幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 7月8日 ● 本当に「スター・ウォーズ」ファンだったの?

 うちの会社の同僚にもペプシコーラがおまけでくれる「スター・ウォーズ」のボトルキャップを熱心に集めている連中がいます。ペプシを飲みたいからではなく、あくまでもおまけ欲しさにペプシを買っているその姿は、かつて仮面ライダーのカード欲しさにスナック菓子を買って中身を捨てていたあの頃と酷似しています。会社の近くのコンビニではとうとうペプシが品切れを起こしているという話まで聞きました。これは短期的な広告キャンペーンとして考えた場合、大成功と言ってもいい事例でしょう。

 しかし、商品自体が欲しいわけではなく、あくまでも「おまけ」目当てという客に支持されることが、本当に企業にとって幸せなことなのでしょうか?なんだかバブルの時に本業以外の株や不動産などの財テクで利益を上げていた会社みたいに感じる僕は真面目過ぎるのでしょうか?知名度が低い会社が一発当ててやろう、ということならともかく、ペプシほどの大企業なら、単に売れればいい、というものでもないでしょう。あくまでも長期的な視点に立って、企業のブランド力を着実に上げていかないと、結局自転車操業のキャンペーン頼みになってしまうのではないかと思いますけどね。

 ところで今回ペプシを買い漁っている連中、本当にみんな「スター・ウォーズ」ファンなのでしょうか。もちろん違うと思います。大半は突如として起こったブームに乗っているだけのにわかファンですよね。多分シリーズ3作をきちんと見た人間ですら実は半分くらいなんじゃないかと思っています。

 彼らはF1が流行れば鈴鹿に駆けつけ、Jリーグがブームになれば国立で旗を振り、ワインブームと見るやワインバーでうんちくを垂れるような連中です。もちろんiMacも宇多田ヒカルも購入したことでしょう。彼らにとっては流行りものはとにかく「押さえておく」ものであり、イベントは出かけてみるものなのです。自分の好きなことは世間が決めてくれるとすら考えているかも知れません。僕としては決して友達になりたくないタイプです。

 しかし反面、彼らがいてくれないと世の中が活性化しないのもまた事実。特に我々広告会社の人間にとっては、こうしたミーハー層こそがお客様なのです。広告屋が仕掛けたブームに乗って騒いでくれる人々がいるからこそ、我々も商売が成り立っているんですから。それに皮肉や嫌味でなく、こうした人たちは人生を「ケセラセラ」とばかりにラテン人的に楽しんでいるんでしょうね。お得な人生かも。いや、ラテンだけじゃなく日本にもあるか。「同じアホなら踊らにゃ損々」。うーん、徳島って日本のラテンかな?

 
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