【アルバム名】
JUTTA HIPP WITH ZOOT SIMS (BLUE NOTE)
【リーダー名】
JUTTA HIPP (1956/7/28)
【パーソネル】
JERRY LLOYD (tp) ZOOT SIMS (ts) JUTTA HIPP (p)
AHMED ABDUL-MALIK (b) ED THIGPEN (ds)
【収 録 曲】
JUST BLUES / VIOLETS FOR YOUR FURS / DOWN HOME /
ALMOST LIKE BEING LOVE / WEE-DOT / TOO CLOSE FOR COMFORT
【内   容】
 今日はオーストラリア人から見た日本の「ZEN−BALL」について考えてみ たいと思います。オーストラリアで買った日本の観光ガイドにこんなコラムが載ってい ました。
 
『ゼンのタマ』
 
 この「スポーツ」はただ貴方の人さし指の筋肉を動かすだけである。もし仏教の 「ゼン」が俗世間の考えと心理的な争いを奪い、理想的な最高の啓蒙を成し遂げるもの であるなら、〈これ〉は成功のない「ゼン」である。
 この究極の頭を使わないピンボールゲームは1930年代にナゴヤで発明され、 国のいたるところにスーパーマッケットの大きさの〈これ〉の店が何百、何千ともたら された。
 それは見たところ、完全な飛行機工業のベアリングとして供給される輝く鉄の玉 をたくさん発生させる機械のようだ。〈これ〉の機械はお客様を最後までうっとりさせ る。硬貨を直立した機械の料金差し入れ口に入れると、あなたは小さな鉄の玉を供給さ れるだろう。それを機械の中にフィードバックしてはじき、穴の中に入れ、機械の中に フィードバックした以上のものを手に入れ、それを機械の中にフィードバックしてはじ き、穴の中に入れ、機械の中にフィードバックした以上のものを・・・
 この手腕はレバーの押し込み、勝利の場所の発見、どの程度に指を開放するかに かかっている。最終的に十分な満足を得たら、あなたはいくつかの甘いもの、Tシャツ 、少しの煙草を手に入れることができるだろう。涅槃!
 
 オーストラリア人は日本の文化に対する造詣が深いなぁ。インドにいる動物は象 けぇ?というくらい造詣が深い。特に「パチンコは成功のない禅である。」と断定する くだりなど、思わず深く納得して頷いてしまいました。さあみんな、パチンコで悟りを 開こう。涅槃!
 
 @ さて、ユタ・ヒップです。ブルーノートには珍しいドイツ出身の女流ピアニ ストで、噂によると美人だということです。金髪かどうかは知りません。そんなことは どうでもいいことです。みんな、純粋に音楽を聴こうよ!ブルーノートにはヒッコリー ・ハウスでのライブ盤2枚と、この『ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ』という アルバムを残しております。本作は通称「緑のユタ・ヒップ」と呼ばれており、見たま んまやん。BNでズートというのも珍しいですね。ズートと言えば日本のおじさん層の 間では絶大なる支持を得ており、特に「70年代のズートがずーっと好きっ♪」という おじさんは多数棲息しております。私はこの人に関してはあまり詳しくなくて、ズート ・スーツという「だぼだぼ」のスーツを着ていた、ということくらいしか知らん。この ズート・スタイルというのは女子高生の間でも評判で、「ルーズの次はズートじゃん。 」ということで、この夏には男物のだぼだぼシャツを着た小娘どもが街を闊歩する、と いう気がしないでもないです。さあ、今これを読んでいる諸君、この夏はズートに決め ようぜっ!
 
 さて1曲目、「ちょうどブルース」。ズートの曲。いきなりのテナーで幕を開け ます。あ、原文ライナー見たら「赤毛のお嬢さん」だって。さあ、今これを読んでいる 諸君、この夏は赤毛にしようぜっ!モブレイにも通ずるズートのまろやかトーンは「最 近、アブラっぽいモンが駄目んなった」おじさんにはウケるのかも知れん。よく知らん トランペットともまずまず。ユタのピアノはトリスターノの影響がうんぬんと言われる から、そういうものなのかも知れないです。
 2曲目はトレーンやJ.R.モンテローズの名演で名高い「コートにすみれを」 。ズートの歌いっぷりがいい。フレージングはアート・ペッパーをテナーにした感じで すねって、本当か?思いつきで原稿書いてるからなぁ。ユタちゃんのピアノはやっぱり クールなのか。3曲目の「ダウン・ホーム」はトランペットのジェリー・ロイドの曲。 やっぱりロイド眼鏡かけてるのか、この人。アーシーというより南部っぽい感じの曲で す。「オールモスト・ライク〜」は小唄っぽい感じのスタンダード。ズートがいいっす 。「ウィー・ドット」はJ.J.ジョンソンの曲。『バードランドの夜』のバージョンを 聴いた耳には迫力不足の感は否めません。「トゥ・クローズ・フォー・コンフォート」 みたいな曲のほうがこのメンツではいいですね。以上、これからもたまにはズートとユ タちゃんを聴いてみようと、いう気になった1枚でした。
教訓:白人を馬鹿にしちゃいかん。


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