので、そちらのほうから見学することにしました。 この本堂も国宝なんですなー。 国宝なんですが、普通に上がり込んで畳の上に座ったり、寝転がったりしても大丈夫。 単なる休憩所のような扱いだったりするんですが、すぐ間近で仏像を拝むことが出来るし、ガイド係の僧侶が丁寧に解説してくれるし、なかなかサービスのいい寺院でありますな。

 御本尊が薬師如来坐像で、その脇に立つのが降三世明王像と深沙大将像。 いずれも昔は国宝だったんですが、60年ほど前に国宝の座から陥落しちゃったそうです。 昔は新しかったのに、古くなって価値が下がって、格下げになってしまった。…とか、そういうことではなくて、昭和25年に文化財保護法が施行されて、国宝の意味が変わったみたいなんですよね。 詳しくは、ま、 ここ を見てもらうとして、なるほど。別に格下げされたワケではなかったんですな。 が、格上げされなかったのは確かでありまして、その意味ではちょっとアレなんですが、だからといって無論、この仏像がパチモンというワケではありません。とても重要な文化の財だと思います。ご本尊が 薬師如来 というのはありがちなんですが、その従者が 深沙大将降三世明王 だというのは珍しいそうです。 タカシ3世。 隆クンの孫なんすかね? あ、よく見たら “隆” とは微妙に違う漢字みたいなんですが、 ここ の写真だと足でシヴァ神夫妻を踏んづけている様子がよく窺えます。 で、お后の名前はウマーと言うんですな。シヴァ神の后で (゚д゚)ウマー みたいな。 何でもいいけどこれ、 “3PでSM” を具象化したものなんすかね? この世の煩悩の極みというか、倒錯した愛の極致というか、タカシ3世もなかなかのマニアですなぁ。。。


<小浜・明通寺(桧皮葺見学会編)> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、いよいよ 「桧皮葺見学会」 です。 「ひかわキノコ」 ではありません。 「ひわだぶき」 です。 そうだったのかぁ! ヒノキの皮に生えるキノコが見れるのかと思って楽しみにしてたのに、ヒノキの皮で屋根を葺く様を見学するという会だったんですな。…というのは最初から分かっていたので、大丈夫です。僕もそこまでアホではありません。 受付係のオネーサンに番号札を貰って工事現場に赴くとヘルメットが配布されました。 足場に上るという事なので、高所恐怖症の僕はかなりビビっていたんですが、三重塔の1階部分の屋根まで上るだけなので、ぜんぜん大丈夫でした。 どう頑張っても墜落しようがない、すごく立派な足場だったしー。 見学者はオッサン、オバチャン、兄ちゃん、サバ君など、約10名。 いきなり 「イナバくん」 と本名を呼ばれてドキっとしたんですが、どうやら説明係の現場監督がイナバくんという名前のようです。もうひとりの職長さんのほうの名前は忘れました。 桧皮葺に関しては、 おさかなクン が詳しく書いてくれているので、さばクンが説明するよりも、そっちを見て貰ったほうが話は早いです。 イナバくんと職長さんの解説は親切丁寧で分かりやすく、 三重塔の屋根や心柱を間近に見ることが出来て、とても貴重な体験でありました。…という、おざなりな感想を書くに留めておきたいと思います。

 その後、職人によるヒノキの皮の加工実演とか、模型を使った竹釘打ちの体験とかがあって、最後に御開帳された三重塔の内部を見学して、おしまい。 正直、中の仏像などオマケに思えてしまうほど、充実した見学会でありました。 ま、一緒に参加していたオッサン軍団がウザかったのが、ちょっとアレだったんですけど。 あ、オッサン、受付係のオネーサンに馴れ馴れしく声を掛けるんじゃねぇ! 一緒に写真を撮ったりするんじゃねぇ! あ、ちなみにこのオネーサンは巫女コスプレではなく、普通の服装をしておられましたが、ま、 「無愛想な巫女さんより、愛想のいい私服ギャル」 という諺もありますしね。 あまりにも愛想がよ過ぎて、いちいちオッサンの相手をしちゃうところが、ちょっとアレなんですけど。 で、遠巻きに様子を伺っていると、オッサン達は何やら、紙に自分の名前を書いたりしているんですよね。 そこ、何やってる? 僕もまぜろ〜! ということで、混ぜて貰いました。 何かと思ったら、ん?浄財のご協力? 1口 1,000円を出費すると屋根を葺くヒノキの皮に自分の名前を入れて貰えるという、そういうサービスのようです。そういえば工事現場に名前の書かれた皮がたくさん置いてありましたな。 今さら 「そういう事なら、やーめた!」 と言えるような雰囲気でもなく、仕方がないので有難く申し込ませて頂くことにしました。 お姉さん、商売上手ですなぁ。。。 ま、たった 1,000円で国宝の三重塔に自分の名前を書いて貰えるというのは貴重な体験なので、騙された!…とか、そういう思いはみじんもありません。 申込書には 「家内安全」 とか 「身体健全」 とか 「先祖供養」 とか、色んな文字が並んでいて、その中から好きな言葉を選べるようになっているんですが、“その他 [    ]” というのもあるので、フリーワードもOK? 一瞬、[ 塩鯖通信 ] と書いて貰おうかと思ったんですが、お姉さんに、この人、アホ?…と思われても嫌なので、無難に 「交通安全」 というのにマルを付けておきました。30年後の改修工事で見つかって、ネットで曝されて、2ちゃんで変なスレ立てされても嫌だしぃ。

  とまあそんなことで、桧皮葺見学会。 桧皮ブギウギ、リズムうきうき、心ズキズキ、ワクワク♪…で、とっても楽しかったっす。 で、以下、 ここ に続く。

 ということで、今日はジョー・ヘンダーソンです。 いいですよね、ジョー・ヘン。 何がいいって、4文字に省略出来るところがいいです。 “上辺” と、一発で漢字変換出来るところもいいです。 “上辺” でググると、検索語の候補として 「上辺ばかりを撫で回されて」 というのが出てくるところもいいです。 何かと思ったら、ミスチルの歌の一節? この場合は恐らく 「じょうへん」 ではなくて 「うわべ」 だと思うんですが、うわべと言えば、いなべ総合学園、甲子園出場ですかー。 僕が学生だった頃は員弁高校という名前だったんですけどね。略して “員高(インコー)” 。 何だか淫行に走る女子生徒が多そうで、イメージ的にはちょっとどうか?…という気もするんですが、「じょうへん」 で漢字変換すると 「城辺」 というのも出てきますな。 「じょうのべ」 と読むのかと思ったら、愛媛県に城辺町 (じょうへんちょう) というのがあったみたいです。沖縄県にも同じく城辺町というのがあったんですが、こちらは 「ぐすくべちょう」 と読むんですな。 いずれも市町村合併によって消滅しちゃったようですが、伊香郡同様、由緒のある地名が消えてしまうのは、ちょっと残念な気がします。 そういえば員弁郡も合併して 「いなべ市」 になったんですよね。 地元民以外からはまず確実に 「いんべん」 と読まれてしまって、そんな 「検便」 みたいな呼ばれ方、嫌や!…というので平仮名にしたようですが、とまあそんなことで、ジョー・ヘン。 今回は 『パワー・トゥ・ザ・ピープル』 というのを選んでみました。 マイルストーン盤です。 今ひとつですよね、マイルストーン。 ジャケットのセンスがよくないし、ジャズが死んでしまった70年代の作品が主流だし、あまり触手が伸びないんだよね。…というイソギンチャクも少なくないに違いありません。 が、ちょっと待った、そこの磯巾着! マイルストーンって、リヴァーサイドのプロデューサーだったオリン・キープニュースが設立に関わっているので、中身はぜんぜん悪くなかったりするんですよね。 今回のコレも、ま、確かにジャケットのセンスはちょっとアレなんですが、ハービー・ハンコックロン・カータージャック・ディジョネットと、サイドマンは超強力。 2曲ではマイク・ローレンス (誰?) のトランペットだって聴けちゃうし、ま、ハービーとロンが、曲によってはエレピやエレベを使っているのがちょっとアレなんですが、 「パワー・トゥ」 でググると、候補にはちゃんと 「パワー・トゥ・ザ・ピープル」 が出てくるし、これは期待してもいいのではなかろうかと。 もっとも、検索のトップに引っ掛かったのは東京都の「藤田先生を応援する会有志」による、民主主義を守るためのHPみたいで、ぜんぜん関係なかったりするみたいですけど。 とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。

 まずはジョー・ヘンのオリジナルで、 「ブラック・ナルシッソス」 。 「黒い水仙」 っすか。 世の中にそんなものが存在するのかどうか分かりませんが、 「黒い水仙」 でググると 「もしかして : 黒水仙」 と問い返されるので、黒水仙というのは存在するみたいです。 そういう映画 があるんですな。黒い水洗便所は下血の際に発見が遅れるので、注意が必要である。…という、医学的な啓蒙映画ではないと思うんですが、 「黒水洗」 では無いですからね。 同名の韓国映画もあるようですが、このジョー・ヘンの曲はアレです。 いきなりハービーのエレピが出てきて、幻想的というか、妖しいムード満点。 メロディそのものはボビー・ハッチャーソンの 「リトル・ビーズ・ポエム」 に似ているような気がしないでもありません。 ま、途中からまったく別の曲っぽくなるので別にいいんですが、でもって、ソロ先発はジョー・ヘンでありますな。 終始、落ち着いたムードで、さほどの盛り上がりはありませんが、で、その後、ハービーのエレピ・ソロが登場します。何と言うか、透明感のある音色でありますな。 電気仕掛けなんだから、もうちょっとビリビリしてもよさそうなものですが、この、“血が通って無さげ” なところが当時としては最先端だったんでしょうな。何だかちょっぴり近未来通信社っぽいしー。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 4分51秒という短めの演奏で、やや地味な立ち上がりでありました。

 で、次。 ジョー・ヘンのオリジナルで、 「アフロ・セントリック」 。 「afroは中心です」 ですか。翻訳サイトではそういう訳語が出てきたんですが、そうですか。アフロはセントリックですか。 お風呂は銭湯ラッコだったりするので、あるいはそうなのかも知れませんが、それはそうと“銭湯ラッコ”って、いったい何なんスかね? いくら書くことはなかったとは言え、適当過ぎるにも程があるんですが、試しにググってみたら温泉銭湯 「ラッコ温泉」 というのがヒットしたので、ま、いっかぁ。…という気もするんですけど。スーパー銭湯 「極楽湯」 になっちゃったみたいですけどね、ラッコ温泉。 で、演奏のほうはアレです。マイク・ローレンスのトランペットが加わって、かなり派手な感じになっております。 曲調としては、普通に新主流派といったところでしょうか? ハービーのエレピも時代の最先端をいってるし、でもって、ソロ先発はヘンダーソンです。 この人の持ち味である独特のウネウネ感がよく出ていて、納得のいく出来であると評価していいでしょう。 続くマイクくんはアレですな。 ウディ・ショウっぽいスタイルの持ち主であるとお見受けしました。調べてみたら同じマイルストーンの 『ザ・キッカー』 にも参加しているようで、あっちのほうのライナーを見れば、何か情報が得られるかも知れません。 何せ、こっちのほうは輸入盤なので、僕の語学力ではまったく有益な情報が得られないんですが、ということで、あっちのほうを見てみました。 あ、 『ザ・蹴り人』 のほうも輸入盤でしたか。 ということで、話を先に進めますが、ググってみても 「トヨタはモータースポーツの何たるかを理解していない」 とか、関係無さそうなコメントしか出てきませんからね。 で、ソロ3番手はハービーのエレピ。 “ヘッド・ハンターズ” みたいに、アフロ頭でエレキ…というのならまだしも、純ジャズ系で電気仕掛けというのは今ひとつしっくりこない、超保守的な僕なんですが、ま、それなりに頑張っているとは思うんですけど。 とまあそんなことで、でもって、テーマに戻って、おしまい。 そこそこ骨があって、よかったのではないかと思います。少なくとも “鮭の中骨缶” と同じくらいは骨があったんですが、ほとんど骨しか入ってないヤツと同レベルなら、かなり健闘したと言えるのではなかろうかと。

 ということで3曲目。 ロン・カーターのオリジナルで 「オパス・ワン・ポイント・ファイブ」 。 「作品 1.5」 ですか。 何だか 1.5流っぽいタイトルなんですが、なかなかいい感じのバラードに仕上がっていたりします。地味に泣ける。…といったところでしょうか? 正直、やや単調で、始まって 32秒くらいでちょっと飽きたりもしたんですが、ジョー・ヘンのソロもやや平坦な展開ですしね。 ただ、ハービーがここでは生ピを弾いているので、彼のソロに期待が持たれるところなんですが、ということで、聴きどころは 3分を過ぎたあたりということになります。 (・∀・)イイ!! 期待に違わぬリリカルなピアノが展開されて、やっぱりハービーは…、とか言ってるうちに、テーマに戻って、おしまい。 4分55秒という短めの演奏で、やや地味な展開でありました。 で、次。 ヘンダーソンのオリジナルで、 「アイソトープ」 。 よく耳にする単語なんですが、どういう意味でしたっけ? 「アイソトーフ」 なら、愛想のいい豆腐屋さんだと思うんですが、科学に出てくる 「同位体」 とかでしたっけ?  で、調べてみたらそれで正解だったんですが、豆腐屋とかボケておいて、実はけっこう賢かったりしますからね、僕。 ヘンダーソンもそんなものをタイトルにするあたり、理系人間だったりするのかも知れませんが、顔を見ても何だか学究肌っぽいですしね。 研究に没頭するあまり何日も風呂に入らず、髭も剃らず、何だか臭そうだったりもします。 で、名前からして、さぞや同位体なサウンドであろうと期待したら、あ、どこかで聴いたことがある曲ですな、こりゃ。 ただ喧しいだけという感じの作風なんですが、調べてみたら 『インナー・アージ』 というアルバムでも演奏されておりました。既にこのコーナーでレビュー済みだったら、それを引用してお茶を濁そうかと思ったんですが、ん? 該当無し!? 仕方が無いので “disk union” のレビュー から引用することにしますが、テーマにおけるジョーヘンとマッコイの絡みはタイトル通り。複雑な小節設定とうねるメロディー。まさに高純度な同位体。 この “マッコイ” の部分を “ハービー” に置き換えて読んで下さい。 まさに高純度な同位体。…って、適当にも程がある解説なんですが、同位体の意味を分かって書いているんですかね? ま、僕もそれを明快に説明できるほどは賢くないので、あまり深入りせずに先に進みますが、深入りといえば、サバくん勤続20年記念式典で出された料理のスープは、しっかりフカヒレ入りでありました。フカヒレなど、ぜんぜん好きではないので、ちっとも嬉しくは無いんですけどね。 馬鹿でかい干し椎茸も入っていて、干し椎茸嫌いの僕としては迷惑以外の何物でもありませんでした。 あれならまだクノールのコーンポタージュのほうがよかったのにぃ。。。

 で、演奏のほうはというと、テーマに続いて、ハービーのソロが出てきます。 いやあ、やっぱりピアノは生のほうがいいですなぁ。春巻きは生よりも揚げてあるヤツのほうが好きなんですけどね。 サバくん勤続20年記念式典の料理では生春巻きが出されたんですが、あんなの、ちっとも嬉しくありません。あれならまだ味の素の “ひとくち春巻”のほうがよかったのにぃ。。。 で、続いてはロン・カーターのソロですか。 …と思ったら、しばらくピアノとベースが交互に出てくるような展開だったりしたんですが、でもって、続いてジョー・ヘンダーソンの登場だじょー。 あ、ジョー・ヘンの解説で語尾が「じょー」になったら、いよいよ書くことが無くなってきた証だったりするんですが、ウネウネ感抜群の、いかにもジョーらしい吹きっぷりでありますな。これだけ吹ければ、屋根の桧皮葺きだって大丈夫でしょうが、終盤はジョー・ヘン、ハービー、ディジョネットの絡みで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 かなりハードな出来栄えでありましたが、マニアとしては、納得♪…の1曲でありましょう。

 ということで、5曲目。 アルバム・タイトル曲の 「パワー・オブ・ザ・ピープル」 。 トランペット入りで、リズムセクションは電化。 そういうアレなんですが、先ほどの同位体なヤツと比べると、何ともメロディアスな作品に仕上がっております。 いかにもこう、 「人々への力」 やな。…といった感じなんですが、ソロ先発はヘンダーソンでありまして、メロディアスとは対極的な超ホリゾンタルなプレイをを嫌というほど堪能することが出来ます。 続くマイク・ローレンスのトランペット・ソロも先鋭的でいいですな。何だかこう、バラを咲かさせたら、マイク真木よりも上。…といった園芸魂を感じさせるんですが、続くハービーのソロも電気仕掛けながら、なかなか気合が入ってますな。 ジャック・ディジョネットの煽り立てるようなドラミングも壮絶でありまして、さすが、 “ジャズ界のジャパネットたかた” と言われるだけのことはありますな。 いや、ジャパネットとディジョネット。 ちょっとだけ似ているので、とりあえず書いてみただけなんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 タイトル曲に相応しい、パワーに溢れた演奏だったと思います。

 で、次。 「レイジー・アフタヌーン」 。 本アルバム唯一の歌物ナンバーでありますな。 歌物ながらモーダルな雰囲気もあったりして、新主流派の人々には人気のある作品なんですが、ここでのジョーはさほどレイジーではなく、どちらかというと円谷英二。 そんな仕上がりだったりします。生ピと生べと生タイコをバックにしたワンホーン・カルテット。 オーソドックスな編成で、ま、無難な仕上がりでありますな。 ということで、ラストです。  「フォレサイト・アンド・アフターソート」 、括弧して (アン・インプロンプツ・スーツ) 。 特に括弧の中はまず無理だと思うんですが、一応、翻訳サイトに掛けてみると 「先見と結果論(即座のスイート)」 。 あ、イケました。“impromptu” って、“tu” で終わるような英単語、あったんですな。 で、“suite” というのはアレです。 「即座の甘いもの」 ではなく、「即座の組曲」 。 そういうことなんだと思います。 で、括弧して (即座の…) とあるように、予め作曲したというより、テーマ部を含めてアドリブだけで押し切ったものだと思われるんですが、これはアレですな。かなりフリーです。 ピアノレスな時点でちょっと嫌な予感はしてたんですが、案の定です。 で、スイートというか、スーツを名乗っているだけあって、一応は組曲っぽくなっているようなんですが、最後まで真面目に聴くだけの体力はもう残ってなくて、とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】 出だしがちょっと地味だったので油断してたんですが、これはアレです。けっこうハードです。 オリン・キープニュースくん、ハービーにエレピを弾かせようとも、決してフュージョンに魂を売り渡すような事はありませんでした。普通にギャル受けのしない、硬派なジャズ作品だったりしました。 でもまあ、最後の1曲だけ最初から無かったことにしておけば、耐えられないほどの苦痛というわけでも無く、マイクくんが参加した2曲とか、かなり完成度が高いと思います。 電化も許容の範囲内なんですが、保守的でマゾっ気のある向きには 「同位体」 が、超オススメ♪ 結果論で言うと 「先見と結果論」 だけ、ちょっと余計でした。


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