BLUES ON PURPOSE (XANADU)

WYNTON KELLY (1965/6/25,7/2,8/17)

BLUES ON PURPOSE


【パーソネル】

WYNTON KELLY (p) PAUL CHAMBERS (b) JIMMY COBB (ds)

【収録曲】

(01-03) BLUES ON PURPOSE / IF YOU COULD SEE ME NOW / SOMEBODY'S BLUES
(04-06) ANOTHER BLUES / OLD FOLKS / MILESTONES

【解説】 (2008年09月21日更新)

 今年もまた健康診断の季節がやってきました。そんなことでまあ、今日は 『献身的な健診』 というテーマでお届けしたいと思うんですが、検便ネタは出ません。検便に関しては今まで何度も書いてますからね。 『ケンとベンの検便物語』 とか。 読み返してみたところ、結局のところ検便に関しては何も触れられることがないまま終わってしまったんですが、ま、うちのサイトではよくあることなんですけど。 検便に関しては ここ ですべてを書き尽くしてしまったので、今回は “胃の検査” について集中的に考えてみたいと思うんですが、健康診断で何が嫌と言って、胃の検査ほど嫌なものはありません。胃の検査のことを考えると気分が重くて、何だか胃が痛くなってくるんですが、ここで胃痛になるわけにはいきません。もし胃が痛くなったりしたら、胃の検査を受けなければならなくなりますもんね。それだけは避けたいところです。 ところが、頑張って胃が痛くなるのを我慢していたにも関わらず、7年ほど前から健診のプログラムに強制的に胃の検査が組み込まれることになってしまいました。胃カメラかバリウムか、好きなほうを選べと言われて、どっちも好きじゃないから嫌だ!…とゴネてみたんですが、許されませんでした。僕はそれまで胃カメラもバリウムもどちらも飲んだことが無かったので、どちらがより一層苦痛なのか、まるで見当が付かなかったんですが、イメージ的にはバリウムのほうがまだ楽? バリウムというのは全部カタカナだからまだ何とか飲めそうな気がするんですが、胃カメラはどうもいけません。“胃”という漢字が入っているところがよくありません。下の“月”の部分だけなら何とかなりそうなんですが、上の“田”のほうが引っ掛かって、オエッとなっちゃいそうです。オエッとなって、検査してくれているナースの顔面にゲロを吐いたりするのもちょっと失礼です。検査してくれるのがオッサンだったら何も遠慮することは無いんですが、それでもやはり気持ち悪くなるのは嫌ですからなぁ。バリウムを飲むと出ると噂されている白いウンコにもちょっと興味があるし、ここはやはり、バリバリ、バリウムでいっちゃう?

 というので、今年もまたバリウムを飲んできたんですが、いや、苦痛でありましたな。何だか年を追うごとに苦痛の度合いが増してきているような気がします。もしかしたら胃カメラって、ただ飲まず嫌いなだけで、意外と美味しいものだったりするのかも知れないし、もしそうなら来年はバリウムをやめて、胃カメラにしてみようかとも思うんですが、なかなかその勇気もないし、悩むところです。 ここはやはりバリウムと胃カメラ、両者の体験談を注意深く検証しておいたほうがよさそうなんですが、そもそもバリウムって、何なんすかね? 周期律表 に何やらそういう元素があったのは覚えているんですけど。 水平リーベ、僕の船。生雲あるし、パス塩ある。か、か、すかん千葉、黒マン徹子に、どう会えん。 僕は周期表をこのように暗記しているんですが、いや、日本語としてまったく意味をなしてないじゃないか?…とか、 “黒マン徹子” のあたり、あまりにも爽やかさに欠けているのではないか?…とか、いろんな意見はあろうかと思うんですけど。 爽やかさの問題はともかくとして、高校時代から20数年が経過している今でも、こうしてちゃんと覚えているところをみると、日本語として意味をなしているかどうかはさほど重要ではないと言えそうです。 ちなみにこの続きは、が、げ、明日、せ、シュークリープ、ルビジ、ストロン、いっとじるこ、ニオブ、モテる。老人パラジ、銀、カド、印字、鈴、SB、テル愛キセノン、セシバ、ランタン、ハフタ、タングス、レニオス、イリジ、白金、金、水、タリナマ、ビスポ、アスタ、ラドン。フラン、ラ、アクチ、周期表♪…と、ますます日本語からは離れていってしまいます。けっこう覚えているつもりでいたのにヨレヨレで、後半かなりカンニングしてしまったんですが、ま、亜鉛より先はどうでもよさそうな元素ばかりだしー。

 で、問題のバリウムはというと、 “すかん千葉” のところにありました。 あ、違いますね。それはバナジウムですね。バリウムは “セシバ、ランタン” のほうですな。後半のどうでもいい部類の元素のようですが、どうやらマグネシウムやカルシウムの仲間のようですね。こうしてみると口から摂取しても、さほど人体に影響はなさそうなんですが、胃のX線検査の時に飲まされるのは生のバリウムではなくて、硫酸バリウムという化合物のようです。硫酸というと何だか毒そうなんですが、化合しているから大丈夫なんすかね? ま、毒ではないのかも知れませんが、美味しくないのも確かでありまして、一見するとかなり濃い目のシェイクみたいでちょっとイケそうなんですが、実際は石膏を飲まされてるような感じ? 子供の頃、学研の付録でよく付いてきましたよね、石膏。立体的な日本地図とか、和同開珎とかを作る際のマストアイテムでありました。型に入れて2時間ほど乾燥させてから取り出して下さい。…などと使用上の注意が書かれておりましたが、コドモがそんな長時間我慢できる筈もなく、ドライヤーで乾かすなどして30分くらいで取り出して、まだ全然乾いていなくて、割れちゃうのが常でありました。 とまあ、そんな石膏みたいなものを飲まされるんだから、体の中に胃と腸の立体模型が出来ちゃうんじゃないか?…と心配になってしまうんですが、でも大丈夫。 検査後に配布される2粒の下剤の効果なのか、それとも僕の体質とは相容れないものがあるからなのか、飲んだバリウムは1時間後くらいには体外に排出されることになります。名古屋の丸の内にあるマリンクリニックで健診を受けて、一宮インターから名神高速に乗って今日方面に向かうと、必ず岐阜羽島のパーキングエリアで便所に駆け込むことになります。バリウムを飲むと便秘になるという話をよく聞くんですが、僕の場合は逆です。めっちゃ下痢します。どうやら僕はキシリトールとバリウムでお腹がゆるくなる体質のようなんですが、石膏で固まる筈のところが、必要以上にぜんぜん固まってません。 後でこっそり便器を覗いてみると白い不気味な液体で満たされておりまして、何だかお好み焼きの原料を便所に流したみたいな感じ? 何だか自分がとんでもない重病になってしまったみたいで、気分が沈みます。

 これですべてのバリウムが出尽くしたのかと思って安心していると、次の日もちゃんと白いウンコがでるところをみると、どうやらかなりしつこい性格の持ち主のようなんですが、残留物が少なかった場合は茶色いパンに粉砂糖をまぶしたような感じになってることもあります。…って、いや、今回は検便ネタが無いというので安心していたら、特に茶色いパンに粉砂糖をまぶしたのを食べようとしていた人とか、今からお好み焼きを焼こうとしていた人にとっては、たいへん申し訳ない展開になってしまいましたが、このバリウムの検査はただバリウムが不味いというだけでなく、無駄な動きを余儀なくされるところもツライです。ベッドの上で右方向に3回ローリング、続いて左にローリング…とか、ベッドが傾いて頭が下になった状態で手すりを掴んで耐え忍ぶ…とか。 さば2号は、最初に炭酸の粉を飲まされて、ゲップをずっと我慢させられるのがツライと言っておりましたが、僕はその点は大丈夫です。検査の終盤、 係のおねえさんから 「もうゲップしてもいいですよ。」 と言われ、遠隔操作のグリグリで胃のあたりを激しく押さえつけられ、 「もうゲップしてもいいんですよー。ゲップ、まだ出ませんかー?」 と言われても、結局、最後まで我慢しましたからね。欧米人としては立派な態度だったと思います。 ただ、最後の無駄な努力が裏目に出たのか、かなり気持ち悪くなっちゃいましたけどー。 こんな苦しい検査をされるくらいなら、まだ胃潰瘍になったほうがマシなような気がするんですが、ま、僕は今まで一度も胃潰瘍になったことがないので、そんな暢気なことを言ってられるのかも知れませんけど。

 もし胃カメラがこれよりも楽だったりするなら、来年からは乗り換える手なんですが、胃カメラとバリウムの比較に関して、 こんな記事 がありました。まずは胃カメラなんですが、ほう。口からだけでなく、鼻から入れることもあるんですか。口から管を入れられるとオエッとなっちゃいそうなんですが、鼻からなら鼻毛がこそばゆくてクシャミが出るくらいで、わりと大丈夫かも知れませんな。検査してくれているナースの顔面にゲロを吐かずに、つばを飛ばすくらいで何とかなるかも知れません。検査前に、少し気持ちが楽になるようなお薬を使い、のどに十分な麻酔をすることで大部分は、それほど大きな負担をかけずに検査が可能…とあるので、思ったほど苦しく無いのかもしれませんが、人によっては、のどの反射が強くて、カメラを挿入するときに非常に苦しい思いをされる場合があるのは、胃カメラの欠点とも言えます。…って、やっぱり駄目じゃん! バッテイ手術で腰椎麻酔をする際、 「人によっては2週間くらい頭痛が続くことがあります。」 と言われて、きっぱりその通りになっちゃいましたからね。どうやら僕は “人による” 体質であるようなんですが、続いてこちらの バリウム検査

 ん? 検査に伴う苦痛が少ないという利点があります。…って、やっぱり胃カメラより楽なんやん! 胃カメラ、意外と大丈夫♪…という体験談が欲しかったんですが、これでますます怖気づいてしまいました。 他にもいくつか調べてみたんですが、例えば “Yahoo!知恵袋” に寄せられた回答だと、

私はずっとバリウムだったのですが、前回初めて胃カメラにしてみました。胃カメラにするなら麻酔ありにした方が良いです。麻酔すると帰りが1時間以上遅くなると聞いたので、喉麻酔のみにしたのですが、おかげで上手く飲み込めず、気持ち悪い思いをしました。
何度も喉で行ったり来たりしたため、喉が傷つきしばらく痛かったですし診断書にも喉の裂傷と書かれる始末です。
しかも貫通すると、口からうんこの臭いがして最悪でした。
確かにバリウムは、腹は張るし後から下剤だの白いうんこだのと最悪ですがどっちもどっちです。

 どっちもどっちですかぁ。。。健康診断だと、まともに麻酔とかしてくれなさそうだし、でもバリウムは腹は張るし後から下剤だの白いうんこだのと最悪だしぃ。。。 何とか胃カメラの気分を後押ししてくれるような体験談が欲しいところなんですが、 「はじめての時って、すごい不安だったんだけどぉ、いざ実際に挿入されてみればぁ、ぜんぜん平気だったのぉ♪」 みたいな話が聞ければずいぶんと勇気付けられるんですけどねぇ。 もしそういう体験をされたギャルがおられましたら、是非お話を聞かせてくださいね。…ということをお願いしておいて、今日の話はおしまい。

 ということで今日はウイントン・ケリーなんですが、この人のアルバムは手持ちのネタがそろそろ枯渇しつつあるので、とりあえず通販で1枚確保しておきました。ザナドゥ盤の 『ブルース・オン・パーパス』 という奴なんですが、とりあえず買ってみた結果、今ひとつ素性の怪しいライブ盤であることが判明しました。 いや、何となくそんな気はしていたんですけどね。どうやらこれは、世間でよく知られている 『ハーフノートのウエス・モンゴメリーとウイントン・ケリー』 というアルバムと同じセッションのようなんですが、そのうち、ウエス抜きのトリオ演奏ばかりを集めてみました。…みたいな。この手のアルバムはレアという点では申し分がないものの、内容的にはジュセリーノの予言と同じくらいハズす確率が高いんですが、ぜんぜん気合の入ってない手抜きなデザインのジャケットが非常に僕好みでありますので、駄目モトで取り上げてみたいと思います。

 とまあそんなことで、1曲目です。今日は後半の前フリが短いんですが、まずはアルバム・タイトル曲の 「ブルース・オン・パーパス」 。 わりとよく耳にする曲名なんですが、 “パーパス” って何なんですかね?紙おむつ?…って、それはパンパースですな。調べてみたらどうやら “on purpose” という熟語で、故意に、わざと、偶然をよそおって。…といった意味になるようですが、作曲したのは R.スチーブンソンという人のようです。ケリーのリーダー作によく作品を提供しているお友達のギタリストでしたっけ? わりといい曲を書く人という印象があるんですが、そんなことより何より、あまりの録音の悪さに、のっけから気分を阻害されてしまいました。いわゆる私家録音という奴なんでしょうか? その筋の専門家ではない、ただのシロートがライブの会場にこっそりテープを持ち込んで録った感じでありまして、僕が “今ひとつ素性の怪しいライブ盤” と書いたのは、そこのところに問題があるからなんですけど。 歯科録音とか鹿録音といったネタは前にも書いたような気がするので今回は使えないし、となると、私家録音にはまったくメリットが無かったりするんですが、そもそも犯罪行為ですしね。 こりゃ、やっぱりハズしたか。…という悔悟の思いでいっぱいでありますが、今さら引き下がるわけにもいきません。何とかコイツのいいところを見つけ出さなければならんのですが、ケリーのピアノにチェンバースの骨太なベースの絡むイントロはなかなか悪くなかったりします。私家録音のわりにベースの音だけはわりとよく録れているんですよね。テーマそのものは極めてシンプルなブルースなんですが、いかにもケリーらしいスイング感があって、これまた悪くないです。 ピアノのソロも決して悪くないと思うんですが、音の悪さが気になって、どうも今ひとつ気分が乗りません。 で、その後、チェンバースのアルコ・ソロが出てきて、ますますイメージが悪くなってしまいます。別名ボーイングとも言うんですが、ボーイングをやればブーイングだし。…と、誰かがうまい事を言ってましたな。確かにベースの弓弾きというのは、由美かおるの入浴シーンほどにもソソられるものがありません。 で、ベース・ソロに続いてケリーが再登場することになるんですが、けっこうノリノリだったりしますよね。音の悪さに目を瞑り、純粋な気持ちで改めて聞きなおしてみると、なかなか優れた演奏であるようにも思えてくるんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 続いては 「イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ」 。 タッド・ダメロンの書いた美しいバラードであります。何となく語呂のいいタイトルなんですが、試しに翻訳サイトにかけてみたところ、 「今見て頂ければ」 と、これまたなかなか座りのいい日本語訳が出てきました。あまりにも普通の日本語なので、その先に書くことがなくて困ってしまいますが、本家 『スモーキン・アット・ザ・ハーフノート』にもトリオによるこの曲が入ってましたっけ? 例えば同じクラブに1週間ほど出演する場合、大抵、同じ曲を毎日演奏することなりますからね。いくらジャズはアドリブが命といっても2日続けて通うと飽きちゃうに違いありませんが、ここでのテイクはやはり、ちょっぴり残り物っぽいムードが漂っていたりします。原田充クンの書いた日本語ライナーにも、時々沈み込むようなケリーのピアノが気にかかる。…などと書かれておりますが、どうやらこの時期、ケリーくんは躁鬱っぽい精神状態にあったようなんですよね。躁状態なら、「今、躁なん?」と振られても、 「そうなんっすよ!」 と明るく返すことが出来るんですが、鬱状態だとウツボを食う元気もなかったりします。小骨が多くて食べるのが面倒らしいですからね、ウツボ。 でもまあスローな演奏なので、ちょっぴりウツが入ってるくらいで丁度いいような気もするんですが、躁状態でバラードをやられても、ただ煩くて迷惑なだけだと思うし。 チェンバースも脇役に徹していてくれるので、その点でも安心です。とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 このペースだとあっという間に解説が終わってしまいそうなんですが、ということで3曲目。 「サムバディズ・ブルース」 。 これはアレです。ケリーのオリジナルです。タイトルは恐らく適当に付けたものだと思うんですが、原田クンによると、内容は 「ケリーズ・ブルース」 と同じ。…とのことでありました。 「ケリーズ・ブルース」 って 「ケリー・ブルー」 のことかと思ったら、それとはまた別の曲だったんですが、 『オン・パワーツリー』 というアルバムでも取り上げられているようです。そんなアルバムもあるんですな。世の中まだまだ、僕の知らないことばかりです。 出だしがスローなピアノの無伴奏ソロだったので、バラードの連発かと一瞬思ってしまったんですが、すぐ速いテンポに転じました。曲そのものは極めてシンプルなブルースで、あくまでもアドリブのための素材といった感じなんですが、素材を生かすも殺すも料理人次第。 死刑囚を生かすも殺すも法務大臣次第。…というのに比べると、そこまで責任は重くはないんですが、ケリーは無論、一流の料理人でありまして、包丁人味平といい勝負ですかね? 包丁さばきでは川俣軍司も負けてはいませんが、彼の場合、その包丁の使い方を大きく間違えてしまったところに問題があるんですけど。寿司職人なんだから、サバを捌いてバッテラとかを作ればよかったんですけどね。 とか言ってるうちに演奏のほうはかなり進んでしまいましたが、ケリーのソロは、まずますといったところでしょうか? 途中、チェンバースのソロがフィーチャーされたりしますが、ピチカートなので何とか我慢の出来る範囲には収まっております。録音もベースに限って言えば、かなり良好だったりします。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 あ、阪神、めっちゃ負けてるやん!(2008年9月20日19:00現在) いよいよこれで巨人とは1ゲーム差でありますなぁ。 こうなったらもう広島とオリックスに頑張って貰って、近年稀に見る盛り上がらない日本シリーズに期待するしかありませんが、いや、個人的にはけっこう好きなんですけどね、広島とオリックス。巨人が日本一になるより、よっぽどいいと思うんですが、とまあそれはそうと4曲目。 「アナザー・ブルース」 。 ケリーのオリジナルなんですが、タイトルは適当に付けたものではないかと思われます。 もう、何から何まで投げやりなムードが漂っているんですが、でも大丈夫。僕はここ数日でこのアルバムを計7回ほど適当に聞き流しているんですが、中ではこの曲の出来が一番よかったように記憶しております。テーマそのものは原田クンも指摘している通り、マイルスの 「ノー・ブルース」 そのものなんですが、悪くない曲ですからね、「ノー・ブルース」。 ノー・ズロースというのも悪くないとは思うんですが、このあたりになると音の悪さにも慣れてきちゃうというか、わりと素直に演奏に入っていくことが出来るような気がします。かなりのアップテンポなんですが、ケリーは瞬時的に躁状態だったのか、よどみの無いフレージングにはまったく破綻が見られず、終始ノリのよさをキープしております。 ピアノに続いてはジミー・コブのドラム・ソロもフィーチャーされておりまして、何か地味な昆布やな。…といった印象の強いこの人にしては、目一杯の派手なプレイが展開されております。この調子なら都こんぶとして、立派にお茶うけや、行楽のお供が務まるかも知れません。…など言っておだてていたら、すっかり調子に乗って延々とタイコを叩き続けてくれて、ちょっと迷惑だったりしたんですが、いくら都こんぶが昆布にしては美味しいといったところで、所詮は甘酸っぱいだけだけですからね。3箱も連続食いすれば飽きちゃうに違いないので、節度を持って欲しかったところでありますが、最後にもう一度ケリーが出てきて演奏にケリを付けて、おしまい。

 5曲目は歌物ナンバーの 「オールド・フォークス」 。 翻訳サイトにかけたところ、 「年取った人々」 という訳語が出ましたが、なるほど、そういう意味だったんですな。 みんなは年取った人々として彼を知っています。季節のように、彼は来ます、そして、進んでいます。まさしく彼は鳥として自由です。そして、彼は彼の言葉として良いです。それはしたがって私たちが皆、彼を愛していた理由です。…とまあ、そんな感じの愛すべき年寄りを称える歌のようなんですが、“Old Folks” と呼ばれるのは南北戦争を経験した世代のことらしいです。いくら何でもオールド過ぎやしないかという気もするんですが、南北戦争っていつでしたっけ?1861〜1865年? 今年が2008年だから、いちばん若くても143歳くらい? 最もこの歌が作られたのは1938年なので、作られた当時で言うと73歳以上ということになりますか。 ま、無難なところですな。 このアルバムが吹き込まれたのは1965年なので、演奏当時でいうと27年ほど前の懐メロと呼べる作品ということになるんですが、訥々としたケリーの弾きっぷりが何とも言えずに年寄り臭くて、加齢臭。 ちなみに僕は今年で40歳になったんですが、加齢臭はしないと思います。今日の晩飯はカレーではなくて、クリームシチューだったしぃ。 ま、加齢臭くらい、口からうんこの臭いがすることを思えばぜんぜん大丈夫なんですが、あ、巨人VS阪神はついに9対1になっちゃいましたな。もうどうだっていいやぁ。…という投げやりな気分でありますが、ということで、ラストです。

  「マイルストーンズ」 。 マイルのストーンズと、マイルスのトーンズを掛けた、洒脱なタイトルのマイルスのオリジナルです。普通に訳せば 「一里塚」 だね。…と思っていたら、どうやら 「重大事件」 という意味もあるようなんですが、最近の重大事件といえばやはり、リーマン・ブラザーズの破綻ですかね? リーマン・ブラザーズって、何だかサラリーマンの兄弟みたいやな。…とか思っていたら、いつの間にやら経営に行き詰っていたんですが、バンク・オブ・アメリカのことを “バンカメ” と略すというのも、つい最近になって知りました。 「メリルはバンカメに身売り」 って、どんな金持ちの亀なんや?…とか思ってしまったんですが、世の中まだまだ、僕の知らないことばかりです。 で、演奏のほうはというと、これがなかなか元気いっぱいだったりするんですが、シンプルな曲だけにアドリブの出発点としては手頃なのかも知れません。かなり躁状態の宋兄弟。…と言えそうなんですが、終盤、すっかり調子に乗ったジミー・コブのドラム・ソロがフィーチャーされたりして、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 という事で、今日は以上です。

【総合評価】

 今日の後半はちょっと淡白だったんですが、検尿の前にあまり激しい運動をすると、タンパクがおりちゃいますからね。高校時代、柔道の授業直後が検尿タイムだった時は、クラスの半数くらいが蛋白尿で再検査になっちゃいましたが、ぜんぜん関係のない話でした。 で、演奏の出来はというと、ライブだけに荒削りだし、私家録音っぽくて音質も期待出来ないし、残り物の寄せ集めだけに、あまり多くのものは期待出来ないんですが、ま、最初からあまり多くのものは期待してなかったしぃ。 計8回ほど適当に聞き流した結果、最初に受けたイメージほど出来は悪くなく、ケリーのプレイは一定のレベルに達しているとは思うんですが、いかんせんマニア向けのイカせんべい。 ま、そういった感じです。


INDEX
BACK NEXT