AT THE HICKORY HOUSE VOL.1 (BLUE NOTE)

JUTTA HIPP (1956/4/5)

AT THE HICKORY HOUSE VOL.1


【パーソネル】

JUTTA HIPP (p) PETER IND (b) ED THIGPEN (ds)
【収録曲】

(01-03) TAKE ME IN YOUR ARMS / DEAR OLD STOCKHOLM / BILLIE'S BOUNCE
(04-06) I'LL REMEMBER APRIL / LADY BIRD / MAD ABOUT THE BOY
(07-08) AIN'T MISBEHAVIN' / THESE FOOLISH THINGS
(09-10) JEEPERS CREEPERS / THE MOON WAS YELLOW

【解説】 (2008年10月19日更新)

 僕は今、健康診断個人報告書を目の前にして、愕然としております。まさかこんな事になっているとは、思ってもみませんでした。目の前が真っ暗になって、深い闇に迷い込んだような気分でありますが、事実は事実として受け止めなければなりません。毎年、ちょっとずつ身長が縮んでるやんっ! 報告書にはここ3年間の身長と体重などのデータが記載されているんですが、2006年には167.5cmだった身長が2007年は167.0cmになって、今年は一気に166.0cmまで縮んでるやんっ! 僕は今まで人から身長を聞かれた場合、170cmっ!…というのはさすがにサバの読み過ぎで心が痛むので、 「だいたい168cm…くらい。」  と、最後のところはちょっと声のトーンを落として申告することにしていたんですが、もはや、それも憚られてしまうほど事態は深刻になってきております。せめて四捨五入すれば170cmになる165.5cmなら少しは格好もつくんですが、まさか一気に1センチも縮んでしまうとは。。。 そういえば身長を測るとき、係のおねえさんに 「つま先をこっちに向けて立って下さい。」 と言われて、こっちというのがどっちなのかよく分からなくて、つま先をあっちに向けて立ったところ、「そうじゃなくってぇ。」 と言われて、たいへん恥ずかしい思いをしたんですが、アレがよくなかったのかも知れません。恥ずかしさのあまりちょっと項垂れてしまったんですが、それが原因で0.5cmほど低めに計測されちゃったのかも知れません。今後、身長を測るときには慎重に直立姿勢をキープしないと駄目ですな。あるいはシークレット靴下を新調するとか。 いや、健康診断の時には靴下を脱がされちゃうから駄目ですか。靴を脱ぐと身長が7センチほど低くなってしまうシークレットブーツの弱点を克服すべく開発されたシークレット靴下なんですが、こういう時には無力ですな。 健康診断と言ってもパンツまで脱がされることはないので、実物よりもモッコリ見せることが出来るシークレットパンツの着用は有効なんですが、そんなの穿いてみたところで、余計に虚しくなるだけのような気もするんですけど。

 一方、体重のほうかというと、こちらは一進一退でありますな。2006年は65.7kg と、僕にしてはかなり痩せ気味だったんですが、去年は68.0kg と、ちょっぴり太ってしまいました。 が、今年は66.5kg と、やや減少♪ たゆまない鍛錬隊の活動が実を結びましたかね? が、肥満度という数値は去年の 110.7 が 109.7 になっただけで、あまり変わりませんな。体重が微減した分、身長のほうも縮んでしまいましたからね。 この肥満度という数値は恐らく、実際の体重を標準体重で割った数字なんだと思うんですが、身長166.0cm の場合の標準体重は 60.6kg ということで、66.5÷60.6=109.7 ということになるんだと思います。肥満度の基準値は 70.0〜115.0% ということらしいので、ぜんぜん余裕ぢゃん♪ こんな標準体重では 3万円ダイエット をやっても、ほとんど効果は無さそうですよね。3日でやめて大正解でした。 で、今ひとつよく分からないのが体脂肪率の推移でありまして、3年前から順に 24.4%、20.5%、23.4%となっております。体重が多い時のほうが体脂肪率は低いんですよね。何となく、太る=脂肪が増える…という印象があるんですが、違うんですかね? 体脂肪率の標準値は 70.0〜25.0%なんだそうですが、体重が僕にしては少なかった3年前は体脂肪率が 24.4%もあって、ちょっとヤバかったです。 何だか今ひとつよく分からんのですが、今年から新たに測定項目に “腹囲” というのが追加されておりました。いわゆる “腹回り” ですな。体重や体脂肪率もさることながら、見た目的にはこの数値が肥満度にダイレクトに影響するような気がするんですが、僕の数値は85センチでありました。ギャルの乳の大きさとしては、手頃? いや、僕はどちらかというと貧乳フェチなので、もう少し小さくても大丈夫なんですが、おっさんの腹回りの数字としてどうかというと、ま、手頃なところですかね? どうして今年から腹囲が測定項目に追加されたのかと言うと、おそらくメタボ対策ではないかと思うんですが、2008年4月から始まる特定健診制度では、メタボリックシンドロームの概念を応用して糖尿病対策を行う事を目指し、40歳から74歳までの中高年保険加入者を対象に健康保険者に特定健診の実施を義務化うんぬん…ということのようですね。そうですかぁ。僕もついに中高年保険加入者になっちまったんですなぁ。。。 ちなみに日本肥満学会の診断基準では

・腹囲男性85cm、女性90cm以上が必須。かつ

  血圧130/85mmHg以上。
  中性脂肪150mg/dL以上またはHDLc40mg/dL未満。
  血糖110mg/dL以上。

 の3項目中2項目以上。

 ということになっていて、腹回りが85センチだった僕はギリギリながら必須ということになってしまいます。これで残る3問のうち66点以上をクリアすれば、見事、メタボ試験に合格だねっ♪…ということになるんですが、果たしてどうなんでしょうか? まず最初に血圧。 現場労働者は初めての現場に入場する際、新規入場者教育と言って、プライベートな個人情報を紙に書かされることが多いんですが、血圧を書く欄にはいつも適当に “80〜120” という数値を書くことにしております。 現場労働者を18年ほどやっているうちに、どうやらそれくらいの数値が妥当らしいというのを学習したんですが、今年の健診の時は、えらく最低血圧が低かったのを覚えております。確か70を切るくらいの数字しか出なくて、測ってくれた係のおねえさんに何か申し訳ないような気がしました。ゴメンな!次はもうちょっと頑張るから!…と、心の中で誓って2回目のトライアルに望んだんですが、今度は更に記録が落ちてしまって、何とも不甲斐ない限り。。。 今、結果を見たら1回目が 114/69 、2回目は 118/60 となっておりまして、最高血圧はちょっぴり上がったものの、最低血圧は大幅ダウン。血圧が 60ではちゃんと脳ミソまで酸素が届いているのか甚だ疑問でありまして、そういえば最近、ちょっとずつアホになって来ているような気もします。 ということで、メタボ試験の1問目を落として、いよいよ後が無くなりました。 次、中性脂肪。酸性でもアルカリ性でもない中性な脂肪というのは、何となくカラダには優しいイメージがあるんですが、駄目なんすかね? で、僕の数字はというと 147mg/dL となっておりまして、惜しい! わずか 3mg の差で、2問目もアウトですかぁ。 こうなったらもう、敗者復活の HDLc40mg/dL未満という基準に賭けるしかありませんが、こちらのほうは 41mg/dLですか。わずか 1mg差で惜敗。 この時点で僕はメタボにはなれないことが判明したんですが、最後の血糖値もたったの 102mg/dL しかなくて、これはもはや、惜しくもないですな。尿酸値の高さなら自信があるんですが、血糖値はちょっと。。。

 で、その自信のある尿酸値なんですが、3年前から順に 8.0→7.3→6.9 と低下して、ついに 3.8〜7.0mg/dL という基準の範囲内に収まってしまいました。ああん!痛風持ちというのが僕の唯一のウリだったのにぃ。。。 その代わりと言ってはなんですが、コレステロールのほうは高い数値をキープしております。特に悪玉コレステロールというのが多いようです。悪玉コレストロールというのがいいヤツなのか悪いヤツなのか、医学に詳しくない僕には今ひとつよくわからんのですが、名前からするとちょっと悪っぽい? でもまあ、見た目は悪くても、根はいいヤツだったりするかも知れないので、しばらく様子を見ながら付き合っていこうかと思っております。その他、腹部超音波検査の結果、胆嚢ポリープ(5〜10mm)が認められたようです。エコーの検査の担当はオッサンだったんですが、何だか執拗に僕の下腹部をまさぐっておりまして、もしかして、変態?…とか思っていたんですが、なるほど、胆嚢を堪能していたわけなんですな。とりあえず経過観察が必用ということなので、ポリープの成長を温かく見守っていこうと思います。 一方、胃部X線検査の結果は、特に異常は認められず。 あれだけ人にバリウムを飲ませて、ローリングさせたり、逆さまにさせたりしておりて、何も見つからないとは、どういうことやねん!? 何も見つからないなら、やるだけ無駄なような気もするんですが、来年からバリウムをパスするというのは、駄目? とまあそんなことで、最終的な医師の判断。

 メタボリックシンドロームではありません。メタボリックシンドロームの予防のため、栄養の摂りすぎ、運動不足にならないように気をつけて内臓脂肪の過剰な蓄積を防いで下さい。脂質、血糖の検査で異常が認められます。医療機関を受診して下さい。

 ん?血糖値って異常でしたっけ?空腹時血糖、基準値 70〜109mg/dL に対して、サバくんの値は 102mg/dL やから、大丈夫やん! が、今よりも上がってしまうとちょっとヤバそうなので、ときどき自分の血をなめてみて、甘くなっていないかどうかチェックしなければなりませんな。下がったとは言え、尿酸値のほうもまだ心配なので、ときどき自分の尿をなめてみて、酸っぱくなっていないか調べなければなりません。 血と尿を別々になめて味見をするというのもちょっと面倒な話なので、血尿が出てくれると一石二鳥で便利なんですけどねー。赤くなった尿をなめてみて、甘酸っぱい味がしたら、要注意!…とまあそんなことで、健康診断のお話は以上です。

 ということで、今日はユタ・ヒップを取り上げてみたいと思うんですが、いいですよね、ユタ。 ユタと与太とヲタでは、ユタがいちばんまともなような気がするんですが、あまり役に立ちそうもないですからね、与太。 ヲタというのも 『探偵!ナイトスクープ』 に出てきた “潮騒オタクの野望” みたいなのだとかなり問題があったりするんですが、少なくともユタ・ヒップの場合は世間に出てきてもピアノを弾くだけなので、迷惑の度合いはかなり低いと言えましょう。 ちなみにこのユタ・ヒップという人はドイツ出身のギャルだったりするんですが、いいですよね、ドイツ。 僕はドイツがけっこう好きです。 ま、都々逸ほど好きではなかったりするんですが、ソーセージが美味しいところはかなりポイントが高いです。酸っぱいキャベツの料理もいいですよね。あまり食べ過ぎると尿が酸っぱくなっちゃいそうなんですが、で、このユタちゃん、異国のアメリカではさほどメジャーにはなれなかったようで、残されたアルバムの数は多くありません。僕の知ってる限りでは2〜3枚といったところでしょうか。そのうち、 ズート・シムスとの共演盤 は既に取り上げてしまったので、残すところ 『アット・ザ・ヒッコリー・ハウス』 だけということになってしまうんですが、今日はそのうちの 『第1集』 を紹介したいと思います。ヒッコリー・ハウスというのはジャズ・クラブの名前だと思うんですが、あまりいいネーミングではありませんね。何となくブロッコリーを彷彿させるところがよくないと思うんですが、ただの緑色のカリフラワーにしか見えなくて、さほどソソられるものがないんですよね、ブロッコリー。そういえば最近、ブロッコリーはともかくとして、カリフラワーというのをほとんど見かけなくなったような気がするんですが、どうしたんでしょうね? 色が白くて栄養が無さげなので、人気が急落した? …って、この問題に深入りすると話が長くなりそうなので、とりあえず演奏を聴いてみることにしましょう。

 ライブ盤は臨場感が命なんですが、緊張感というのも場合によっては悪くはありません。 これが無常感ということになるとちょっと問題なんですが、で、この日のヒッコリー・ハウスに漂っていた空気はというと、やや固めですかね? レナード・フェザーのMCに続いてユタちゃんの挨拶があるんですが、慣れない異国の地ということもあってか、ギャグを飛ばすでもなく、淡々と曲の紹介をするに留まっております。このドイツ娘、大丈夫か?…と、保安官にも不安感が広がってしまいますが、でも大丈夫。演奏が始まると、急に空気が変わります。  「テイク・ミー・イン・ユア・アームズ」 。 いや、いいですな、これ。 どういう意味なのかと思って翻訳サイトにかけてみたら、 「腕で私を飼いならしてください」 と出てきて、もうちょっと抒情的な訳は出来なかったのか?…と思わずにはいられませんが、でも大丈夫。曲そのものは非常に歌モノっぽい作りになっておりまして、ちょっぴり哀愁味が感じられるあたり、実に日本人好みであると言えるでしょう。 ユタの弾きっぷりも言われなければドイツの娘だとは分からないくらいアメリカンのオッサンっぽくて、聞くところによるとホレス・シルバーの影響を強く受けているそうなんですが、なるほど、けっこうファンキーだったりしますよね。かなり速めのテンポなんですが、イントロからテーマへの流れにも破綻がなく、エド・シグペンのスインギーなブラッシュ・ワークも大いに江戸の粋を感じさせてくれます。 ソロ先発はユタのピアノなんですが、シングル・トーンでブルージーなフレーズを連発しておりまして、いいっ♪ユタちゃん、めっちゃ、いいっ♪ 続くペーター・インドのベース・ソロはアルプスに暮らす羊飼いの少年とインダスやガンジスの悠久の流れを感じさせるものとなっておりまして、最後はピアノとドラムスの4バースできっちり締めて、テーマに戻って、おしまい。 いいっ♪ユタちゃん、めっちゃ、いいっ♪

 最初の1曲で僕はすっかり彼女の虜になってしまいましたが、続いてはスウェーデン民謡の 「ディア・オールド・ストックホルム」 でありますか。これまた日本人好みの哀愁味に富んだ叙情ソングだったりするんですが、これを聞くと日本から遠く離れた北欧の国が、急に身近に思えてきたりしますよね。北欧にこれほどの親近感を覚えたのは、小学校の給食で鯨のノルウェー風を食べて以来ではないかという気がするんですが、バローというスーパーの中には “北欧倶楽部” という名前のパン屋が入っていたりして、最近ではわりと生活に溶け込んだ存在だったりするんですけど。 で、ユタの弾く 「懐かしのストックホルム」 はというと、ドイツとスウェーデンでは地理的にもさほど遠くないからなのか、かなりしっくりハマっておりますな。奇を衒うでなく、型通りのバラードとして料理しておりまして、いや、泣けますな、こりゃ。何だかサケ・マスの料理が食べたくなってきちゃうんですが、バラードがうまいという点では、すでにホレス・シルバーを凌駕していると言っていいかも知れません。とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 3曲目、 「ビリーズ・バウンス」 。 一転してここでパーカーのバップ・チューンを持ってきましたが、かなりゆったりとしたテンポで、ブルージーな仕上がりとなっております。ピアノとベースのユニゾンでメロディを演奏するというアイデアも秀逸です。エド・シグペンも何気に絡んで来て、ドイツとインドと江戸とで、国際3P…というか、インタープレイというか、とにかくまあ、グローバルな世界が展開されております。 以下、ユタ、ペーターの順にソロを取って、テーマに戻って、おしまい。 4曲目、 「アイル・リメンバー・エイプリル」 。 先週も登場した 「4月の思い出」 でありますな。4月と言えば琵琶湖の海津大崎へ花見に行ったのが一番の思い出なんですが、ぜんぜん咲いてませんでしたけどね、サクラの花。 でもまあ、越前松島水族館でアザラシの鼻の穴がよく見えたので、非常に有意義だったんですが、とまあそんなことで、 「4月の思い出」 。 この曲はラテンのリズムで料理するというのが定番なんですが、ユタちゃんは奇を衒うでなく、型通りのラテンで演奏しております。どうやらあまり冒険しないキャラのようなんですが、 「郷には入れば郷に従え」 と郷ひろみも言ってましたからね。それがアメリカの流儀というのなら、素直にそれに従おうということなんでしょう。結果、無難で破綻の無い演奏に仕上がっております。シルバーに感化される前はレニー・トリスターノの影響を受けていたそうですが、そんな前歴はみじんも感じさせないスインギーなスタイルです。中盤にベースのソロが出て来て、最後をピアノとドラムスの4バースで締めるというのが、ややマンネリ化しているような気もするんですが、ライブだけに他の2人も少しは見せ場が欲しいですからね。やむを得ないところでありましょう。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 で、5曲目です。 「レディ・バード」 。 タッド・ダメロンのオリジナルなんですが、 「淑女鳥」 というのは一体どんな鳥なんですかね? あまり大きな声でギャーギャーと喚き散らしたりしない、お上品な鳥? 焼き鳥にするには淡泊過ぎて、ちょっと物足りない食材であるようにも思えるんですが、曲そのものは決して脂気が不足しているわけではなく、適度にファンキーな味もあって、なかなかだと思います。ミディアム・ファストのバップ・チューンなんですが、テーマ部はピアノとベースのユニゾンで演奏されております。 でもって、ソロ先発はユタ・ヒップですな。なかなかヒップな弾きっぷりでありまして、スクエアな感じがしないところがチロルチョコとは一線を画しているんですが、ちなみに来年はチロルチョコが四角くなって30年なんだそうですね。 当初、3つの山がつながった形で10円だったものが20円に値上がりして、さらには30円まで価格が暴騰した結果、売上げが激減してしまったので、苦肉の作として3つの山をばらして1個10円で販売を始めたのが1979年。 別に値段が下がったわけではなく、3つの山をばらした結果、つなぎの分だけ量が少なくなってるような気もするんですが、チロルはやはり10円というところに意味があるわけですからね。チロルが昔、細長い形をしていたことを知っているかどうかが中年であるかどうかを見分ける試金石になってくるんですが、もし年齢不詳のお姉さんギャルがいたりしたら、 「チロルって昔、3連やったよね?」 という話題を振ってみるといいかも知れません。 とか言ってるうちにピアノのソロが終わって、後半はいつものようにべースのソロと、ピアノとドラムスの4バースというパターンで、テーマに戻って、おしまい。

 続いては 「マッド・アバウト・ザ・ボーイ」 でありますか。 よく知らない曲ですな。イントロの部分がちょっぴりモンクっぽくて、果たしてこれはどうか?…と思っていたら、テーマのほうはわりと普通だっだんですが、よく歌うユタのソロが印象的なナンバーで、ペーター・インドのウォーキング・ソロもフィーチャーされていて、でもって、最後はユタとシグペンの4バースでありますな。こうなってくると何だか、5回以降、先発ピッチャーがランナーを出すと、判で押したようにアッチソン→ウイリアムス→藤川球児という継投策を繰り出す岡田監督の采配を見ているような気分になってくるんですが、これを書いている10月19日午後3時55分現在、タイガースはクライマックス・シリーズの第1ステージの初戦でドラゴンズに負けて、今夜、連敗しちゃいそうな気配が濃厚に漂っております。6回くらいまで勝っていたのに、アッチソンが逆転ホームランを打たれるっぽい? 明日のスポーツ記事の見出しは 「アッチ損、また炎上!」 ですかね? ということで、次。  「エイント・ミスビヘブン」 。 ファッツ・ウォーラーの曲なんですが、翻訳サイトに掛けると 「ふらちな事することがありません。」 という訳語が出てきます。ふらちな事というと、例えばフリチンで走り回るとか、そういう事なのではないかと思うんですが、一般的な邦題としては 「浮気はやめた」 というのが定着しておりまして、走り回るかどうかはともかくとして、フリチンというのは当たらずと言えども遠からずと言えるかも知れません。 古典曲なので、わざとノスタルジックな雰囲気を出すというのがお決まりなんですが、ユタちゃんも幾分キュートな路線に仕上げておりますな。ミディアム・テンポなので繰り出されるフレーズも極めてナチュラルでありまして、でもって、ソロ2番手はペーター・インドでありますか。さすがに4バースのほうは今回は控えたようですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 8曲目、 「ジーズ・フーリッシュ・シングス」 。 僕の好きな曲のひとつです。テーマのメロディを軽くフェイクする形の、なかなかいい感じのミディアム・スローに仕上がっているんですが、ただ、途中で 「ヒュッ♪」 と指笛を吹くオッサンが出てくるところは、いただけません。 いや、音だけでそれがオッサンの仕業なのかどうかは定かではないんですが、いらんことをするのって大抵オッサンですからね。こういう興醒めなヤツには、チョウザメの卵を没収するなどの制裁を課さねばなりませんが、こういうオッサンにキャビアを食べる資格はありません。ウズラの卵でも食べてて下さい。 ということで、9曲目。  「ジーパーズ・クリーパーズ」 。この曲はタイトルが韻を踏んでいるところが最大の見せ場なんですが、演奏そのものも実に軽快で、いいですな。ペーター・インドのベース・ソロも快調そのもので、テーマに戻って、おしまい。 ということで、最後です。アルバムの最後を飾るのは 「ザ・ムーン・ワズ・イエロー」 でありますか。 あまり聴いたことのない曲なんですが、月は黄色かった。…といった事実をテーマにした歌物ではないかと思われます。エキゾチックで哀調を帯びたメロディは実に日本人好みでありまして、僕は好きですね。僕は日本人なので日本人好みの曲というのが大好きなんですが、 「大日本人」 という映画はあまりよくなかったみたいですけど。 とまあそんなことで、ベースのソロがあって、おしまい。 ということで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 期待度はさほど高くなくて、むしろ低いくらいだったんですが、いや、素晴らしい出来でありました。ユタ・ヒップ、やるやん♪ ドイツ娘というので、ザウアークラフトみたいな酸っぱいスタイルをイメージしていたんですが、意外と力強くて、けっこう黒っぽいです。 エド・シグペンのサポートも抜群で、ベースのインドはちょっと前に出過ぎなところもあるんですが、三位一体となったインタープレイな世界を堪能することが出来ます。全10曲。 途中、似たような展開が続いて、ちょっと飽きる部分もあるんですが、最初と最後の演奏の出来がいいので、トータル的にはかなり印象がよくなっております。これからは毛嫌いせずにブロッコリーも食べよう。 そういう気持ちにさせてくれる1枚なのでありました。


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