幹事クリタのコーカイ日誌2026

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7月28日 ● 東野圭吾この3作。

 東野圭吾が亡くなりました。当代随一の人気売れっ子作家。ミステリー作家と呼ぶには守備範囲が広く、本人も「人間」を書きたいと言っていた通り作風も多彩でした。映像化された作品も数知れずでしたが、僕の個人的な感想を言えば、原作を読んでから映像作品を見ると「ちょっと違う」と思うことが多かったです。逆に映像作品を見てから原作を読むと「もっと深いんだ」と感じることがほとんどだったので、そういう意味ではヒットした映画やドラマであっても、原作を超えていなかったのではないかと思うほど、それぞれの作品のクオリティが高い作家でした。

 最初に読んだ東野作品が何だったのか、実ははっきり覚えていません。「名探偵の掟」だったような気がしますが、その時はあまりピンとこなかったような記憶があります。で、野球好きだったので手に取った「魔球」が先か、映画化されて話題になった「秘密」が先だったか、そこははっきり覚えていないのですが、多分同じ頃にこの2作品を読んで、一気に東野ファンになりました。

 「魔球」は東野圭吾が得意なミステリーと青春小説が合わさった作品で、僕の好みにドンピシャではまりました。それに対して「秘密」は実にせつない話でした。ちょうど僕の長女がまだ5歳くらいの頃で、妻と娘を同時に奪われてしまう男の気持ちがあまりにも哀しくて泣きました。東野はミステリー作家ではなくファンタジーを使った人情派の作家ではないかと感動した作品でした。

 次にはまったのが「浪花少年探偵団」シリーズで、大阪文化をベースにした女性教師と教え子たちのキャラクターが面白くて、こうしたキャラクター作りも巧いんだと改めて東野の技量の高さと幅の広さに舌を巻きました。そしてその延長線上に「ガリレオ」シリーズがありました。テレビドラマも大ヒットして東野作品では抜群に知名度が高いシリーズですが、浪花少年探偵団があってこそのガリレオだったのではないかと個人的には思っています。

 そしてファンタジー人情派作家東野としての最高到達点だと感じたのが「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で、時空を超えるファンタジーとしては先に「時生」があり、これも面白い作品だったのですが、さらにここから進化したのを感じました。本当に手練れだなと感心しました。僕の中で東野作品のベスト3を選べと言われたら、「秘密」「ガリレオ」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」になるのですが、他の作品もどれもクオリティが高く、駄作がほとんどないのが凄いところです。まだまだ新作を期待していたのに残念でなりません。謹んでご冥福をお祈りいたします。



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