幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 8月23日 ● もっと夏期休暇を。

 我が社のように決まった夏期休暇というものがない会社では、自分で調整して休みを取ることになります。とは言え、僕のようにさっさと7月に休んでしまう人間は少数派で、やはりお盆に休む人が多いのですが、今年はそのお盆休みが分散しました。14・15日を中心に前半の9〜13日に休む人と、後半の16〜20日に休む人に二分されたたのです。お陰で会社の中にはお盆的空気が2週間にわたって続き、僕はのんびり気分を長期間味わうことができました。

 しかし、休んだとは言え、多くの人は5連休くらいで、ちょっと頑張った人でも9連休がせいぜい。フランス人のように6週間もバカンスを取るなんて人間は当然皆無です。かなり以前から「もっと休もう」と言われている割には、相変わらず休暇の取得率は上がらず、不景気でさして仕事が多いわけでもないのに会社にいるという人が大半です。

 なぜ日本人は休まないのか?どうしたらもっとみんな会社を休みやすくなるのか?僕のようにスキさえあれば会社を休むことを考えているような忠誠心の低い、裏返せば非社畜系人間には興味深いテーマです。22日の朝日新聞でも社説がそれをテーマにしていました。

 その社説の中では「休むことに引け目を感じる」「休まないことが忠誠心のあかし」「妻に家事・育児を任せきりで休む必要がない」などの理由が挙げられていましたが、確かにそういう精神的な問題も大きいでしょう。そしてこれからはそうではない時代が来る、と社説は主張しています。「終身雇用制は崩れ」「時間より成果が評価され」「親の介護」という重い問題も出てきたからだと。

 確かに時代はそういう方向に流れているようですが、それがすなわち休みやすい世の中に結びつくかというと、ちょっと疑問を感じます。終身雇用・年功序列の時代に比べ、上司に成果で評価されることで給料の額が変わるようになるということは、それだけ上司の目の届く範囲で仕事をしてみせなければならないわけです。少々さぼっていても成果が上がらなくても、クビにもならず給料もアップしていく良い時代ではなくなったのです。だったら、いくら成果が上がっていても上司の目の前で良いところを見せなくてはなりません。休んでばかりいる人間に対する上司の覚えは悪いと思いますからね。

 また「親の介護」のために積極的に会社を休む男がどれほどいることでしょう?どちらかと言うと「仕事」を理由にして、なるべく人に辛いことを押しつけるのが人間ではないでしょうか?僕のテニスのように、自分の楽しみのためなら、誰でも努力して仕事を片づけ会社を休んだりもすることでしょうが、介護のためにそこまでの努力するとは思えません。

 結局精神論だけでは、休暇の取得率向上は難しいと思います。それで休むような人間は、僕のようにとっくにもう休んでいます。大半の真面目な日本人の気質からしても、休ませるには制度的に休みを増やすしかないでしょう。規定日数以上休んだ社員には報奨金を、休ませなかった会社には罰金を課すこと、祝日を今の倍以上増やして、せめて隔週で1日くらいは休めるようにすること、できたら「祝週」も年に2回くらい作って強引に一週間休ませること、などのアイデアを法律で決めないと、休むのは無理だと思います。

 もっとも、あまりダンナが家にいると邪魔くさい、なんて言う主婦の声も聞こえてきそうですけどね。そうなったら廃案かな?

 
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