幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 9月7日 ● 秋の新ドラマ展望。

 最近はドラマの視聴率も全体に落ちてきているようです。恐らく原因は各局がドラマ枠を増やして乱立したために、全体に薄まってしまい、似たような企画、脚本、キャストのドラマばかりになったためでしょう。と言うことで、この秋はドラマ枠が2枠減となりました。少しは「濃い」ドラマが増えると良いのですが。

 まず一番の注目はどんどん神通力が落ちていくフジ系の月9。今回は勝負に来ました。『眠れる森』の喜多麗子P、野沢尚脚本で挑む『氷の世界』(主題歌は井上陽水なのかな?)。主演が竹野内豊、松嶋奈々子、脇に内田有紀、金子賢、仲村トオル、中島朋子、及川光博という超豪華キャスト。とどめに内容が保険金殺人事件がテーマのミステリーラブロマンスと言うのですから、もうまんま『眠れる森』の二番煎じです。これで当たらなかったらフジテレビは月9やめた方がいいんじゃないか、という布陣です。もちろん僕もとりあえず見ようかなと思っています。

 次に注目はTBSの金曜2枠。夜9時は反町隆史と鶴田真由のラブストーリー『チープラブ』。キャバクラ嬢のスカウトマンというアウトローな役を反町が演じるということで、もろハマリ役でしょう。さらに夜10時は野島伸司脚本で田村正和、常磐貴子、大沢たかお主演の『美しい人』。こちらもサスペンスタッチのラブストーリーということで、『氷の世界』とがっぷり四つです。脇の役者が見劣りする『美しい人』がどこまで頑張れるかは野島伸司の脚本にかかっているでしょうね。

 注目のラブサスペンスがさらにひとつ。フジ木曜夜10時の『危険な関係』。こちらも脚本に『きらきらひかる』の井上由美子、主演が豊川悦司、藤原紀香、稲垣吾郎という豪華な組み合わせ。個人的な役者の好き嫌いで言えば、これが一番気になります。

 個人的に気になると言えばフジ水曜9時『チーム』。ここは伝統のコメディ枠ですが、今回も『古畑任三郎』の関口静夫Pに『踊る大捜査線』の君塚良一脚本、草なぎ剛、西村雅彦、水野美紀、戸田菜穂というキャストですから安心して見られそうです。

 それにしても今回はサスペンスが目立ちますが(フジ火曜夜9時『OUT』、日テレ水曜夜10時『イリーガル・ラブ』もサスペンスのようです)、クリスマスに照準を合わせたラブストーリーがあまり目立ちません。『チープラブ』と、せいぜいフジ火曜夜10時『砂の上の恋人たち』(長瀬智也、本上まなみ、奥菜恵、萩原聖人)くらいかな。単純なラブストーリーではダメという気分なのでしょうかね。

 で、もっとも視聴率を稼ぎそうなのは、やはり月9でしょうね。以前なら30%は堅いと言ってもいいくらいの布陣ですが、今はドラマ全体に秋風が吹いていますから、果たしてこれでもどこまで数字を伸ばすことができることでしょう。もしもこいつでダメならドラマ枠がもっと減ることだって考えられます。さて、どうなることやら。
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