幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 6月5日 ● 新旧女王の対決実現。

 全仏オープンテニス・女子シングルス決勝は、シュテフィ・グラフ対マルチナ・ヒンギスという、テニスファンが待ちに待った新旧女王の対決になりました。。男子シングルスがアガシ以外ビッグネームが全てシードダウンしてしまったため、ますますこの女子シングルス決勝戦への期待が高まります。

 思い出せば1987年、新進気鋭のグラフは、当時圧倒的な強さを誇っていた女王マルチナ・ナブラチロワに挑み、全英・全米の2大タイトル以外は根こそぎ奪い取りました。翌1988年にはグランドスラム4タイトルにソウル五輪での金メダルまで獲得して「ゴールデンスラム」を達成してしまっただけに、あの1987年の2人の攻防が、新旧女王交代の儀式だったのです。

 それに比べてグラフからヒンギスへの女王交代劇は、余りにも物足りないものでした。なにせグラフが故障や父親のスキャンダルなどでテニスに集中できない不在期間に、ヒンギスが直接対決なしにすんなり女王の座についてしまったからです。

 ファンは皆ヒンギスの強さを認めつつも、やはりはっきりした儀式を抜きにしての交代劇には納得いかない感じがしていました。しかし、一時期は引退時期しか話題にならなかったグラフが、着実に復活のステップを歩み、とうとうこの全仏オープンという大舞台での決勝進出。よくぞここまでという思いがします。

 準決勝での2人の戦いぶりを見ていると、あのクレーに強いサンチェスを軽くあしらってしまった新女王ヒンギスの強さが際立っていましたが、グラフだって全盛期に近い切れ味のバックハンドスライスに、回り込んでのフォアハンドの強打を見せて長年のライバルであるセレシュに競り勝ってきました。

 グラフに全盛時の力が蘇っているとしたら、決勝戦はかなり期待できる試合になると思います。かつての女王マルチナに挑んだグラフが、10年以上たってから新しい女王マルチナに挑む。もっとも今のヒンギスのテニスは、とてつもなく戦略レベルが高いですからね、強打だけでどこまで戦えるか、ちょっとグラフ贔屓の僕としては心配ですが。


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