幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 4月29日 ● 練習でできるだけではスキルではない。

 日本サッカー界が誇る知性・加藤久が週刊誌のコラムに次のようなことを書いていました。「スキルとは判断を伴った技術のこと。スキルフルな選手というのは、その場で最も的確な判断ができ、技術的なミスのない選手のことである。」と。

 加藤は先日ファイナリストとなったユース代表の選手たちについて、彼らはこういう意味でのスキルがある選手たちだということを述べているのですが、さすが知性と運動神経を兼ね備えた男は言うことが違います。

 レベルは全然違うとは言え、僕たちがテニスをしていても、この加藤の言葉を実感できる機会がたびたびあります。いくら練習している時にはできるプレーでも、実際の試合でミスなくうまくできるかどうかは全く別物。いわんや、それを的確な判断のもとにプレーしているかどうかとなると、ますます怪しくなります。

 練習しているときはとってもテニスが上手な人がいます。ところが試合になるとなかなか勝てない。僕たちは「あの人はメンタルが弱点だね」なんてついつい言ってしまいます。確かに勝負弱いのは精神的に弱いということも大きいのですが、加藤が言うように「的確な判断を伴った技術」という意味でのスキル不足も大きいのだと思いました。

 野球やゴルフのように間が多くあって、考える時間の多いスポーツでも、「的確な判断」がきちんとできるかどうかが、しばしば勝負を左右します。ましてや瞬間瞬間の判断を連続して行わなければならないサッカーやバスケット、ラグビー、そしてテニスのようなスポーツでは、的確な判断に基づくミスのないプレーが勝利へのカギ。「頭の反射神経」が悪くては決して勝てる選手にはなれないということです。

 考えてみれば、スポーツに限らず人生全般においても同じことが言えてしまいそうですね。なにせ人生というやつもまた常に瞬間瞬間の判断を伴ったプレーを積み重ねて成り立っているのですから。当然、的確でなくミスも多いプレーぶりを続けていると負けっぱなしになることも変わりません。ただ人生の場合、運に恵まれてそれでも何とかなる場合があるのが救いですかね。強いて言えば。



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