幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 4月19日 ● 手段と目的。

 先週末、日頃交流のある他のテニスサークルの幹事さんたちと飲む機会がありました。交流があるとは言え、テニスコート外では付き合いがなかったので、これはこれで新しい話を聞くことができて刺激的な会合でした。

 そこではいろいろ興味深い話があったのですが、ひとつ考えさせられたのが、最近あるサークルに入った新人会員の話。彼は仕事で初めて名古屋に赴任して、そこで人脈を広げたいと異業種交流会のようなつもりでテニスサークルに入ったらしい、ということでした。

 なるほど、確かに社会人テニスサークルと言うのは、いろいろな業種の人がいます。うちのサークルもサラリーマンが大半ですが、それでも業種は電機、商社、証券、通信、生保、広告、銀行などなど実に多岐に渡っています。先日交流試合をしたサークルには大学教授に警察官、牧師さんまで在籍しているとか。

 普通なら顔を合わすことも滅多にないような職種の人間が、特に変な思惑なしに集まることができるのは、学校の同窓会か趣味のサークルくらいなものでしょう。そう言う意味では、人脈を広げたいからサークルに入る、というのもあながち的外れではありません。

 しかし、僕も含めて集まった幹事さんたちの間には、ちょっとした違和感があった、と思います。少なくとも僕にはありました。と言うのも、我々は異業種交流会のつもりでテニスサークルを運営しているわけではないからです。忙しい合間を縫って無報酬で少なからぬ時間と精力を注ぎ込んでいるのは、あくまでもテニスが目的であり、自分がテニスを十分に楽しみたいから、そして同じようにテニスを楽しみたい人たちにその機会を作ってあげたいからです。

 その結果として他の業界の人と知り合えて、なにか新しい刺激を受けることもありますし、もしかしたら何か仕事に役立つこともあるかも知れません。しかしそれはあくまでも余録です。本来の目的はテニスを楽しむ、そして楽しいテニス仲間ができる、これに尽きるわけです。

 そのテニスの楽しみ方に方向性の違いがあるのはわかります。競技志向のバリバリ体育会系なのか、仲間同士でわいわいと楽しめれば良い同好会系かは、その人、そのサークルによって違うでしょう。しかし、本来の目的と手段がひっくり返ってしまっている人とは、ちょっと同じサークルでは遊びにくい気がします。

 もっとも、異業種交流なんてまともな方ですけどね。単なるナンパが目的なんて輩もいくらでもいます。そんな奴のために、ボランティアする気はさすがにありません。もっともそんなことを僕が思っているから、うちのサークルではサークル内恋愛がなかなか発展しないのかも知れませんけどね。

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