今日の一言3

2009ー2ー15〜最新

2011-10-2

できたてのビールを飲む機会があった。もう、いつも飲んでいるビールとは全然違う飲み物という印象だった。甘くて、どこか爽やかな香り、雑味のないさらっとした味わい、舌の上をビールが流れて行きながら5つの味が踊るような感じで、最後に苦みがキリッと締めてくれる、そんな経験をした。
また、ある居酒屋でキリンの
ハートランドの生を飲んだ。ハートランドはできて25年になるらしい。なんかそのビールの歴史と自分の人生を重ねて見るなんて、キザなことは言わないが、とにかくおいしい「おばんざい」といっしょに楽しく飲めた。
最近、若い人たちを相手に、「ビールのうんちく」を語ることがある。実はビールには理屈がたくさんある。それを語るのも楽しいが、何も考えずに飲むのも楽しい。
世界中どこの国に行っても、その国でつくったビールを味わえる。そんなお酒は他にはない。だから、ビールはその国を語ってくれる。それを感じることもまた楽しい。

2011-4-30

東日本大震災はビール会社にも多くの被害をもたらした。アサヒは、福島工場、茨城工場、キリンは仙台工場、取手工場、サッポロは仙台工場、千葉工場が被災。サントリーは東北地方に工場はないため直接の被害はなし。しかし、原材料や缶などの資材不足や電力不足はサントリーを含め各社に大きく影響しており、減産を余儀なくされている。これから夏場の最需要期に向けて生産量を確保するため、販売の少ない商品の生産を一時休止して主力商品に注力せざるを得ない状況になっている。そうでなくでもじり貧のビール市場において、今回の震災は大きな打撃である。被災した工場の早期の復旧を応援したい。ただ、今後ビール市場がもとに戻ることはあり得ない。したがって、復興を機に広い意味でのビールの再編も期待したい。これはビール会社しかり、ビール業界しかりである。
このホームページの一貫した主張の一つは、「ビールは人生その時々の一瞬を楽しくしてくれる」ということである。世界中どこの国、どこの地方に行っても飲めるのがビールである。さあ、みんなでビールを飲んで、笑顔になりましょう。

2011-2-27

拝啓 サッポロビール様
黒ラベル 1842->1780万ケース、ヱビス 1091->1150万ケース、麦とホップ 1366->1720万ケースという数字は何でしょうか?
これは貴社の2010年の売り上げ実績と、2011年のマーケティング方針に掲げた売り上げ目標です。これは貴社のステークホルダーに向って 開示した明確な数字ですね? ではなぜ、今年からその目標に対する実績の開示を行わないのですか?
「無意味なシェア争いはしない」とでもいうのでしょうか? 一部のサッポロビール愛飲家が満足してくれたら、それで貴社も貴社の社員も 満足なのでしょうか? 自分たちの製品に自信があるのなら、もっと多くの人に美味しいビールを飲んでもらおうとしないのですか?
シェア12%では到底それは実現できないでしょう。企業として高い目標を示して、それに向って突き進む姿勢を示してこそ、ステークホルダーに対して責任を果たしたと言えませんか?
やっていることがあまりに情けなくて悲しい限りです。   敬具

2011-1-2

「ビール」の季語は?
ビールのソムリエ欄で触れていますが、ビールの季語は「通期」です。ビールは1年中楽しめるのです。確かに暑い夏に飲むビールは格別ですが、秋〜冬にはビールをじっくり味わいたいものです。このホームページのビール会社動向をご覧の方々はお気づきと思いますが、ビール会社の出荷量が最も多いのは12月です。そして最も出荷量が少ないのは1月で、ビール会社は例年こんな変な出荷計画を繰り返しています。また、妙なビールもどきばかり開発して、本当に味わえるビールが少ないのも悲しい限りです。
世界をみるとビール消費は、新興国を中心に依然として拡大しています。中国は2009年時点で7年連続世界一で、2位の米国の1.5倍以上です。それに対して日本は消費量では世界7位ですが年々じり貧状態です。日本経済の低迷は、ビール市場も例外ではありません。せっかくすばらしい技術も、人材も、食文化もあるのに、ビール会社自身がそれを無駄に食い潰して行っています。世界の大きな波に飲み込まれないように、閉鎖的な状況を打破すべき時です。

2010-10-17

今年は本当に暑い夏でしたが、ビール戦争はそれほど熱くはなりませんでした。7月からの猛暑は8月になっても更に猛威をふるい、「気温が1度上がればビールの売れ行きが100万本アップする」と信じたビール会社は、8月にビールもビールもどきも相次いで増産しましたが、予想と期待に反してそれほど売れなかったため、仕方なく売れ残ったものを9月に押し込んでなんとか数字をつくろうとしています。四半期末のうち12月以外の月は、なぜか第3のビールの割合が増加します。3月、6月、9月に誰が特異的に第3のビールを飲むのでしょうか? おかしくはありませんか? シェア争いをしないと大見得を切って各月の販売量を公表しないキリンとサッポロも如実に数字作りに忙しいようです。
世界のビール業界は大きな変化のまっただ中にあります。その中で日本のビール会社は生き残っていけるのでしょうか。それぞれの企業において相当の戦力を投入している「第3のビール」は、世界で通用しますか? どうも携帯電話のガラパゴス化によく似た現象です。この大きな流れに早く気づいてほしいものです。

2010-6-20

日経の調査によると、ビール系飲料を飲む量が「減った」と答えた人が27%に対して、「増えた」と答えた人は14%になったという。記事では、(1)少子高齢化、(2)消費者のアルコール離れ、(3)景気後退による節約志向、(4)団塊世代の大量定年による飲酒機会の減少などが背景にあると説明している。本当にそうでしょうか?
アンケートを見ると、「増えた」と答えた14%に加えて、「変わらない」と答えた人が37%もいます。つまり質問を言い換えれば「減っていない」という人が半分以上の51%もいるわけです。このしっかりした需要を見逃しているのではないでしょうか? 私は、今のビール市場の低迷の原因は、
(1)ビール会社の伝統的な横並び主義が、消費者からみても「どこのビールでもいっしょ」という画一的な嗜好をうんでしまった
(2)発泡酒、第3のビールの開発に重きとおいたため、本来の「ビール」の商品としての成長が鈍化
(3)発泡酒、第3のビールといった税率の安い飲料が、90年代以降に始まったデフレスパイラルからの脱却を阻害
(4)苦みが薄く、すっきり感、ヘルシーさだけを強調した美味しくない飲料を蔓延させ、「この程度の味でも、安ければよい」と、消費者の嗜好を悪化させた
(5)景気低迷と「飲み会」離れという社会の変化
と、ほとんどがビール会社自体に問題があると考えます。
業績発表や月例の販売量発表時のビール会社のコメントをみると、市場が縮小した原因として外部要因だけを強調していて、自分たちのやるべき企業努力を怠っているとしか感じられません。ビールをよく飲んでいる人や美味しく飲みたいと思っている人たちにしっかりしたビールを提供できてこそビール会社です。自社の社名に「ビール」をつけていることに対して、責任と自覚を持ってほしいものです。

2010-3-7

トヨタ自動車の豊田社長の記者会見をみていてつくづく社長の役割って何だろうと感じます。キリンとサントリーの世紀の統合は結局夢物語となりましたが、社長どうしの危機感の共有が、企業価値、株主という当然打ち破らなければならない壁を乗り越えられなかった結果と言えます。奇しくも3社の社長が交代します。
キリンホールディングス 三宅占二氏 62才 東京都出身 70年慶大経卒 営業畑 07-09キリンビール社長歴任
アサヒビール      泉谷直木氏 61才 京都府出身 72年京産大法卒 経営企画、営業歴任
サッポロビール     寺坂史明氏 60才 宮崎県出身 72年慶大法卒 営業出身
ビール市場、文化の発展のため、その成果を出されることを祈ります。

2009-12-27

「ビールはその国の勢いを表す」 
理由はいくつかあるが、まずは数字がすべてを語っている。2008年の世界の国別ビール消費量がまとまった(キリンホールディングス発表)が、世界的な経済不況が起こったこの年も、中国の勢いは止まらない。中国は6年連続1位でしかも他を圧倒する伸びで2位以下を引き離す。また10位以下ではあるが、ベトナムやフィリピン、インドの伸びも大きく、地域別消費量ではアジアが欧州を抜いて世界最大の市場となった。ドイツ、イギリスといった欧州勢は低迷、そして日本は4年連続の減少という有様。では、日本は、またビール消費が上向くことがあるであろうか? 答えはNoであろう。それでは日本が生き残る道はあるか、という問いには解がないわけではない。答えはシンプルではないが、アジアに答えがあることは言うまでもない。各社の中国進出はいうまでもないが、キリンはフィリピンのサンミゲル社と組み、サッポロはクローネンブルグ・ベトナム・リミテッド(KVL)を買収して日本企業として初めてベトナム進出を目指している。一方でオランダのハイネケンはアジア・パシフィック・ブルワリーズ(APB)からインド子会社のAPBインドを買収し、急成長するインド市場を狙っている。
まさに、世界が変わり、ビールが変わろうとしている。2010年はそれが加速する年になることは間違いない。

2009-10-4

韓国の人たちにビールは何が好きかと聞いて、大部分の人からは日本のビールが美味しいとの答えが返ってきます。 もちろん中には、Hiteが好きとか、ビールよりソジュ(焼酎)が好きという人もいます。とはいえ韓国の人たちが ビールをガブガブ飲むのをあまり見たことがありませんね。
では、今もし日本人にビールは何が好きかとたずねたら、どんな答えが返ってくるでしょうか? 「苦いから・・・」「すぐおなかが一杯になるから・・・」「プリン体が・・・」なんて答えも返ってくるでしょうね。
ところで、ビールってどんな役割、効果があるんでしょう。
(1)乾いたのどを潤す、その瞬間のため
(2)酔いたいけど、そんなにきつい酒は飲みたくない
(3)食事の引き立て役
(4)ビールを味わいたい
などなど、いろいろありますね。ただ、一つ言えるのは、ビールって存在感はあるものの、主役になりにくいお酒だということです。 日本のビール市場はすでに飽和状態でこれ以上の伸びは期待できません。かつての日本の経済成長期には、ビールが主役になったことも ありましたが、世の中も変わり、ビールへの期待度も変わってきたのです。
残念なのは、そんな世の中の流れをビール会社自身が更に歪めようとしていることです。 本当に自分たちが、この日本のビール文化をこれからも育てていこうをいう気概があるのか、疑いたくなります。

2009-9-5

私は公園に向う途中酒屋に寄って缶ビールを買った。ビールの銘柄は何がいいのかと私が
訊ねると、彼女は泡が立ってビールの味がすれば何でもかまわないと言った。私とだいたい
同じ意見だった。空は今朝作ったばかりといった風にしみひとつなく晴れわたっているし、
季節は十月のはじめだ。飲み物なんて泡がたってビールの味がすればそれでいいのだ。
 しかし私は金があまっていたので輸入ビールの六本パックを買った。ミラー・ハイライフ
の金色の缶は秋の太陽に染まったようにきらきらと光り輝いていた。
〜村上春樹 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」より〜
・・・村上春樹の1985年の作品です。当時のビール事情を考えるとこうなるのかな。むしろ、
「泡が立ってビールの味がすれば何でもかまわない」なんて、発泡酒や第3のビールを予言しているかも。

2009-8-16

「余計な忠告かもしれんが、三十五を過ぎたらビールを飲む習慣はなくした方がいいぜ」と
ちびが言った。「ビールなんてものは学生か肉体労働者の飲むもんだ。腹も出るし、品性が
なお。ある程度の年になると、ワインとかブランディとかが体に良いんだ。小便の出すぎ
るやつは体の代謝機能を損なう。よした方がいい。もっと高い酒を飲めよ。一本二万円くら
いするワインを毎日飲んでいるとさ、体が洗われるような気がするもんだぜ」
 私は肯いてビールを飲んだ。余計なお世話だ。好きなだけビールを飲むために、私はプー
ルに通ったりランニングをしたりして腹の肉をそぎおとしているのだ。
〜村上春樹 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」より〜
・・・ちょっと考えさせられる部分でした。ちなみにこの主人公は、ヱビス・ビールをよく飲んでいます。

2009-7-12

大手ビール会社の上半期の出荷量がまとまりました。シェアでみると、キリン37.5%、アサヒ36.9%、サントリー12.7%、サッポロ12.1%。キリンは表向きでは、「シェアは関係ない」なんて言っていますが、四半期末の区切りにはしっかり新製品やリニューアル品を投入して、数字作りに必死です。ただ、アサヒもこの4〜6月の猛追に凄まじいものがありました。とはいえ、キリンビールさん 半期ベースですが、3年ぶりの首位 おめでとうございます。
それからサントリーは、キリンとアサヒの熾烈なシェア争いにも、第3のビールとプレミアムビールが堅調で、しっかりシェアをキープしているのに対し、やっぱり心配はサッポロです。1〜3月は少し頑張ったのですが、どうもそういう努力が長続きしない企業体質で、この4〜6月は息切れ気味です。本当に大丈夫ですかねぇ。
それにしても、とうとう非ビール率が50.9%と5割を超えてしまいました。もう食生活におけるビールの存在が小さくなって来ています。別にビールでなくても、「ビールもどき」で気持ちよく酔えればいいとか、料理が美味しく食べられればいいとか、カロリーを抑えた飲料に変えて健康志向になった気分になるとか、消費者の嗜好が変わってきていて、食生活においてもはやビールは主役ではなくなってきています。
先日、ソウルで久しぶりに日本の生ビールを飲んで「美味いなあ〜!」と思いました。ビールをキュッと飲んだ瞬間の幸せ感は、もう昔の話なのでしょうか? 韓国の梅雨空を眺めながら、少し寂しい気持ちになります。

2009-6-7

韓国の酒席で爆弾酒はおなじみの飲み方ですが、基本はビールがベース。起源は諸説あって、その一つに、韓国産ウィスキーの市販が始まった1983年、韓国北東部の春川地検長だったパク・ヒテ(朴 火喜 太)現ハンナラ党代表と地元関係者との会食で初めて登場したとの説がありますが、定かではありません。ウィスキー、焼酎(ソジュ)、覆盆子(ポップンジャ:山イチゴ酒)、などなど、とにかくなんでもビールで割ってしまう。これでも、ベースが苦みの薄い韓国ビールだから意外と違和感なく飲めます。グラス7割くらいのビールに、杯一杯の焼酎(ソジュ)を入れると、ソジュのほのかな甘みで結構飲みやすくなるから不思議です。韓国にも酒をあまり飲まない人もいて、そんな時はビールをソーダで割ってしまいます。韓国の人たちは、どうみても味わって飲んでるとは思えません。つくってもらった爆弾酒を一気に飲んで、一気に酔って、メンバーの一体感を味わっているんでしょうね。不思議な文化ですが楽しい文化でもあります。ただ、決してこのHPでは推奨しませんので悪しからず。

2009-4-26

4月中旬にドイツ取材に行きました。ドイツ南部にある、スイス国境近くの小さな町です。ドイツは2007年のビール消費量は世界第5位で、7位の日本のほぼ1.5倍、一人当たりの消費量に換算すると111リットルで、なんと日本の約2.3倍になります。どこに行ってもその地方の風土にあった美味しいビールを味わうことができます。まさにビール大国ですが、そのドイツもビール文化が曲がり角にきています。消費量は頭打ちで、2007年は前年比-3.7%になっており、かつては1500以上あった醸造所が1000余りにまで減少してきているそうです。また、ビールの飲み方も多様化してきており、清涼飲料水やジュースで割ったカクテルも流行ってきているとのこと。とはいえ、ドイツは、やはり本物!のビールがあります。取材とはいえしっかり堪能してきました。濃色のドゥンケルヴァイツェンビールもコクがあっていいし、ヴァイツェンビール(白ビール)を濾過した透明なクリスタルヴァイツェンにレモンを沈めて飲むのもいいですね。

2009-4-5

発泡酒や第3のビールの比率がほぼ5割となりました。いいかえれば、ビールのような味の発泡性アルコールが半分も飲まれていて、その分ビールの消費が減ったということです。この現象は、より安い(税金が安い)非ビールと、より高い(税金が高い)ビールの二極化であり、バブル以降の日本社会、あるいは消費の二極化現象の象徴であるとこのHPでは主張してきました。しかし、ビール会社はもう一度原点を振り返ってもらいたい。税率の低い、低麦芽率でビールらしい飲み心地を追求してきた各社の企業努力に敬意を表します。しかし、その企業努力が果たして新たな消費文化、ビール文化を生んだと言えるでしょうか? 技術者や営業担当者の血のにじむような苦労や努力を、単に企業の利益やシェアという数字のためだけに使っているのではないでしょうか?そして何より、消費者を欺いていることになりませんか? 真っ赤な魚肉ソーセージ、無果汁のフルーツ炭酸飲料、かにカマボコ・・・これらとどこが違うのでしょうか? 私はいっそうのこと、第3のビールは低カロリー品を除いてすべて発売中止にしてはどうかと思います。5社一斉にどうですか?

2009-3-1

中国、アメリカ、ロシア、ブラジル、ドイツ・・・は、2007年の国別ビール消費量の順位です。1位の中国はなんと2位アメリカの1.5倍以上の消費大国になりました。そしてなんと上位4位までにBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の3国が占めています。インドはまだ量は少ないもののこの5年間で倍増の勢いで伸びており、近いうちにランキング圏内に入ってくるのは確実です。我が日本はメキシコに抜かれて7位と前年の6位から後退です。ベスト10の国のうち前年比減少しているのは、ドイツ、日本、イギリスの3カ国です。ビールの消費と国の勢いには何らかの相関がありそうです。仕事をやって、まず飲む一杯のビールは万国共通かもしれません。ちなみに私が長期取材中の韓国は23位で、前年比伸び率は1.8%程度です。果たしてこれが韓国の国の勢いと関係するのかどうかこの数字の意味するところを分析中です。韓国焼酎(ソジュ アルコール度19%)がスーパーで1本900ウォンくらいで変えてしまう国ですが、その一方でビールが好きという人も着実に増えています。安くて甘くてすぐ酔えるソジュとちょっと高いけど飲みたいビールは棲み分けされているようです。
日本への帰国便の機内では、やっぱり日本のビールを注文してしまいます。飛行機の中でカーッと飲んで気分はもう日本になります。

2009-2-15

超久しぶりの更新です。昨年から韓国に取材に出かけていて既に1年が経過しました。韓国のビール市場は、他の国と比べて独特です。あまりビールはおいしいとは思えませんが、韓国の文化や伝統、習慣と結びつけると非常に興味深いものが見えてきます。このあたりを今後ご紹介していきます。
それにしても、日本のビール市場はこの1年で変わりましたね。ただ、サントリーとサッポロのシェア逆転は予想とおりの出来事で、サッポロの体たらくとサントリーの集中的なビジネス戦略の結果と思います。ただ、サントリーのビール事業の黒字化は1963年の事業参入以来の悲願であり、その経営努力、営業や研究所、工場の現場のみなさんのご努力に敬意を表したいと思います。おめでとうございます。
2009年のビール市場は残念ながらそれほど明るいものではないでしょう。昨年は各社とも多額の販促費を削って利益を出したわけですが、市場自体の縮小傾向は今年も続きます。昨秋からの世界的な不況の影響で業務用ビールの消費は落ち込むでしょうし、各社とも個人消費中心の第3のビールに力を入れていてそれが結果的に自分の首を締めています。世界に目を向けると、企業の再編は進みそうです。おそらくその波を日本のビール会社もかぶることになるでしょう。なかなか厳しい時代です。
せめて、美味しいビールで、この暗い気持ちを吹っ切りたいものです。

2000-3-12〜2007-10-8 は
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1997-9-7〜2000-3-3 はこちら


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