今日の一言2

2000ー3ー12〜2007−10−8

2007-10-8

夏後半の暑さが過ぎて、ようやくビールを味わう季節になりました。今年もあと残り3ヶ月足らずですが、今年のビール業界は年初の期待に反して残念な結果になったと言わざるを得ません。ビール類の陳列棚をみても何がなんやら判別できないくらいの多くの商品が並んでいます。各社とも同じような味で、ただ缶のデザインと商品のネーミングだけでイメージのみを売っています。かつて90年代に各社がこぞって地域限定とか季節限定を出した時期がありました。この時は工場の稼働アップや販促による一時的な数字づくりなど今とは事情が異なっています。ただ、消費者の立場や小売りサイドからみれば状況が似ているように感じます。この動乱期がビール市場の更なる縮小につながるのか、あるいはそれに歯止めをかけるのかは、改めて考えるまでもない状況です。・・・10/8

2007-2-18

サッポロのひとり負け、経営陣の戦略のなさ、後手後手のやり方、生温い体質、営業力の無さなど、挙げるときりがないくらいこのHPでも提案し、提言もしてきましたが、サッポロへの外資系の買収提案に端を発した業界再編の動きが出てきました。サッポロは、いい製品をつくってきていただけに、もっと早く、といっても5年くらい早く経営の大改革ができなかったかなと思います。今回の事件を機にサッポロの経営陣が目覚めてくれることを期待しますが、もう遅いような気もします。あくまでも個人的な見解ですが、アサヒと提携するなら相互に弱い部分を補完し合えるでしょう。さて、どうなることでしょうか。

2007-1-21

2006年のビール市場は、アサヒが、最後の3ヶ月で異例の新製品発売を連発しなんとか首位をキープして終わりました。シェアは結局アサヒ 37.8%、キリン 37.6%、サッポロ 12.9%、サントリー 10.8%とアサヒ、サッポロが前年比シェアを落とし、キリン、サントリーがアップしました。6年連続首位のアサヒはほとんどキリンに並ばれたに等しい状況で、実質敗北感を味わっているのではないでしょうか。こういった流れは当初から予想された内容で、当サイトでもコメント(例えば2006-5-3今日の一言をしてきた通りの傾向になっています。今年創業100周年のキリンが首位奪還を目指すのはいうまでもないでしょうが、アサヒやサッポロが市場の2極化の流れをうまく読み取ってどのように低迷に歯止めをかけるのかを期待しましょう。サントリーは品揃え中心の戦略を変え、柱となる商品をしっかり育てていく戦略に切り替えられれば、43年連続赤字から悲願の黒字化が見えてくるでしょうし、サントリービールの存在感が出てくると思います。

2006-12-9

いやぁ 冬になってしまいました。ここ数年はビール市場に活気を感じず、ビールで盛り上がることが少なく面白みが減ってきた感じですが、今年は安いビールもどきとプレミアビールへの二極化が更に進んだ年と言えるような気がします。これも、極端にビールにかけられた酒税の高さと、低迷するビール寡占市場におけるビール会社の戦略のなさ、不毛なシェア争いからくる弊害と思います。発泡酒や第3のビールの登場は長年の不況からくる後ろ向きの消費性向からくるものと考えていましたが、景気が上向きになっても一向にその流れを食い止められていません。これは景気そのものが一部の業種、企業に偏っていて、それこそ景気も二極化が進んでいることのような気がします。ビール市場は、景気の裏返しなんですかねえ。

2006-9-18

取材でバタバタしていたら、夏が過ぎていました。その間ビール各社は今年の販売目標を修正、キリンは上方修正、サントリーは据え置き、アサヒとサッポロは下方修正しています。キリンは発泡酒を前年比マイナスからプラス予想に変え、ビール、ビールもどきとともに堅実な販売戦略をたてているようです。それに対して、アサヒは逆に発泡酒で苦戦しており、秋〜年末にかけて発泡酒やビールもどきの新製品で数字の底上げを狙うようです。新製品「極旨(ゴクうま)」で、ビールもどきは合計3銘柄になりますが、消費者にとって何の意味があるのでしょうか?アサヒのやり方は地に足がついていないような気がします。もっと不安なのはサッポロです。「売り続けられる」ことが体質的にできないのでしょうか。さて、サントリーはそろそろ念願のビール事業黒字化は見えてきているのでしょうか。いろいろ文句をいいながらも、秋の夜長はビールをじっくり味わいたいものです。

2006-5-3

4半期ごとの業績発表が定着してきたこともあり、期末の妙な「押し込み」による「数字作り」は減ってきたと信じるが、シェアの数字ばかりに振り回されて嫌気がさしたキリンとサッポロは出荷量を公表していなかった。そのキリンは第3のビールが絶好調でこの1−3月の出荷量が首位となったキリンは自信がでてきたのか4半期の出荷量を公表し始めた。主要4社の見通しを比較する。
シェア38.4%のキリンは非ビール系首位を足場に、業務用を中心としたビールでの巻き返しを強化
シェア36.0%のアサヒは、とにかく「おいしくない」第3のビールに象徴されるように顧客嗜好を軽視した戦略の見直しと商品開発力の強化が急務
シェア11.7%のサントリーは業界4位の身軽さを逆に武器にして、品揃えと営業/マーケティング力でゲリラ戦法的にやってきたが、そろそろ柱となる大型商品が必要な時期にある
サッポロはとにかくやり方が自己満足的で何をしたいのか見えてこないため、コメントしようがない状態。

2006-1-15

ビールもどき(第3のビール)の酒税が350ml当り3.8円増えて28円となるのに対して、ビールの酒税は0.7円減の77円と事実上の据え置きになります。ビールの市場がここ数年かなり冷え込んでいる状態で、税率を異常に高い状態のままにしておくのは税収の観点でも適切かどうか疑わしいものです。そもそもビールもどきのように、企業が税制の隙間をねらって事業を進めていくこと自体おかしなことで、本来メーカーもビールを拡大したいと思っているはずだし、消費者もビールを飲むことを切望しているのに、なぜわざわざ妙な原材料を使ったビール風味の飲み物をビールだと思って飲まなくてはならないのか。この矛盾に満ちた世界に大いなる疑問を感じます。
とは言え、ビール市場は今年はビールとビールもどきに大きく2極化していく年になるはずです。2極のどちらで勝つのがよいか。それはわかりきった結論です。

2005-10-10

ビールなんてどのメーカーのものを飲んでも同じ。ビールは喉越しで味わう。なんて声を今でもよく聞きます。酒屋やコンビニに行って陳列棚にある売れ筋のビール、発泡酒、ビールもどきをみるとその数の多さを感じますが、これらを手に取る消費者のどれくらいが「おいしかったから、またこの銘柄を飲もう」と思っているのかと疑問に思ってしまいます。特に発泡酒やビールもどきはその原料の多様性からいろいろな味を提案できるはずで、それにもかかわらずビール会社はあくまでも「ビールらしさ」を提供しているわけです。こんな画一的な商品戦略しか打ち出せないから、いつも課税の標的にされるわけで、今年もおそらくビールもどきがその増税のターゲットになっていくことと思います。私も他国に比べて異常に高いビールの税率の是正を行うべきと思いますが、これまでのビール各社の戦略を変えないと、かつての発泡酒増税と同じ結果になってしまいます。よろしく頼みます

2005-7-18

2005年上半期の各社データが揃いました。「ビールもどき」(ビール風アルコール飲料)は昨年比約2200万ケースも伸びました。ところがビールを含めた市場全体でみると昨年比2.7%減で約630万ケース減少しています。ちなみにビールは8% 1080万ケース減、発泡酒は20% 1780万ケースの減少です。非ビール比率は昨年下期が42%に対して今年上期は45.2%と拡大しています。これらの結果からみて、「ビールもどき」の登場は市場を活性化させるどころか、発泡酒を駆逐しただけでなくビールまでも食ってしまったことになります。ビール会社がなぜこんな不毛な競争をいつまでも続けるのか理解に苦しみます。シェア10%そこそこのサッポロやサントリーが自身のてこ入れのために工夫をこらすのはまだよしとしましょう。それをシェア4割に近いメーカーがなぜ真似をする必要があるのでしょう?いずれ社名から「ビール」を取り去る日が来ることを覚悟されているのでしょうか。

2005-5-4

キリン、アサヒの第3のビール参入で4社そろい踏みとなりました。「さぞかし市場も活気づき・・・」といいたいところですが、各ビールメーカーの技術・販売の戦力がビールでなく、発泡酒やビールもどきの第3のビールに集中することに対して、そろそろいい加減にしてほしいと感じます。キリンとアサヒが第3のビールに参入したことで、第3のビールへの増税はまず今秋に再燃するでしょうし、今回は増税決定の可能性も大きくなったと言えます。繰り返しになりますが、ビール会社のこうした取り組みは消費者の立場ではなくて、企業の収益重視からくるものであり、単なるシェアアップが目的であり、何ら新たな「味」の提案ではないのです。第3のビールを飲む消費者は、単にビールより安いからという人がほとんどであり、ビール会社の宣伝に踊らされて味覚がどんどん麻痺していっているように感じます。このツケは必ずビール会社にまわってきます。この兆候を如何にいち早くキャッチして先手を打てるかが企業の命運を分けるでしょう。4社の虚しい競争が漁父の利となって海外企業のM&Aの餌食にならなければいいのですが

2005-1-10

新たな年を迎えました。このHPを開設してはや8年が経ちましたが、これもみなさんに支えられてのことで、感謝で一杯です。この間、ビール市場も大きく様変わりしてしまいました。発泡酒や第3のビールの登場はいい意味では「嗜好の多様化」のようにも見えるのですが、実際のところ消費者の舌(のど?)が肥えてきたわけではなく、ビール会社の宣伝に踊らされて、ビールもどきで諦めて飲んでいるというのが実態です。先頃アサヒが第3のビールへの参入を表明しましたが、そうなるとキリンの追従も必至であり、ビール業界の相変わらずの横並び主義は健在です。こういう業界の体質が改善されない限り、これからも課税の餌食にされるのです。とにかく我々消費者はおいしいビールを選ぶように変えていきましょう。そうでないといつまでもこのビール業界は改善されません。

2004-11-27

とにかく政府税制調査会の相変わらずの無能ぶりにはうんざりです。ビール風味のアルコール飲料(第三のビール)を増税しようと画策しています。調査会の石会長の「(ビールなどの)低価格競争が税率によって引き起こされている」との物事の本質を理解していない発言にその無能ぶりが象徴されています。農政族の強い他の酒業界と違って、ビール業界の政治力は弱いこともあり、ビールに対する税率は非常に高いものになっています。1リットル当たりで比較するとビールが222円、発泡酒が134円に対して、清酒は140円、甲種焼酎248円、ウィスキー409円。アルコール度数や小売価格からみてもビールの課税が異様に高いのです。対アルコールに対する税率で比較すると清酒や焼酎やウィスキーはほぼ横並びなのに対して、なんとビールはその4倍以上、発泡酒でも2.5倍の税率になります。ちなみにドラフトワンなどの雑酒の税率は1.3倍程度です。つまり、税率を歪めているのはむしろビールや発泡酒に対する高税率なのです。もしも「税の公平さ」を主張するならば、ビールや発泡酒の税率を今の1/2〜1/3以下にすべきです。自分たちの理屈が如何に偏ったものであるのかもっと認識すべきと思います。ビール会社の皆さんももっときっちり主張すべきではないですか? とは言え、このHPでは所謂第三のビールそのものの存在は否定的であることは申し添えておきます。

2004-10-3

所詮ビールは、猛暑で出荷が伸びたかと思えば、台風や長雨で消費が冷え込むという季節要因に振り回される商品なのでしょう。これまでのビール会社はそれを一種のあきらめのもとで事業を展開してきたのではないですか。サッポロは何をしようとしているのかわかりませんし、サントリーは焦点が定まってないように感じますし、アサヒは次が見えない。ではキリンはもっとも安定かというと、戦略に自信が感じられない状況です。夏が過ぎて、既に各社とも来年に向けての方針策定を行っている時期ですが、消費者意識、お客様意識を重視して事業の進め方を考えてみられてはどうでしょうか。このままでは、消費者はますますビールから遠ざかっていきますよ。

2004-7-25

今年の夏は何年ぶりかの猛暑で、さぞやビール会社もホクホクでしょう。ただ消費者のみなさんがビールに接する機会が増えて、その肥えた舌で発泡酒やビール風飲料をしっかり味わってみてほしいものです。ビール会社は何百億円というお金を販促費に当てています。つまりビールや発泡酒を飲むということは、税金と宣伝費に相当のお金を支払っているようなものなのです。決してビール会社の安易な宣伝に振り回されないように、我々のレベルを上げていきましょう。もちろん発泡酒やビール風飲料が好きで飲んでいるという人がいらっしゃったら、その立場は尊重します。でも、単に「安いから」飲んでいるのでしたら、今こそそこから脱却してほしいと思います。皮肉な言い方ですが、高級ブランドバッグの偽物を安いからといって買うのと、豆から作ったビール風飲料を飲むのとどう違うのでしょうか?

2004-5-5

そもそも酒類の中でビールが突出して税率が高く、税法の隙間を狙って飛び出してきたのが発泡酒です。ちょうど不景気、デフレの波が追い風(?)になって特に個人消費者に浸透してきました。業務用におけるビールの位置づけは高く、その消費量は景気のバロメーターといってもいいかもしれません。巷では、日本の景気が戻ってきたといわれていますが、地方や中小企業の景気回復はこれからでしょう。ただ、ビール消費の下げ止まり傾向をみると、確かに景気に明るさが見えてきたように感じます。キリンは一番搾りを、サントリーもモルツとビールの主要銘柄をリニューアルしました。こういう状況の中で、なぜ雑酒に企業の復権をかけようとするのか、なぜ本業のビール事業を改革しようとしないのか、私はサッポロの方針が理解できません。

2004-3-28

サッポロビールの販売戦略・マーケティングに対して、このHPでは長年に渡って疑問を投げかけてきましたが、今回のビール風炭酸アルコール飲料「ドラフトワン」についてもこの商品で何をしたいのかがよく分かりません。「安い」はもちろんウリにはなると思いますが、それ以外に何を市場に提案しようとしているのでしょうか?サッポロビールの福田社長は日経産業新聞のインタビューの中で「今はシェアを追うより、消費者が本当に望む商品の開発が最も大事な時代だ」(2004-3-18付)と答えられていますが、ドラフトワンが消費者の何に答え、あるいは消費者に何を提案しようとしているのかが見えてこないと思います。雑酒であるドラフトワンで、自社のビールや発泡酒を減らしては、なんら「新たな提案」にはなり得ないのです。とても心配です。

2004-2-22

ビール・発泡酒の容器は今や6割以上が缶です。1990年で30%強だったことを思えば驚異的な伸びと言えます。それだけ個人消費の割合が高いわけです。発泡酒に限ればその比率は更に上がります。つまりそれだけ個人消費の割合が増えた、言い換えれば業務用が減少してきていると言えるわけです。これまでアルコールと言えば、まずはビール、まさに「とりあえずビール」だったわけですが、これだけ嗜好が多様化してくるとビールの存在も相対的に小さくなってきています。
これをビール業界は単に世の流れと「他責」に済ませているように感じます。自らがビール市場活性化のために生活の中に新たなビールの存在を提案していかなければどんどん消費者は逃げていってしまいます。つまり、現在のビール市場の低迷はビール会社の自縛の紐と言えるでしょう。このHPで繰り返し主張していますが、消費者を後回しにした事業戦略を見直さないと本当に「ビール会社」という業種が過去のものになりますよ。

2003-12-28

秋口から更新が滞りがちで、あっと言う間に年の瀬になっていました。今年は発泡酒増税もありましたが、冷夏の影響もあって市場全体としては低調でした。そんな中、ビールについては特定のコンビニとの共同開発で新たな需要の掘り起こしの動きがあり、酒類自由化をにらんで各メーカーともスーパーやコンビニでの販路強化に動きました。発泡酒については麦芽比率が低いことを逆に生かして、多様化した味わいがでてきましたが、特に健康志向ブームにのって低カロリービールが定着してきたように感じます。海外に目を向けると中国の拡大がなんといっても目に付きます。生産量ではついにアメリカを抜いて1位になっており、今後も更に拡大が期待されます。ただ各社の動きを見ていて、今一つ元気がないのが気になります。ビール・発泡酒市場自体が縮小傾向にあることが全てを反映していますが、どうも市場の新たな掘り起こしが空振り気味で、競合を牽制するにとどまっているように感じます。2004年はビール会社にとって更に厳しい時代になると思います。これまでの横並び主義によってお互いに「ゆでガエル」状態になっていたことにメーカーもやっと気がついたというところではないでしょうか?

2003-11-16

久しぶりの更新ですみません。この間も取材活動は精力的にやっています。先日はミラーの大工場があるアメリカのミルウォーキーに行ってきました。夜、そこでのタクシー運転手との会話。「ミラーの工場は今もやっているのか?」「24時間動いてるよ」「そこでは飲めるか?」「工場では飲めないよ。ただ街中に行ったらどこででも飲めるさ」まあ、その通りなんですが、私は出来立てを飲みたかったな。今回のアメリカ取材では、サミュエルアダムスの冬季限定Winter Aleが印象的でした。じっくり味わえます。

2003-8-23

やっと夏らしい暑さがやってきました。ただちょっと遅すぎました。さあビール!と思ったら、もう秋の足音が聞こえてきました。ただ、そもそもビールは「のどごし」なんて、ビール会社の宣伝文句に踊らされていてはいけません。ビールはしっかり味わうものでこれからがビールを味わう本当の季節になるんです。さあ、残暑厳しい中ですが、ビールを大いに味わいましょう。決して年間数百億円というビール会社の宣伝広告に惑わされないように!

2003-7-27

やっと梅雨明けというところですが、カーッと照りつける日差しはまだのようで、おそらく7月のビールの消費は落ち込んだと思います。上半期の総括を行いましたが、分析すればするほど各社とも不安だらけです。シェアだけから見ると、サッポロの一人負けでしょうが、かといって過去最高シェアのサントリーもシェア1位のアサヒもこの下期はどうなるかわかりません。この低迷ぶりは今に始まったことではなく数年前からこのHPでも警告していたように、顧客、消費者を無視した押しつけのやり方がそもそもの原因と見ています。消費者の立場に立った姿勢を示すことで、長期的にはなりますが、ビールへの回帰も期待できるのではないでしょうか?今一度経営姿勢を考えてもらいたいと思います。

2003-6-22

なんともお粗末な話です。サッポロのマーケット、営業、生産がバラバラというのが如実に表れた典型的な事件と考えてもいいでしょう。鮮烈発泡のわずか3ヶ月での生産中止、エビス黒は発売開始2週間で生産体制が追い付かないとの理由で休売。いずれもサッポロ内にはびこる共通の問題点があるように感じます。製品をどう売ろうとしているのかという戦略策定において、社内のベクトル合わせができていないということです。そしてトップ自身がその方向性を失っているため、ただ生産中止、休売といった虚しい決定を下すのみの役割期待しかないようにも見えます。エビス黒の発売は久々の明るい話しのはずでしたが、結果的にはサッポロの醜態をさらけ出すことになりました。ちょっと言い過ぎましたが、思い切って雑音の根本を切らないとダメでしょう。

2003-5-25

なんと3ヶ月ぶりの更新です。HPを留守にしていて申し訳ありません。この間、ビール業界はどうあるべきなのかを念頭に取材活動を続けてきましたが、どうも先が見えてこないというのが正直なところです。2月以降発泡酒比率が40%を超えるという異常事態に加え、5月の発泡酒増税後をにらんで各社とも6月以降に発泡酒で新製品を投入する予定になっています。おーいビールはどうするんや?と叫びたいところです。

2003-2-23

002年アサヒはビール・発泡酒のシェアトップをキープしましたが、ビール大手3社の連結決算でみると、売上、営業利益ともキリンが大きく他2社を引き離す結果となっています。キリンは発泡酒の値下げによる減益は151億円でしたが、販売奨励金・広告費などを中心に約220億円のコスト削減で増益につなげています。一方アサヒは、発泡酒値下げの影響は100億円、原材料費・物流費などのコスト削減175億円となったものの、単一銘柄への製造・販売集中戦略の頭打ちを読み切れず、売上高で4%減、営業利益10%減と苦戦しています。サッポロは発泡酒値下げの減益は50億、やることなすこと全て後手に回っており、売上高で8%減、営業利益45%減と当然の結果となりました。3社3様の結果ですが、中でもサッポロは、今年になっても何をしたいのかが今一つ見えなくて心配です。おいしいビールはつくっているんですけどねぇ

2003-1-13

2002年のビール・発泡酒の販売は、アサヒが2年連続首位となりました。しかし実態は厳しく、キリンが年初計画比98.4%の実績に対し、アサヒは同93.5%と大幅未達となっています。アサヒの消費者を軽視した押し付けの姿勢が結果として表れていると言えます。比較的回復の兆しのあるキリンでさえ前年実績比に対しても減少しており、ビール業界全体において、これまで各社が横並びで発泡酒に狂奔したツケが重くのしかかってきています。それに追い打ちをかけるように今年は5月から発泡酒が増税となります。既にサントリーが増税に伴う値上げを発表しました。他3社が追随するのは必至ですが、ここで各社が単に値上げするだけなのかを注目してみましょう。そこに消費者に対する各社の姿勢が見られると思いますし、どこが生き残るかが見えてくるかもしれません。

2002-12-29

今年最後の更新です。年初にコメントしましたが、2002年はビール・発泡酒市場はその予想以上に残念な結果になりました。空しい結果の見えている中で繰り広げられた発泡酒の安易な安売り戦争に、今年1年が集約されているように思えます。発泡酒が伸びてもビール・発泡酒の市場全体を押し上げる効果は全くないのです。発泡酒の存在は、現在の日本の経済状況を反映しており、決して救世主ではありません。むしろ消費者の味覚を画一化してしまい、結果的に消費者のビール・発泡酒離れを加速していると言えるかもしれません。そろそろこのことにビール会社は気づいてほしいものです。
さて、2003年に何を期待しましょうか? 多少はビール回帰の動きが出てくるでしょうか? キーワードは、酒販自由化、中国、そして業界再編の波といったところかな。
それでは2003年も宜しく。

2002-12-15

とうとう発泡酒が350ml当たり36.75円から46.75円に10円の増税となりました。最初に増税論議が出て3年かかったことになります。日本酒や焼酎は農政族議員の後押しがあるのに対して、ビール業界は政治力に乏しくとかく課税の対象としてに狙われやすい傾向がありましたが、今回もせっかく育ててきた発泡酒が標的となったわけです。この夏のメーカーにとっては虚しい価格戦争が逆にお役人につけ込まれるスキをつくってしまったとも言えるでしょう。これで見込み通りの税収が得られるかどうかは疑わしいところですが、一つ言えることはメーカーにとってより厳しい価格戦略が必要となることです。既に発泡酒市場の伸びは小さくなっている中で、この増税ですぐに市場が縮小することはないと思いますが、増税をそのまま価格には転嫁するのは判断の難しいところです。いずれにしてもメーカーの利益を圧迫することは間違いありません。

2002-12-1

製造業にとって新製品開発と品質安定化・コストダウンは車の前輪と後輪のようなもので、両方がうまくバランスすることが大切です。こういう不況の世の中だからこそどちらにも手を抜けないし、それを上手く両立させたところが生き残ると考えていいでしょう。 大手4社を辛口に採点(それぞれ5点満点で合計10点満点)すると、キリンは8点(4+4)、アサヒ7点(2+5)、サントリー5点(3+2)、サッポロ5点(3+2)といったところでしょうか。これに販売力を加えれば企業の潜在的成長力の指標になると思いますがこれは別の機会にしましょう。
恒例行事のように発泡酒の増税論議が出てきていますが、このHPとしては今年は中立の立場をとります。所詮発泡酒はこの不況下とビール税率の高さが生んだ歪みの商品であり、健全な市場においては決して主力にはなり得ない商品だからです。最近ビール復活の動きが見られます。新製品開発力が弱くなっていたアサヒが、久しぶりに新製品を出します。キリンやサントリーの限定ビールもまずまずです。ちょっと楽しみが出てきたかなというところです。

2002-11-10

キリンは昨年3月任期半ばの佐藤氏から荒蒔氏に社長が交代した。荒蒔氏は東大農学部卒とキリンには珍しい技術系出身の社長となった。社長に就任した年にキリンはビール・発泡酒シェアの首位を陥落したが、それを覚悟した荒蒔社長は秋に「新キリン宣言」を打ち出し、顧客志向を軸に商品開発や営業戦略を見直した。それから1年。荒蒔社長は強烈なトップダウンではなく対話型と評されるが、そのせいか経営陣にそれぞれの顔が見えるようになってきた。営業本部長の智田常務、生産本部長の盛岡専務はその最たる例。最近の新製品まろやか酵母毬花一番搾りを見てもキリンの自信の回復が感じられる。ちょっとほめすぎだが、定番ビールの低迷、発泡酒の低価格化による利益の大幅ダウン等の難題が山積みであることは言うまでもない。・・・11/10

2002-10-14

「改革」と音頭をとってみても、社内で体裁ばかり整えることが上手な中間層にいつしかその意気込みも薄れてしまう。やり手の営業出身の社長が登場しても、現場にどこかしらけた雰囲気が流れる。サッポロ・スピリットみたいな建て前を振りかざして、結局は現状に甘んじている経営陣。まあ、そんなところがあるかもしれないと外からは見えてしまいます。サッポロの「モノ作り」に対するこだわりは強く感じます。しかしそれが逆に足枷になっていないかと心配です。2工場閉鎖の話もあまりにも遅すぎる。キリンやアサヒに比べリストラ対応が2年は遅れているといっていいでしょう。「遅い」「人がいい」「摩擦をさける」いろいろあげるとキリがありません。虚しい社内会議ばっかりやっているんだろうなあ。

2002-9-23

中国は米国に次ぐ世界第2のビール消費国です。市場規模は日本の約3倍、ビール会社は約400社にものぼります。サントリーは最も早く中国に進出し、大都市 上海のシェアが4割になります。キリンは豪ビール大手のライオンネイサンと提携、フィリピン大手サンミゲルへの出資、台湾企業との合弁などで中国での販路拡大を狙っています。アサヒは中国最大手(シェア7%)の青島ビールと合弁、スーパードライの拡大を狙っています。中国の圧倒的な潜在市場は大いに魅力あるところですが、外資にとっては低価格競争で苦戦している面もあるようです。中国のビールはあっさり目で苦みも薄い傾向があるのか、サントリーやアサヒのビールは受け入れられやすいのかもしれません。とにかく、中国がビール消費で世界一になるのは時間の問題です。

2002-9-8

暑い夏もそろそろ終わりです。店頭では色鮮やかな発泡酒があふれていましたが、ビールメーカーにとっては虚しく、勝者のない消耗戦に終わりそうです。更に追い打ちをかけるのが発泡酒の増税論議です。無能無策な財務省にとっては、この発泡酒の値下げ競争が増税の格好の材料となるわけです。そんな中、9月の初めにサッポロビールの2工場閉鎖のニュースが飛び込んできました。サッポロビール発祥の地の札幌工場の閉鎖は寂しいものがありますが、今後の競争を勝ち抜くにはやむを得ない処置と言えます。
そしていよいよ秋の陣が始まりました。夏は消耗戦に終わりましたが、秋は勝負を決する時かもしれません。単一ブランド集中のアサヒか、ビールのあり方を模索しているキリンか、抜本的改革が必要なサッポロか、そして総合戦略のサントリーか、それぞれの特徴が見えかくれしています。

2002-8-14

各社の6月中間決算が出そろいました。アサヒ、サントリーは増益、キリンは減益、サッポロは赤字(12億)と明暗を分ける結果となりました。各社とも発泡酒の値下げが減益要因になっていますが、キリン・サッポロはそれぞれ2.0ポイント、0.2ポイントのシェアダウンが影響しています。特にサッポロは現在量費10億、製造費用13億、販促・一般管理費14億とコストを圧縮したものの、ビール・発泡酒の数量減で36億、発泡酒値下げで11億などの減益要因を吸収できなかったようです。キリンやアサヒがそれなりのポリシーをもって値下げに踏み切ったのに対し、サッポロの常に後手に回った経営手法に問題があるように思えます。
とはいえ、後期は各社とも発泡酒値下げがフルに響くため、100億程度の減益を予想されています。幸い7〜8月は猛暑の影響で出荷量は伸びていますが、収益の厳しさは相変わらずです。特にサッポロがどう立て直していくのかを注目したいと思います。

2002-7-21

今年上半期に出荷されたビール・発泡酒を出荷数量で並べると、スーパードライ、麒麟淡麗本生、キリンラガー、一番搾り、黒ラベル、北海道生搾り、モルツ、爽快仕込の順になります。決してこれが消費者の人気を反映しているとは思えません。消費者はこれまでこれら大手ビールメーカーに飲まされてきたと言えるかもしれません。実は多くの人が発泡酒をビールと信じて飲んでいます。先日、日経(7/6付け)に「主婦が飲みたいビール・発泡酒」の記事がありましたが、「うーん・・・」という感じです。まあCMの影響が大きいのでしょうね。
とにかく我々消費者が受け身のままでいるのではなく、おいしいものを選んでいく厳しい姿勢が必要だと思います。そうしないと企業は好きなように市場をコントロールしてしまいます。

2002-6-23

キリンが2月に発売した135円の発泡酒「極生」は業界に衝撃を与えました。そしてその後の期間限定10円値引きが始まり、 とうとう今月にはほとんどの発泡酒が値引きされて販売されます。例えばキリンの場合10円の値引きにょって発泡酒部門の営業利益は百億円程度減ると見られています(日経6-11)。つまりキリンは極生の提案が結果的に自分の首をしめることになったわけです。キリンに比べて製造原価の高いサントリーも、その値引き競争に追随せざるえを得ず、せっかく見えていたビール・発泡酒部門の黒字化も遠のいてきています。
今夏、14種の発泡酒が出回ります。そしてこの14銘柄の内半分は秋までに姿を消していることでしょう。その間ゆっくりビールを楽しみましょう。 秋口には再び発泡酒増税論議が盛り上がっていると思います。どうなることやら。いずれにしても市場は不健全な状況です。

2002-6-16

先日、韓国人とレストランに行きました。まずは日本の大手ビール会社の生ビールで乾杯。続いて地ビールの樽生ビール。 とたんに韓国人からは「おいしい。これはビールか? カクテルみたいだ」とのコメントが返ってきました。なかなか 韓国人にも受けました。そういえば、以前に行った時フランス人もアメリカ人もほめていたなあ。 大手ビール会社が小売価格を下げるだけの虚しい発泡酒戦争を繰り広げていますが、日本全国の287カ所におよぶ地ビールの地道な取り組みが花開くように期待しています。

2002-6-1

アサヒの本生が6月下旬から10円値下げとなり、サントリーも同じ値段の新製品を投入することとなり、大手4社の発泡酒は 350ml缶135円で並ぶことになりました。10種類以上の発泡酒が店頭に並んでおり、見た目は活況に感じられますが、 実はデザインの違いのみで中身の差別化は今一つです。実際、こんなに新製品ラッシュが続いている割にビール・発泡酒市場の 1ー4月出荷は前年比0.3%減となっているのです。つまり、なんら市場活性化の効果をもたらしていないのです。消費者も ビールもどきを安く飲めるのですから文句はないかもしれませんが、発泡酒をキューッと飲んであの何とも言えない「しあわせ」を 実感できますか?

2002-5-12

GWは地ビールの取材に出かけましたが、それぞれの地方で、いろいろ試行錯誤を重ねながら独自の味を造りあげている姿に「活力」を感じました。またそのビールの仕上がりのレベルの高さに驚かせられました。その一方でひいきにしていた地ビールレストランの前まで行きながら店の閉鎖を目の当たりにして、商売である以上その事業の厳しさも感じました。ビール事業だけでは決して採算は合わないわけであり、多角的に取り組まないと事業は続けられません。そこに知恵が必要なわけです。今全国に200社以上の地ビール屋さんがありますが、多くは厳しい状況にあるはずです。ただこういう時代だからこそ頑張ってほしいものです。・・・5/12

2002-4-29

各社の夏戦線の概要がはっきりしてきました。サッポロは5つ、キリンは4つ、サントリーは3つないし4つ、アサヒは定番の1つの発泡酒がぶつかります。おそらく今夏も猛暑になると思いますが、発泡酒でなくてちゃんとしたビールでのどと心を癒したいものです。私は、このGWは 本物のビールを求めてみたいと思います。

2002-4-21

昨秋は発泡酒メーカー5社が共闘を組んで発泡酒の増税阻止に動きました。このHPも増税そのものには反対しました。そして、増税阻止を勝ち取ってからの各社はこの有り様です。ビール会社とは名ばかりで、ビールが副業のサントリーはともかく、他のメーカーは「キリン発泡酒(株)」「アサヒ発泡酒(株)」「サッポロ発泡酒(株)」とでも社名を変えたらどうですか。所詮、発泡酒は亜流です。メーカーが本業で勝負できなくなったらそれはもう企業の末期症状と言えるでしょう。

2002-3-21

桜の開花も早く一気に春がやってきたという感じです。残念ながらビール市場の低迷は春はまだ遠しという感じです。発泡酒の急上昇は日本経済の状況をそのまま反映していると言えます。不景気は日本人の嗜好まで麻痺させてしまったのかと嘆かわしい限りです。コンビニにビールを買いに行っても数種が棚の下段に置かれているのをみて寂しく感じました。これが再び棚の中心に置かれるようにならないと、日本経済の景気も浮上しないでしょうね

2002-2-17

ビールは日本全国どこでも、どのビール会社のものを飲んでも皆同じ値段です。これは何十年間ずっと変わっていません。ある意味で不思議な現象で、どこかのメーカー(普通は2番手か3番手)が値段を変えると、すぐに残りの他社の追随します。今回は発泡酒の10円引きで同じ事件が発生しました。今回は2番手のキリンが引き金となり、アサヒ、サントリーがそれに対抗し、結果的にキリンは自社の新製品発売延期を余儀なくされるという事態となりました。ビール会社のこの横並び体質は健在といえるでしょう。まあ、寡占であるがゆえにぬるま湯体質となった企業の末期的症状と言えるかもしれません。最終的にこのとばっちりを受けるのは我々消費者なんですよ!

2002-1-27

2001年のビール・発泡酒市場は前年比0.3%増と3年ぶりにプラスとなりましたが、その内訳は発泡酒の台頭がビールの低迷を補ったにすぎません。既に各社の今年の販売計画が出されましたが、いずれも発泡酒比率アップをもくろんでいます。発泡酒比率は31%と3本に1本近くが発泡酒ですが、家庭用の缶にしぼればその半分が発泡酒という計算になります。これは危機的な状況に近づきつつあると思います。家庭用の発泡酒の比率が50%を超えたとき、それはビールの存在価値が薄れるということですから、結果的に消費者の選択はビール以外に流れる可能性があります。つまり、ビール市場そのものの崩壊が始まるわけです。今年もビール会社は発泡酒に力を入れていますが、その結果、今年のビール・発泡酒市場は減少すると予想します。そして、酒税の減少対策のため、今年末には発泡酒の増税が決定されるかもしれません。・・・1/27

2001-12-30

2001年は大変な年でした。ビール業界もいよいよビール・発泡酒トータルでアサヒがキリンを抜くことは確実です。不毛なシェア争いを繰り広げるビールメーカーが共闘して発泡酒増税を阻止したことは、吉とでるか凶とでるか。2002年も相変わらず発泡酒戦争が続く気配です。おいしいビールが飲みたい!我々消費者にとっては、ただそれだけが切なる希望なのですが

2001-12-23

発泡酒増税が見送られた結果、ビール会社は更に発泡酒に力を入れる模様です。サッポロは、来年1月に発泡酒のラガー「ファインラガー」を発売。サントリーはマグナムドライの新製品を投入。キリンビールは麒麟淡麗をリニューアルするとか。あくまでも私は取材以外では発泡酒を飲みませんので全然うれしくありません。
ところで、12月でビール会社の半期ごとの出荷量が公表されます。毎年キリンビールは12月に数字作りのため押し込みを行いますが、そろそろ見直しをされてはどうですか?

2001-11-17

再び発泡酒の増税案が浮上している。このHPでは発泡酒比率が上がることがビール市場を駆逐することを警告してきたが、発泡酒の増税自体には反対である。昨年も同様の意見を述べたが、発泡酒が市場で受け入れられた要因は他でもなく企業努力によるものであり、税収増を見込んで発泡酒の税率を引き上げることは、その努力を踏みにじる安易な政策としか言いようがない。それに発泡酒が売れるのは税率が低いからであって、もし税率が引き上げられたら、まずその売り上げは減少していくことでしょう。ビール・発泡酒市場はここ数年低迷しており、増税はそれに追い打ちをかけることは必至である。

2001-10-20

随分秋らしくなって来ました、夏のビールはのど越しで味わいますが、この季節のビールはしっかかり存在感をアピールしています。おいしい料理といっしょにおいしいビールを味わいたいものです。景気の低迷等の影響で、発泡酒の比率だけが増えるのは悲しい限りです。

2001-9-29

久しぶりの更新です。実は米国にビールの取材にでかけていたのですが、向こうに着いた2日後に同時多発テロが発生し、足止めをくらってしまいました。テロ自体は絶対に許せない行為ですが、足止めのおかげでビールの取材はしっかりやってきました。サッポロの海外向け「Reserve」もちゃんと飲んできました。・・・9/29

2001-8-26

今年6月期の各社の中間決算が出そろった。各社とも販促費がかさみのきなみ減益となった。アサヒは1.8倍の広告費の240億円、キリンは販売奨励金を3割増しの329億円と巨額に膨らんだ。これは売上高重視の激しいシェア争いによるもので結果的に減収、中でもサッポロは赤字となった。アサヒは、上期のビール・発泡酒の販売量で初めてトップに立ち、また単体売上高でも46年ぶりに首位となった。もう不毛のシェア争いはだれも止められないという感じ。恐らく、下期ももっと激しい争いが続くかもしれない。こんな中消費者はどんどんビール・発泡酒から離れていくことに気がついていないのだろうか?

2001-7-28

キリンとアサヒの熾烈なシェア争いで押され気味のサッポロの岩間社長が日経のインタビューに答えて、「見かけの出荷量を競うメーカー特有の発想は時代遅れだ」とコメントしています。例えば6月は実際の消費は前年比2%程度しか伸びていないのに、出荷量は15%増となっているとか。確かに、6月のキリンの「押し込み」はひどいの一言であり、健全とはいえないと思います。ただ岩間社長のコメントは敗者の言い訳っぽく受け取れ、もっとどん欲な姿勢をみせてほしいものです。どうもサッポロは「いい人」の傾向がありますね。

2001-7-22

暑い日が続きます。ビール業界はホクホクのはずです。そんな中であえて発泡酒とそのランキングを一気に出しました。残念ながら発泡酒は衰えをみせていません。おそらくこの不況が続く限り売れ続くでしょう。ただ、仕事のあとの一杯のビールに「生きてる!」と実感できる限り、やっぱり発泡酒ではなくビールでそれを実感したいものです。

2001-7-15

最近、取材のためやむを得ず5種類の発泡酒を飲みましたが、どれも350mlをやっと飲めたというものばかりでした。それでもH13上半期の発泡酒の出荷は32%で安さばかりを求めるがゆえに、消費者の嗜好能力が低下してきているのでしょうか。
またキリンとアサヒの熾烈なシェア争いの結果、無理な押し込み出荷が目立ってきており(6月のキリンのことですよ!)、どうみても健全な市場とは言えません。
これを立て直すのは我々消費者しかできません。暑い日がつづきますが、「発泡酒もビールも同じさ!」なんて言わないで、まずいものはまずいと言いましょう。

2001-6-24

先日あるコンビニに行ってびっくり。ビールがあるべき棚を色とりどりの発泡酒が 占領しているではないですか。かろうじてスーパードライと一番搾りとあと2種類くらいが 寂しく並んでいました。「売れ筋しか置かない」コンビニとはいえあまりにもひどい状態。 エビスはどこ?モルツはどこ?と少々ショックでした。
5月の発泡酒の出荷割合は34%と今や全体の1/3を占めており、 このコンビニの状態がその全てを反映していると言えるでしょう。 これがビール会社の策略と責めたいところですが、我々 消費者にも原因はあると思います。これが結果的にさらなるビールの低迷につながるような 気がしています。

2001-6-9

ここ数年、街で飲むコーヒーの味が「苦み」を強調してきたように思います。昔のコーヒーは酸味がきいていたようでした。もちろん人々の味覚が多様化してきているとはいえ、苦い味に抵抗がなくなってきたのは事実のような気がします。
ところで、昔からアサヒのビールは苦みを抑えた味でした。スーパードライにもその伝統(?)は受け継がれています。それに対してキリンのラガーは苦みが特徴だったと言えますが、96年以降「生」に変えてその苦みを抑えてしまっていました。ところがそのかつての苦いラガーが復活しました。今のところ地域限定ですが若者への反応もいいようです。
「苦み」が文化として根付くような予感がします。

2001-5-26

発泡酒の増税が見送られ、アサヒが発泡酒に参入し、今年は発泡酒が乱戦気味です。この夏、 キリンは「麒麟淡麗」「常夏」(6月発売)、アサヒは「本生」、サッポロは「ブロイ」「冷製辛口」「北海道生搾り」「セブン」(6月発売)、サントリーは「スーパーホップス」「マグナムドライ」「夏のイナズマ」(5月発売)で、なんと10種が乱立します。といっても、飲み比べる気はまったくおきません。もううんざりというところです。やっぱり夏はビールにしませんか!

2001-4-22

最近の発泡酒の宣伝は明らかに他社との比較広告になっており、各社の熾烈な生き残り戦略を感じます。「ビールもちゃんと売ってほしい」と声を大にして言いたいところであるが、そんな消費者の悲しい叫びが聞こえているのかいないのか、アサヒやキリンはなんとチューハイまで発売します。まあ勝手にどうぞと言うところです。・・・4/22

2001-4-8

今回は入社式での各社長のコメントを掲載しました。そういう社長の方もキリンは荒蒔氏に、サントリーは佐治氏にバトンタッチとなり、新たな出発です。また、アサヒの福地氏もサッポロの岩間氏も今年はその真価が問われる大事な時期にさしかかっています。特に食品会社としての総合力が問われる時代になってきていますので、難しい舵取りとなるでしょう。

2001-4-1

キリンは中四国限定ですが昭和40年代のラガーの味覚を再現した「キリン クラシックラガー」を発売しました。またサントリーは通常に比べ麦芽を1.2倍、ホップを2倍使用した「モルツ スーパープレミアム」を4月に発売予定です。最近年をとってきたせいか、苦めのビールの方がおいしく感じます。花見はやっぱり発泡酒でなく、ビールでいきましょう。とはいうものの、ちょっと寒いですね

2001-3-18

「ゆるやかなデフレ」どころではないかもしれません。アサヒの発泡酒参入で発泡酒の市場に占める割合は35%まで跳ね上がりました。その影響でビール・発泡酒の出荷数量は前年比1.1%増にはなりましたが、ビール単体は大幅減です。キリンは麒麟淡麗の味を変更し、サッポロはお大型商品の「北海道生搾り」を投入する予定であり、今後も発泡酒だけが伸びる雰囲気です。ただ、言えることはこれら各社の動きにもかかわらず、全体の市場はなんら活性化されていないのです。本来のビールで勝負してほしいというのが本音です。ビール・発泡酒の出荷数量の公表中止といい、各メーカーの消費者を無視した姿勢に腹が立ちます。しょうがないからビールでも飲みます!!

2001-2-19

久しぶりの更新となりました。ちょっと副業の方が忙しく、なかなかHPの更新ができませんでした。サラリーマンの悲哀を感じます。ところで、ビールの出荷量が、今年からアサヒ以外公表されなくなってしまいました。キリンもサッポロも出荷量の数字合わせのために月末に「押し込み」をせざるを得ないというのが、理由とか。まあ、アサヒの攻勢に、なんとか世間の目をごまかそうという意図でしょう。とにかく、再度公表する方向で検討してほしいものです。我々消費者は大いに関心があることですからね。

2000-12-30

いよいよ21世紀がやってきます。2000年は各社が打ち出した麦芽100%ビールは消費者の嗜好を掴みきれずに終わり、今一つ盛り上がりにかけました。発泡酒は市場の20%以上を占め、世間に完全に受け入れられた形になりましたが、マーケティング戦略を着実にすすめたサントリーは悲願のシェア10%を確実にしました。発泡酒の増税案が見送られたこともひとまずは安心材料となりました。とはいうものの、日本のビール消費量はほとんど伸びていません。従って、21世紀は各社とも食品メーカーとしての総合的な戦略での生き残りをかけます。それから海外メーカーとの提携と拡販がキーとなるでしょう。まあ、我々消費者の立場からいえば、おいしいビールが飲めればそれでいいのですが。では21世紀に乾杯!

2000-11-19

発泡酒の増税案は波紋を広げているようです。今発泡酒は市場の1/4を占めていますが、もし増税されると必ず消費動向は動くと思います。国税庁の思惑通りに税収が見込めるわけがありません。それはともかく、そろそろ来年の予算策定のシーズンです。今年はサントリーを除いた大手3社の戦略は失敗したと言っていいでしょう。もっと消費者が何を求めているのかを把握して、来年の戦略を練ってほしいと思います。

2000-11-12

約1ケ月ぶりの更新です。なんと言ってもこの間に発表されたアサヒの発泡酒参入のニュースはいろいろ波紋を広げています。アサヒの参入は時間の問題だったと思いますが、「出遅れ」感は否めません。あきらかにスーパードライの戦略に影響するでしょう。また、大手4社の発泡酒が出そろうことで、発泡酒増税の動きがでてきています。これは税収不足を補うことを目的とした安易な発想ですし、発泡酒を根付かせてきた企業努力を国が断ち切るようなものです。・・・11/12

2000-10-15

9月のビール・発泡酒の出荷をみると、とうとう発泡酒のシェアが25%になりました。この発泡酒で好調なのがサントリーです。サントリーのビール事業は40年近く赤字が続いていましたが、いよいよ待望の黒字化も現実に近づきつつあります。サントリーはこのビールを初め、洋酒や清涼飲料水、外食事業などを含めた総合型食品メーカーとしてのマーケティング戦略をすすめてきており、今やそれがキリンやアサヒのお手本になっています。最近アサヒがニッカウィスキーの完全子会社化を発表しましたが、「アレ!」と思った人も多いはずです。それだけこの2社の社風はかけ離れているわけで、果たしてこれからうまくいくでしょうか?

2000-10-1

更新が遅れてすみません。日本の雑然とした空気に振り回されっぱなしの1ヶ月でした。アメリカで感じた「懐の深さ」とは対照的に、日本のピリピリとした余裕のなさにいささか閉口気味です。まあ、おいしいビールでも飲んで気分転換をしたいところです。ところで、最近の発泡酒の好調は何を物語っているのか、ビールの将来に少し不安を感じます。出荷量の1/5以上が発泡酒ですから、多くの消費者が発泡酒でも満足しているということです。しかもビール・発泡酒トータルではここ数年は横ばい状態です。つまりビールの消費量は落ちてきているのです。

2000-8-27

いよいよ残暑厳しい日本に帰ります。アメリカ取材はちょうど6ケ月になりましたが、とにかくアメリカのビールは際限なくて、今回の取材もアメリカ北東部をほんの一かじりしたに過ぎません。ただこの間お世話になったたくさんのアメリカの人たちに感謝!(日本語でごめん)。次の取材は西海岸か、ヨーロッパか、それともアジアかな・・・さて、とにかく帰国して飲む日本のビールはどんな味に感じるでしょうか?楽しみです。従って次回アップは9月初めに日本からになります。(アメリカ生活178日目)

2000-8-14

アメリカ取材ももう5ケ月半となりました。やっと生活に慣れたところだったのですが、日本への帰国命令が出てしまい、この8月末に帰ることになりました。ちょっと残念。おかげで慌ててビールを紹介しています。とりあえず今回は7種。まだ20種ほどあるのですが、多分残りは日本に帰ってから整理することになりそうです。日本は猛暑でビール会社はホクホクでしょうね。(アメリカ生活165日目)

2000-8-6

最近、近所にマイクロ・ブリュワリーを持ったレストランがオープンしました。猛暑の日本と対象的にアメリカ北東部は冷夏でしたが、そのレストラン自体はなかなか繁盛しているようでした。もう3回ほど行ったとはいえ、実はそこで飲めるビールは私にとって今一つなのですが、料理はまずまずです。日本人がうまいと思う店はやっぱり多くのアメリカ人でいっぱいです。アメリカ人の味覚に疑問を持つことも多いのですが、やっぱりうまいものは共通かなって感じます。
最近、日本で地ビール事業のあり方が見直されてきています。地ビールレストランではやっぱりその地方のうまい料理を味わいたいものです。(アメリカ生活157日目)

2000-7-30

大手ビール会社の6月中間決算が出そろった。キリンは合理化(いわゆる人減らし)の効果、アサヒ・サントリーはビール・発泡酒の伸びで増益を確保したが、サッポロは合理化効果が販売面の不振を吸収できず減益となった。これらから一概には判断できないものの、サントリーの躍進とサッポロの低迷はしばらく続きそうだ。キリンは更に合理化によって、体質改善が進んでいく模様。アサヒは若干先行き不透明かな(アメリカ生活150日目)

2000-7-15

ビール工場の課題の一つが発生する廃棄物の処理です。最近サッポロビールと島津製作所がビール製造の過程で発生する大量の排水や廃棄物に含まれる二酸化炭素を、メタン発酵などの特殊な方法で固定化させる新技術の開発に成功したとの記事がありました。また、アサヒやキリンは使用済みのビール酵母を利用した調味料や食品用コーティング剤の開発にも力を入れています。ビール業界では、本業のビールのシェア争いだけでなく、こういった陰の部分でもさまざまな開発競争が行われています。・・・7/15(アメリカ生活135日目)

2000-7-8

サッポロ、キリンが発売したキャップ付きのアルミボトルがまずまずの人気だそうです。 ビールの飲み方から考えると、キャップで何度も開け閉めできることにあまり便利さは感じないのですが、キャップとボトルを一括処理できるという環境面での利点は注目されます。ビールの容器と言えばいよいよPETボトルが登場しそうです。既にアメリカでも販売されています。ペットボトルだとガラス瓶やアルミ缶のように持ったときの「ひんやり感」がないのですが、既にペットボトル自身が市民権を得ていることや、軽い、割れにくいという点ではメリットがありそうです。ただ、ペットボトルの酸素遮断性を出すためには非常に特殊な技術が必要です。(アメリカ生活128日目)

2000-6-25

アメリカは州にもよりますが、日曜日は酒屋さんが閉まっているところが多いようです。私も取材(?)のためにある程度ストックはしていますが、土曜日の夕方に慌てて買いに行くことがしょっちゅうです。その点、日本では24時間オープンのコンビニでお酒を取り扱うことが普通になってきており、その取扱量も無視できない数字に膨らんできています。最近、サッポロとキリンからキャップ付きのアルミボトルが発売され(6月末より順次全国展開します)、まずまず好評のようですが、これもコンビニ利用者がターゲットになっているといえるでしょう。ちなみにアメリカでは12オンスの瓶が主流です。(アメリカ生活115日目)

2000-6-18

5月は発泡酒が非常に伸びたようですね。また詳細は分析後に報告しますが、発泡酒メーカー3社のなかでサントリーだけが着実に伸びているといえます。サッポロは新製品で伸びただけであり、キリンも頭打ち傾向にあることから、一概に5月の結果から今後も発泡酒が伸びるという結論にはならないと思います。その点を、キリン・サッポロとも注意すべきと思います。と言っても発泡酒をもたない(もてない)アサヒが伸びるとも思えませんが(アメリカ生活108日目)

2000-6-11

アメリカでも日本のビールは手に入ります。正確にはキリンとアサヒはこちらでライセンス生産したもの、サッポロは日本から輸出したものです。オリオンビールは見つけましたが残念ながらまだサントリーはまだ手に入れられていません。たまに日本のビールを飲むと懐かしい味がします。(アメリカ生活101日目)

2000-6-4

ビール会社においてもIT(情報技術)革命の流れは浸透しつつあります。グループウエアを利用した社内の情報の共有化はもちろんのこと、インターネットを用いた原料や資材調達はあたり前になりつつあります。現状は各社横並びといったところですが、今後「eビジネス」をうまく取り込んでいくことが鍵となりそうです。こういった観点でも各社の動きを注目していきたいと思います。(アメリカ生活94日目)

2000-5-29

日本は暑いようですね。これはビール会社にとっては願ってもないチャンスです。今年は各社とも麦100%に力を入れて、「本業」のビールで勝負していますが、さてどうでしょう。蒸し暑いこれからの時期が勝負ですね。ところで、私の住んでいる所はまだ涼しくて、ビールの季節になるには時間がかかりそうです。(アメリカ生活88日目)

2000-5-21

先日マイクロ・ブリュワリーのあるレストランに行きました。新鮮なビールとおいしい料理を堪能しました。おいしいビールをキューッと飲むと「生きてるなあ」と実感します。もうすぐ近所にも地ビールの店がオープンします。楽しみです。(アメリカ生活80日目)

2000-4-23

日本はもう春たけなわといったところでしょうか。こちらは、ところどころで春を感じますがまだまだ寒い日が続いています。なんといってもこちらで買うビールは安いし種類も豊富です。アメリカ自身にもたくさんのブリュワリーがあるのですが、それでいてしっかり輸入ビールも飲めます。私の場合はその時の気分で飲むビールを変えて飲んでいます。(アメリカ生活50日目)

2000-4-16

アメリカで日本のビールを飲む! ちょっと複雑な思い。なつかしさと、こんな味だったかな?っていう思いが交錯。といってもキリンは西海岸のブッシュ社で、アサヒはカナダのモルソン社でそれぞれライセンス生産しています。サッポロは日本からの輸入品です。これら日本のビールがおいしいというアメリカ人も多いようですが、全体からみるとまだマイナーです。アメリカ人の味覚にはちょっと疑問はありますが、ビールに対するものは確かでしょうか・・・(アメリカ生活43日目)

2000-4-2

各社の麦芽100%が出そろったようですね。各社とも共通してさっぱりした味わいを強調しています。全体の嗜好がこってりからすっきりに変わりつつあるのでしょうか。昔から奇妙に思うのは「ビール会社はよくもこんなに横並びが好きだな」ということです。販売価格はどこもいっしょだし、ドライブームにしても、発泡酒の時も必ず同じ様な対応をしています。そろそろ独自性を強調してもいいのではと思いますがいかが

2000-3-25

アメリカ取材は3週間がたちました。来た当初はしっかり味のビールをうまい、うまいと飲んでいましたが、最近ちょっとあっさりめのビールも恋しくなってきたところです。まあ、いろいろなビールが飲める国です。ただアメリカ全体としてはビールの消費は低迷ぎみであり、その中でも中南米からの輸入ビールが増えているとか。そういえば、メキシコの「コロナ・エキストラ」はだいたいどこでも飲めます。

2000-3-12

アメリカ生活は1週間が過ぎました。アメリカン・ビアの取材は順調に進んでいます。 ただ飲んでいるだけと周囲からは言われていますが、この1週間で16銘柄を取材しました。ここでももちろん日本のビールは手に入ります。カナダ産のスーパードライや輸出用の黒ラベルも味わいました。ただ残念なのは日本で今春発売される新製品を味わえないことです。
1997-9-7〜2000-3-3分は
こちら


 Home「とりあえずビール」ホームページへ