この秋のドラマで『氷の世界』と並んで注目しているフジテレビ系列木曜10時『危険な関係』。アラン・ドロンの『太陽がいっぱい』に似た犯罪サスペンスということですが、確かにすり替わりの設定は似ています。でもそれ以上に豊川悦司という役者の魅力がアラン・ドロンと同じくドラマ全てを制しているところが良いですね。
以前豊川が主演した『青い鳥』というドラマは、彼のコスプレのようなドラマでした。田舎の駅員になっても魚市場で働く青年になっても囚人になってすらも豊川は見事に魅力的でした。今回はタクシー運転手という、これまたスタイリッシュとは言い難い冴えない役柄なのですが、彼が演じると妙に立ち居振る舞いも優雅に美しく見えるから大したものです。
あまつさえ今回はスーパーの社長にすり替わるわけですから、バリッとしたスーツにも身を包むことになります。もう女性ファンはメロメロになってしまうことでしょうね。もちろん男の目から見ても、犯罪者を演じる豊川のクールで屈折した表情や演技には見るべきものがあると思います。
ドラマのストーリー自体は脚本が井上由美子だから手堅く進みそうです。ただ誰が悪役なのかさえわからない『氷の世界』と異なり、こちらは最後には豊川演じるタクシー運転手が破滅するのだろうな、という予測はつきますから、ストーリーで引っ張るには難しいものがあります。どこに視聴者を裏切るような仕掛けをほどこすかが勝負でしょうね。
気になった点がひとつ。ドラマのオープンニングは、藤原紀香と稲垣吾郎のベッドシーンから始まりました。今をときめく藤原紀香のかなりのサービスショットです。しかも次週予告を見ていたら、またまた大胆な紀香のサービスショットが出てくるではありませんか。女性ファンを豊川&稲垣で釣っておいて、挙げ句に紀香で男性ファンを掴もうとしているのが見え見えのあざとさです。井上由美子脚本ドラマのくせに何て志の低いことか、とは思いますが、でもやっぱり僕も見てしまいますから効果は高いのでしょうね。
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