BIRD SONG (CONTEMPORARY)

HAMPTON HAWES (1956/1/18,1958/3)

BIRD SONG


【パーソネル】

HAMPTON HAWES (p) PAUL CHAMBERS (b) <#1-7,9,11> LARANCE MARABLE (ds) <#1-7,9,11>
SCOTT LaFARO (b) <#8,10,12> FRANK BUTLER (ds) <#8,10,12>
【収録曲】

(01-03) BIG FOOT / RAY'S IDEA / STELLA BY STARLIGHT
(04-06) BLUES FOR JACQUE / I SHOULD CARE / BIRD SONG
(07-09) YESTERDAYS / WHAT'S NEW / JUST ONE OF THOSE THINGS
(10-12) I REMEMBER APRIL / CHERYL / BLUE 'N' BOOGIE

【解説】 (2008年10月12日更新)

 みんな、スタンリー鍛錬隊の活動、頑張ってるかな? 僕はですね、脱退しました。面倒だしぃ。…というのが主な理由なんですが、この度、思うところあって、再び隊に戻ろうかと思っております。このところ、不二家のルックチョコレートの食い過ぎで、かなりカロリー摂取が過多になってますからなぁ。ルックのア・ラ・モード12粒入りの熱量は261kcalとなっておりまして、これは豚の肩ロース(脂付)100gの熱量256kcalよりも多くなっております。肩ロースよりもカロリー過多。これはいけません。先生、僕、明日から豚肉は豚足(100gあたり230kcal)にするよ!…って、そんなことより、ルックチョコを食べるのをやめるほうが先決である気もするんですが、そう簡単にルック絶ちするわけにもいきません。 中川翔子オリジナルデザイントートバッグぷれぜんと♪ に応募しなければなりませんからね。2ポイント集めるにはア・ラ・モードを2箱食べなければならず、となると摂取カロリーは522kcalということになりますか。何とかこの余剰な熱量を楽に消費する手立てはないものでしょうか? …と思っていたら、先日 『探偵!ナイトスクープ』 で “驚異の1円玉ダイエット!?” というネタをやっておりました。

  大阪府の男性(42)から。私の体重は134キロ。メタボが気になり、最近はおいしいものを心置きなく食べることができない。そんなとき、何かの本で友人が見たという説を思い出した。それは“人間が1円玉を拾うときに消費するカロリーは、その1円玉で買える食べ物のカロリーよりも多い”というもの。この説が正しければ、どんな高カロリーのものを食べても、その食べ物の値段分の1円玉を拾うだけで済む。わずらわしいカロリー計算の必要が無く、夢のようなダイエット法だと思うので、この説が正しいことを一緒に証明して欲しい、というもの。

 というのが依頼の内容なんですが、なるほど、これは素晴らしいアイデアですな。もしかすると “朝バナナダイエット” を超える大ブームになるかも?…という期待も膨らむところでありますが、朝バナナなんて、熱川バナナワニ園の陰謀としか思えませんからね。食べ物で摂取カロリーを減らすより、運動で消費カロリーを増やすほうがカラダにはよさそうだし、ルックチョコを食べた上にバナナなんか食べたら、口の中がかなり甘ったるくなっちゃいそうですしね。ルックのア・ラ・モードは2008年秋の時点でパインアップル、ストロベリー、ナッツ、バナナという4つの味が楽しめるようになっているんですが、血液型がA型で律儀な性格の僕は、常に右から順番に1個ずつ食べることにしているので、最後のバナナ味の後で本物のバナナを食べるというのは、味が被ってしまって、その点でも好ましくありません。ここはやはり朝からバナナを食うより、1円玉を拾うほうが得策でありましょう。 ナイトスクープでは560円のカツ丼を食べた後で、1円玉を560個拾うという運動をやっておりましたが、体重134キロの依頼者はカツ丼を2杯食べて、1円玉を倍の1120個拾ってましたけどー。 1円玉を拾うだけなんて、めっちゃ楽やん♪…と、ナメてかかっていたら、これがなかなか大変な運動量であるということが次第に分かってくるんですが、ま、楽して、バナナだけ食って痩せようとか、そういう甘い考えが世の中で通用しないのは間違いのないところなので、依頼者の、めっちゃ汗ダラダラやん!…といった姿を見ていると、このダイエット法はかなりの効果が期待出来そうだと言えそうです。 ということで、僕も早速、試してみることにしました。

 ルックのア・ラ・モードは参考小売価格120円。これを2箱食ってしまった場合、1円玉を240個拾えばいいという計算になります。カツ丼2杯に比べれば楽勝ですな、こりゃ。 ただ、僕が思うに、1円玉を拾うという行為はちょっとセコ過ぎるような気もします。頑張って30枚拾ってみたところで30円。これではセコイヤチョコレートしか買えなくて、ちょっとセコいや。…という気分になってしまいます。 “1円玉を笑う者は1円玉に泣く” という諺が日本にあるのは知っておりますが、ここはひとつリッチな気分で100円玉を拾うという方針でいってみたいと思います。硬貨を拾うという行為で消費されるカロリーは1円玉も100円玉も同じ、というか、100円玉のほうが重い分だけ効率がよくなりそうですしね。問題は100円玉が240個も集まるかということなんですが、それは1円玉でも同じことが言えるわけで、試しに机の引き出しを漁ってみたところ、何とか100円玉を50個確保することは出来ました。僕は財布の小銭入れ部分がパコパコになってくると、その都度、中身を机の引き出しの中に移動しているんですが、いつの間にやら結構溜め込んだものでありますな。この50個の100円玉を1セットとして、全部拾ったら、またぶちまける。…という行為を何度か繰り返せばいいわけですが、とりあえずルック2箱240円をクリアする意味で、6セットで300枚というのを目標にしますかね? つまりこれは “3万円ダイエット” ということになるんですが、ネーミング的にもちょっとリッチな雰囲気が感じられるようになりました。

3万円ダイエット用具 キティちゃんトレイ詳細

 以上が “3万円ダイエット” に必要な用具であります。100円玉50枚と、それを入れる籠。更にはセット数をカウントする為に50円玉を6個用意しました。1セットが終了した時点で、50円玉1個をちょっと右か左に移動させるなり何なりすればいいわけですよね。 が、僕は血液型がA型です。性格が律儀です。50円玉をちょっと右か左に移動させるとか、そんなアバウトな方式を許せる筈もなくて、ここはやはり50円玉をきっちり収納出来る容器のようなものを用意したいところです。何かいいものはないか?…と思って、コタツ板の上を眺め回したところ、ちょうどいいものを発見しました。グリコのおまけに付いてきたキティちゃんのプチトレイ♪ これ欲しい!めっちゃ欲しい!…と思ってオマケ付きのコロンを買ったところ、想像以上にプチ過ぎて、ちっちゃ!めっちゃ、ちっちゃ! まったく使い道がないので、ずっとコタツ板の上に放置していたんですが、マニアの間ではわりと評判がいいみたいで、ヤフオクとかにも出品されております。 で、大抵、50円で落札されています。最低入札価格を100円に設定してしまうと誰からも相手にされなくて、概ね、このプチトレイの相場は50円であるようなんですが、僕がもっているのはハート型をしておりまして、これがまた50円玉を3枚乗せるのにぴったりのサイズなんですよね。2段に積めばちょうど6枚分。実に何もかもキッチリしていて、破綻がなくて、素晴らしいではありませんかぁ♪ 細かい性格だと思われるかも知れませんが、人間、こういう細かいところにまで気を遣わないと駄目だと思うんですよね。とまあ、これで “3万円ダイエット” の準備は万端。こんなん “3万円ダイエット” とちゃうやん!正確に言うと “30,300円ダイエット” やん!…とか、そういう細かいことを言う人がいるかも知れませんが、そんな細かいことばかり気にしていると、人間、大きくなれません。もっとグローバルな視点を持って生きていくことが大切だと思わずにはいられません。

 とまあそんなことで、100円玉拾い、開始っ♪ 実際にやってみると分かるんですが、これは思った以上に、結構キマす。特に腰にキマす。脚にもキマす。戸塚ヨットスクールでも採用されていたスクワット、あれの緩やかなバージョンくらいの体力は使います。これはなかなか侮れませんなぁ。。。3セットで足腰がかなりガクガクして、思わず布団の上に寝転がりたくなっちゃいます。布団の上に寝転がったついでに5分間の腹筋運動をすると、ちょうどいい感じになるんですが、これを2回繰り返してやれば3万円+腹筋10分ということになりますな。 前回の研究 の結果、僕の体重の場合、腹筋運動10分間で107kcalが消費されることが判明しているんですが、100円玉拾い300回のほうはどうなんですかね?少なくとも “1円玉ダイエット” の理論からすると、最低でも300kcalは消費していることになるんですが、ちなみに標準的なカツ丼1杯のカロリーは893kcalなんだそうです。 “ヤクザなカツ丼” と覚えておくといいと思いますが、2杯食べるとヤクザの倍で、1786kcal。 “イナバーム” ですな。 “イナバーム” というのがいったい何なのかというと、稲葉クンとタイガーバー無を足して2で割ったようなものだと思うんですけど。 一方、ナイトスクープの依頼者が1120個もの1円玉を拾って消費されたカロリーはというと、1456kcal…って、駄目ぢゃん! しかもこれは体重134キロの依頼者が運動した場合の数字でありまして、標準的な体形である探偵の北野誠の場合、1円玉を560枚拾っても162kcalしか消費しなかったそうで。益々もって、ぜんぜん駄目じゃん! このオチの部分を適当に聞き流してこの運動を実践してしまった僕は、まったくもってアホみたいなものでしたが、300枚だとたったの87kcalですかぁ。無駄ぢゃん!! どうやらこのダイエット法は太っている人ほど効果が高いようなので、運動を始める前にとりあえず体重を増やすところから始めなければならないようですね。 僕、今日から頑張ってルックチョコをたくさん食べる〜!朝からバナナだって食べる〜!カツ丼も食べる〜! ちなみに、ちょっと太めのバナナ1本の熱量は106kcalなんだそうです。バナナ1本食べる替わりに10分の腹筋をやめれば、その分だけ体重を増やすことが出来る計算になりますな。 僕、今日から鍛錬隊の活動をやめるよ!

 とまあそんなことで、再び隊に戻るという話は最初からなかった事にしようと思います。おしまい♪

 ということで、今日はハンプトン・ホーズです。通称ウマさん。いいですよね、ウマ。 ウマとクマとではどっちがいいかというと、玉乗りやブランコ乗りならクマ、競馬やマル秘ショーならウマと、それぞれ得意な分野が違うので、一概には何とも言えません。刺身にするならウマ、胆嚢を薬にするならクマと、人間の役に立つジャンルも違ってますしね。進駐軍として日本に駐留していた経験があることから、特に日本ではミュージシャンの間で評価が高かったりするんですが、 『ザ・トリオVol.3』 なんかは洒落たワニのジャケットのおかげもあって、一般人の間でも人気が高いです。朝バナナの人気と相俟って、これでしばらく熱川のバナナワニ園は大丈夫でしょう。バナナの次は、とろろ昆布?…という話もあって、バナナの地位も決して安泰とは言えないんですが、とまあそんなことで、今日は 『バード・ソング』 というアルバムを紹介したいと思います。ホーズのリーダー作としてはかなりマイナーな部類なんですが、それもその筈、吹き込まれてから40数年もの間、日の目を見ることなく倉庫の隅でひっそりと眠っていた、いわゆる“オクラ入り”の1枚ということになるようです。となると期待度のほうはグッと低下してしまうことになるんですが、未発表作には発表されるに至らなかっただけの何かしらの理由があるに違いなくて、例えば、出しても売れないとか、出すだけ無駄とか、そういう切実な事情を抱えていることも考えられます。あるいは、単なる寄せ集めだったりとか。 ただこのアルバムの場合、1956年1月18日と1958年3月という、2つのセッションが収められているだけなので、統一性という点ではさほど問題が無さそうな気もします。 前者がポール・チェンバースラレンス・マラブル、後者がスコット・ラファロフランク・バトラーと、サイドマンにも一流処が揃えられているしー。 ジャケットのセンスがカラスの落書きみたいで、ちょっと今ひとつだったりするんですが、模写をする分には楽そうだし、とまあそんなことで、では演奏に耳を傾けてみることにしましょうか。

 まず1曲目はチャーリー・パーカーの 「ビッグ・フット」 。アルバムのタイトルからして、パーカーゆかりのナンバーがたくさん取り上げられていそうな予感がしたんですが、はやりそう来ましたか。ビッグフットというと 『ムー』 の読者なら、ロッキー山脈の一帯で目撃されるUMA(未確認動物)を連想するのではないかと思うんですが、ウマさん、UMA(ウーマ)を語る。…みたいな。 あ、UMAは “ウーマ” ではなく、 “ユーマ” と発音するんですか。ウーマでは、ウマと間違えられやすいですからね。未確認動物、いわゆるウーマを発見!…とか言われても、ウマなんてそこらじゅうで確認されてるやん。…とか思われるだけで。 で、この曲はアレです。ブルースです。というか、バップ・チューンですかね? ま、いずれにしろ、ホーズと言えば世間一般ではブルースの名手と言われているわけなんですが、その名に恥じないブルージーなプレイが展開されております。ブルージーと言ってもこの人の場合、爽やかな感じのする乾いたタッチが持ち味だったりするんですが、ビールのつまみでいうと乾き物系ですよね。 “イカくん” とか “のしイカ” とかは、ちょっとジメっとしているので違います。ピーナッツとかアーモンドっぽいスタイルであると言えましょう。 ぶっちゃけ、アドリブに入ると『ザ・トリオVol.1』 の 「ハンプス・ブルース」 と、どこが違うの?…と言いたくなるような、ある腫、お決まりのパターンだったりするんですが、マンネリなのと、その人の個性とは、ほとんど紙一重だったりしますからね。一聴してホーズと分かる演奏は、この時の彼がとっても快調だったことを物語っております。機嫌よくホーズ節を快調に御開帳。…みたいな。 とまあそんなことで、途中、チェンバースのピチカート・ソロを挟んで、テーマに戻って、おしまい。

 2曲目、 「レイズ・アイデア」 。レイズの岩村くんは頑張っておりますが、ここでいうレイズというのはベーシストのレイ・ブラウンのことでありましょう。レイくんが自らのアイデアを曲にして、ガレスピー楽団に提供したバップ曲なんですが、適度にメロディアスで、なかなかの佳曲だと思います。ホーズのプレイも快調そのもの。途中で聴かれるチェンバースのソロもなかなかのものだったりします。 僕がこの人の事を褒めるというのはめったに無いことなんですが、コンテンポラリーというレーベルはベースの音を録るのがうまいのか、実に骨太ないいサウンドだったりするんですよね。何より、チェンバースがお得意のアルコを出さないところが一番の勝因ではあるんですけど。とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 続いて3曲目。 「ステラ・バイ・スターライト」 。  『ザ・トリオ』 3部作のうち、第2集で取り上げられていた作品です。日本では 「星影のステラ」 という邦題でよく知られております。通称 「星テラ」 って、この四字熟語はあまり知られてないような気もするんですが、僕が勝手にそう呼んでいるだけですからね。 ブルースの名手であるホーズは、同時にバラードがちょっと弱いことでも知られているんですが、その弱点を自分でもよく認識しているのか、出だしの部分はちょっぴりバド・パウエルを彷彿させるようなバラードで弾いておいて、途中からスインギーなミディアム・テンポに転じる。…というパターンが多くなります。ここでの 「星テラ」 がまさしくソレでありまして、ま、気分的には 『ザ・トリオVol.2』 の別テイクといった感じですな。

 4曲目、 「ブルース・フォー・ジャック」 。これまた『ザ・トリオ』 3部作のうち、第2集で取り上げられていたホーズのオリジナル・ブルースなんですが、いかにもこの人らしい歯切れのいいプレイを堪能することが出来ます。果物に例えると、梨ですかね? 黒人系のブルースはどうしてもバナナのようなねっとり系の歯ざわりになってしまいがちなんですが、この人の場合は、梨。 洋梨ではなく、清く正しい日本古来の梨の味がします。タルトとか、チェリオの梨洋(なしひろし)とかにするんだったら洋梨のほうがいいんですが、ナマでそのままカジるのなら、やっぱり日本の梨が一番♪ ホーズの場合もヘンに加工するのでなく、シンプルにトリオ演奏で楽しむのが一番ですよね。ただ、気分的には 『ザ・トリオVol.2』 の別テイクなんですけど。 もしかしたら本当にこれ、単なる別テイク集なんじゃないか?…という気もするんですが、調べてみたら違ってました。あちらはベースがレッド・ミッチェルだったりしてますもんね。録音年はほぼ同じくらいなんですけど。 ということで、次です。 5曲目。 「アイ・シュッド・ケア」 。 ジャズ俳句の個人的な最高傑作は、この曲名を読み込んだ 「哀愁に 満ちた土建屋 哀愁土建屋」 という一句だと思っているんですが、この曲は 『ザ・トリオ』 の3部作では取り上げられておりませんでしたな。 で、どんな仕上がりになっているかと思ったら、最初から最後までバラードだったりして、かなり眠かったです。やっぱりこの人にはある程度のスピードが無いと駄目ですな。

 ということで6曲目。アルバム・タイトル曲の 「バード・ソング」 。 アルバム・タイトル曲なんですが、どうしてこんなの、アルバムのタイトルにしたんや?…と思ってしまうほど、インパクトの薄い仕上がりだったりして、どうやらこれ、サド・ジョーンズのオリジナルらしいいんですけどね。 タイプとしてはバップ曲なので、そういうところが 「バード・ソング」 なんだと思うんですが、バードと言えばジャズの世界では鳥そのものではなくて、チャーリー・パーカーの渾名として認識するのが正解ということになります。 ま、ほとんど 「ビッグ・フット」 と同じやな。…と思っておけばいいでしょう。 ということで、次。 「イエスタデイズ」 。 「イエスタデイ」 と言えばジャズの世界ではビートルズではなくて、ジェローム・カーンの曲として認識するのが正解ということになります。 ま、たまにビートルズのほうを演る人もいたりするんですが、最後に複数形の “〜S” が付いているのがジェローム・カーンです。これまた 『ザ・トリオVol.2』 に収録されていたナンバーですな。あるいはホーズくん、 『ザ・トリオ』 の第2集の出来には不満を持っていて、メンバーを変えて同じ曲に再チャレンジしてみたものの、プロデューサーがボツにしたと。そういう経緯なのかも知れません。こんな似たような雰囲気のアルバムを出してみたところで、売れる筈がありませんもんね。 で、僕の耳にはベーシストとドラマーを換えたことによって演奏にどのような変化が生じたのか、まったくよく分からなかったりします。厳密に2つの作品を聞き比べてみたわけではないんですが、普通に別テイクのように思えてしまいますなぁ。。。

 ということで、8曲目。 「ホワッツ・ニュー」 。 前曲同様、日本人好みのスタンダードが続きます。前曲は出だしがバラードで、途中から一転してスインギー♪…というパターン。今度もまた同じかと思ったら、最初から普通にミディアム・テンポだったりしたんですが、この曲をこんな中途半端なテンポで料理するというのは、ある意味では斬新なアイデアであると言えるかも知れません。出来そのものは、ちょっと中途半端だったりするんですけど。途中に聴かれるチェンバースのピチカート・ソロもそろそろ飽きてきたし、ということで、次です。  「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス」 。馬鹿っ速いテンポで料理するというのが定番なんですが、ここでは出だしがバラードで、途中から一転してスインギー♪…というパターンが採用されております。ここでもまた、ちょっぴり意表を衝かれましたな。 ま、ギアチェンジしてからはかなり馬鹿っ速いテンポで飛ばしているので、この曲らしさが十分に発揮はされているんですけど。 で、曲解説のほうも終盤に入って駆け足になって来ましたが、10曲目は 「アイル・リメンバー・エイプリル」 。日本名 「四月の思い出」 でありますな。四月の思い出と言えば “四月馬鹿” とか、それくらいのことしか思い出せないんですが、スザンヌは4月もバカだったな。…みたいな。 ま、女の子はちょっとバカなくらいのほうが可愛い♪…という意見は根強いし、頭がよくて性格が悪いよりは、ちょっとバカでも性格がいいほうがいいような気もするし、スザンヌもアレはアレで、根はけっこう賢いらしいとも言われているしー。 知っているのに〜、わざと間違える〜♪ …という “松本ちえこ方式” は今の時代にも有効なんですな。 うちのサイトではちょっと名前が出て来過ぎるような気もするんですけど、松本ちえこ。先週から連発だし。 とまあそんなことで 「四月の思い出」 。 これはラテンのリズムで料理するというのがジャズの世界では暗黙の了解となっているんですが、あ、そういえばこの曲ではベースがスコット・ラ・ファロになっているんですな。今から思えば 「ホワッツ・ニュー」 もそうだったんですが、ぜんぜん気付きませんでした。 いずれにしろ、チェンバースがアルコに走ったりする場面がなくて、本当によかったな。…と思っていたら、ここに来てラ・ファロが弓弾きかいっ! ラ・ファロのアルコ・ソロというのはほとんど聴いた記憶がなかったりするんですが、余計なことをしてくれましたなぁ。。。 とまあそんなことで、ピアノとドラムスの4バースがあって、テーマに戻って、おしまい。

 11曲目、また56年のセッションに戻って、 「チェリル」 。パーカー作のバップ・チューンです。アドリブの部分はほとんど 「ビッグ・フット」 と同一であると思っておいていいでしょう。僕の心の中では 「ハンプス・ブルース(その1)」 「同(その2)」 「同(その3)」 といった感じになってます。 ということで、ラストです。 「ブルーン・ブギ」 。 世の中にプルーン好きの人がどれくらいの数いるのかは分かりませんが、プルーンって生でも食えるものだったんですな。僕はまだ体験したことが無いんですが、プルーン狩りなどというレジャーもあるらしいです。 ま、別にわざわざ狩りにいかなくても、西友とかに10粒くらい入ったのが398円くらいで売られているみたいですけど。何でも、食感はやや粗めで、葡萄とみかんの融合のような感じなんだそうですが、とまあそんなプルーン好きの話はどうでもよくて、「ブルーン・ブギ」。 ディジー・ガレスピーの書いた調子のいいナンバーでありますな。お調子者ですからね、ガレスピー。 いかにもホーズらしい弾けっぷりが爽快でありまして、調子いいですな、こりゃ。 ラ・ファロのウォーキング・ソロや、ホーズとフランク・バトラーとの絡みも聴けたりして、なかなかお得感があったりするんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 CDにはこの後 「ブルース・フォー・ジャック」 の別テイクが入っていたりするんですが、本テイクと一体どこが違うのか、今ひとつよく分からないのでこのオマケは無かったことにして、ということで、今日は以上です。

【総合評価】

 ブートレグではなく、コンテンポラリーの正規録音盤なので音質には問題なし。 というか、かなり良好だったりするんですが、内容的にはどこかで聴いたことがあるような選曲&演奏ばかりで、やはりオクラ入りにはそれなりの理由があるのだなぁ。…ということを実感しました。悪くは無いんだけど、新鮮味が無いというか。でもまあ、悪くはないので、ホーズ好きの人なら、それなりに楽しめるのではないかという気もするんですけど。マニア向けですな、こりゃ。


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