幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 5月10日 ● 下手の横好きでもいいじゃん。

 「好きこそものの上手なれ」という諺と「下手の横好き」という諺。相反するようですが、趣味に関してはどちらも真理であるところが人生の深いところです。趣味に対する姿勢というのは、この両者の間のどこかの地点に、みな落ち着いていくものなんでしょう。

 好きなことをただ楽しんで夢中でやっている間に、いつの間にかそれが職業になったり、有名人になってしまうこともあります。職人的専門家やスポーツ選手、例えばモーグルの金メダリスト里谷多英なんて、いかにもそういう匂いがします。

 反面、趣味を楽しく続けるにはいつまでも下手でいることだ、という考え方もあります。下手だからこそ、もっとああしよう、こうしようという工夫もできるし、自分の限界もわからないので夢も広がります。

 昨年以来、我々のテニスサークルも対外試合を続けながら、以前の単なる「仲良しテニス」から「勝つテニス」へとマイナーチェンジに挑んできました。いわば「下手の横好き」サークルから「好きこそものの上手なれ」サークルへと少しずつ転換を図ってきたわけです。

 そしてその集大成として、いつも参加しているミックスダブルス大会に6組もの大選手団(?)を送り込んでチャレンジしました。その結果、昨年末からサークルに参加した若い学生テニス経験者のTくん&N江さんペアが優勝という快挙を達成。幹事としても大選手団を結成した面目を保つことができました。

 しかしこの結果は大いに嬉しい反面、僕には少し苦い思いも残りました。確かに優勝したペアは我々のサークルの大切なメンバーですが、彼らがその実力を養ったのは我々のサークルでではありません。元々上手だった人が、仲間になってくれたからなのです。

 で、昔からのメンバーは今回どうだったのかと言うと、1年近く前の同じ大会の結果と大差はなかったのです。今回の方が少々レベルアップしていたと思いますし、みんな善戦もしましたが、結果が出なかったという意味では変わりはなかったと言っていいでしょう。この結果が少々ショックでした。思わず考えてしまいました。

 これで落胆して「好きこそテニス」の追求を一切やめようというわけではありませんし、もっとハードに練習をしてガシガシの勝負テニスでいこうと思ったわけでもありません。

 ただ、やはりサークルだけでは強化に限界があることはよくわかりました。あくまでもサークルは強化する場所ではなく交流する場所なのです。特に社会人のサークルでは。いくら試合で勝ちたいからと言っても、やはり我々のサークルの基本は「仲良く楽しく」です。それを抜きにしてまで勝負の結果だけを求めるのはポリシーに反します。

 「下手の横好き」でOKです。まず趣味としてテニスを楽しむことが大事なんだなぁと改めて痛感しました。


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