幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 7月6日 ● 名古屋は西日本か。

 NTTが分割されてNTTコミュニケーションズとNTT東日本、NTT西日本の3社になりました。僕の住む名古屋地区はNTT西日本の営業地域となって、早速広告なども目にしています。

 ところが、このNTT西日本の広告を見るたびに僕は違和感を感じます。「なんで名古屋が西日本なんだ?」って。もちろん東西の2分割なんですから、経済力のバランス的に名古屋が西日本に入るのは頭では理解できています。しかし、感覚的には「西日本」という言葉が自分たちの住んでいるこの地域を含んでいるとはどうしても納得できないのです。

 東京以北の人には、どうやら名古屋は西日本(というか関西の一部)という認識が多いらしい、というのは時々思います。10年ほど前、知り合いの北関東人に「名古屋?だったら“青梅国際マラソン”って言いにくい?」と聞かれて絶句したことがあります(訳がわからない人は読み飛ばしてください)。こいつの下卑た発想には心底うんざりしましたが、関東・東北地方在住者には名古屋も京都も大阪も「大体あの辺」という意識であまり区別がついていないんだな、ということだけは理解できました。

 しかし、我々名古屋人からすると「西日本」というのは関ヶ原から向こうでしょう、というイメージがあります。名古屋?もちろん「中部日本」もしくは「東海」地区です。中部日本放送、東海テレビ、中日新聞というメディアがあり、JRは「東海」ですし、電力は中部電力、銀行は東海銀行。「西日本」なんかじゃないもんね、というのが大方の名古屋人の意識です。ともすればこれが「名古屋ナショナリズム」と批判されたりもするのですが、言葉にしても食文化にしても名古屋は独自性を貫いていて、決して関西の影響はありますが、関西風に染まってはいません。

 文化的には関西の影響を色濃く受けていながら、顔は東京の方を向いているのが名古屋です。言い換えればシンパシーを関西に感じながらも、東京に憧れている地区だとも言えます。全く埋没してしまうほど小さくはないけれど、では東西と対等にやり合うだけの力もない。だからこそ「西」なのか「東」なのかは判然としないで、自分たちだけの独立自治区(決して独立国ではありません)を作ってしまうのでしょう。

 もっともこの「名古屋」というくくり方も、広告を作っている時にはよく「ちょっと待った!」コールがかかりますけどね。岐阜県や三重県の人はもちろん、名古屋市以外の愛知県民(特に三河地区)も、自分たちは「名古屋」だとは思っていないんじゃないか、という横槍が必ず入ります。正論です。

 結局他人がどう思っていようと、自分の住んでいるところに、愛着やらこだわりやらがあるんだってことですね。

 
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