サントリー大瓶発泡酒8円値下げ

1998-11-10日経産業。サントリーは11/18より発泡酒「スーパーホップス」の大瓶(633ml)の価格を248円から240円に値下げする。キリンビールが「麒麟淡麗<生>」の大瓶を価格240円で全国展開するため、キリンへの対抗上、価格を引き下げることにした。スーパーホップスの大瓶は97年2月に全国で発売、家庭用、業務用市場の両にらみで展開していた。
 一方キリンは九州地区に限定していた発泡酒大瓶の販売地域を11/18より全国に広げる。発泡酒は家庭市場向け缶製品が大半を占めており、業務用市場への浸透が今後の課題。ただ、料飲店向けは各社とも樽詰め商品の売り込みを強めており、大瓶商品の需要は比較小さいとみられる。・・・やっぱりスーパードライを意識した戦略でしょう

キリン本社でISO9001取得

1998-10-19日経産業。キリンは本社のビール製造関連部門で品質管理の国際規格「ISO9001」の認証を取得した。既に全国11工場では「ISO9002」を取得済みだが今後取得条件が厳しい9001の取得を進める。認証取得の対象となったのは本社の生産本部、物流本部、原料資材部、社会環境部、品質保証部。ISO9001の取得には大きく分けて、検査・試験、製造、設計・開発の3部門で国際標準化機構(ISO)の基準をクリアしなければならず、検査・試験、製造の対象が9002に比べ難しくなる。

ビール歳暮商品

1998-11日経産業。アサヒはリターナブル(回収可能)瓶のスタイニーを投入。きりんは一番搾りを中心に臨む。キリンは一番搾りの歳暮を送られた1万人を対象に2リットル樽が当たるキャンペーンを実施する。サッポロはブロイも加えるが、贈答用に人気が高いエビスと赤ワインを組み合わせたセットも投入。サントリーはモルツと専用グラスのセットや98年春に数量限定で発売した「麦の贅沢」を歳暮商品として販売する。

発泡酒比率17%台に

1998-11-4日経。10月の発泡酒出荷数量が800万ケース(1ケース大瓶20本)弱に達し、ビール・発泡酒市場での構成比率が過去最高の17%台後半となった見通し。サッポロの新製品ブロイは182万ケース、キリンの麒麟淡麗<生>が約410万ケース、サントリーのスーパーホップスが約200万ケース。

粉末ビール、英国に登場

1998-10-20日経産業。パブの国、英国で粉末ビールが登場。粉末は麦芽とホップ、イーストなどでできており、化学添加物は一切含まれていない。醸造容器は球形で高さ約50cm。1回あたり10パイント(約5.7リットル)のビール醸造が可能。粉末を醸造容器に入れ、水道水を加えて2週間おくだけで、おいしいビールができあがる。価格は容器と粉末をあわせて29.9ポンド(約6千円)。最初に容器を買えばその後は1パイント当たり65ペンスとパブで飲むビールの3分の1以下になる。できるビールは英国で好まれる焦げ茶色の苦みのあるビターでアルコール度は4.5%。味のほどは有名パブ・チェーンのバーマンのお墨付きとか。

キリン、黒ビール2種販売終了

1998-10-11日経。キリンビールは「黒ビール<生>」「ハーフ&ハーフ<生>」の発売を10月末までに終了する。10月30日に「一番搾り黒生」を発売するのにともなう処置。商品特性が似ている商品特性が似ている既存ブランド2品の販売終了により、黒ビールでは一番搾り黒生の販売を集中させ、同分野でシェアトップを目指す。黒ビール分野のうち「スタウト」は根強いユーザーがいるため存続させる。

アサヒ環境CMで理念アピール

1998-10-16日経。アサヒは18日から広島県に所有する「庄原林業所」を舞台にした環境CMを放映する。森林の規模は約1800ヘクタール。1500万立方メートルの貯水機能を持ち、年間4万3500トンのCO2を吸収し、3万1500トンの酸素を排出する。このCO2量はアサヒの全工場の排出量の12%に相当する。アサヒは1941年に森林を取得。戦時下でビールの王冠の裏に張り付けるコルクが輸入できなくなったため、杉やヒノキで代用しようとした。しかし、戦後コルク輸入が再開すると森林の使い道はなくなり、業績が低迷した70年代には売却話も出たという。昨年の地球温暖化防止京都会議以降、CO2削減が産業界全体で重要な経営課題となるなかで、庄原林業所の存在がクローズアップされ、環境CMの材料として活用することを決めた。

スタイニー瓶返却で景品も

1998-10-22日経。アサヒとセブン・イレブン・ジャパンは、アサヒが販売する小瓶入りビール「スタイニー」の瓶回収に向けたキャンペーンを始めた。空き瓶をセブンイレブンの店舗に返却した消費者の一部に景品が当たる。セブンイレブンが企画、アサヒが協力する形。空き瓶を4本持ち込んだ消費者にくじ付きカードを配布。当選者には空き瓶を入れるバッグや酒のつまみが当たる。酒類を扱う店舗約4200店が対象。11月15日まで。スタイニーの空き瓶回収率は「8割を上回る順調なペース」(アサヒ)という。

ビール各社、中国に攻勢

1998-9-25日経。
メーカー傘下会社所在地出資時期比率%年産千kl
サントリー中国江蘇三得利食品江蘇省
連雲港
198450.065
上海三得利口卑酒上海199596.560
アサヒ北京中策北京199524.860
煙台中策山東省
煙台
199523.9150
深土川青島朝日口卑酒広東省
深土川
199719.0100
キリン珠海麒麟統一広東省
珠海
199660.060
サッポロ江蘇大富豪江蘇省
南通
199615.085
サントリーは他社に先駆けて84年に中国でのビール生産を開始。上海周辺の市場では販売量で2位の実績。上海三得利(サントリー)口卑酒公司は来年5月までに設備を増強、生産能力を年産6万klから11万klに引き上げる。需要が供給を上回るため、上海郊外に年産10万kl規模の新工場を建設する。また年内にも現地ビール会社と合弁会社を設立、51%以上を出資して経営権を握る。総投資額は50ー60億円とみられる。99年春にも着工、2001年の完成を目指す。新工場では自社ブランドの熱処理ビールを生産する計画。  アサヒは94年から香港系の合弁会社5社に相次いで出資し、自社ブランドでの生産を開始。99年春をめどに広東省深土川市に年産10万klの合弁工場を稼働させ、主力商品の「スーパードライ」の本格生産に乗り出す。  キリンは96年から瀋陽市で自社ブランドの委託生産を始めたが、今春資本参加したニュージーランドのライオン・ネイサン社が江蘇省に持つ2工場を活用したキリンブランドのビール生産拡大を検討している。  サッポロビールも今春江蘇省南通市で自社ブランドビールの生産を開始した。  アサヒ、キリンが中国沿岸地域に生産拠点を増やし、沿岸主要都市での事業展開志向に対し、サントリーは上海から無錫、南京など揚子江流域の主要都市を上流に向けて市場開拓を進める方針。  成長市場である中国には日米欧、アジアの有力メーカーが競うように生産・販売を拡大している。外資系では米アンハイザー・ブッシュ、フィリピンのサンミゲル、オランダのハイネケンなどが先行 90年半ばから資本参加や合弁会社設立で事業展開を本格化した日本勢が追う形。ただ、急速に生産能力を拡大した一方で、販路の開拓や物流体制の整備が進まず稼働率低下に悩む工場も増えており、今後各社の体力の差が淘汰や再編として表面化する可能性は高い。

1997年世界のビール生産

1998-9-10日経産業。国別ビール生産量
順位国名生産量万キロl前年比伸び%
1米国
2中国186610.9
3ドイツ
4ブラジル
5日本
6イギリス
8ロシア252 23.6
1997年世界主要国のビール生産量(キリンビールまとめ)でトータル約1億3154万キロリットルで前年比3.3%増。中国やロシアの生産増が目立つ。特に中国は10年前に比べ3.5倍に伸びており米国を抜いてトップになるのも時間の問題か。ロシアは、市場経済移行後、ビール人気が高まっていたが、欧州からの輸入ビールが増えた結果、ここ数年生産量はマイナス傾向だった。しかし97年は国内ビール会社が設備を増強し、生産量を伸ばした。このほか、ポーランド(前年比13.9%増、188万キロリットル)、ベネズエラ(同14.9%増、172万キロリットル)の伸び率が高かった。米国、ドイツ、日本などの伸び率は低く、市場の成熟度を反映している。

国別1人当たりビール消費量
順位国名消費量リットル
1チェコ156.6
2アイルランド
3ドイツ
13米国
23日本58
-中国13.8
国民1人当たりのビール消費量(96年)ではチェコがトップ。日本人の2.7倍も飲んでいることになる。中国は日本人の5分の1に過ぎず、今後の成長性が期待できる。

キリン、ビールかすで大腸炎患者用食品

1998-9-10日経産業。キリンビールはビールかすを原料にして、激しい下痢を引き起こす潰瘍性大腸炎患者向けの食品を開発した。キリンはビールかすを穀皮、食物繊維、タンパク質などに分別する技術を開発。北海道大、久留米大との共同研究でこの食物繊維(ヘミセルロース、リグニン等)が潰瘍性大腸炎の改善に効果があることを確認した。これら食物繊維は吸水力がある上、一部は大腸菌の働きを抑える酪酸の生産を促す。「病者用食品」として近く厚生省に申請する。今後、ビールかすの応用研究を進め、血圧降下の機能がある食品や栄養価の高い養殖用飼料などの開発を計画。

キリン、本社営業スリム化

1998-9-13日経産業。キリンビールは9/21付けで営業部門で現場重視の配置転換を実施。マーケティング本部を「営業本部」に改称し人員を120名5部1プロジェクトから、約80人の4部に再編する。 「稼がない」本社をスリム化するとともに、営業力を強化する。また、首都圏の営業を統括する首都圏営業本部に、量販店・外食産業など広域流通チェーン向け営業を担当する「広域営業部」を設置。都市部では量販店やコンビニなどのビール販売比率が高まる傾向にあり、さらに2000年以降の酒類小売りの規制緩和で販売比率の拡大が予想されるため。

キリン、提案型営業を強化

1998-9-7日経産業。キリンビールは営業部門の情報化を推進、営業スタイルの改革に乗り出した。今秋から約800人の営業マンすべてにノートパソコン(三菱電機「ペディオン」)を配備、営業報告や営業情報のやりとりは全て端末とPHSを通じて行う一方、顧客への販売企画提案などができるような応用ソフトを充実させ、「提案型営業」を強化する。端末を通じた営業活動を徹底させることで通勤時間を削減、営業マンの生産性を高める。キリンは昨年に全国6支社で先行して導入。月曜日以外は営業マンの出社義務を免除した。今秋以降も出社頻度を大幅に減らす考え。業界ではアサヒ、サッポロも営業マンの情報武装を終えている。

キリン、地域限定ビール縮小

1998-9-16日経産業。キリンは地域限定ビールの見直しに着手。地域限定ビールは97年までは10品あったが、98年に入って広島限定の「広島じゃけん」の生産をやめており、今回「関西風味」の生産も中止した。「定番商品との品質の違いも不鮮明になり、役割を終えた」(梅野匡俊・商品開発部チームリーダー)と判断。北陸地方の「北陸づくり」や神奈川県の「浜きりん」などは地域に根付いているとして今後も存続させるが、テレビCMなど地域限定ビールへのマーケティング投資は縮小する方針。地域限定ビールは90年代にはいって各社が商品化。94年ごろがピーク。しかし、アサヒはスーパードライに経営資源を集中させる商品群戦略の一環として既に地域限定ビールを削減。キリンも「ラガー」「一番搾り」など基幹商品のブランド管理を強化することや販売数量の小さい商品を数多く持つと物流コストがかさむことなどから、地域限定ビールの削減に踏み切る。

キリン、「一番搾り」販促

1998-9-13日経産業。キリンビールは「一番搾り」の販促活動を強化。全国で計300万本と過去最大規模のサンプル出荷を始めた。一番搾りは首都圏、近畿圏など大都市圏で強い商品であり、まず都市部で販促を強化し、全国的な販売拡大につなげたい考え。11月には一番搾りのブランドスライド商品「一番搾り黒生ビール」を発売するため、「一番搾りのブランドを更に高める」狙いもある。 ・・・サンプルはどこで飲めるのでしょう?

キリン社長、広島工場閉鎖を自ら説明

1998-7-24夕刊フジ。97年8月キリンビール経営企画室では、長谷川脩室長以下98年度を初年度とする中期経営計画「NK21」の取りまとめ作業を急いでいた。柱の一つは合理化。工場閉鎖・再編を軸とし、人員削減が絡む。このうち工場「再編成」計画で特に議論が沸騰したのは広島工場だった。 広島工場は生産能力が15万キリリットルしかなく、従業員一人当たりの年間生産量は500キリリットル台で全社平均の半分強にしか過ぎない。付近は都市化が進み増設余地もなく、輸送面でのネックも抱えていた。客観的には閉鎖は止むを得ない状況であったが地元にしてみれば簡単にイエスとは言えない。 1938年(昭和13年)操業開始の広島工場は当時は「東洋一のビール工場」と言われ、長年にわたり県民に親しまれてきた。今でも県内シェアは60%近くを堅持し、サッポロの北海道と並び称されるキリンの牙城を形成している。キリン本社が広島にあると思いこんでいる人がいるとの笑い話があるくらい・・・。結局、広島については敷地の三分の一程度を生かして物流施設を残すほか、2000キリリットルの超大型地ビール工場とレストランなどを新設することとなった。 広島工場の閉鎖時期は99年、東京・京都両工場については98年のシーズンオフ入りと決まった(97年8月)。9/3に記者発表が行われたが、その前に閉鎖工場の従業員への説明が行われた。午前4時の記者会見を前に佐藤安弘社長は荒川区の東京工場に出向き、閉鎖にいたった理由と今後のことを説明。京都工場については古谷誠之介副社長が、広島工場については中込英雄常務が説明した。佐藤社長は翌日午前中には広島で、午後には京都で従業員に対して直接説明を行っている。「工場閉鎖」という、消費者イメージを大事にするビールメーカーにとってはきわめて大胆な施策を断行しながら、細心の心配りを従業員にはする、それが佐藤流なのであろう。 関連事項:背水のキリンー中期3カ年計画

サッポロ1000人削減

1998-9-3日経。サッポロビールの新経営指針のポイント  従業員は現在の3800人から約2800人に減らす。98年初めにまとめた生産合理化案では生産部門で550人、本社で約100人を削減する方針を打ち出していたが、予想以上に販売が悪化したため削減数を拡大することとなった。早期退職優遇制度の拡充、新規採用の抑制で対応する。大型工場への集約も進め、2002年には工場従業員一人当たりの生産量を現在の2倍の1900キロリットルに引き上げる。役員数も99年3月の改選期で現在の25人から20人程度に減らす。将来は執行役員制を導入し、10人程度に抑制する考えだ。9月上旬に実施する組織改正では管理間接部門の人員の約2割を営業部門に配置転換する。宣伝部門は複数のチームが広告アイデアを競うよう競争原理を導入する。

昨年の世界ビール販売量

1998-8-16日経。米国の酒類市場調査機関であるインパクト・データバンクが1997年の世界ビールブランド別ランキングを調査。1バレル=約158.9キロリットル
順位(前年)銘柄ビール会社数量百万バレル(前年比伸び%)
1(1)バドワイザー米ブッシュ42.7( 0.5)
2(3)バドライト米ブッシュ23.3(10.4)
3(2)ブラーマチョップブラジルブラーマ18.7(▲12.0)
4(7)スーパードライアサヒビール18.5(16.6)
5(9)コロナ・エキストラメキシコモデーロ16.6(11.9)
11(4)ラガーキリンビール14.5(▲11.8)
18(18)一番搾りキリンビール 7.7(▲3.2)
20(19)黒ラベルサッポロビール 7.4(▲5.5)
1、2位は世界最大のビール会社米アンハイザー・ブッシュの2銘柄。スーパードライは前年の7位から4位に順位を上げたが、キリンビールのラガーは4位から11位に落ちた。メキシコのコロナ・エキストラは9位から5位に上げた。それにしてもあの薄い味のバドワイザーより軽いバドライトってどんな味なのでしょう。少なくともクアーズ・ライトは水のようでした。アメリカ人の味覚は不思議です???

スタイニーを全国発売に

1998-8-5日経。アサヒビールは回収可能な小瓶を容器に採用した「スーパードライ・スタイニー」の販売地域を9月4日から全国に発売する。

樽詰め発泡酒、キリンも投入

1998-7-25日経。キリンビールは居酒屋やレストランなど業務用市場向けに発泡酒「麒麟淡麗<生>」の樽詰め商品を投入する。8月7日に鹿児島など南九州で先行、販売地域を拡大していく。宮崎、鹿児島、沖縄の料飲店向けに15リットル入り樽を発売。ビールに比べて1割程度やすくなると見られる。焼酎が多く飲まれる南九州はすっきりした味の発泡酒が受け入れられやすいと判断し先行発売する。すでにサントリーはファミリーレストラン「ガスト」に展開。関連記事はこちら

「ガスト」の生ビールが発泡酒に

1998-7-15日経。すかいらーくは低価格を売り物にしたタイプのファミリーレストラン「ガスト」全店で提供する生ビールを発泡酒に切り替える。これまでサントリーの「モルツ」から「スーパーホップス」のたる詰め生にする。切り替えに伴い、中ジョッキの価格を390円から370円、グラスは180円から170円に引き下げる(一部店舗を除く)。すかいらーくは今年年間24万ケース(大瓶20本換算)の樽詰め生ビールを見込んでいたが、発泡酒への切り替えでさらに上積みを狙う。この切り替えはサントリーからの提案によるもの。サントリーはこれをきっかけにファミレスや居酒屋チェーンなどに発泡酒のたる生導入を提案していく。

アジアから樽詰め生を輸入

1998-7-7日経。海外ビールの輸入販売を手掛ける日本ビール(東京・目黒、内田茂社長)は樽詰め生ビールの輸入販売に乗り出す。第一弾としてフィリピンのサンミゲール社の「サンミゲール」を販売する。船便で1週間かかるが低温管理して劣化を防ぎ、港から料飲店までは保冷車で直送し、生産地から料飲店まで一貫して低温輸送する体制。使用済みの樽容器は再びサンミゲール社に送り返す。料飲店での販売価格は1リットルあたり690円と国産の3割程度高い。

アサヒ家庭用ディスペンサー

1998-7-7日経。アサヒビールは家庭でも樽詰め生ビールが飲める専用ディスペンサーの販売を酒販店向けに始めた。販売するのは持ち運びに便利な「コールドディスペンサーF−26R」と木樽の「樽自慢」。氷でビールを冷やす構造であるため電源は不要。

韓国OB麦酒、ベルギー社と合併

1998-7-6日経。韓国のOB麦酒はベルギー最大のビール会社、インターブリュと折半出資のビール会社を8月1日に設立する。OB麦酒がビール事業を分離し、それにインターブリュが出資するもので、インターブリュはアジア地域での基盤を築く一方、OB麦酒としては先進技術やマーケティングのノウハウを得たい考え。資本金は4000億ウォン。

アサヒ スタイニー中部北陸でも発売

1998-7-4日経。アサヒビールはハンディサイズの新容器「スタイニー」を使った「アサヒスーパードライ スタイニーびん」を7月17日、中部北陸6県(愛知、岐阜、三重、富山、石川、福井)で発売する。関連記事はこちら

神戸の地ビール見本市中止

1998-7-10日経。7/16から3日間の予定で開かれる予定であった地ビール見本市「ワールド・ビア・エキスポ神戸’98」は中止となった。神戸市の外郭団体の神戸国際交流協会が企画。出展企業が見込みの150社を大きく下回る約40社にとどまったため。(参考)関連情報・・・同協会のコメントは「ワインブームに押され、地ビール人気にかげりが出ている」と言い訳気味でしたが、これは明らかに企画不足が原因でしょう。

アサヒ、デジタルカメラを営業担当に配備

日刊工業98/07/03 。アサヒビールは営業担当者にデジタルカメラを配備し、酒販店など販売現場の陳列方法など成功事例を積極的に活用する。ソニーのデジタルカメラ「MVC−FD71」110台を全国の営業部署に一台ずつ配置する。導入費用は1500万円。各担当者が持つ携帯型パソコンで画像データを送信し、全社的に情報の共有化を図る。各種の取り組み状況を販促活動の企画立案に活用するのが狙い。

発泡酒商戦過熱

1998-6-24日経。ビール各社は、需要が伸びる夏場に向け発泡酒の営業強化に乗り出した。 キリンビールは本社社員約850人全ての内勤社員のうち、総務、経理など管理・間接部門を中心に約500人が6月下旬からサンプリング活動に参加する。これは、午後4時から7時ごろまで自宅に近い量販店で買い物客に「麒麟淡麗<生>」のサンプル缶を配る。キリンはこれまで営業部門以外の社員が組織的に販促活動に参加することはなく、佐藤安弘社長が今春、歴代社長では初めて量販店の店頭でビールのサンプル配布をするなど営業をテコ入れしている。全社的は営業体制を敷くことでかつては「官僚的」とされた体質を改善する狙いもある。生産面でも新たに横浜、栃木、滋賀、岡山で発泡酒の増産を開始。7月半ばからは250ml、1リットル缶を追加発売。さらに業務用の樽詰めも検討している。キリンは発泡酒を「低価格ビール」を位置づけ、幅広い商品群をそろえたうえでビールと発泡酒をあわせた市場でのシェア拡大を目指す「マルチブランド」戦略を志向する。発泡酒を全国展開した3月以降、ビールと発泡酒を合わせた市場で、キリンのシェアは36.9%、41.7%、42.3%と上昇している。

 サッポロは、キリンの参入で発泡酒販売量を落としたが、本社若手社員を卸や小売店に派遣して販促を手伝う「1日営業」を始めた。7月末までに延べ500人を派遣し、発泡酒の宣伝広告や店頭陳列などの業務に当たらせる。

 一方サントリーは7、8月の宣伝広告費を前年同月比で50%増やすほか、消費者キャンペーンを相次いで打ち出しキリンに対抗していく考え。

 それらに対し唯一アサヒは「ビールタイプの発泡酒は商品化しない。本物のビールで勝負する」(瀬戸雄三社長)と言い切る。看板商品のスーパードライの拡販で発泡酒に対抗していく考え。4月に関東圏でリターナブル瓶を採用した「スーパードライ・スタイニー」を発売したが、缶に比べた割安感と直接瓶から飲む手軽さがうけ、スタイニーの販売は急増。年内には全国展開する方針。また6月の生産体制も全9工場のうち3工場で缶ラインを3交代操業するなど前年同月比で2割増に引き上げる。昨年につづき中元商戦でトップシェアを目指す。ただ、2ケタ増が当たり前だった昨年と異なり、今年は4月こそ前年同月比2ケタ増となったが3月は1%増、5月は3%増にとどまっている。しかし、瀬戸社長は「発泡酒のシェアは年間でも13%くらいまでは伸びるかもしれないが、いずれ限界が来る」と見ており、「ライバル社の動向にとらわれず、顧客の要望に応えて行くだけ」と社内でも改めて顧客本位の営業に訴えている。

 ・・・キリンは確かに発泡酒の参入がビール部門の低下を招いているが、トップブランドであったラガーのシェアキープへのこだわりを捨て、トータルで業界1位をキープする戦略に切り替えている。実はスーパードライ潰しも狙っていたがこれは失敗した。この3ケ月を見るとまずは成功と言えるのではないか。そしてそのあおりをまともに食ったのがサッポロであり、徹底的な見直しが必要な時期にあるとみていい。サントリーは健闘しているといっていいだろう。アサヒはトップブランドを持ってしまった「奢り」と発泡酒をだせない「焦り」(ドライと発泡酒の差別化ができないのと技術的な問題もあるのでは)、次を担う新製品が出てこない「不安」が垣間みられる。  

アサヒ、パリで回転寿司

1998-6-24日経。アサヒビールは三井物産、SHAI社(志茂茂雄社長)と共同で欧州で回転寿司店を展開する。運営会社スシ・ヨーロッパ社を資本金160万フラン(約3200万円)でパリに設立。6/27に一号店をパリにオープンする。欧州での「スーパードライ」拡販戦略の一環で欧州でも人気のある寿司と組み合わせてアサヒブランドを向上させる。

世界ビールコンテスト

1998-6-24日経。20カ国のビールメーカー280社(836銘柄)が参加したコンテスト「ワールド・ビア・カップ」で、日本の地ビールメーカー5社7銘柄が3位以内に入賞することが決まった。今後最終選考で68の部門ごとに金、銀、銅の順位を決め、8月31日にブラジルのリオデジャネイロで開かれる国際ビア・シンポジウムで発表する。大会は米国ブルワリー協会主催で2年に一度の開催。前回の入賞は1社1銘柄だった。入賞は以下の通り。

苦戦必至--正念場迎えるサッポロビール枝元社長

( 98/06/11 、日経ビジネス )  就任から4年目に入ったサッポロビールの枝元賢造社長が、この夏、経営者としての正念場を迎えそうだ。 昨年1月、「家屋敷を抵当に入れてでも」と不退転の覚悟で発売した新「黒ラベル」は不調に終わり、今年に入ってからは、もう1つの柱にと期待した発泡酒が失速した。キリンビールとアサヒビールがシェア40%を境に激しい首位争いを演じる中で、「3番手メーカー」サッポロの影はいよいよ薄くなっている。

 「黒ラベル」8%減、「エビス」2%増、「ドラフティースペシャル」22%減――。4月の出荷数量を前年同月と比べた数字がこれだ。業界全体では発泡酒とビールを合わせた出荷量が3カ月ぶりに前年を上回ったが、サッポロは高級ビールのエビスこそ堅調だったものの、大黒柱の黒ラベルや発泡酒ドラフティーはそろって落ち込んだ。 なかでも誤算は、発泡酒で「麒麟淡麗〈生〉」の快走を許したことだ。キリンは2月末の発売に当たって発泡酒という表現を極力避け、「キリンの新しい“ビール”は安くて旨い」というイメージを消費者に訴えかけた。これが奏功し、4月には325万ケース(1ケースは大瓶20本で換算)を出荷。発泡酒市場の52%を押さえる大ヒット商品となった。 サントリーにはまだ余裕がある。若者を中心に根強いブランド力を持つ「スーパーホップス」は、4月も前年同月比で43%増と好調を持続した。 一方、出荷量そのものが落ち込んだサッポロは、今年1月にドラフティーを刷新して商戦に臨んでいただけに落胆が大きい。「キリンはブランド力の強いサントリーでなく、ウチをターゲットに攻勢をかけてきた」とサッポロのある営業マンはくやしがる。発泡酒市場は早くも「2強1弱」 サッポロの枝元社長は「発泡酒の市場はまだ新しく、ブランドも流動的だ。強力な新製品を出せば勢力図は一変する」と巻き返しの機会があることを強調する。秋口には、従来のビールタイプとは違うカクテルタイプの発泡酒も発売して形勢の逆転を狙っている。

 とはいえ、すでにコンビニエンスストアなど小売店の中には「発泡酒は上位2銘柄があれば十分」と商品を絞り込む動きが出ている。最盛期の夏場を前に、市場は早くも「2強1弱」の様相をみせ始めている。 6月から2年ぶりに投入した夏期限定ビールも、最近のサッポロの迷いを象徴している。季節の変わり目まで売れ残ったビールが安売り店に回り、市場の混乱を招くとして、一度は夏の限定ビールから手を引いた。だが、この夏は「気分爽快〈生〉」を100万ケース限定で出荷する。 「これは季節限定ではなく、あくまで数量限定の商品だ。8月中に完売できる」とサッポロ側は主張する。しかし、それに対してサッポロ系のある卸業者はこんな見方を示す。「大黒柱の黒ラベルが伸び悩んでいる今こそ、この夏は脇目を振らずに黒ラベル拡販に努めるべきだ。限定ビールは夏場の『数字作り』には便利だが、問題解決にはつながらない」 昨年、新発売した黒ラベルが前年比2%減にとどまったのは、「新鮮革命」「定温輸送」「抗酸化製造システム」など、あれもこれもと品質改善を訴えすぎて「商品の特性があいまいになってしまった」(サッポロの営業幹部)ためだ。今年は「ビヤホールの喉ごし」という一点に広告の焦点を絞り、100万人を目標にした全国試飲キャンペーンにも乗り出した。だが、「これではキリンやアサヒの戦略と大差ない」(前出の卸業者)との見方が多い。 5月22日。都内で開いたマスコミとの懇談会で、枝元社長は「状況は確かに厳しいが、この夏に向けて『元気なサッポロ』を強くアピールすることで、難局を乗り切っていきたい」と熱弁を振るった。しかし、巻き返しへの明確な戦略は見えてこない。2期4年は社長として1つの区切りだが、現状では、社長がかける気合いが空回りに終わってしまう懸念がある。(管野 宏哉)

アサヒ福地副社長の見通し

1998日経産業。「世界のビール業界は今後二極化が進んでいくだろう」福地茂雄副社長はビール業界の将来像をこう予測する。アサヒと米ミラーの提携、キリンビールのニュージーランド社への資本参加などシェア上位同士の提携が相次いでおり「今後も大手メーカー間の国際提携はさらに増える」とみている。米国、中国という世界の2大市場で事業拡大をしているアサヒにとって、次のターゲットは欧州市場。まず提携関係にある英バス社の拠点を活用する計画だが、「いずれ英国だけでなく大陸でも生産を手がけたい」とビールの本場、欧州でも積極的な提携を仕掛けようと模索しているようだ。

アサヒ、適正飲酒呼びかけのパンフレット配布

1998日経産業。「お酒と楽しくつきあうためのガイドブック」を作成。全26ページ。各年齢ごとに未成年飲酒や一気飲み、アルコール依存症など8テーマを取り上げ、それぞれが体に与える悪影響をわかりやすく説明している。また「寝酒は眠るための良薬か」など「お酒のウソ、ホント」と題して、一般的に広まっている説に科学的な知見を交えつつ見解を示した。こういった冊子はアサヒとしては初めて。5万部を印刷し、特約店や地方自治体などに配る。希望者には郵送で無料配布する。

アサヒ、小瓶入りスーパードライ スタイニー

1998-4-5日経、4-24日経産業等。1998年4月10日発売。現在は関東圏の限定発売。価格は134ミリリットル入り189円と缶よりちょっぴりお得。栓抜き不要のイージーオープンキャップを採用した。空き瓶は1瓶当たり5円で引き取る。このリサイクルシステムが普及のポイント。ところが、当初は年間200万ケース(大瓶20本/ケース)の販売計画だったが大手コンビニでは1週間で400〜500本売れた店が出るなど予想を大幅に上回る売れ行きであり、アサヒは販売計画を1.5倍の300万ケースに引き上げた。また、当初西宮工場(兵庫県西宮市)だけの生産を予定していたが、5月に急遽茨城工場(茨城県守谷町)でも生産を決定、更に7月から福島工場(福島県本宮町)でも生産することを決めた。福島工場には瓶の外装フイルムを張り付ける設備や、回収した瓶のフイルムを除去する機械、空き瓶の検査装置など約10億円を投じて導入する。岡田正昭営業部長は「どうしてこんなに売れたのか、原因を調査しなくてはならない」と発言しておりやや困惑気味。もともとスタイニーはコンビニを利用する若者をターゲットにしたもの。コンビニではペットボトルの小瓶サイズの飲料が増加しているが、同種のサイズの瓶を採用したのもコンビニでの販売を意識したものであり、缶ビールと同じ感覚でラッパ飲みできるのに加え、値段に割安感があるのも原因であろう。しかし、問題は飲んでくれた若者たちが空き瓶を返しに来てくれるかである。環境問題が注目されるなかで、このリサイクルシステムが成功するかどうかは注目に値する。従来のビール瓶は、一般酒販店が料飲店や家庭に配達することが多いため、空き瓶は9割以上回収・再利用されている。アサヒは「最終的には8割以上を回収する」としているが、バラ売り中心のコンビニでこのシステムが根付くかどうかということに対して疑問視する声は多い。キリンビールが販売している「バドワイザー」の小瓶はスタイニーと同じ形状。販売先は9割以上が料飲店であるにもかかわらず、7割程度しか回収できていない。このスタイニーの生産のための設備投資は既に20億円にのぼる。アサヒはリサイクルシステムのリスクを覚悟してなぜそこまで新製品を出したのか。この背景には、アサヒだけが出していない低価格の発泡酒の伸びが無視できないところまできているとも考えられる。「回収率が悪ければ、コストが跳ね上がって販売を中止せざるを得ない」(岡田部長)(参考 日経ビジネス98-5-21)。

・・・・・残念ながら販売は関東エリアだけですので、私ら田舎の人間には関係ないのですが、瓶は重いのが難点でまたコンビニに返しに行くかというと疑問なところもありますが、ビールをよく飲む若者は瓶を捨てずに部屋の中で瓶をきれいに並べる習性もあり、20本くらいまとまればコンビニに持っていって100円に換金できるミミッちさを利用すれば、意外にリサイクルが定着するかもしれません。実際缶で飲むより瓶の方がおいしいですよね。