幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 5月18日 ● また平成の名勝負?

 松坂がイチローと初対決して、3三振を奪う力投を見せました。高校生ルーキーが、あのイチローを完全に押さえ込んだわけですから、確かに凄いことだと思います。松坂が久々の大物であることもまず間違いないでしょう。

 しかし、たった1試合の対決だけでいきなり「平成の名勝負」と囃すのもちょっと気が早いと思います。「平成の名勝負」は「10年に1人の大物」と同じくらいスポーツマスコミではよくつかわれるフレーズです。僕の記憶では最初に「平成の名勝負」と言われたのは野茂と清原の対決だったと思います。去年のルーキー対決川上対高橋も同じフレーズがしばしば使われていました。

 逆に「昭和の名勝負」と言えば長嶋対村山、王対江夏なんてあたりが思い浮かびますが、昭和33年のジャイアンツのゴールデンルーキー長嶋対スワローズの大エース金田の対決も4打席4三振と金田の圧勝でしたが、後世に語り継がれるような名勝負でした。

 ただ往々にして初対決は球筋がわからない打者に不利なものです。逆に言えば、慣れてくれば打てるようになるのがプロです。実際、その後の長嶋は金田を打ち込み、結局最後には金田がジャイアンツに移籍したために2人の対決は真の「昭和の名勝負」としては物足りない結果に終わりました。

 今回のイチローも、初対決では松坂の力量を見極めるだけで精一杯だったのかも知れません。しかし、伊達に5年連続首位打者はやっていないでしょう。まだまだ松坂はイチローの敵ではないということを、今後のイチローは見せてくれると思います。

 挙げ句に噂通りイチローが1〜2年後にメジャーリーグへ行ってしまったら、この「平成の名勝負」は、またもやマスコミの先走り人事で終わりかねません。松坂は確かに凄い。それは認めますが、まだプロでの実績がほとんどない松坂とプロ野球史上最高のバッターであるかも知れないイチローを同列に扱うことは、イチローのプライドが傷つくだけではなく、松坂を大きく伸ばすには逆効果なのではないかと思います。


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