幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 6月10日 ● 『スジナシ』の怖さと面白さ。

 深夜のテレビ番組を結構見ている僕ですが、名古屋ローカルの深夜番組としては珍しく面白いのがCBCの『スジナシ』。この番組はホストの笑福亭鶴瓶とゲストの俳優が、大ざっぱな設定だけ決めて、あとは全てアドリブで数分間の寸劇をする2人芝居。終わってからもう一度リプレイしながら、お互いが何を考えていたのか、将棋の感想戦のようなことをするというものです。

 例えば6月9日放送の回では柳葉敏郎がゲスト。鶴瓶が花屋の主人で柳葉が客という設定だけ決めて、後は2人が完全にアドリブで芝居を進めます。なにせ相手が何を言い出すかわかりません。お互いにこんな感じで進めようかな、と腹づもりをしていても、いきなり相手が全然違うことを言い出せば、それに合わせて進めるしかないのが辛いところ。

 柳葉は受けに回っては鶴瓶のペースにはまって全然芝居ができないからと、次々と思いついたことを言って強引に進めていきます。合わせる鶴瓶は大変で、とにかく花のことなんかさっぱりわからないのに、やれ旬の花はなんだとか、この花の名前はとか、いろいろ柳葉が質問するものですからタジタジです。挙げ句におぼつかない手つきで花束まで作らされてしまいました。

 基本はあくまでも芝居である以上、アドリブと言えどもプロの役者。きちんと芝居を進めます。しかも頭の中では次にどんな状況になって何を言うか、常に計算しながら動かなければならないのですから、ちょっとやそっとの役者ではできない業です。ある意味、役者としての力を試されてしまう怖い番組だとも言えます。

 来週のゲストは大竹しのぶ。今もっとも脂がのっている希有の天才女優。彼女がどんな芝居を見せてくれるのか実に楽しみです。まあ受ける鶴瓶にしたら大変でしょうけどね。


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