幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 5月2日 ● 環境問題に興味がある?

 ますます厳しい就職戦線。企業各社が軒並み採用人員を減らしているので、大学を出ても就職先がないなんてもはや普通のことになりかかっているようです。かつてのバブル期の内定者囲い込みのための接待攻勢なんて、大学生にとっては今では信じられないような夢物語です。

 ところでその少ない募集枠に何とかもぐり込もうと、学生も必死なのでしょう。最近面接すると「環境問題に興味があります」と答える人がとっても多いのだそうです。僕も数年前に採用試験の面接官をしたことがありますが、すでにその頃ですら、4人に1人はそう答えていたような気がしますが、今では約8割の学生がエコ学生だという話すらあるようです。

 もっともさらに突っ込んで話を聞くと、全然内容に深みがないし、なにより環境問題と志望動機や就職してからやりたいこととの関連づけがきちんとできていないそうで、「なんだ、流行で言っているだけか」というのが見え見えだとか。

 確かに必死になっている学生諸君が、少しでも面接官に好印象を与えようとして、ついついそういう受けの良さそうなことを答えてしまう気持ちもわからなくはないですが、こうなるとかえって逆効果だということに気づくべきですね。

 マニュアル通りにしか答えられない奴、無難にやり過ごすことだけ考えている奴、無個性で面白みのない奴、流行にのっかるだけの底の浅い奴。どう考えたって、そういうネガティブな評価しか貰えないと思います。

 選抜試験というのは落とす人間を選ぶ試験と、選ぶべき人間を見つけだす試験の2種類があります。競争率が2倍に満たないような「落とされないための試験」なら、だいたい無難にこなしておけばパスできるかも知れません。しかし、30人の募集に1000人が応募するような「選ばれるための試験」では、普通に無難にこなしているだけでは最初から選ばれるはずありません。

 自分は選ばれるべき何かを持っていると自負している人は良いでしょう。しかし取り立てて取り柄もなく平凡だな、と自分で自覚しているのなら、なにをセールスポイントにするか、他人とどう差別化を図るかと言った戦略くらいはちゃんと立てておきましょう。もっとも、そんなことがちゃんとできるようなタイプなら、すでに平凡じゃないのかも知れませんが。


とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。
日記猿人という人気ランキングに投票されます。
結構更新の励みにしているので、ひとつよろしく。


前日翌日最新