MY PEOPLE (SOUL PEOPLE)(PRESTIGE)

FREDDIE ROACH (1967/6/22,29)

MY PEOPLE (SOUL PEOPLE)


【パーソネル】

HENRY WHITE (flh) KIANE ZAWADI (tb,eup) JAMES ANDERSON (ss)
ROLAND ALEXANDER (ts) CONRAD LESTER (ts) FREDDIE ROACH (org,fl,p,vo)
EDDIE WRIGHT (g) EDDIE GLADDEN (ds)
【収録曲】

(01-03) PRINCE STREET / STRAIGHT AHEAD / MAS QUE NADA
(04-06) DRUNK / MY PEOPLE (SOUL PEOPLE) / I'M ON MAY WAY
(07-08) RESPECTFULLY YOURS / FREDDIE

【解説】 (2007年11月11日更新)

 みんな、遊園地は好きかな? 僕はですね、あまり好きではありません。どうしてあまり好きではないのかというと、恐くて、恐ろしくて、思わずチビりそうになったり、もしくは、気持ち悪くて、気分が悪くなって、思わずゲロを吐きそうになったりといった、そういう苦痛系の乗り物がたくさんあったりするからなんですが、どうしてわざわざ自分でお金を払ってまで、そんな嫌な目に遭わなければならんのだ?…と思わずにはいられません。 高いところは恐い。速いものは恐ろしい。ゆらゆら揺らされたり、くるくる回されたりすると、たちどころに乗り物酔いに苦しめられ、逆さ吊りにされると頭に血が上って、眩暈がして、動悸がして、息が切れ、ついでに切れ痔も切れて、もう大変なことになってしまいます。 おかげで、 ナガシマスパーランド にいっても観覧車汽車ゴーカート足漕ぎボートくらいしか乗るものがなかったりするんですが、一度、間違えて ダブルワイルドマウス というのに乗ってしまった時は、マジで死ぬかと思いました。子供の頃、似たような乗り物に “マッドマウス” というのがあって、めっちゃビビリの子供だったサバ君でも楽しめたような記憶があるので、すっかりナメてかかっていたんですが、うわ〜、横に落ちるぅぅぅ!絶対に落ちるぅぅぅ!間違いなく落ちるぅぅぅ! ま、結果的には最後まで落ちることなく無事だったんですが、いつ落ちてもまったく不思議ではないほど強烈に左右に振られ、ちょっぴり生命の危険さえ感じてしまいました。 “マッド” に比べて “ワイルド” というのは、ちょっと野生っぽいだけで、常識とかは十分に通用するよね?…といったイメージがあったんですが、いや、実にとんでもない乗り物でありましたな。もう2度と乗りません。

 観覧車というのも高所恐怖症の人間にとって、さほど心の休まる乗り物ではなかったりするんですが、速度がゆっくりなので、まだ我慢の出来る範囲だったりします。ゴンドラが固定式になっていて、真上に行った時に逆さ吊りになったりするとちょっと嫌なんですが、幸い、そういう観覧車には一度も遭遇したことがないですしね。高さ・スピード・逆さ吊りのうち、どれかひとつだけならまだ何とか耐えることが出来るんですよね、僕の場合。 が、速度がゆっくりで、逆さに吊るされることがないとは言え、 こんな観覧車 には絶対に乗りたくないわけなんですが、 “あいあいアンブレラ” などという可愛いネーミングで僕を油断させようなどと思っても駄目です。横から見ると微妙にチューリップみたいで可愛い♪…とか言っても騙されません。何でもいいけどこれ、普通の観覧車のうち、ゴンドラが1つか2つだけ足ブラになっているんですかね? 順番待ちをしていて、コイツに当たったら問答無用で乗らせれるという、ロシアンルーレットみたいなシステムだったらめっちゃ嫌なんですが、いや、ナガシマスパーランドにこんな無謀なヤツが無くてよかったです。おちおち観覧車にも乗れなくなっちゃうところでしたが、ま、同じ足ブラでも速度が遅い分だけ、 スペースショット よりはマシですかね? 最大4.5Gの重力にキミは耐えられるか?…って、そんなん、耐えられるワケないやん! 4.5Gも重力が掛かったら、4.5倍くらい痔が悪化するやん! ま、同じ足ブラでも回転が加わらない分だけ、 ジャイアントフリスビー よりはマシなのかも知れませんが、コイツは傍から見ているだけでも、いつかきっと死人がでるな。…と思わずにはいられなかったりしますからね。 とりあえず、ケロヨンジャンプ あたりから徐々に体を慣らしていったほうが無難かとは思うんですが、いや、ナメて掛かっていると、意外と恐いという話を聞いたこともあるんですけど。

 そんな僕の一番のお気に入りは、何と言っても テレコンバット なんですが、いや、これはいいです。何がいいと言って、手軽に戦闘機乗り気分を味わえるところが、もう、最高っ♪…なんですが、テレコンのバットって、どんなバットなのかと思っていたら、もしかしてこれ、テレのコンバットだったりするんですかね? とまあそんなことで、 航空自衛隊岐阜基地へ航空祭を見に行った話 の続編なんですが、カメラのレンズにテレコンを付けて、戦闘機乗りのスーパーテクニックを激写しようという、テレコンバット好きにはなかなかソソられる企画だったりするんですが、12:00〜13:00は岐阜基地の航空祭では名物になっているらしい、こんな企画が行なわれておりました。


<異機種大編隊> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 サドにマゾ、ネクロフィリアにスカトロ、ネギトロと、変態には色々な種類があるわけなんですが、自衛隊の飛行機にもいくつかの種類があったりします。 練習機、輸送機、戦闘機というのが主な分類であったりするんですが、それら異機種の飛行機がですね、大きな編隊を組んで飛行するという、ただそれだけの企画だったりするんですけどね、 “異機種大編隊” というのは。 飛行機の素人からすると、「ふーん。」とか、「へー。」とか、「それで?」 とか、そういう気のない返事しか返ってきそうにない、別に何ということのないフライトのように思えてしまうんですが、これがなかなかどうして、見かけによらず意外と大変な編隊だったりするらしいんですけどね。 というのも練習機と輸送機と戦闘機とではその飛行特性や速度がまったく異なっているので編隊を組むのは大変だと、そういうことだったりするようなんですけど。 速度の遅い輸送機は全速力で、速度の速い戦闘機は失速ぎりぎりで飛ばないと綺麗な編隊を組めないそうですが、それを知った上で改めてこのフライトを見ると、「ふーん。」とか、「へー。」 といった感動の声が上がるのではなかろうかと思われます。 とまあそんなことで、まずは (写真・いちばん上) 。 これはアレです。 “C−1” です。 “” はトレーニング(練習機)、“”はファントム(攻撃機)のことらしいんですが、“” というのは輸送機です。何の略なんですかね? CCレモン?たぶん違うでしょうな。キャリアですかね? ま、よくは分からんのですが、いいですなぁ、輸送機は。 任務そのものは、ただ輸送してるだけやん。…といった感じで、今ひとつ派手さがないんですが、その分地味で、ただ速度があまり速くない上に図体がデカかったりするので、写真を撮るには楽だったりするところがいいです。35mm判換算で 450mm×テレコン1.5倍=675mm相当というスペックのおかげで、トリミング無しでここまでアップで撮影することが出来ました。戦闘機乗りではないんですが、輸送機乗りの姿を何とか確認することが出来ますなー。

 で、 (写真・上から2番目) は、これぞ “異機種大編隊” やん!…といった定番のアングルでありますな。いろいろな形と大きさの飛行機たちが “C−1輸送機” を先頭に “1−2−3−2−1” で菱形の編隊を組んでおります。いや、見事でありますな。それにくらべて (写真・下から2番目) はいったい何なんすかね? 意味もなく、ただ適当に飛んでるだけやん!…と思った人は、大きな間違いを犯しております。 何にも知らずに馬鹿にしたりして、パイロットたちに謝れ!…と諭さずにはいられませんが、何を隠そうこれが今年の航空祭の目玉である “岐阜基地開庁50周年記念特別スペシャル編隊飛行” でありまして、なるほど、言われてみれば何となく “50” という形に見えないこともないような気がしないでもありませんよね。左の7機で “” 、右の4機で “” という数字が、まるでPL学園の応援の人文字のように、くっきりと青空に浮かび上がっているではありませんか! ぼーっとしているとよく分からないかも知れませんが、心の目をしっかり見開いてやれば、きっと見えるに違いありません。 おおっ、 “50” や!すげぇ!! が、言われてみなければ何がやりたかったのか、まったく分からなかったりして、この企画は失敗だったのではないか?…という気がしないでもないんですが、僕は血液型がA型で根が神経質なので、こういう左右がまったく対称でない編隊というのは何だか見ていて気分が悪いんですよね。普通に三角形とか菱形で飛んでくれたほうが、よっぽどスッキリするわけなんですが、幸いなことにこれは岐阜基地開庁50周年記念ということで、今年1回きりのイベントでありますので、来年はもう見なくて済みそうなんですけど。

 で、この航空祭は前回も書いたように、北側のメイン会場から写真を撮ると、思いきり逆光になってしまうのがネックだったりします。 ファインダーで飛行機を追いかけていると思いきり目が太陽に入ったりして、まぶしっ! 目を傷める恐れがあって非常に危険なんですが、もやしを炒めても、目を傷めるな。…と、古い日本の諺にもありますからね。注意が必要です。 で、レンズに太陽の光が入ってしまうと (写真・いちばん下)みたいな出来になってしまうんですが、これはこれでなかなか面白い?…という気がしないでもなかったりして、個人的にはこういうのって、けっこう好きです。


<ブルーインパルス(その1)> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、いよいよ “ブルーインパルス” の登場です。僕はブルーインパルスを生で見るのは初めてなんですが、インパラだったら動物園で見たことがあるんですけどね。鹿によく似ていて、さして珍しくもない生き物やな。…というのがナマのインパラを見た時の感想だったりするんですが、動物のドキュメンタリー番組なんかではよくライオンに食べられてますけどね、インパラ。 で、一方のブルーインパルスは、ショータイムが13:15〜14:20となっているんですが、すぐに飛び立って曲芸飛行を繰り広げるのではなく、機体の点検をしたり、飛行機に乗り込んだりするところもショーの一部。…という名目になっていて、かなり準備に時間を取られることになります。 こんなサイト もあったりして、ま、確かに地上の様子を見られる人ならそれなりに暇も潰せるんでしょうが、最前列に陣取ったほんの一握りの人以外は何がどうなっているのかさっぱり分からなくて、かなりイラつくことになってしまいます。 写真を撮ろうと思っても、前の人の後頭部とか、幼女のパンチラとか、そういうのしか撮れなかったりするんですが、その為、マイ脚立を持ち込んでいる人もかなりたくさんいたりします。彼らは専門用語では “キャタラー” と呼ばれているようで、とっても近所迷惑だったりするんですが、自分だけいい写真を撮れれば、それでいいのか?…という自分勝手なところが世間の顰蹙を買っているようです。確かに迷惑です。大人でもよく見えないくらいなので、幼女だったら尚更なんですが、しかたなくパパにおんぶしてもらったりして、ズボンがずり下がってパンチラ、半ケツ状態になったところを変態系のカメラマンに狙われたりして、それもみんな脚立が悪い!…と思わずにはいられないんですが、ま、幼女がおんぶして貰っている分にはなかなか微笑ましいものがあるんですが、中にはいい年こいた大人なのに彼氏におんぶして貰っているギャルとかもいて、大変に目障りです。 ま、人前でイチャイチャしたいのなら別にそれでも構わんのですが、その見返りにちょっとだけパンチラを披露するとか、それくらいのサービスをするのが社会人としての最低のマナーではないかと思うんですが、そんなよく出来たギャルの姿というのはついぞ見ることが出来ませんでした。

とまあそんなことで(写真・いちばん上) なんですが、これは “異機種大編隊” が始まる前の休憩時間に、何とか人の隙間を縫って撮影したものであります。ブルーインパルスの機体はそんな時間から滑走路に姿を現すことになるんですが、ショーが始まると人を掻き分けるのも困難なほどの混雑になっちゃうので、狙うならこの時間しかありません。 とまあ、さんざん焦らしておいて、いよいよテイクオフ! ブルーインパルスで使われる “T−4” という練習機はこんなデザイン (写真・上から2番目参照) なんですな。ブルーインパルスだけに青が基調になっているんですな。これがもし “ブルマーインパラ” だったらブルマを穿いた鹿みたいな動物が描かれることになったんでしょうが、そんな変態じみたデザインにしなくて正解だったと思います。 1機ずつ順番に飛び立って、向こうのほうで体勢を整えて編隊になって戻って来たりするわけなんですが、青空に白いスモークが映えますなぁ。 (写真・下から2番目参照。) 以前は色付きのスモークを使っていたのが、環境問題に配慮して白だけになったということなんですが、なかなかいい感じのスモークでありまして、機体の後ろに茹で卵をぶら下げておくと美味しい “くんたま” が出来そうです。 通常の編隊飛行は写真に撮っても何だかあまりスピード感が出なくて、色紙の上にオモチャの飛行機を並べたような作品になってしまいがちなんですが、スモークのおかげで、飛んでるやん!…という躍動感が出ますよね。 で、スモーク無しの状態の場合、 (写真・いちばん下) のように、バックに雲を配すると多少は空をイメージさせることが出来るんですが、ブルーインパルスの機体は裏から見るとこんなデザインになっていたんですなー。 何だか大空をトビウオが飛んでいるみたいですよね …って、いや、トビウオというより、フグみたいな体形の絵文字だったりするんですけど。

<ブルーインパルス(その2)> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、いよいよアクロバティックなフライトが始まりましたなぁ。ブルーインパルスの主な演目は ここ を見て貰うとよく分かるんですが、 (写真・いちばん上) は “フォーシップインバート” ということになりますかぁ。 めっちゃ逆さ向いてるやんっ! 上空の高いところで猛スピードで飛行しながら、しかも逆さ吊り! 僕が苦手とする3大要素が漏れなく網羅されているわけなんですが、よくまあ、こんな無茶な飛び方が出来ますなぁ。。。 見ているだけでも何だか動悸・息切れ・眩暈がしそうで、とりあえず写真を180度回転させて上向きに戻したいような気分になっちゃいますが、で、 (写真・上から2番目) は、えーと、 “ワイド・トゥー・デルタ・ループ” ということになるんでしょうか?  もしかしたら違うのかも知れませんが、とりあえず、またしても超逆光でレンズに太陽を入れてしまった作品を選んでおきました。こういうのを “馬鹿の一つ覚え” というんですかね? ま、ひとつでも覚えることが出来て、我ながらよく頑張ったな!…という気がするんですが、その他、ほぼ真上に向かって急上昇したりだとか、編隊を組んだまま真下に向かって落ちてきたりとか、とにかくまあ、嫌がらせか拷問としか思えないような過酷なフライトが披露されるんですが、どれくらいの重力加速度が掛かっているんでしょうな?…と思って調べてみたところ、ま、6G〜9Gといった辺りらしいんですけどね。一般的なジェットコースターで3G、機種によっては6Gくらいまで掛かることもあるそうなので、意外と大したことないな。…という気がしないでもないんですが、9Gを超えると失神しちゃうらしいですからね。 それだけのGにはとても耐えられそうもないので、もしアクロバット飛行のパイロットに任命されるようなことになれば、飛び立つ前に速攻で辞意を表明したいと思います。この年寄りにはとても無理でごぜぇます。…と、爺の真似をすれば、きっと許して貰えれるのではなかろうかと。

 あとはまあ、 “スモークを使って大空をキャンバスにして絵を描くシリーズ” とでも言えそうな演技が披露されておりました。 2機の飛行機が大きなハート を描いて、もう一機がその真ん中を矢 で射る “バーティカルキューピッド” なんてのはギャルにウケがよさそうですよね。5機の飛行機が大きな星 を描く “スタークロス” も実に見事でありました。特にこの日は綺麗な青空だったので白いスモークがよく映えておりましたし、風もなくていつまでも形が崩れなくて、この手の演技をするにはベストのコンディションであったと言えましょう。ただ、僕のこの日のワイ端で157mm相当というレンズでは、その全貌を捉えることは出来なかったんですけどね。最近、ニコンの “D40” を買ったサバ兄はこの日、“AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-135mm F3.5-5.6G(IF)” というレンズを使っておりましたが、27mm相当の広角レンズなら “バーティカルキューピッド” は余裕で全体を写すことが出来たみたいです。ただ “スタークロス” のほうは端っこが切れちゃったらしいので、これはもう18mm相当クラスの超広角レンズが必要になりそうですな。なんとかサバ君のレンズでも写すことが出来たのが (写真・下から2番目) なんですが、これはえーと、オフィシャルサイトには書いてないんですが、 “上向き空中開花” というヤツですかね? 実にこう、開花してるやん!…という感じがして、よかったです。 で、 (写真・いちばん下) は “タッククロス” でありますかぁ。 2機が背面飛行で進入し、ぶつかりそうなほど近距離で交差するスリル感たっぷりのアクロバット飛行と解説にもありますが、まさに、ぶつかるっ!…としか思えないような何ともデンジャラスな演目であります。旋回しながら交差するバージョンと、左右から飛んでくる飛行機(1台は逆さ吊り状態)が上下に交差するバージョンとがあるようなんですが、旋回交差を瞬間を抜群のタイミングで激写っ! サバ君、凄いっ! が、上下交差の瞬間は思いきりハズしてしまって、ああん。。。 いやあ、ブルーインパルスの写真は運だけが勝負でありますなぁ。


 いずれにせよ、いくら “テレコンバット” で頑張ってみたところで、とても戦闘機乗りにはなれそうにもない事が判明した次第でありますが、それはそうと、いや、基地からの帰りはえらい混雑でありましたなぁ。 三柿野駅に向かう歩道橋のところで、混雑で将棋倒しになって死傷者が出たりしても困るという判断なのか、通行規制がかかっていて、一歩も前に進めなかったりするんですよね。各務原市民公園の駐車場にクルマを止めて三柿野まで電車で行く作戦は、朝の時点では大成功かと思ったんですが、帰りはちょっと失敗でしたか? ちょっと歩く距離が遠くても手前の六軒駅を利用したほうが得策だったかも知れませんが、ま、これは来年に向けての反省材料ということで。 以上、写真撮影の素材として、航空祭ってめっちゃ楽しいな♪…ということが判明した次第なんですが、次は何を撮りに行きますかねー? やっぱり十念寺の 七福神祭り ですかね? 「七福神とミス桑名を写す会」 に乞うご期待♪

 ということで、今日はフレディ・ローチです。塩通読者の間ではもっともよく顔が知られているオルガン奏者ではないかと思うんですが、それはどうしてなのかというと、 このアルバム のジャケットがトップページに流用されているからなんですけどね。改めて当時の原稿を読み直してみて、1回分、めっちゃ短いやん!…ということに気付いたんですが、あるいはこれくらいの分量に戻したほうが読むほうとしても手軽なのかも知れませんね。ということで、今回は特に後半のほうで手抜きをしようと思うわけなんですが、今日紹介するのはプレスティッジ盤の 『マイ・ピープル(ソウル・ピープル)』 というアルバムであります。フレディ・ローチというとブルー・ノート専属ミュージシャンというイメージがあったんですが、プレスティッジにもリーダー作を吹き込んでいたんですな。ちょっと調べてみたところ、1961年にアイク・ケベックにスカウトされてブルー・ノート・デビューを果たしたローチくんは初リーダー作の 『ダウン・トゥ・アース』 をはじめ、5枚のリーダー作を残して、66年にプレスティッジに移籍したようなんですが、その移籍金でヰセキの田植機 「さなえ」 を買ったと噂されております。ま、あくまでも噂に過ぎないのでその真偽のほどは定かないんですが、プレスティッジでは3枚のリーダー作を残しているようです。 で、この 『マイ・ピープル(ソウル・ピープル)』 は同レーベルにおける最終作ということになるようなんですが、何でもいいけど、これ、サイドマンがかなり微妙でありますな。 オルガン、ギター、ドラムスという基本の3人組以外に、ソプラノ・サックス、テナーサックス、トロンボーン、フリューゲルホーン、さらにはユーフォニウムなどというかなりマニアックな楽器が入っていたりするんですが、ちなみにユーフォニウムというのはトランペットを太く短く、極限までズン胴にしたような形の楽器で、音域としてはトロンボーンに近いものがあるようなんですが、ここでこの楽器を吹いているキアヌ・ザワディという人はフレディ・ハバードの 『レディ・フォー・フレディ』 というアルバムにも参加しているようです。ここに出てくる BERNARD McKINNEY というのがこの人のクリスチャン・ネームなんだそうですが、何でもいいけどこの辺りまで遡ると1回分の執筆量はほんの微々たるものでありますな。大いに見習わなければならないところでありますが、とまあそんなことで余計な話は置いといて、では早速、1曲目から聴いてみることにしましょうか。

 まず最初は 「プリンス・ストリート」 という曲です。 「プリンス通り」 というのは軽井沢にあったりするんですが、いかにもコクドの息が掛かっているな!…といった感じのネーミングですよね。 で、曲のほうはアレです。いかにも軽井沢らしい、ちょっと軽くてザワついた雰囲気だったりするんですが、ジャズ・ロックっぽいリズムのゴスペル風サウンドと言っていいのではなかろうかと。 演奏のほうはオルガン・トリオに管楽器が絡んでくるポピュラーな仕上がりとなっておりまして、コアなジャズ・ファンであれば、 「ふん。」 と鼻で笑って、それでおしまい。堕落しちゃいましたなぁ、ローチ君も。…という気がしないでもないんですが、彼の弾くオルガン・ソロそのものは昔からさほど変わっているワケでもなさそうなんですけどね。 取り巻きに問題があると言えるかも知れませんが、とまあそんなことで、3分35秒でおしまい。ちょっと先が思いやられるところでありますが、続く2曲目は 「ストレート・アヘッド」 というタイトルなので、とってもストレートで、しかもアヘッドな、そんな純ジャズの演奏を期待してもいいのではないでしょうか? 何せ、ストレートでアヘッドなわけですからね。ストリップでアヘアヘ♪…とはワケが違います。 とか言ってるうちに演奏が始まったんですが、まず最初に耳に飛び込んでくるのは澄んだフルートの音色でありますな。 パーソネルを見ると、楽器の欄に (fl) と書かれているのはフレディ・ローチしかいないので、リーダー自ら横笛を口にしたものだと思われるわけなんですが、同時にオルガンの音色も聞こえてくるので、どちらかは後からオーバー・ダビングしたものなんでしょう。原田和典クンの書いた日本語ライナーによると、彼がこの楽器に本格的に取り組み始めたのは2年ほど前との事なんですが、ちゃんと綺麗な音も出ていて、なかなかの腕前でありますな。 で、この曲、作曲者のところには “Waldron” とクレジットされていて、アビー・リンカーンの 『ストレ−ト・アヘッド』 が、どうのこうの。…という解説がなされているところを見ると、マル・ウォルドロンのオリジナルなんすかね? そちらのほうのアルバムではフレディではなく、マックスのほうのローチも参加していて、聴いてるだけで気分が滅入ってくるようなディープな世界が展開されておりました。 一方、フレディのほうのローチ君の演奏は、スピリチュアルなバラードとなっておりまして、聴いていてやっぱり、あまり明るい気持ちにはなれませんな。 でもまあ、わりと真摯にジャズに取り組んでいるな。…という姿勢は十分に伝わってくるので、ま、いいのではないでしょうか。 テーマのアンサンブル・パートだけで、ほとんどアドリブらしきものが出てこないまま終わってしまう演奏ではあるんですけど。

 3曲目はセルジオ越後…ではなく、セルジオ・メンデスの演奏で有名なラテン・ナンバー、 「マシュ・ケ・ナダ」 でありますか。 “マシュ・ケ・ナダ” というのは相模灘、玄界灘と並ぶ “世界3大灘” のひとつで、よくマスが獲れる海域。…でないことだけは確かなんですが、えーと、ポルトガル語で 「なんてことないさ」 、もしくは 「最高!」 といった意味だったりするんですかね? なんてことないさ、肥後さ、肥後どこさ、熊本さ♪…と、 「あんたがたどこさ」 の節で歌ってみると、よく合うわけなんですが、ま、歌ってみたところで何がどうなるワケでもないんですけど。 テーマ部ではソプラノ・サックスとオルガンのユニゾンがなかなかいい味を出していて、そこにトロンボーン、もしくはユーフォニウムと思しき低音楽器が微妙に絡んできたりして、なかなか面白いサウンドだったりしますよね。 で、中盤以降は管楽器のアンサンブルをバックにしたオルガンのソロとなるわけですが、それなりにノリがよく、適度にノビノビしていて、でもやっぱりバックの伴奏がちょっぴり邪魔で、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 やはり基本的に各自のソロを堪能するにはやや不向きなアレンジであると言えそうなですが、続いてはローチのオリジナルで、 「ドランク」 という曲です。オルガン以外にピアノの音も入っていて、多重録音を駆使したものであることが分かるんですが、アーシーで黒っぽくて、ちょっぴりチャーミングなローチ君のピアノ・プレイはそれなりに楽しめる出来であると言っていいのではないでしょうか。 ピアノに続いて、今度はローチのオルガン・ソロがフィーチャーされることになるんですが、管楽器の担当者が控えめな態度に徹しているので、わりと純粋なジャズやな。…といった感じに楽しめる作品に仕上がっております。ギャルのウケはちょっと悪そうなんですが、ま、その手のマニアならそれなりに楽しめる1曲なのではなかろうかと。

 続いてはアルバム・タイトル曲の 「マイ・ピープル(ソウル・ピープル)」 。 フレディ・ローチのヴォーカル…というか、詩の朗読のようなものがフィーチャーされるんですが、顔からしてもっとオッサン臭い声の持ち主なのかと思ったら、意外とヤングなお兄さん風だったりしております。 チャールス・ミンガスの演奏で、何かこういうのってあったよな?…という気がする音世界が展開されているんですが、ブルースのルーツというか、レースのズロースというか、そういうものを感じさせる仕上がりでありますな。 後半は朗読から、普通にヴォーカルと言ってしまっても過言でない、豊かな歌い上げが聴かれたりもするんですが、これなら十分、ちょっと歌がヘタなソウル・シンガーとしても食っていけそうな上々の仕上がりとなっております。この人、自分でライナー・ノートを手掛けたりもするし、単なるオルガン馬鹿に留まらない、それなりに賢くて多才なキャラであると言ってもよさそうです。 ということで、次。 ローチのオリジナルで 「アイム・オン・マイ・ウェイ」 。 フルートをフィーチャーしたゴスペル・ライクというか、R&Bっぽいというか、とにかくまあそんな感じの曲なんですが、これはえーと、ローチ君が母に捧げた作品のようであります。 ま、海援隊の 「母に捧げるバラード」 よりはマシ?…といった程度の出来で、フルートのソロもさすが本職ではないだけに、ちょっと危なっかしかったりもするんですが、後半のオルガン・ソロはさすが本職だけのことはあって、そつなくこなしてはいるんですけどね。ただやっぱりバックのアンサンブルがやかましくて、そっちに気を取られてしまって、フルート抜きのテーマ部に戻って、おしまい。

 7曲目、 「リスペクトフリー・ユアーズ」 。 タイトルは日本語にすると “敬白” とか “敬具” とか、そんな感じの手紙の結び言葉らしいんですが、オーティス・レディングやアレサ・フランクリンのヒット曲 「リスペクト」 の子供というべき (ホーン・アンサンブルが “sock in to me” と聴こえたらでかしたものだ) 「リスペクトフリー・ユアーズ」 …とか何とか、日本語ライナーにはワケのわからないことが書かれていたりします。 曲としては何ともベタな感じで、安っぽいリズム&ブルースを聞かさせている気分になったりしますが、途中、ストップ・タイムを用いてテンポをぐっと落とすようなパートもあったりして、それなりに工夫が凝らされているとは思うんですけどね。 が、たったの2分42秒で終わってしまって、ジャズとしてこれはどうか?…という気分になってしまうんですが、そんなこんなでこのアルバムもいよいよラストでありますな。 フレディ・ローチのオリジナルで、 「フレディ」 という名前の曲です。そのまんまですね。 で、コレはアレです。悪くないです。急速調のテーマ部は非常にスリリングで、ドライビングで、んがんぐ (←By サザエさん) だし、余計なホーン・アンサンブルがアドリブ・パートには被ってこないのでローチの演奏を思う存分堪能することが出来るし、そのソロもハード・バップを超越して、ビ・バッパーな頃のジミー・スミスを彷彿させるような日の出の勢いだったりするし、ローランド・アレキサンダーとキアヌ・ザワディだってソロを取ってるし、これはもう、立派なジャズでありますな。 どうして全編、この路線にせんかった?…と、恨めしく思えたりもするんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、最後はフェード・アウトして、おしまい。 ということで、今日のところは以上です。


【総合評価】 いや、何とも微妙ですなぁ。諸手を挙げてお薦め出来るのはラストの 「フレディ」 くらいで、補欠として 「ストレート・アヘッド」「マシュ・ケ・ナダ」 が、まだマシけぇ?…といったところでしょうか。8打数3安打で、打率は3割7分5厘。ま、そのうち2本はボテボテの内野安打としても、野球で言えばかなり優秀な成績でありますな。 が、野球と音楽のアルバムというのはまったく次元の違う話なので、この打率をどう評価するかでありますな。 ま、やはり微妙なところですかねー?


INDEX
BACK NEXT