幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 4月30日 ● 沖縄サミット。

 来年のサミット開催国である日本では、過去東京以外の都市でサミットを開いたことがありませんでした。他国でそういう一穴主義は例がなかったことから、次のサミットを東京以外の都市で、と決めた途端に、各地がこぞって立候補。特に福岡と宮崎、沖縄という九州勢が激しい招致合戦を繰り広げました。で、小渕総理は沖縄県名護市での開催を決定。ただし、蔵相・外相の会議は福岡と宮崎で行うという、いかにも小渕流気配り術も見せています。

 サミットで一番大切なことは警備上の安全と会議場やホテルなどのインフラが整っていることです。すなわち人が少なくて警備しやすい、それでいて空港にそこそこ近くてホテルと国際会議ができる設備があればいいわけで、東京はインフラこそ整っているものの、警備という観点からは決して条件が良いとは言えませんでした。

 単に開催側からみて人が多くて警備しにくいというだけではなく、住んでいる人間にとってもサミットなんて迷惑千万なわけです。東京の都市機能のかなりを麻痺させつつ行うなんていうのは、犠牲が大きすぎます。東京以外のなるべく小さな都市で開催できればそれにこしたことはないと思っていましたから、今回の決定は悪くはないと思います。

 ただインフラの面から考えると、名護よりは福岡や宮崎の方が優っています。それをわかっていながら敢えて沖縄という政治的意味合いが強い土地を選んだ以上、当然来年のサミットで小渕総理は安全保障問題・軍事問題について一歩踏み込んだ議論をしてくれなくては困ります。単なる沖縄に対してのサービスのつもりで名護に決定したと言う浅い認識では、かえって沖縄の人々の怒りを増幅させるだけでしょう。沖縄は、そういう宿命を背負わされてしまった土地なのですから。

 本来サミットはあくまでも経済問題を首脳たちが議論する集まりでした。しかし、近頃はそれを大きく踏み越えてきています。ガイドライン法案も可決されるようですが、そんな状況下で小渕総理は果たして沖縄問題を世界に向けてアピールできるのでしょうか。最終日にどんな宣言が出されるのか、今から注目です。



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