THE OSCAR PETERSON TRIO PLAYS (VERVE)

OSCAR PETERSON (1964/2/27,28)

THE OSCAR PETERSON TRIO PLAYS


【パーソネル】

OSCAR PETERSON (p) RAY BROWN (b) ED THIGPEN (ds)
【収録曲】

(01-03) THE STRUT / LET'S FALL IN LOVE / SATIN DOLL
(04-06) LITTLE RIGHT FOOT / LITTLE DARLIN' / FLY ME TO THE MOON
(07-09) THIS NEARLY WAS MINE / SHINY STOCKINGS / YOU STEPPED OUT OF A DREAM

【解説】 (2008年10月26日更新)

 夏が来れば思い出す、遥かな伊豆〜、遠い空〜♪ …ということで、今日は “夏の思い出” について書いてみたいと思います。 一部、歌詞が間違っているのではないかという指摘もあろうかと思いますが、僕は今まで一度も尾瀬には行ったことがないので、思い出の語りようがないんですよね。そこでまあ、今年の夏に行った伊豆の思い出について語ってみたいと思うんですが、尾瀬と伊豆はどちらも “ア行” で始まって “ザ行” で終わっているので、似たようなものだと思うしー。 伊豆よりも更に尾瀬に似ている “オゾの思い出” という手も無いではないんですが、今年の夏、花火で遊んでいて火傷をしたので、オゾを塗りました。…といった思い出は僕にはないので、やはり今回は伊豆ということで行ってみたいと思います。

 僕は今年、伊豆に行きました。海やプールで泳いで遊びました。とっても楽しかったです♪ …というのが今年の僕の “夏の思い出” なんですが、海やプールで泳ぐ時、いつも始末に困るのがお金の管理であります。鞄に入れてその辺に放置していると置引されそうだし、最近は何度も開け閉め出来るタイプのコインロッカーも増えてきたんですが、ジュースや焼きそばを買う度にロッカーに戻るというのも面倒な話ですよね。 そこでどうしても身に着けたまま泳ぐということになるんですが、あれは今から2年ほど前の夏でありましたか。僕はとっても哀しい思いをしたことがあります。 サンビーチ日光川 というところに行って、海パンのスナップ留めのポケットに100円玉を 20枚ほど入れて泳いでいたんですが、いざ、売店で焼きそばを買おうと思ってポケットをまさぐると、無いやん! 100円玉が 6枚くらいしか無いやん! どうやら 14枚ほど落としてしまったようなんですが、潜りが得意なガキが拾って、そのお金で粒ウニの瓶詰めとかを買ったのかと思うと、悔しくてなりません。ヒトの大切なお金で珍味を買うなー! ま、その子供がモロッコヨーグルを買ったというのならまだ諦めもつくんですが、お金を拾ったヤツがそれをどのように使うのか、落とした側には知る由もないところが何とも悔しいです。

 そこで今年の夏は海やプールで泳ぐ前に、こんな コインケース を買ってみました。決め手はただひとつ、防水性にも優れています。…というところにあるんですが、いや、ただ水に濡れても丈夫であるというだけの話で、どこにも水中で使っていいとは書いてないんですけど。 事実、このコインケースに100円玉を入れて風呂の湯に沈めてみたところ、100円玉はベタベタになってしまったんですが、マチなしなのでポケットなどに 入れてもジャマになりません!…というのもポイントが高いし、リングが装備されています!…というところもなかなか便利だと思います。紐を付けてやれば落下防止になりますもんね。これでもう、誰にも珍味を買わせないっ! これで硬貨の携行はバッチリなんですが、ただ 100円玉をあまりたくさん詰め込むというのも、せっかくのスリムさが形骸化することになって、いただけません。焼きそばとカキ氷を各2人前、それに粒ウニを買えるくらいの 500円玉が手元にあればいいんですが、なかなかそうもいきませんからね。出来れば 1000円札を何枚か、水に濡れない状態で携行したいところなんですが、よくスーパーとかで売ってる防水ケースみたいなのは駄目です。首からあんなケースをぶらぶらさせていたら邪魔で仕方が無いし、滑り台なんかでは紐が首に絡んで窒息死する恐れだってあります。何とか防水性に優れているコインケースの中に紙幣を入れて泳ぎたいところなんですが、そこで僕は、凄くナイスなアイデアを思い付きました。チャック付きポリ袋を使えばエエやん!

風呂の湯に浸けて変色したコインケース♪ チャック付きポリ袋2種♪

 まずはエステー化学の ジッパーズおやつバッグ 。 何故かキティちゃんがピングーやスヌーピーよりも冷たい扱いをされておりますが、このオマケのポッケに入るプチ袋つき!…のほうがですね、100×70mmという大きさで、1000円札を入れるにはちょうど手頃です。そのままではコインケースの中には入らないんですが、お札の大きさに折り畳んで、コインケースのベルクロの部分で挟みつけてやれば大丈夫。チャックだけでなく、ポリ袋そのものを口の部分で折り返すことになって、防水性も更にアップして、我ながら完璧っ! 早速このアイデア商品、完全防水財布 “ヌレーヌ1号” の中に 1000円札を入れて、意気揚々と風呂場に持ち込んで湯の中に沈めてみたんですが、お札の端っこのあたりがちょっぴり濡れてしまって、うーん、微妙…。 このオマケの袋は所詮はオマケだけあって厚さが 0.04mmしかなく、ペラペラで何とも心許ないものがあったんですが、やはり安物を使ったのが失敗だったのかも知れません。 そこで僕はネットの通販を利用して、その筋ではもっとも評判のいい セイニチのユニパック を購入することにしました。厚さ 0.04mmのリーズナブルなタイプもあるんですが、安物には懲りているので、倍の厚さの 0.08mmタイプを奮発することにしました。大きさは “B” というのが 85×60mmとなっていて、紙幣を四つ折にして入れるには最適でありまして、しかもこの大きさならキティちゃんおまけ袋の中に入れることも可能です。たとえ外側のキティちゃん袋の防御を破られたとしても、その先には2倍の厚さのユニパックが待ち受けているわけであります。二重密封式完全防水財布 “ヌレーヌ2号” 誕生! 今度こそ完璧でありましょう。

ヌレーヌ2号♪

 早速、中に1000円札を入れて、意気揚々と風呂場に持ち込んで湯の中に沈めてみたんですが、やっぱりお札の端っこのあたりがちょっぴり濡れてしまって、何でや!? 二重にしたのも、袋の厚さを倍にしたのも、まったく意味が無かったと思わずにはいられないほど、キティちゃん袋単品の場合と同じ程度に水が浸入してしまって、かくしてサバ物産の新商品はまったくの企画倒れに終わってしまったのでありました。 とりあえず海やプールにも持っていったんですが、やっぱり 1000円札は端っこのほうだけ中途半端に濡れてしまっていて、僕は幾分やさぐれた気分で焼きそばとカキ氷を食べたのでありました。 夏の終わり頃、ナガシマスパーランドのジャンボ海水プールに行った際にも試してみたんですが、ま、3分ほど日なたに干しておいたら自動販売機でも使えるくらいまでは回復したので、それなりに使えるとは思うんですけどね。 チャック付きポリ袋は中に空気が入るとパコパコになってしまうほどの密閉性があるんですが、どうして水が侵入しちゃうんですかね? あるいは毛細管現象とか、何かそういうものが作用しているのかも知れませんが、いずれにしろ僕の中で “ヌレーヌ・シリーズ” は、最初から無かったことになっているんですが、そうして今年の夏は終わりを告げました。

 秋も深まりつつある先週の日曜日、僕は近所のミスタートンカチで買い物をしていたんですが、ふとチャック付きポリ袋が売られているのが目に入りました。過去の傷を掘り起こされたようで、ちょっと不快な気分になってしまったんですが、何気なく手に取って眺めているうちに、僕は不意に神の啓示のようなものを感じました。 も、もしかしてこれは、いけるかも!?

チャック付きポリ袋トルネ2号・3号♪ トルネのチャック部詳細♪ 遂に完成!ヌレーヌ3号♪

 株式会社トルネ という、お弁当グッズとかキッチン用品なんかを扱っている会社の商品のようですが、このチャック付きポリ袋は、他のチャック付きポリ袋と違って、チャックより上の部分がかなり広く取られております。更にその部分には何本かヒダヒダのようなものが付けられております。 ただヒダヒダになっているだけでチャックがダブルになっているわけではないので、意味ないじゃん。…と、チャック付きポリ袋の素人なら思ってしまうかも知れません が、僕はこのチャックの意外な脆弱性を体感してますからね。このヒダヒダが水の浸入を防いでくれるに違いないという確証のようなものがあったんですが、厚さもしっかり 0.08mmあって、ミスタートンカチで売るのが勿体ないくらいのちゃんとしたチャック付きポリ袋であります。 サイズもいくつか種類があるんですが、2号(60×85)と3号(70×100)の組み合わせが四つ折の紙幣を収納するにはベストであります。遂に登場、ヒダヒダ付き二重密封式完全防水財布 “ヌレーヌ3号”! 小さいほうの袋に四つ折にした紙幣を入れてポリ袋を折り曲げて、それを大きいほうの袋に逆さまに入れてポリ袋を折り曲げる。そいつをコインケースの中に入れて、折り曲げた部分をベルクロで挟みつける。完璧やん! 風呂場での約20分間にも及ぶ防水テストも見事にクリアして、中からまったく濡れていないパーフェクトな千円札が出てきた時は思わず、感動のあまりちょっと涙ぐんでしまいました。先生、俺、ついにやったよ!!

 所詮はミスタートンカチに売ってるチャック付きポリ袋なので、あまり期待はしてなかったんですが、トルネ、やるね♪…といった感じですなぁ。 ヒダヒダを付けるというのがポイントで、“ヒダの匠の技” を感じずにはいられませんが、とまあそんなことで、次回は “秋の思い出・飛騨高山編” をお届けしたいと思います。 んじゃ、また♪

 とまあそんなことで、今日はオスカーピーターソンなんですが、いや、サバ物産が開発した海やプールで使う便利グッズには他にも、盗難防止に絶大な威力を発揮する “トラレーヌ” とか、浮き輪の空気を簡単に抜くことが出来る “ヌケール” というのもあるんですけどね。 原稿はなるべく短くまとめるという最近の方針によって、今回は割愛させて頂きましたが、とまあそんなことで、 『ザ・オスカー・ピーターソン・トリオ・プレイズ』 。 タイトルを見ただけではどういう内容なのか、まったくピンと来ないアルバムなんですが、1964年録音のヴァーヴ盤であります。いわゆる “黄金トリオ” による1枚ですな。 魚卵黄金トリオ と言えばタラコとイクラとウニなんですが、ジャズの世界で黄金トリオと言えばピーターソンレイ・ブラウンエド・シグペン。 いや、ウニは魚卵ではないような気もするんですが、タラコとイクラが魚卵で、ウニが黄金ということなんですかね? “黄金ウニ” とか、ありますもんね。いずれにしろ、僕はタラコもイクラもウニもあまり好きではないので、たとえプールでお金を拾ったとしても絶対にこんな海産物は買わないと思うんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみましょう。

 アルバムの最初を飾るのはピーターソンのオリジナル、 「ザ・ストラット」 。ストラットが 「気取って歩く」 という意味であるといういうのは、ソニー・クラークの 『クール・ストラッティン』 のおかげでよく知られるようになりましたが、 「ザ・気取って歩く」 。木戸クンとかがよく気取った歩き方をしてますよね。 で、この曲、いかにも歩いてるな!…といった仕上がりになっているんですが、レイ・ブラウンのウォーキング・ベースが強力無比で、ピーターソンのピアノは絢爛豪華。その、あまりの金襴緞子ぶりを毛嫌いする人も少なくないんですが、確かにテーマ部の処理など、ちょっと装飾過多な気がしないでもないんですけど。同じ仏教でも宗派によってかなり仏壇の作りが違ったりするんですが、ピーターソンの場合は浄土真宗ですかね?けっこう、安っぽい金ピカさが感じられたりもするんですが、アドリブ・パートに入ってからの比類なきスイング感はさすがだと思います。もう、比類なき小比類巻かほるって感じ?こういう演奏を聴いていると、パウエル派の代表と目されているウイントン・ケリーも、実はオスピーからかなり影響を受けているのではないかと思ってしまうんですが、そんなに馬鹿にしたものでもありませんよね。特に中盤以降は完全にお祭りムードでありまして、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 2曲目、 「レッツ・フォール・イン・ラヴ」 。 「恋に落ちましょう」 ですか。いいですなぁ。人は誰しも恋に落ちると、生きる希望が湧いてきますからね。試験に落ちたり、ドブに落ちたり、肥溜めに落ちたり、プールでお金を落としたりすると、かなり落ち込むことになるんですけど。 で、これ、何ともキュートな作品に仕上がっていたりするんですが、いやあ、すっかり恋に落ちちゃってますな。でなきゃ、いい年こいた図体の馬鹿でかいオッサンが、こんなラブリーなピアノを弾けるわけがないですもんね。ピーターソンの演奏はクド過ぎると批判的な意見を持っている人も、この手の歌物のうまさは称賛せざるを得ない硝酸ミコナゾール。…といった感じなんですが、ミコナゾールってそのまま変換しようとすると “巫女謎ーる” とかになって、ちょっぴりソソられるものがありますよね。いいですな、謎めいた巫女。 ピーターソンのプレイも、むやみやたらとテクのひけらかしに走るでなく、シングルトーン主体にわりと軽めに弾いているところがカルメ焼きの味わいでありまして、とは言っても随所で華麗な指捌きも堪能することが出来て、で、中盤に聴かれるレイ・ブラウンのピチカート・ソロもさすがの出来でありますな。 とまあそんなことで、最後に軽くピアノのソロに戻って、テーマに戻って、おしまい。

 3曲目、 「サテン・ドール」 。いかにもピーターソンが好きそうな小粋なナンバーなんですが、テーマ部で聴かれる “ちゃらららら♪” というグリッサンドな装飾音は、さすがにちょっとヤリ過ぎだと思います。レイ・ブラウンもちょっと前に出て来過ぎな来生たかお。…といった気がするんですが、たまにこういうベタなのがあるから、日本のジャズ・ファンに馬鹿にされちゃうんでしょうな。中盤以降のありえないような盛り上がり具合など、アメリカ人からは拍手喝采なんでしょうが、日本人というのは、ちあきなおみの 「喝采」 みたいな、ああいう暗い世界が大好きですからね。 ということで、次。  「リトル・ライト・フット」 。僕の持ってるCDには 「小さい足」 という邦題が記載されているんですが、 “右” はどこへいったんでしょうね? 普通に考えれば 「小さい右足」 が正解だと思うんですが、ま、右がないほうがちょっぴり 「小さい秋」 みたいで、語呂がいいのは確かなんですけど。 で、これ、アメリカのフォーク・ソングなんだそうですが、なるほど、何とも素朴な味わいがありますよね。蕎麦粉のような素朴さとでも言いましょうか、砂漠でサバを食うような懐かしさを感じさせます。そこのところを意識してか、ピーターソンも何ともノスタルジックなプレイを展開しているんですが、小さな足で思いきり踏まれたい。そんなロリ系女王様に対する憧れのようなものを感じさせ、秀逸です。

 続いては “リトル・シリーズ” ということで、ニール・ヘフティの 「リトル・ダーリン」 。はっきり “リトル” と発音するより 「リル・ダーリン」と崩したほうが粋なんですが、ゆったりとしたグルーヴィな1曲に仕上がっております。ブロックコードの使い方が甘ったるいし、レイ・ブラウンも相変わらず前に出過ぎで、この手の演奏が嫌いな人だと虫酸の走る思いがするかも知れませんが、虫寿司とかを食べさせられることを思えば、まだ虫酸の走り具合も大したことはありませんよね。ザザ虫の寿司とか、絶対に食べたくないですからね。ネーミング的にはちょっぴり “玉虫の厨子” みたいで、法隆寺の宝物っぽいんですけど。 ということで、次。  「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」 。 こりゃ、ボサノヴァですな。…と思っている人も多いかと思うんですが、元来は 「イン・アザー・ワーズ」という名前の普通の4ビート作品でありまして、ここでのピーターソンはちょっと変わった、かなり凝ったアレンジを施しておりますな。めっちゃ三位一体やん!…といった、ピアノとベースとドラムスが絡みまくるテーマ部に続いて、ピーターソンのこの上なくスインギーなソロが展開されることになるんですが、レイ・ブラウンとエド・シグペンのソロも随時フィーチャーされております。3分10分と、さほど長くも無い演奏なんですが、これぞ黄金トリオの真髄と言えるでしょう。凄ぇ!!

 7曲目、 「ディス・ニアリー・ワズ・マイン」 。  「殆ど私のもの」 などという邦題が付けられておりますが、君の宝くじの賞金の2億円は、殆ど僕のものだしぃ。…とか言い出して、喧嘩になっちゃったんでしょうな、岩手県一関市の殺人事件。今日(10月25日)のニュースによると最初から金目的だったようで、恋愛の対象では無かったと熊谷甚一クン (51歳) は供述しているようですが、とんでもないオッサンに騙されてしまいましたな、吉田寿子さん (当時42歳) 。…といった、北海道のヤリキレナイ川な事件とは対照的に、演奏のほうは実にラブリーでキュートなバラードに仕上がっております。ピーターソンのプレイには愛が感じられて、いいですなぁ。 ということで、次。 8曲目、 「シャイニー・ストッキングス」 。 ここに出てくるストッキングというのが普通の靴下なのか、パンティストッキングなのかで、僕の印象は大きく違ってくるんですが、けっこう好きですからね、普通の靴下。それに比べてパンストというのはどうもあまり好きになれないんですが、ということで、 “シャイニー・ストッキングス” というのが “シャイな普通の靴下” の事だったらいいな♪…と僕は思うんですけど。 ただ普通の靴下は普通、ソックスと呼ぶような気もするので、やはりパンストの事なのかも知れませんが、シャイニーというのも何だか素材がナイロンっぽいですしね。 ま、テーマが何であれ、僕はフランク・フォスターの作ったこの曲が大好きなんですが、ピーターソンのトリオはこのベイシー楽団の十八番をこの上なくスインギーな演奏に仕上げております。テーマ部はブロックコードの多用がちょっぴりクドい印象を与えるんですが、アドリブ・パートは快調そのもの。前半はシングル・トーン中心で、後半に入ると和音を多用して大いに盛り上げて、ということで、テーマに戻って、おしまい。ちょっと唐突な感じのする終わり方なんですが、ある意味、潔くて悪くないと思います。

 ということで、ラストです。アルバムの最後を飾るのは 「ユー・ステップド・アウト・オブ・ア・ドリーム」「夢からさめて」 という邦題で知られるスタンダードでありますな。これまたアップ・テンポの調子のいい仕上がりでありまして、とっても調子がいいところが悪くなくて、いいと思います。ちょっぴりお調子者のイメージのあるピーターソンなんですが、ぐおーすかぴー、板さん、板場で爆睡中。…という人名俳句もあることだし、暢気なところがこの人の持ち味であると言えるのではないでしょうか。ということで、おしまい。

【総合評価】

 少々、調子に乗り過ぎなところが無いでも無いんですが、やはりピーターソンという人はピアノがお上手ですね。 聴いていてまったく気分が落ち込まないハッピーなスタイルは、日本ではどうしても軽く見られてしまいがちなんですが、ま、たまにはこういう毒のない演奏も悪くありません。 この人のアルバムはほとんどハズレがない…というか、ぶっちゃけ、どれも似たようなものだったりするんですが、やはりレイ・ブラウンとエド・シグペンのいた “黄金トリオ” の時代がいちばん楽しめます。取り上げられている曲もお馴染みのものが多いし、初心者にも優しい1枚でありますな、こりゃ。 ピーターソンは残念ながら去年の暮れに死んじゃいましたが、在りし日の故人を偲んで、乾杯♪


INDEX
BACK NEXT