全米オープンテニスに優勝し、いま乗りに乗っているウィリアムズ姉妹の妹セレナ。姉ヴィーナスとともに、男子顔負けのパワーテニスで女子テニス界を席巻中です。もともと恵まれている素質に加えて精神面での成長が、最近の活躍の原因でしょう。このまま行けば近い将来にヒンギスやダベンポートを超えてランキング1位になる日も訪れることでしょう。
ただいくら男子顔負けとは言え、本当の男子選手には勝てるはずもないと思っていたら、なんとセレナが男子プロテニスツアー(ATP)に参加したいと言い出したそうです。「女子テニスはもう退屈」というなかなか生意気な理由だそうですが、さすがにATP側は拒否しているとか。ただワイルドカード(主催者推薦枠)での出場を目指してセレナはさらにプッシュしているそうです。
テニスの男子と女子の対決というと、大昔にキング夫人が初老の元男子プロ選手とエキジビションで対決したことはありましたが、現役バリバリの女子選手が男子の公式戦に出るなんて話はさすがに前代未聞です。男子側にしてみれば勝って当たり前、負けたら何を言われるかわからない試合など御免被るというところでしょうが、失うもののないセレナがどこまでやれるのか挑戦してみたいという気持ちはわかります。なによりも話題性は十分ですから、チケットは売れるしテレビ放映もバッチリだしで、主催者側は出したいことでしょうね。そのあたりにセレナのワイルドカード狙いの計算もあると思います。
ただ、男子選手だけではなく女子選手にもソッポを向かれる可能性の高いチャレンジではあります。なにせ「女子テニスは退屈」だなんてセリフはグランドスラムを達成したランキング1位選手にしか言う資格のないセリフでしょう。ヒンギスが聴いたら何ということか。もっとも遺恨試合も含めて、これでますます女子テニス界が活気づくことは間違いないところでしょう。
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