THE AWAKENING (IMPULSE)

AHMAD JAMAL (1970/2/2,3)

THE AWAKENING


【パーソネル】

AHMAD JAMAL (p) JAMIL NASSER (b) FRANK GANT (ds)
【収録曲】

(01-03) THE AWAKENING / I LOVE MUSIC / PATTERNS
(04-05) DOLPHIN DANCE / YOU'RE MY EVERYTHING
(06-07) STOLEN MOMENTS / WAVE

【解説】 (2008年11月16日更新)

 サバでーす。…と、僕はネットの世界でそういう名前を名乗っているんですが、実を言うと、僕はそれほどサバが好きではありません。どちらかと言うと蕎麦のほうが好きだったりします。下品で下劣な下魚ですからね、サバ。 僕の心のランキングでは、ブリよりも遥かに劣るものの、サンマには勝ってる。…といったところに位置しているんですが、ワケのわからん気色の悪いハラワタがあるサンマに比べて、切り身の形で提供されるだけ、まだマシだとは思うんですけど。 ネタの都合上、ソフトボール大会の時の弁当のおかずはハンバーグや唐揚げ、海老フライでは無くて、サバのほうがいい。…といった話を書いたりもするんですが、もし本当にそういうことになったら、速攻で出場を辞退することになると思います。 食材としてのサバもそうなんですが、生き物としてのサバにも僕はあまりいい印象を持っておりません。 何を考えて暮らしているんだか、よく分からなかったりします。生き方に共感出来ないと言ってもいいんですが、サバの目にはいったい、この世の中はどのように写っているんでしょうか? サバと同じ視点に立てば、あるいはサバに対するシンパシーも湧いてくるのかも知れませんが、とまあそんなことで、魚眼レンズを買って、世の中を眺めてみることにしました。

 魚眼レンズは英語では “Fisheye” と呼ばれているんですが、いや、そのまんまですな。 皮膚病の “魚の目” のことを英語では何と言うのかと思ったら “Corn” なんだそうで、そりゃ、とうもろこしやがな!…と思わずにはいられなくて、日本人と欧米人との感性の違いをまざまざと実感することになるんですが、こと魚眼レンズに関しては見解が一致した模様です。 というか、魚眼レンズという名称は英語の “Fisheye” をただ直訳しただけなのかも知れませんが、とにかく僕はトキナーの AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5 というレンズを買って、それに “サバの目くん1号” という名前を付けてみました。魚眼の癖にズームレンズだったりして、17mm側にすれば超広角レンズのようにも使えるという優れものなんですが、果たしてこれで、少しはサバの気持ちに近付くことが出来るでしょうか?乞う御期待!

<大垣市郊外編> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 通販で買った新しいレンズが手元に届いて嬉しくて仕方が無いので、とりあえず何でもいいから試し撮りをしたいところでありますな。魚眼レンズと言えば “ペットの鼻デカ写真” というのが定番なんですが、残念ながらうちのペットの黒猫のクロコは去年の夏にお亡くなりになってしまいました。 仕方が無いので仕事の合間に、とりあえず適当に三重の塔でも撮ろうか?…と思い立ったのが9月初めのことなんですが、大垣市の隣の神戸町(ごうどちょう)の 日吉神社 というところに、確か三重の塔があったんですよね。 カーナビで付近の地図を見ると、確かに “日吉神社” というのがあったので、行ってみました。ありました。 が、三重の塔はありませんでした。騙された!…という思いでいっぱいでありましたが、仕方が無いのでとりあえず、少し南下して大垣市の 曽根城公園 というところに行ってみることにしました。今から思えばカーナビに載っていた日吉神社は、僕が思っていたのとはまた違ったタイプの日吉神社だったようですが、もういいっ!三重の塔なんか、別に見たくないっ! 曽根城というところにはその昔、稲葉一鉄クンが住んでいたようなので、本名が稲葉クンである僕としては、かえってよかったかも知れません。 この公園は平野井川の近くにあって、サイクリングロードなんかもあって、キバナコスモスが咲いていたりしたんですが、そう言えば、新しいマクロレンズを買って、初めて試し撮りをしたのもここでありましたな。…というのを思い出して、とりあえずお花の写真を1枚。 この魚眼レンズは最短撮影距離が 0.14mとなっていて、かなり寄れるところが楽しいっ♪ お花のアップと周囲の景色を両方写し込むことが出来るのが魚眼レンズの特徴なんですが、出来としては上から3枚目の芙蓉だかムクゲだかのお花のほうがいいですな。 ま、ぜんぜん魚眼っぽくなくて、面白くないとも言えるんですけど。

 公園にあった案内看板によると、どうやら近くに “春日神社” というのがあるらしいので、とりあえず歩いていってみることにしました。先ほど紹介した神戸町のホームページでも紹介されておりましたが、県指定重要文化財なんですか。県レベルの重要文化財では、あまり大して重要ではない文化の財やなな。…と踏んでいたら、やはり、あまり大した神社では無かったんですが、本殿と手前の建物とが渡り廊下のようなものでつながっているところは、なかなかだと思います。 本殿もよく見ると、彫刻の施され具合が微妙にプチ日光東照宮っぽかったりしているしー。 というのはこの写真からは窺い知ることが出来ませんが、本殿と渡り廊下と手前の建物の屋根を同時に写すことが出来るのは、魚眼レンズならではだねっ♪…という気がしたので、とりあえず掲載しておりました。 が、今回の収穫は何と言っても “銅像” でありましょう。 曽根城公園の芝生広場のようなところに建っていたんですが、これ、誰なんすかね? 貫一とお宮の蹴っていないバージョン? ま、貫一クンも年がら年中、お宮のことを蹴っていたわけではないと思うので、そういうバージョンがあっても別に不思議ではないんですが、調べてみたらぜんぜん違ってました。 “梁川星巌と妻・紅蘭の像” だそうです。そういう、ぜんぜん覚えられなくて、漢字の書き取りテストに出てきたら困るような人物の銅像を建てるな!…と思わずにはいられませんが、こうして下から見上げるような構図で撮ってやると、 “世界に羽ばたくグローバル星巌” という感じがして、なかなかいいですなー。 魚眼とは、銅像を撮るためのレンズやったんや!…ということを悟った1枚であります。


<ナガシマスパーランド編> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、次です。 ナガシマスパーランド をサバの目くんで眺めてみました。 魚眼レンズは銅像だけでなく、遊園地でも使えることが判明したんですが、コークスクリューのスクリュー具合など、まさに魚眼ならではの作品ですよね。 “大観覧車オーロラ” は下から眺めてみるのも悪くないんですが、ゴンドラの上から撮ってみると遊園地の全貌を把握することが出来て、とっても便利♪ あと、温泉の大広間のような大きな広間も180度の視野で全体を写し込むことが出来るんですが、中がさほど明るくはなかったせいでシャッタースピードが遅くなって、信じられないくらいに被写体ブレしてくれました。ブレ過ぎて亡霊みたいになってるところに躍動感が感じられ、秀逸です。


<秋桜&彼岸花編> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、最後はお花ー。 秋を代表する花として、秋桜(コスモス)と彼岸花を撮ってみました。 どちらも秋を代表する花なんですが、そのキャラはあまりにも対照的でありまして、メキシコ生まれで陽気なコスモスたんに対して、彼岸花はもう、陰鬱の極み。 花言葉は “悲しい思い出” とか “あきらめ” とか。 フィンガーファイブのアキラが声変わりしちゃったのは、諦め切れない悲しい思い出でありましたが、これほどまで 「恋のダイヤル6700」 が似合わない歌というのも珍しいですよね。 彼岸花観賞のBGMには、さだまさしの 「防人の詩」 なんかがいいと思います。 一方、コスモスに似合う歌と言えば、やはり山口百恵の 「秋桜」 ということになるんですが、ま、こちらも作詞作曲はさだまさしで、決して明るい歌とは言えないんですけど。 とまあそんなことで、撮影日の順序は逆になるんですが、とりあえずコスモスのほうから先に片付けておきましょう。 桑名のあたりでコスモスが綺麗なところというと、ナガシマリゾートの一員である なばなの里 とか、海津市の 木曽三川公園 とかがあるんですが、どちらこの季節に行ったことはありません。 僕がコスモスの撮影にいくのは、いつも 羽島のここ だったりするんですが、去年は 東員町のここ に行ってみたりもしたんですけど。 で、調べてみるとどうやら、四日市の隣の菰野町(こものちょう)というところにも咲いていることが判明したので、今年はそこに行ってみることにしました。

 羽島とか東員とか菰野のコスモス畑は休耕田を利用しているので、毎年、微妙に場所が変ったりするんですが、今年の菰野のコスモス畑は この辺り でした。既に記憶があやふやになりつつあるんですが、ま、誤差10キロ以内の範囲で、そう大きく間違ってはいないと思います。周囲に駐車場がなくて、路上駐車になっちゃうのと、妙に正義感が強くて、変なところに車を止めると小煩いオッサンがいるのが難点なんですが、コスモスはいっぱい咲いてるし、畑の中に自由に入っていける通路があるし、ちょっと珍しいイエローキャンパスのコーナーもあるし、お花畑の背景は鈴鹿の山並みだし、とってもよいところでありました。 帰り道、Uターンして国道に出ようかと迷いつつ、えーい、そのまま行ったれ!…と強行突入したところ、クソ狭い裏路地のようなところに迷い込んで、クルマを摺りそうになって、半泣きになっちゃいましたけどー。 ということで、続いては彼岸花。 これはもう、海津市の “津屋川堤防” で決まりでしょう。去年の様子は東員町のコスモスと同じ このページ にあるんですが、毎回、書いてあることがどうも似通っておりますな。 ま、同じ人が書いているのだから、仕方のないところではあるんですが、今回も同じようなことしか書けそうにもないので、詳しくは書きません。 お彼岸の中日ということもあってか、近所の中日ファンのオッサンとかも多数見受けられたんですが、カメラを持ってる人の数もかなり多いです。 が、ざっと見た感じ、魚眼レンズを使っている人はいなさそうだったので、僕だけのオリジナルな作品をモノにするチャンスかも知れませんな。 さ、頑張りましょう。

 ということで、とりあえず3点ほど掲載しておいたんですが、どれも彼岸花らしい陰鬱な仕上がりになって、何よりだと思います。 いちばん下の作品は、サバだっていつも横向きに泳いでいるわけではなく、たまには直立歩行とか、するよな?…と思って、カメラを縦に構えて見たんですが、よく考えたらこの手法はナガシマスパーランドの観覧車でも既に使ったことがあったんですけど。 魚眼レンズというのはまん丸なので、横にしようと縦にしようと、どちらも同じ “サバの目くん1号” であると思うんですが、縦にすると不思議と魚眼独特のデフォルメが消えちゃうような気がします。やはり魚眼というのはあまり、直立歩行して見ることは考えていないんですかね? とまあ、いろんな景色をサバの目になって眺めてみたんですが、だからと言って、サバの気持ちが分かるということは、まったく無かったのでありました。おしまい♪

 ということで、今日はアーマッド・ジャマルです。覗くのに、ああ窓、邪魔アル、中国人。…って、窓以外に一体どこから覗くのか、今ひとつよく分からんのですが、とりあえず一句詠んでおきました。 で、この人はアレです。その演奏スタイルがマイルス・デイビスに影響を与えたというので、わりとよく知られております。 が、そのわりに、あまり一般人には聴かれていないような気もするんですが、名盤ガイドの類でも代表作として 『バット・ノット・フォー・ミー』 が取り上げられるくらいで、あまり多くは語られておりません。 それはうちのサイトでも同じだったりするんですが、そんなことではいけない!…という気もするので、とりあえずもう1枚買ってみました。インパルス盤の 『ジ・アウェイクニング』 というアルバムです。何でもこれ、ヒップホップの世界ではサンプリングねたとして、けっこう有名だったりするそうなんですが、いいですよね、ヒップホップ。 ヒップでホップなところがいいと思うんですが、少なくともモップで湿布を掃除するよりはマシだと思います。床にぺたっと張り付いた湿布は、モップではなかなか取れなかったりしますからね。 とまあそんなことで、では早速、演奏を聴いてみることにしましょう。

  1曲目はアルバム・タイトル曲の 「ジ・アウェイクニング」 。 日本語にすると 「ザ・目覚め」 ということになろうかと思うんですが、いいですよね、目覚め。少なくとも、湯冷めよりはゾゾっとしなくていいと思うんですが、ジャマルのオリジナル作品。8ビート、ワルツ、4ビートとめまぐるしくリズムが変わり、複雑なメロディー・パターンをもつ。まさしくジャマルのスタイルが堪能できる曲だ。…と、日本語ライナーに菅原正晴クンが書いている通りの作品です。ジャズ・ロックっぽかったり、新主流派風だったり、リリカルだったり、前衛的だったりと、さまざまな表情を持っているんですが、いろいろ詰め込みすぎて、全体の印象としては、やや散漫な感じのするサンマー麺。…といったところでしょうか。個人的にはさほど好きではないんですよね、サンマー麺。 いや、一度も食べたことはないんですが、サンマの入ったラーメンなんて、考えただけでも美味しいとは思えませんもんね。 いや、もしかしたらサンマー麺というのはそういうモノではなにのかもしれませんが、 “ずちゃ、ちゃ〜ん、ちゃ〜ん♪” という繰り返しのパターンが随所に登場するので、そちらのほうに気を取られてしまって、肝心のジャマルのソロがあまり耳に入ってこないところがネックであります。よくよく聴くと、なかなか面白いことをやってるとは思うんですけど。

 ということで、次です。 「アイ・ラブ・ミュージック」 。 エミール・ボイドとハレ・スミスという人が書いた曲のようですが、ボイドというとどうしても、基礎を打つときにアンカー穴を抜くのに使う筒状の段ボールみたいなヤツが頭に浮かんできてしまいます。 いや、土建屋関連の仕事をしている人以外は、そんなものは浮かんでこないのかも知れませんが、ま、詳しいことは ジョイフル本田クン に聞いて下さいね。 あ、僕たちはいつも箱抜きにボイドを使っているんですが、中に生コンを流し込んで、円柱形の基礎を作るという使い方もあるんですな。 というのは別にどうでもいいとして、この 「アイ・ラブ・ミュージック」 というタイトルを見ると、冠二郎の 「炎」 が頭に浮かぶという人は少なくないかも知れません。 そっちが “アイ・ラブ・ミュージック” なら、日本人は “アイ、アイ、アイライク演歌” や!…みたいな。 で、これ、冒頭から 3分49秒に渡る無伴奏ソロ。必用以上にテーマを分解・リピートし、メロディーへの執着を感じさせる演奏だ。…てなことを菅原クンが書いておりますが、個人的にはそこのところが裏目に出て、今ひとつ面白みに欠ける仕上がりになっているように思われます。無伴奏ソロ、嫌いですからね、僕。 ベースとドラムスが入ってアドリブっぽくなってくる以降の演奏は、ま、なかなかだと思うんですけど。

 と、ここまで正直、僕はこのアルバムにあまりいい印象を持てずにいたんですが、でも大丈夫。ここから盛り返します。 手始めはまず、 「パターンズ」 。 ジャマルのオリジナルなんですが、ジャズ・ロック調のリズムに、ネッサーの強力なベースラインと、ジャマルの右手から繰り出されるのパターンが心地よい。…と、日本語ライナーにもあるんですが、日本語、ちょっとおかしくないですかね? “繰り出されるの” の “の” は不要のようにも思えるんですが、確かにここでのネッサーのベースラインは疾走感があって、めっちゃカッコいいです。伊達にネッサーパンダをやってるワケじゃねーな。…と思わずにはいられませんが、ジャマルのソロもいかにもヒップホップ受けしそうで、めっちゃいいです。 ファンキーというよりファンクという言葉のほうがしっくりくる、本格漆喰(しっくい) うま〜くヌレール のような1曲なのでありました。 …って、ぜんぜん関係ない壁材のリンクを貼ってしまいましたが、続いて4曲目。 「ドルフィン・ダンス」 。 言わずとしれたハービー・ハンコックの代表曲なんですが、いや、あの曲がこんなふうに仕上がるとは、思いもよりませんでした。 冒頭、何の曲だか分からないくらいに崩して始まって、やがてあのお馴染みのメロディーが登場することになるんですが、憎いばかりの演出であると言わざるを得ません。フランク・ガントのブラッシュ・ワークも秀逸です。一度そうと決めると、頑として首を縦に振らない頑固者として知られるガントなんですが、意外とフランクな一面もあったりして、ま、いいんじゃないでしょうか。 ジャマルのソロも彼のリリカルな一面を感じ取ることが出来て、悪くないと思います。

 続いては歌物ナンバーの 「ユー・アー・マイ・エブリシング」 。 「君は僕のすべて」 ですか。 “すべて” でボケるとしたら “酢豚” くらいしか思い付かないので、ここは軽くスルーすることにしますが、随所に顔を出すテーマ部分のキーがブロックコードでホリゾンタルに上がっていくところが妙にカッコいい。…と、菅原クンが褒めておりますな。バラードではなく、ミディアム・ファーストに近いテンポ設定なんですが、この人、テーマの提示→アドリブ→テーマの再現…といった常套的なパターンは絶対にやらない主義の持ち主のようですね。 随所に主旋律を散りばめつつ、うやむやのうちに何となくソロを進めていくのが得意であるようですが、見た目はかなりソウルっぽいのに、紡ぎ出される音は意外と知的だったりします。マイルスが惚れ込んだのも何となく分かる気がしないでもありません。 ということで、次。 「ストールン・モーメント」 。 これはアレです。オリバー・ネルソンの傑作 『ブルースの真実』 の冒頭を飾ったナンバーです。 ブルースの真実と言っておきながら、ちっとも泥臭くない作風だったりするんですが、そこのところが都会派のギャルには受けるかも知れません。僕も桑名生まれ桑名育ちの生粋の都会人なので、こういう曲調は大好きなんですが、ドロドロのブルースはイモ臭くて駄目なんですよね。 ここでのジャマルはわりとオーソドックスにテーマを演奏しているんですが、その分、アドリブ・パートはちょっぴり前衛風。 が、決して難解というわけではなく、何回か聴いているうちにジワっとその良さが滲み出てくるヨッさん。…といったところでしょうか。吉田というオッサンは大抵、ヨッさんと呼ばれることになるんですが、阪神OBの吉田義男もヨッさんですよね。 ま、吉田も義男もヨッさんだから、それ以外には呼びようがないんですが、イカの場合はヨッさんではなくて、よっちゃんイカなんですけど。ちなみに、よっちゃん食品工業株式会社の元社長の名前は金井芳雄なんですが、子供の頃の呼び名がよっちゃんだったそうです。吉田で無ければオッサンでもないので、ヨッさんでなくても、ま、やむを得ないのではなかろうかと。

 ということで、ラストです。 アルバムの最後を飾るのはアントニオ・カルロス・ジョビンの 「ウェイブ」 。 日本ではもっぱら 「波」 という名前で知られております。当然、原曲はボサノヴァなんですが、ジャマルくんはまったく違ったムードの曲に仕立てております。かなりの曲者ですな。一筋縄ではいかない長縄所長代理。…とも言えるんですが、ナガナワ時計店では 勝コボ君 が 8,500円で売られているようです。勝川大弘法商店街のマスコットキャラらしいですけどね、勝コボ君。 “ひこにゃん” にあやかろうと、各地いろいろ必死のようなんですが、岐阜の柳ヶ瀬商店街の “やなな” と同レベルですな、こりゃ。 実写版だと首から下は普通にギャルだったりするので、ソソられるという点では “やなな” のほうが遥かに上なんですけど。 ちなみに桑名にもちゃんとイメージキャラはいます。 はまぐり娘 というのがソレです。 気持ちは分からんでもないんですが、そのネーミングはちょっとどうか?…という気もしますよね。 それが災いしたのかどうか分かりませんが、この “はまぐり娘” は今ひとつ浸透していないのが実情でありまして、危機感を抱いた桑名商工会議所では今年の10月10日まで “はまぐりのまち桑名 キャラクター大募集” という企画をやっていた模様です。 “さば新聞出張版” の人も応募したようですが、結果はどうだったんですかね? こんなキャラ みたいなんですけど。 …などと、余計なことを書いているうちに演奏のほうは終わってしまったので、今日のところは以上です。

【総合評価】

 テーマを分解した上で再構築する換骨奪胎の人、ジャマルの面目躍如といった作品でありますが、この人、いつもこういう作風なんですかね? 個人的に最初の2曲はあまり趣味ではなかったんですが、 「パターンズ」 でハマグリました。 いや、ハマりました。 後半4曲はお馴染みのナンバーが続くんですが、決して素直には弾かないその一途な姿勢は、個性のひとつとして前向きに評価していいと思います。これからはあまり邪魔にせず、ジャマルもたまには聴いてみよう。 そういう気分にさせてくれる1枚なのでありました。


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